ヤンデレヒロインハーレムによって殺されるループ系主人公は自らが生き残る為にヒロインを孕ませる。 作:三流木青二斎
こいつの家系は九重花家の分家だ。
そんで、分家であるハナイノは、その優秀さ故に久遠の付き人として活動しているワケだが…コイツはとんだ性悪者。性格が特にねじ曲がっていて、他人の絶望する様を見る事に幸せを感じる、まあ、いうなれば他人の不幸で飯が美味いと感じる部類だ。
特に、コイツは恵まれた存在である自らのお嬢様、九重花久遠に対して絶望に浮かぶ彼女の顔を拝むのが好きらしく、よくハナイノの言葉で、久遠が顔を曇らせた事は何度もあった。
それでも、久遠がハナイノを付き人として外さないのは、ハナイノから色んな事を教わった恩人である為だ。
久遠自身はそれを言ってないから、ハナイノは自分の行いを許されているとしか思っていない、いや、そもそも、久遠を心の中では馬鹿な主人だと思っているから、愚鈍故に自分のやっている事自体気づいていないと思っている。
性悪女で、最悪な性格をしているが…まあ、コイツの身の上話を聞いた以上は、性格が捻じ曲がるのも仕方が無いと言えるだろう。
九重花家は、本来は分家の一つだった。
旧五行家に数えられていた木を司る家系の血が途絶え、相続が困難とした為に分家の何れかを新たな五行家としたらしく、そのうち、九重花家と花天家は争い合ったそうだ。結果はまあ言うまでも無く、複数ある分家の内、九重花家が圧勝。花天家はそのまま分家及び従属家として下る事になったらしい。
しかし、野心家である花天家の当主は、自らの術式研究の副作用として生んだ祓ヰ師を作る蟲、『臨核蟲』を産んだ。この功績によって、分家の序列の中じゃ、上位としての立ち位置を確立したらしい。
しかし、それらの研究は全て犠牲があっての事。
花天家は人体実験を行っていて、挙句の果てには、自分の娘にすら手を出す始末。
その娘って言うのが、花天禱だ。
蟲を司る家系である花天家。
その当主は自らの娘の体に蟲を植え付けた。そうする事で、彼女の術式によって、より強固な蟲を作る為に。
ハナイノは肉壺。蟲毒の為の生贄に過ぎない。
自分の命が短いからこそ、自暴自棄の様に、投げやりで、絶望を啜る事にしか興味が無くなっていた。
希望など見詰めず、絶望しか見詰めていれば、自分の死を受け入れる事も容易であるとそう思っての事だろう。
「…なんすか、八峡、そんなに、私の顔を見詰めて、もしかして、私の事が好きなんすか?ひひゃひゃ」
自嘲気味に笑うハナイノに対して、俺は真顔で答えてやる。
「あぁ、お前、俺のタイプだからな」
そう言うと、ハナイノは面食らう。
そして視線を泳がせながら、照れていた。
「は、はあ!?八峡、本当に私の事好きなんすか?!ま、ったく、私の事、知ってたらそんなセリフ吐く事なんざ出来ませんよ、本当に、でも、まあ?あんたが私の事を好きなら?想うだけならタダすけどね、想うだけならッ」
恥ずかしさを隠す様に、ハナイノが声を荒げる。
まあ、それが、コイツの可愛い気がある所だな。
絶望を欲しすぎているから、ハナイノは褒められ慣れて無いんだ。
だから、適当な相槌でもハナイノは本当だと信じてる。
度し難い程に騙し易いが、だからこそ愛しいと思える。
「八峡、さま?」
背後から、俺の首に手を添えて、九重花久遠が絶望した表情で顔を出してくる。
あ、やべぇ、久遠が居るの忘れてた、こっちも冗談を冗談で済まさないタイプだ。
下手をすれば俺の首が飛ぶ。
「イヌ丸の事だけど、何勘違いしてんだよ」
とりあえず、俺はタイプの矛先をイヌ丸の方に向ける。
俺のセリフに対して、イヌ丸は涼しげな表情をしながら同意した。
「ん?あぁ、ボクも我が友の事が好きだよ」
流石だイヌ丸、だから服を着ろ。
「へ、はッ…や、八峡、あんた、私に殺されたいんすか?」
一気に絶望しながら、俺を睨んでくるハナイノ。
「そう、ですか…イヌ丸、様、が好き、なのですか…それ、は、そ、れで…」
ホッとした表情をしながら、胸に手を添える久遠。
俺も安堵した。
何とか誤魔化す事が出来たな。
俺は一息吐いて、波乱を止めた自分を褒めてやりたかった。
「まあ、もう少し胸がありゃな」
そう言いながら俺はハナイノの胸を触る。
巫女服の様な着物服を着ているハナイノには、およそ、乳と呼べる様な肉が付いて居なかった。
事情を知ってたら、俺のセリフ、マジでクソだけど、まあ、好感度調整みたいなもんだから、一応やっておく必要がある。
俺に胸を触られたハナイノは、再び顔を赤らめると共に、俺の手首を掴んだ。
「誰が、貧乳すか、誰がァ!」
牙を剥きながら、ハナイノは俺の手を強く押し付ける。
着物の奥には晒しが巻かれているが、悲しい事に、胸と呼べる様な感触は無かった。
「…あぁ、そうだな。俺が悪かった、許せ」
「憐憫すか、憐みすかッ!?女は胸じゃないんすよ!胸じゃッ!」
恥ずかしくて泣いているのか、胸が無くて泣いているのかは知らんが、可哀そうな真似をしちまったな。
「…」
後ろに居た久遠が俺の手を掴むと、誘導する様に自らの胸に手を当ててくる。
久遠とは違って大した弾力だった。厚い布地である着物越しからでも伝わる肉の厚さが、掌に伝わってくる。
「八峡、さま、こちら、の、方が…より、楽しめ、ます」
不貞腐れる様に、久遠が自らの体を差し出してきた。
後門に山脈、前門に絶壁だった。
「こりゃ山脈と絶壁だな」
「どっちがすかッッ!?返答次第であんたの山を壁にしやすよッ!?」
腕を大きく振り上げて、ハナイノが俺の股間を思い切り掴んで来やがる。
「あがッ、がああッ!て、メエッ、男の砲門になんて事しやがるッ!!」
男の大砲はデリケートなんだよッ。弾丸一つでもデコピン一発で暴発しちまうんだぞッ!。
「まあ、落ち着きたまえよ、三人とも」
そう言いながら、俺の肩を掴んで引き寄せるイヌ丸。
久遠とハナイノを引き剥がして、俺は即座に股間に手を当てる。
「我が友もいけない。身体的特徴は、個性だろう?それを貶す様な真似は看過出来ないよ」
痛ェ、が…良い事言うじゃねぇか、イヌ丸、全裸を除けばな。
「あぁ、悪かった、俺が悪かったって…クソ」
俺の弾丸が片方潰れたんじゃないのかと心配しながら、俺は腰を叩く。
「たく…あぁ、痛ェな」
俺は呟きながら教室から出ていく。
「八峡、さま」
久遠が追いかけてこようとするが、寸での所でイヌ丸が止めた。
「悪いが、九重花の御令嬢、我が友は少し、女性には見せられない怪我をした、其処に着いて行くとなれば、男子としての格が落ちる可能性もある、此処は黙って、行かせてあげようじゃないか」
イヌ丸のサポートは単純に有難いが…それを女子に言うな。
なんと言うか、俺でも、少し恥ずかしい事もあるんだからな、イヌ丸。
股間の響きというものは、腹部に突き刺さった、あの時の痛みよりも複雑で、とにかく思考回路が乱れる様な激痛だ。
痛みを紛らわすために俺は、保健室で鎮痛剤を受け取ろうと思っている。
八十枉津学園の保管している治療薬は、他の学校とは違って、取り扱ってはならない違法な薬品すらも取り扱っているから、体によく効く分、副作用が強いものも多いが、まあ、そんな所を気にする様な人間では無いので、薬を求めて歩き出す。
「いてぇ…まだ響いてやがる」
そう言いながら保健室に入って、俺は保健室の棚から海外から輸入した来た薬を適当に手を取った。
英語分かんねぇからなぁ、適当に飲むか、プラスチックの蓋を開けて適量を手に含めると、それを口に放り込んで噛み砕く。
唾液が大量に分泌されて口の中で苦みが広がってくる。
クソまずい。吐き出しそうになる所を我慢して、俺は首を振って、そのまま飲み込んだ。
口の中に、まだ苦みが残っている、保健室の冷蔵庫を開けると、誰かが居れて忘れたのか、チューハイが入っていた。あれだな、酒乱の先生が居れてそのまま忘れた奴か、チューハイを取ると俺はそれを開けて一気に流し込む。
アルコールの鼻が突く様な感覚も、甘ったるいシロップで漬けたかの様なチューハイが、口の中の苦みを消してくれた。
「ふぅ…」
アルコールも相まってか、股間の痛みも引いてきた様子だ。
まったく、酷い目にあったな、ハナイノの奴、後で裏に引き連れて犯してやろうか。
そう、あいつの服をひん剥いて裸になった姿を思い浮かべる。
体は、まあ細めで、あまり肉も脂肪も無い感じだが、中々味わい深い体である事は、確かだった。
ちょろい性格してるからな、豚を煽てたら木に登る様に、簡単に体を許すし。
まあ、そういう関係を続けたら結果的に病んで殺しに来たけどな。
「ごほっ…ごほっ」
俺がチューハイの缶を片手に揺らしながら考えていると、その様に、咳をする声が聞こえてきた。
俺は、その咳のする方に顔を向けると、カーテンが閉められた一人用のベッドがある。
どうやら、すでに、保健室で休んでいる生徒が居たのだろう。
「(今の学校の状況だと…辰喰さんか)」
俺はベッドの中で寝ている人を想定する。
「んっ…くーろん?」
人の気配を感じてか、ベッドで休んでいる人が名前を呼んだ。
俺を呼んでいるワケじゃないが、俺は、カーテンを開いて部屋の中に入る。
其処には、金髪の美女が居た。
金髪で、髪の毛が長くて、学生用のシャツのボタンを全部外して、彼女の枕元には、黒色のブラジャーが置かれている、今、俺の目には、彼女の真っ白な肌に、牛の様にデケぇ乳が見えている。
「あ、…ふふ、やかい」
咳こんでいた辰喰さんは、ゆっくりと自らの胸を隠すが、もう目に焼き付いている。