ハイスクールハックアンドスラッシュIF 偽りのギルドマスター 作:アイウ
予約設定でミスを間違えて投稿遅れました。
結果として俺達3人は、無事ダンジョンから帰還することができた。
成果としては、アイナさんが1段階目クラスの4レベル。
茜さんが2段階目クラスの6レベル。俺が2段階目クラスの3レベルになった。
俺のレベルが茜さんより低いのは、『
ただ経験値が吸われたということは、セットしていたクラスが成長しているということも考えられる。
あとで時間がある時に確認しておこう。
他には、倒したゴブリンの素材や武器、魔石が大量に手に入った。
普通の生徒達は、嵩張ることや素材の重さ、売った時の報酬が割に合わない等の理由でこんなに集めてくることはない。
原作の叶馬と同様に、茜さんが持つ『
探索の前半はアイナさんにスキルの存在を隠すために魔石以外は泣く泣く放置していたのだが、アイナさんを抱いて面倒を見ると決めたタイミングでスキルを解禁していたのでそこそこの量になった。
ただ新入生がいきなり大金を得れるのはおかしいので、換金するのは一部に制限した。
成果が出た一方、スキルの検証をする時間はあまり取れなかった。
『
アイナさんのレベル上げが第一目標であったため仕方ないが、次回からはそっちも力を入れて行こう。
今回、羅城門の定刻時間で帰還したため、辺りには先輩達のグループが沢山いる。
その人達が、換金のため購買部に向かうため、かなりの時間ロスになってしまうだろう。
自分の意図したタイミングで帰還できるアイテムがあるが、かなり高価で俺達には手がでない。
ここは原作の叶馬パーティー同様、『
さておき換金には時間がかかるし、可愛い二人の女の子が面倒な先輩に絡まれたり目をつけられたりしたら面倒だ。
なので二人を寮に送り届け、茜さんの部屋に放置していた学生手帳を回収してから、購買部へ向かう。
因みにアイナさんは、白鶴荘に住んでいるらしいが、今日はアイナさんの部屋に寝泊りすることになっている。
合計で3万銭、一人当たり一万銭くらいの報酬になれば良いと思っていたが、結果は6万弱になった。
今後は、少なくとも俺が3段階目クラスに到達するまでは自重して行こう。
最悪資金繰りの困ったときは、稼げてない新入生を使って換金させるのもありかもしれない。
それはそれでリスクがあるが、直接自分で動くよりはマシだと思う。
さておき3人でこれだけ稼げていれば、食う物に困ることはない。
少しなら趣向品扱いで高く設定されているスイーツや豪華な料理を購入しても良いくらいだと思う。
そう思考をポジティブ方向に切り替えてから寮へと向かった。
>>>
いつもの調子で女子寮に入っていく。
1週間程度、毎日出入りしていたため、顔を覚えてもらい一人でも入れるようになっていた。
どうも素行に問題ない判定をしてもらえたらしく、むしろ夜の相手をしたいと思う先輩方が沢山いるとのこと。
ただ俺には茜さんに加え、アイナさんがいるのでそんなことをする気はない。
寮の中に入ると共用で使える談話スペースに、ソファーに茜さんとアイナさん、クラスの女子が集まっていた。
「あっ蓮君。お帰り~」
最初に気付いた茜さんに続き、他の生徒も挨拶してくれる。
「ただいま」
「聞いたよ~。ダンジョン攻略上手く行ったって」
茜さんと一緒にいた美咲さんから話を振られる。
「うん。上々な成果だよ。茜さん。アイナさん。一人あたり2万銭になった」
「あ。意外と高く買い取ってくれるんだね」
「うん、嬉しい誤算」
事前に想定し伝えていた額の倍だったため、二人とも嬉しそうだ。
ダンジョン攻略の初心者セットなど購入して、銭が大きく減少した後の収入だから嬉しい気もする。
「そんなに順調ならもうクラスチェンジっていうのできるんじゃない?」
「そうだね。明日『
クラスはもう取得しているのだが、彼女達にはまだ秘密だ。
アイナさんにも事前に口裏を合わせているので、そこからバレることはないだろう。
「前に強くなったら、レベリングに付き合ってくれるって言ってたよね。あれはどうかな」
「もちろん忘れてないよ。ただ俺達がクラスを手にいれるまで待って欲しいかな。もちろん。待たせているのも悪いから、自分達でダンジョンに挑戦するのも反対しないよ」
「うん。考えておく」
その言い方からするとあまり乗り気じゃないようだ。
まぁ、リスクなしで簡単に攻略できる選択肢があるならそっちを選ぶだろう。
レベリング、悪く言えば寄生とも呼ばれる行為で俺達にそんな義務はないが、自分の味方は増やしておくに越したことはない。
簡単に作れる恩は作っておくべきだ。
だから数日程度レベリングに付き合うくらい問題ないと考えている。
そこでふとダイブ前のことを思い出して、アイナさんに話かける。
「アイナさん」
「蓮。ずっと思ってたけどアイナで良い。もう私はあなたの物」
その発言を聞いていた周りの女子が、わーきゃーとはしゃぎだす。
このタイミングで言わなくても良いだろうと思ったが、呼び方の話は茜さんを含め変えるべきか?どういうきっかけで変えるか?とか悩んでいたのでありがたい。
「ありがとう。それじゃあこれからはアイナって呼ぶよ」
「蓮君。私は?」
茜さんがニコニコ笑顔で、聞いてきた。
その表情から揶揄ってる感じがするが、距離を縮める機会だから逃したりはしない。
「茜、で大丈夫かな?」
「もちろんだよ。私もちょっと気になってたけど、指摘する程じゃないと思って放置してたんだ。ちょうど良かったよ」
「初々しいなあんたら。でも茜。この人、付き合って数日で浮気だよ、二股だよ。大丈夫なの~?」
美咲さんが、揶揄うように話を振る。
「大丈夫。むしろ私から他の女の子に声かけて良いって言ってあるから」
「え?そうなの?」
「そうなの。この学園の風紀で考えると性格の良い男の子は貴重だからね。ひとりで囲うより信用できる子を集めて周りを固めた方がいいかなって。そもそもアイナちゃんを誘ったの私だし」
「なるほど、因みにクラスの子で増やす予定はありますか?」
その質問を受けた茜さんが、こちらの方を向いて答えるよう促してくる。
「今日、二人になったばっかりだから、しばらくは様子みしたいなって」
遠まわしにできているかは微妙だが、断っておく。
「少なくとも、しばらくはダメみたいだね」
「それは残念。まぁ気が変わった時、私がまだ独り身だったら声かけてよ」
「うん。了解。さて、そろそろお開きにして夕食に行こうよ。お腹空いた~」
「俺も。ダンジョンで頑張ったからね」
茜さんがそう話を締めくくって、食堂に向かった。
>>>
夕食を食べ終わったら、いつも通り茜さんの部屋へ。
アイナさんもついてきて貰っている。
いつもは茜さんと隣あって座っていたが、今は俺の対面に茜さんとアイナさんに座ってもらっている。
一息ついたところで、先ほど離せなかった話を始める。
「アイナさん。一つ提案なんだけど、明日の午前中の授業はサボらないか?」
「...それはダイブ前に割り込んできた人達のことを考えて?」
「うん。そう。クラスが違うから、絡まれた時に対処ができないからね。対策ができるまではそうした方が良いんじゃないかって」
アイナさんも俺の女にすると決めた以上、他の男に好き勝手されるのは嫌だ。
独占欲というべきか、寝取られ展開とかそういうのは絶対に起こって欲しくないので、
対策はしっかりしておきたいっと考えての提案だ。
「わかった。対策はどんなのがある?」
「一つはパートナー制度かな。パートナーがいる相手は、決闘をしかけて勝たないとアプロ―チできなくなる。ただ同級生なら兎も角、先輩相手を想定すると、まだ俺が弱いから期待しすぎるのも良くないけど気休め程度にはなると思う」
「ちなみに私はもう蓮君とパートナー契約を結んでるよ」
茜さんとは新入生のダンジョンダイブが解禁されるまでの期間で授業をサボり、登録を済ませていた。
「そう。なら私も結ぶ」
判断が早い。
女の子側へのリスクが高く、簡単に決めて良い話ではないので改めて確認しておこう。
「それで二つ目は、アイナさんのクラス内に味方を作ることかな」
「それは...難しいかも」
困ったような顔を浮かべるアイナさん。
その辺、俺や茜さんでは教室での様子が分らないので、今のところは何も言えない。
「じゃあ、俺達がやろうとしているクラスメイトのレベリング作業。これをやってあげてクラスでの立ち位置を作るというのは?」
「良いの?手間じゃない?」
「もちろん良いよ。俺達も同じことをするからお互い様かな。それに良い人がいたら、仲間に加えたいし、候補が多くなる利点もあるさ」
「ありがとう。その方向で」
「OK、それじゃ一先ず俺達が強くならないと行けないな。明日からしばらくの間、毎日ダンジョンダイブするけど良いかな?」
「望むところ」
念のために確認したが、やはりアイナさんの向上心は高いので心配は不要だった。
茜さんの方に目を向けるとコクンと頷いてくれる。
「それじゃあ、ひとまず3段階目クラスを目指して頑張ろう」
「うん」
「おー」
これからの方針を決め、その後、アイナさんと親睦を深めるため色んなことを話たりして過ごした。
>>>
次の日、この日は午前中の授業をサボることになった。
アイナさん一人だけ、休ませるのは可哀想っと考えてのことだ。
幸い授業に関しては、中学レベルの内容でテストの点数で評価もされない。
専門の授業も百聞は一見に如かずというように、聞くより実際にダンジョンで体験して鍛えて言ったほうが良いことが多いと思うので問題ない。
ただ叶馬パーティーの方が気になったので、早朝制服に着替えて一人白鷺寮と学校の間の通学路に向かった。
昨日はあえて原作の流れを早くしようと行動したが結果が気になって少し、寝つきが悪かった。
そんなわけでドキドキしながら、叶馬達が登校するのを待っていると、叶馬パーティーの5人(叶馬、静香、誠一、麻衣、沙姫)が歩いてきた。
「おはよう。叶馬」
「ああ、おはよう」
「誰?知り合い?」
叶馬と挨拶を交わすと、麻衣さんが静香に質問した。
「彼は、蓮さん。叶馬さんと沙姫さんが出会うきっかけを作った人です」
「ああ。昨日、押し付けられたって文句を言ってた人ね」
「それについてはごめんって、実際押しつけたのは事実だから言い返せないや。それで、沙姫さんが上手く馴染めなかったらっと心配して待ってたんだけど、その様子じゃ問題ない感じかな」
「ああ」
「はい。みんな良い人でした」
「姫っちは、わけわからん叶馬を除けば一番強いからな。頼りになるぜ」
「今更返せって言っても遅いよ~」
「上手く行ってるようで良かった。安心したよ。それじゃ、今日はそれを確認しに来ただけだからじゃあね」
そう言ってその場を去ろうとすると、誠一から待ったがかかった。
「お前らは先に行ってくれ。少しこいつと話がしたい」
「!?これはまぎれもないマウント行為」
「静香!、鼻血が」
そんな一幕があったが、叶馬達が学校へ向かい、俺と誠一だけがその場に残った。
誠一の誘導で、人気のないところへ移動してから話が始まった。
「叶馬達から話は聞いたぜ。お前、色々知ってるらしいな」
思いのほか、警戒心むき出しで問い詰めてくる誠一に驚くが、平静と取り繕う。
ひとまず誠一の中で何が引っかかっているかわからないので、簡素に頷く。
「ああ」
「お前、何者だ?」
「随分と抽象的な質問だな...」
誠一の質問にどう答えるか考える。
さっきの様子から原作通り、叶馬との仲直りは終わり、自暴自棄だった心境は改善されているだろう。
だから現状の彼は学園側に対して、面従腹背のスタンスでいるだろう。
俺も何らかの理由で学園に送られてきているが、自分のやりたいようにやっているので似たようなものか。
それならある程度、こちらの事情を明かして協力体勢を気付くのがベストか。
「そうだな、君と同じかな?」
「同じ?お前、俺の何を知っている?」
「学園側の回し者だろ?」
「チッ、それで?目的は?」
「うーん。叶馬に早く強くなってもらいたい。そんなとこかな」
「それでお前に何の利がある?」
「学園にも手に負えない強者が居てくれると色々助かると思ってね。注目を移したり、盤面をひっくり返したりと何かとね。俺としても一生、エラそーに踏ん反り返ってる奴らの言いなりなんてまっぴらごめんだからな」
「お前、叶馬を奴らぶつけるつもりか」
「まさか、叶馬と敵対する気はないよ。この学園上層部の支配体制をひっくり返すだけの力を持っていて信頼できるのは彼だけだ。だから仲良くしたいし協力したいとも思ってる。そういうお前はどうなんだ?」
「何の話だ」
「昨日までいじけた様子だったが、今は凄く活き活きしている。大方、失われたと思って思っていた『
「チッ、何で知ってんだよ。クソッ、後手に回ってるな」
おっと原作情報を出し過ぎてしまい、完全に引かれてしまった。
流れを切り替えるために、ここらで彼が欲しがる情報をあげよう。
「お互い利害は一致してるし、隠したい秘密を知ってるからチクったらチクられる関係だ。いわば一連卓生」
「どっちかつーと、死なばもろともだろ」
「はは。そうだね。ならそうならないようお互い協力しようよ」
「協力ってお前に何ができる?」
「例えばね...確実に露店精霊に合える場所を2か所、知っている」
その言葉で、誠一の表情が変わる。
彼は、妹の病を直すためダンジョンで稀に見つかるアイテムの薬を探している。
その入手方法の一つとして、何でも売っている露店精霊で買えることを知っているはずだから、
この情報は、喉から手が出るほど欲しいのだろう。
なにせ、正攻法でダンジョン探索をしている間に、露店精霊に合うのはかなり低い確率だからだ。
「代わりに教えて欲しいのは、この学園の監視システム、学園側の構成員等知っている情報」
「お前の話が本当である保障は?」
「残念ながら保障はできないな。その代わり1か所を、先に教えるよ。難易度極級レイドクエスト『轟天の石榴山』そのレイドエリアに閉じ込められて移転できなくなった露店精霊がいる」
「ふざけんな。死ぬだろそんなもん」
「そうでもないと思うよ?攻略する必要はない訳だし、叶馬が居ればだがなんとかなるんじゃないか?」
「さっきからお前は、あいつをどんだけ高く買ってんだよ?」
「ともかく危険な事には代わりないが、2か所目にとついても別の危険性がある。モンスターじゃなく学園側の監視が厳しい。その代わりこっちは学園側が極秘情報にしている案件だから信憑性は高い。何せ学園が『
「『
「そそ。さて、この段階で明かせるのはここまだ。さぁ協力するか?お互い不干渉で行くか?どうする?」
「...はぁ、わかった。協力するよ」
差し出された手を握り、握手を交わす。
敵対されなかったことへの安心と、少なくとも表向きは協力関係を結べたことを嬉しく思う。
その後、学園で情報交換するとき情報が学園側に漏れないようにするための手段等、聞きたいことを教えてもらったり、教えて返してから別れた。
単純にこのあと授業があるのと、こんなところで長話していると人の目につく可能性があるため、細かい話は改めてという話になった。
校舎へ向かう誠一と別れ、俺は購買部へ寄ってから茜の部屋へ戻った。
誠一とのやり取りは、及第点と言える程度にはこなせたと思う。
明らかに警戒はされてるが、彼の立場からすれば、どう絡んでいっても警戒されるのは避けられないと思うので仕方ないと思う。
ともあれ、これで学園側への対策を強化できるのは大きい。
今までダンジョンの外だと、仲間との重要な会話をするときは気を這っていたので、その制限を緩和できるだけでも楽になるだろう。
>>>
寮では、午後からのダンジョンダイブに向けた打合せをする。
購買部で購入した地図と『
「既知外領域...難しいから皆、避けるって話だけど、昨日の感じだと問題ない?」
「そうだね。今のところ問題なく倒していけるかな。2階層目だから序盤も序盤だけど」
「蓮君、方針は変えないよね?」
「ああ。基本は既知外領域を進める」
「メリットは?」
「敵は強いが、経験値が多くて素材のドロップ率も高い。他の生徒と遭遇する可能性が低い。だから俺達のスキルを使っているところを隠せる。そんなところかな」
「ハイリターンだね。わかった。異論ない」
アイナも了承してくれたので、このまま3階層を進むことに。
他にも探索時の注意点、持っていく道具等を確認しているとアイナが小さく手を上げる。
「一つ質問、『
聞かれたので原作に振り返って考えてみる。
原作キャラでそのポジションを担っていたのは、夏海と海春の双子姉妹だ。
だが彼女達は例外的で、なぜか双子の片方が使えるスキルをもう片方が共有できるという反則的な特性を持っている。
彼女達の戦闘方法は、片方が得ている『
つまり、『
「正直『
「私...役立たず?」
「そんなことはないよ。『
「本当に?」
「ああ、検証が不十分だから、まだ使えないがダンジョンで本腰を入れて調べて行こうと思う」
「手伝う!」
少し元気な顔でそう提案するアイナに微笑みを浮かべて頷いた。
それから準備を済ませた後、他の生徒の目を避けるために早めに食堂に行って昼食を取ってから羅城門へと向かった。