――穿界迷宮『YGGDRASILL』、接続枝界『黄泉比良坂』――
――第『壱』階層、『既知』領域――
「生きたい。わたしは生きるんだ。今ここにある怒りはわたしだけのもの。無くしたくない! あんな奴らに負けるもんか!!」
怒りと共に少女は新生した。
ダンジョン探索に乗り出して早々、モンスターよりも先に下級生狩りの上級生と出くわした幸翔は「嫌だなあ」と思った。とても気分が良くなかった。
男たちが寄って集って一人の女を強姦している凄惨な現場。特別強い正義感を持たずとも、外の世界の良識を残したまともな人間ならば誰でも嫌悪し憤慨するだろう。女性の側がそれを受け入れている様に見えないならばなおさら。
心中で嘆息する。変だなあ。
前日に決闘した『
なので拍子抜けしてしまった。
ないとは思いつつ、万が一の【反射】に備えての様子見の弱攻撃。
衝撃属性の利き具合によってそのまま魔法で一気呵成に攻めるか、仲魔を召喚して協同して戦うかを判断する心算だった。それが、効果範囲が広い代わりに威力自体は最下級の【ザン】よりもなお弱い【マハザン】一発、それだけで終わった。
よしんば五人組の全員があのチンピラ男と同程度の強さだったとしても、切り抜けられる自信はあったが、この結果には驚きを通り越して呆れ返った幸翔である。
全滅した上級生だった者たちの痕跡……すら存在しない結末に無常を感じる。
「あっと。そんなつまんないことより!」
もっと重大な事がある。
【サモン:ピクシー】
ズボンのポケットから取り出した
「やっほーサマナー。おねーさんのお出ましだぜぃ」
速やかに約束が守られた事で上機嫌のピクシーが飛び出してくる。
「んで。今回、早々に喚び出してくれたのは、そこに倒れてる女が理由って理解でOK?」
「おっけーだよ」
指し示すのは意識も朦朧にダンジョン玄室の石床に横たわるレイプ被害者。
「おーおー。ひっさーん」
見るに忍びない痛ましい様相だった。それを馬鹿にするでも同情するでもなく、妖精はただ見たままに軽い声色で一言に纏める。あまり興味がないのだろう。
「そうだね」
幸翔はちょっと困った顔で同意する。ままある事だが、こんな時、人間と悪魔の価値観の違いを感じる。
「ボクとしては助けてあげたいと思ってる」
妖精が口にした通り、悲惨を極めた状況にあって、けれども、その意志は今もって折れてはいなかった。
「このお姉さんは『あんな奴らに負けるのは嫌だ、自分は生きたい!』って答えたんだ」
記憶と共に生きて帰るか、死に戻って忘れるか。幸翔の問い掛けに前者で答えた。
本人が立ち向かう意志を持っている。ならば応えてあげたいと幸翔は思った。
「ほーん。生きたいねえ」
幸翔の言葉に、変な事を聞かされたと言いたげな表情をしたピクシーは、少女の周囲を飛び回ってしげしげと眺める。
「でもさ。ぶっちゃけそいつ死人じゃね? あのガクエンオージーだとかいう女と一緒でさ」
死んだ事に気づいていない『屍鬼』の類じゃんとピクシーは指摘する。生者として肝心要な部位が欠落している。
極論、
幸翔を家から引き離した学園OGの天然ダンジョン管理者の事を、ピクシーはあまり良く思っていなかったのもあり、それと同類と見た少女への評点も自然と辛い物になる。
なお、種族それ自体への隔意を持っているわけではない。幸翔が契約している仲魔の中にも屍鬼や悪霊はいて、ちゃんと仲良くやっている。
「そう言わずに。おねがいってば」
「やらないとは言ってないでしょうが」
手を合わせる幸翔と鼻を鳴らして胸を張るピクシー。
「いっそ【サマリカーム】持ちの女神さまにでも任せた方が良いんじゃって気もしなくはないけど」
契約者に頼られて悪い気はしなかった。
澄まし切れていないにやけ顔で請け負うと、ピクシーは彼女が持つ唯一かつ究極の回復系スキルを発動した。
【常世の祈り】
ゲームにおいては、登場する作品にもよるが、概ね『味方チーム全体のHPを完全回復し、戦闘不能を除く全状態異常も回復する』効果を持つ回復系スキルの一つの極致である。
瞬きの
ダンジョンを探索し戦闘をする過程で負った傷。衣服を剥ぎ取られて、素肌で玄室の硬い石床に押し倒された事による打撲傷と擦過傷。膣口と肛門に何回も何回も入り代わり立ち代わりペニスを挿し込まれて出来た裂傷。顔にぶっかけられたザーメンが入って赤く染まった目の充血。喉の奥から食道までを強引にチンポで抉られ、精液混じりの胃液を繰り返し吐いた事で起きていた炎症。
それら全てが尽く回復した。
それはまるで、傷を塞いだと言うよりも、画像編集ソフトでレイヤーを削除した様ですらあった。
加えて、学園に入学する前からの古傷や男子生徒たちから移された性病。ストレスに由来する肌荒れ。なりかけの虫歯。この時点では知る由もないが、その治癒の範囲はフィギュアスケートからの引退を余儀なくした運動障害イップスにまで及んだ。
また全身を汚していた精液も、彼女を害する異物として判定が為されたのか、外から内まですっかりと除去されていた。
「オールクリーン! さっすがあたし」
成果に御満悦の様子で鼻高々、張られた胸は角度を増して、そのままグンと反り返る。勢いあまって頭から真っ逆さまに落ちそうになり、ぐるんぐるんと空中で二回転半。
「ねぇ。なんだかものすっごくビクンビクンしてるんだけど……!」
同時に、ほとんど常人と変わらない低レベル『
幸翔が焦った声を出す。今まさに眼前で異常事態が起きていた。
「ああぁぁぁ……! あつい! あつい! 体が熱い! アソコが疼いてすごく熱いのぉ……!」
白目を剥き、舌を突き出し、アヘ顔を晒して絶叫していた。調子に乗って限界まで胸を反らしたピクシーがかわいく見えるくらいの海老反りを見せる。先刻までとは別ベクトルの大惨事。
ようするに度を越した『発情』である。
「あーね。こいつの『器』がちっこすぎるのが良くない」
妖精は掌を上向けに両手を広げ、お手上げポーズで肩をすくめる。
実際にスキルを使ったピクシーも、やって欲しいとお願いした幸翔も、どちらにとっても予想外の出来事ではあった。
「どうしよう」
「どうしようもなにも。これっきゃないでしょ」
親指と人差し指で作った輪っかに、反対の手の人差し指を抜き差ししながらピクシーは応える。
「一本芯を通してやれば『器』も
「えぇー」
相方がおっぱじめた卑猥なジェスチャーに顔を顰める男の子。
ここで前後不覚になっている女性を襲ったら、それはさっきまで彼女を強姦していた連中と同じになりやしないかと幸翔は思った。
「それはなんかやだ」
「だからって。放っておいても治んないと思うわよ」
「状態異常回復の魔法は」
「アホね。逆効果に決まってるじゃないのよ」
「だよね! ボクも言ってからそう思った」
そもそもの原因が身の丈に合わない過剰な魔力が注入された事にある。
ひそひそと二人が言い合う横では、今も性欲の異常な昂りにのたうち回っている女があった。喘ぐ声も極まって、こひゅーっこひゅーっと喘鳴を発してさえいる。
エロいかエロくないかで言うと、正直ちょっと怖い。
「……うん。抱く! お姉さん。聞こえてますか。これからボクはあなたとエッチします。嫌だと言っても押さえつけて犯します」
宣言すると、幸翔は暴れまわる女の腹に馬乗りに腰を下ろした。
体重をかけ、狂ったように自分の性器を弄くり回しているのを一旦封じる。裸で石床の上を暴れまわられては、折角治療したのにまた怪我をしてしまう。
そして、いやいやっと頭を振る少女の頬をそっと撫でる。
「あっ♥ はっひぃ♥」
極限まで敏感になっている女の肌は、頬に触れる掌の感触をも性的な刺激として受け取り、それを強い快楽に変換した。たちどころに絶頂する。昂る激情に身を任せ、女は幸翔の小さな腕に縋りつくと、再三に頬擦りをして、ひっきりなしにイキまくる。
「まあ。ケダモノ状態の翠ちゃん先生よりかは理性的かな」
そんな事を冗談めかして呟くと、幸翔は自分に縋りつくのをやんわりと振り払った。
「あぁ……!」
「大丈夫。もっと気持ち良くしてあげるから、いい子にしててね」
悲しげに鳴いた女に幸翔は優しく言い聞かせると、その口を自分の唇で塞いだ。
上体を屈めて、睫毛が触れ合う距離から唇を奪った少年は、そのままチュッチュッと小さなキスを繰り返した。
「んんっ」
甘やかで蠱惑的な刺激を受けて、少女の瞳に仄かに理性の色が戻る。
「はれっわたし、なにして……」
「良かった。目を覚ましたんだ」
「あ……さっきの子……聞いてくれた……生きたいかって」
うっすらとだが記憶にある少年。彼のキスで目を覚ますなんて、なんだかお姫様みたいだなんて甘やかな事を少女は想起した。王子様にしては若すぎるけど。
「あり……がとう。君が、助けて、くれたん、だ」
「じゃあ。壊すね」
たどたどしく喋り出した少女に、幸翔はにっこりと笑いかけると、破壊を宣言する。
「はへ? えけっ」
ぼんやりと困惑する彼女の唇に舌を這わせ、甘噛みをする。
ちろちろ、ちゆっちゅっ、はぁむはむ。
うっとりと目を細め、口元を緩めた所へ、不意打ちで舌を差し込んだ。
そのまま上体に伸し掛かって、幸翔は相手と体を密着させて抱きしめる。すると相手も抱きしめ返してくる。見た目には肉付きも薄く、乳房は平坦に思われたが、実際に抱き合うと、その肉体は意外なほど柔らかかった。
そこからは、女が目を白黒させるのも構わず容赦なくベロを吸いたて、互いの舌を絡ませる。一度戻った理性を改めてぶっ壊す。そのためのディープキス。ベロチューはすなわちセックスなのだ。強姦にも等しい蹂躙を幸翔は行った。
「んむぅ、んんっ、ちゅぱっ、むぐぅ……♥」
暴力的な悦楽に少女は翻弄される。快楽の熾火は再び燃え上がり、彼女の身を深奥から焼いた。
それでも肉体はどうにか適応を始める。本能のままに舌を動かして、拙いながらも、能動的に愛撫を受け止める。
「ぷはっ。過剰に回復した結果の発情って事はさ。ゲーム用語で喩えると『オーバーヒール』状態みたいな感じなんだと思うんだよね」
息継ぎの合間に幸翔は自身の考えを述べる。
最大HPの上限を越えてHPが回復している状態。幸翔が知る限り【常世の祈り】にそんな効果はなかったが、一般人に使われたらどうなるのかを描写したシーンもまた存在しない。
「それはハイテンションにもなって、もっともっとって求めちゃうよね。……とと。ごめんね」
それまで口腔内を蹂躙していた雄の舌が、突然ぽっかり失われた事で、耐えがたい寂しさに襲われた雌が、再会を求めて自ら舌を挿し込んでくる。甘えるような、じゃれつくような稚拙ながらも情愛に満ちた幸せな舌技。
幸翔は優しく迎えると、しばらく無言で相手をしてやった。
熱心にお互いの唾液を交換する。
しばらくして、幸翔が唇を離すと唾液の橋が架かった。上体を起こすとツツーっと伸びる。幸翔はそれを指先で絡めとり、ふと思いついて女の口に挿し込む。すると、ペロペロと愛おしそうに女は少年の小さな指を舐め始めた。
「こうやって見ると美人だなあ」
あらためて見れば、線が細く色素の薄い未だ中学生の面影を多分に残した幼げな美少女である。と言っても幸翔からすれば、やはり年上のお姉さんではある。
目をトロンとさせながら、ちゅうちゅうと口を窄めて、頬をくぼませ、一心不乱に自分の人差し指を吸い舐めるお姉さんの姿に幸翔はふむりと考える。
「おちんちんツッコんだら気持ち良さそう」
実行する気はないが、そんな不埒な事を思う。
当初の義務的な気分は薄れて、純粋に目の前の女体を味わいたい欲望が高まる。
「えっと。そうそう。『オーバーヒール』みたいだよねって話をしてたんだ。それならHPを上限に収まるまで減らせば、発情も収まるんじゃないかなって思ったんだよね。なんて。あはは。頭の中にある間は冴えた閃きに感じてたけど、実際に口に出したらピクシーが言ってる話に落ち着いちゃったね」
「だから最初からそう言ってるじゃないのさ」
幸翔が喩えとして持ち出したHPの上限とピクシーが言う『器』と指している物は同じだろう。
「オラっ! 分かったら、さっさとポコチン突っ込んで掘削しろ!」
ゲシゲシと幸翔の肩を蹴っ飛ばして催促する。
「あいたたた」
眼前で始まった妙な漫才に、女は目を丸くする。
「なんだかムードもへったくれもないけど。いいかな。お姉さん」
「……はい。来てください」
ずっと年下の男の子の言葉、少女は一瞬だけ逡巡する様子を見せたが、その場でこくりと頷いた。
半年間の学生生活で、男子に体を求められたら差し出す習慣が出来上がっていたのもあるが、この見知らぬ小さな男の子が自分を助けてくれた事、今も自分の事を考えてくれている事が明らかだったのも大きい。
それに。
「こっちも最初から出来上がってるしね」
そう言って幸翔は股座に手を伸ばすと、大陰唇を八の字を描くように優しく撫でる。
呼応して、女が切なそうに小さく鳴いた。
一時の狂騒こそ去ったが、熱自体は未だ治まる気配を見せず、体はさっきからずっと男の肉棒を求めて訴えていた。
幸翔は腹の上から立ち退くと、お姉さんの体を俯瞰した。
布一枚纏わぬ生まれたままの姿。
小振りだが確かに『有る』と直に確かめた乳房。スポーツの経験があるのか全般的に筋肉質で引き締まった肢体。特に太腿が目立って大きい。
美少女アスリートのしなやかな肉体を好色な視線で観賞する中で、ふいに閃く物があった。
「そのままだと痛いよね。気づくのが遅れちゃってごめんね」
幸翔はブレザーを脱ぐと床に広げた。七五三のスーツほどではないにしろ、どうしても布面積は小さかったが、それでも有ると無いとでは全然違うだろう。
腰砕けになっている彼女を、異能者の怪力で軽々と抱き上げると、背中からその上に下ろした。
「わたしの制服を使ってくれてもよかったのに」
「えへへ。思いつかなかったや」
嘘である。確かに散乱している女子生徒の制服を使う道もあった。だが、それはなんだかとってもダサい気がしたのだ。
女の股を左右に広げた。
産毛を思わせる薄い秘毛に囲われた女性器を視界に収める。
それからズボンを下ろすと、勃起して準備万端のチンポを露出させる。
硬く高く屹立した大人顔負けの雁高のショタ巨根。
「ああ……それが入って来るんだ」
少年は女の腹の上にペニスを載せて見せつけると、魔法で癒されたばかりの赤子のように瑞々しい
臍よりも上に来た逸物に少女はゴクリと唾を飲む。
「
言って腰を前に進める。少女の成熟の途上にある小振りな小陰唇を自身の男性器で押し広げるようにして、幸翔は彼女の胎内に踏み入った。
「あぁ♥」
満ち足りた雌声があがる。
幸翔は女の太腿を掴むと、抉るように腰を叩きこむ。突いて、突いて、戻して、突いて、また戻して、突いて、突く。
これまで未達であった場所まで耕された女は、至福の中で果てた。