ヤンデレヒロインハーレムによって殺されるループ系主人公は自らが生き残る為にヒロインを孕ませる。 作:三流木青二斎
辰喰《たつばみ》黒姫《くろひめ》。
嘗て、この世界に龍と呼ばれる生物が存在していた時、龍を殺害した一族が居た。
それによって、龍の血を浴びた者は呪いを受けた、末代まで続く呪い。
龍は高貴であり、傲慢だった。
自分以外の生物は、全て下等。
そんな輩が、自分を殺す事などあり得ない。
だから、龍を殺した人間は、人間では無く、同じ同種、龍であると言う証明として、死後、自らの血を受けたものに龍の力を与えた。
龍の血を受けた、それが龍を喰らうものとなり、その一族は辰喰と呼ばれる様になった。
そして、彼女、辰喰黒姫は龍の呪いを発現させている女性である。
呪いを発現させると、その人間は龍に纏わる存在となる。
辰喰黒姫は、そう言った理由で、龍としての呪いを受けて苦しんでいた。
「大丈夫すか?辰喰さん」
俺は聞くと、辰喰さんは嬉しそうに俺の顔を見ながら頷く。
「ちょっと血反吐、吐いちゃったけど、うん…大丈夫」
血反吐、大丈夫とは言うが、まあそのくらいなら大丈夫の位に入るか。
目から血を流したり、頭から角が生えてきたら、それが最悪な状況になるからな。
「ねえねえ、やかい」
辰喰さんが俺の名前を呼ぶと、ゆっくりと俺の方へと向かい出す。
「女の子の体、見ちゃっていけないんだぁ」
小悪魔の様に、辰喰さんは笑っている。
いま、彼女の胸元を隠すものは何もない。
バカみたいにデカい長乳が四つん這いの状態なのでスライムの様に左右に揺れている。
乳首の先っぽが赤く尖がっていてマジでメス牛みてぇな乳だなと感想を浮かべる。
そのまま俺の方に近付くと、胸を押し付ける様にして、むぎゅりとバカデケェ乳を胸板で抱き留めながら、辰喰さんは俺を強く抱き締めた。
「じゃあ責任取るんで、抱かせて下さいよ」
俺は辰喰さんの誘惑に乗る様に、ニヤケ面で言うと、悪戯っ子の笑みを浮かべていた彼女は、途端に委縮する様に目を細めて恥ずかしそうにしていた。
「うーん…軽薄、軽蔑しちゃう」
なら手を離せば良いのに、辰喰さんは拘束を解いてくれない。
「わたし、以外は…そんな事、言っちゃダメなんだからね?」
とそういってきた。
案外乗り気なのだろう。
辰喰さんは短命だ。自分の命が短い事を知っている。
だからか、息がある内に、自分の遺伝子を後世にでも残そうとしているのだろう。
「…おい」
俺が辰喰さんといちゃついている時。
カーテンの隙間から、こちらを見ている目があった。
俺はその視線に気が付いて、そちらの方に顔を向けると、般若の顔をした男が立っていた。
カーテンを勢い良く、乱雑に引くと、燕尾服、いや、執事服を着た片眼鏡の男が入ってくる。
「あ、くーろん」
辰喰さんが、そいつの愛称を口にした。
辰喰さんの事など、眼中に無いかの様に、その男が手を叩くと共に、術式を発動してきたので、俺は辰喰さんから離れて、男の方に顔を向ける。
「よう、くーちゃん。相変わらずシスコンが激しい様子で」
「誰がくーちゃんだ八峡、貴様、俺の姉さんと何をしようとしていた?」
姉さん、と言う様に。
コイツ、辰喰《たつばみ》蔵人《くらうど》は、辰喰黒姫の弟だった。
蔵人ほどの変態は中々居ないだろう。
何せこいつら実の姉に欲情しているのだ。
表向きは執事としての身の回りの世話をしているが、その本質は自らの姉に手を出したいという欲望に駆られているに過ぎない。
趣向性癖が、実姉だからな。
尤もその情報は俺以外にも実の姉にも知れ渡っている。
だからこそ辰喰さんは蔵人の事を軽蔑している、が、兄弟としての情はあるらしく、兄弟愛というものは存在している。
だから辰喰さんは自らの弟を兄弟として愛していた。
「姉さん、こんな男に裸なんて見せたら駄目だ、視線だけで孕まされてしまう…裸になるのは俺だけの前だけでいい筈だっ」
「うわぁ…」
ほら見たことか。
変態発言を通してくる立つ蔵人に俺は気持ち悪そうな視線を向ける。
辰喰さんは何とも楽しそうに目を細めてはにかんで笑う。
「くーろん、あなたは本当に気持ち悪いわね、姉として恥ずかしいわ」
嬉しそうに言う。
「はぁ…はぁ…ね、姉さん、俺はただ、姉さんの為を思って…はぁ、はぁ
」
罵倒されてるのに興奮している、流石筋金入り、見直してないし見損なってる。
だが、辰喰さんは、嬉しそうに笑っていた。
本当に実の弟に性的に狙われているのであれば、そのような満面な笑みなど浮かべる事なく、気色悪そうな顔をするのだろうが…まったく、兄弟愛の異常性など全く分かったものではなかった。
「そ、それよりも、ほら姉さん、着替えを持ってきたから、早く着替えるといい」
蔵人はそう言ってその腕の中に抱え込んでいた紙バッグの中から衣類を取り出した。
どうやら蔵人は着替えを取りに行っていたらしい、ほぼ半裸な辰喰さんは、それを受け取ろうとする。
「ん、ありがと、くーろ、んんっ」
衣類に触れようとした時。
彼女はその伸ばした手を自らの口元に当てると咳き込んだ。
「ごほっ、ごっッぇ」
咳き込むと彼女の口から血が付着していた。
病弱な辰喰さんは呼吸をしながら、悲しそうに笑った。
「もうすぐ死んじゃうかも、そうなったら蔵人、一人で生きていけるかしら?」
そのような縁起でもないことを言い出す辰喰さんに蔵人は真剣な表情で声を張り上げた。
「馬鹿なことを言わないでくれ姉さん。姉さんが死んだら、俺も一緒に死ぬからな」
そう言って辰喰さんの手を強く握りしめる蔵人。
その行動は性欲ではなく、兄弟愛として動いたかのように見えた。
いや実際そうなのだろう。
俺が何度もループしているからこそ言えることだ。
蔵人は実の姉に欲情する事はあるが、それでも実際に手を出したことはない。
そこが中々に好感が持てる所だった。
「そう…ね、…だったら、もう少し長生きしないと、…おばかさんな、弟を残してはいけないもの」
そう言って小悪魔が悪戯をして小さく微笑むかのように、辰喰さんは笑うのだった。
蔵人は自らの手袋に付着した歯を見ていた。
そしてその子が付着した手袋を自らの鼻に近づけて嗅いでいやがる。
…お前、本当にそういう所だぞ。
薬とアルコールがいい感じに効いてきたので俺は保健室から離れる事にした。
「えー、もう行っちゃうの?やかい」
残念そうに言いながら、体操服に着替えている辰喰さん。
「俺ァこう見えて多忙なもんで、まあ、暇があったら顔を見せますよ」
手を挙げて挨拶をしてその場から離れようとすると、後ろから辰喰さんが抱き締めてくると、そのまま、耳元で囁いてくる。
「じゃあ、くーろんが居ない時に来てくれたら…続きしよ?」
耳元で囁かれる。
蔵人が俺の方を睨んで手を此方に向けてくるので、俺は辰喰さんの方に向けて振り向くと、彼女の下唇に親指を軽く押した。
「口から出すんなら、血じゃなくて喘ぎ声が良いからなぁ…だから早い所、体ァ治して下さいよ、辰喰さん」
それだけ言って、俺は辰喰さんをベッドに押し倒すと共に、そのまま後ろに向けて倒れる。
その直後、ベッドを囲うカーテンに穴が開いた。
「八峡、貴様ァ!姉さんに、触れたか、貴様ァ!!」
「おいおいくーちゃん、興奮すんなよ。趣味も幅広く開拓していこうぜ?何事もトライアンドエラーってワケでよ。まあ取り合えず実姉寝取られの性癖をこじ開けてみろよってうおッ!」
俺が後退すると共に、辰喰蔵人が全力で俺を殺そうとしてくるから、仕方なく俺は全力で逃げる事にした。
脱兎の如く脱走、獅子すら終えぬ必死な疾走、アキレスと亀の様に引き離し、蔵人は歯を噛み締めながらアキレス腱を伸ばして走り出す。
大層な身体能力なこった。
けど、お生憎様な話だ。
もう、今のお前じゃあ、俺を追う事は難しいだろうなぁ。
「八峡ッ…あぁ!?八峡、貴様、なんだその、速度はッ?!」
俺の身体能力に対して疑問を浮かべているらしい。
そりゃそうだろ、今の俺は、他の人間からすれば、昨日今日、そして明日を平凡に生きる八峡義弥さんとしか認識してないからな。
今の俺は、『輪廻蝶』によってループをし続けた周回者。
通常の人間よりも、より多くの経験を積んでんだ。
武器や能力は引き継ぐ事は適わないけどな、それでも、経験は持っていける。
そしてその経験さえあれば、俺は技術を存分に引き出す事が可能になるってワケだ。
だから、蔵人、お前の術式で移動しても、俺の方が早いんだ…あ?
「よもや、この俺が、貴様如きに術式を使う事になるとはな…」
「あ?お前、術式使ってんだろ、なに『俺まだ全力出してねぇから、まだ五割程度だから、俺の本気これからだから』。みたいな言い訳してんだ、おい、くろッ、お?、おい!?くーちゃん?!」
蔵人が術式使用を確認した俺は、とにかく、その場から離れる事で精一杯だった。