※この作品はR-18です。

ハイスクールハックアンドスラッシュIF 偽りのギルドマスター   作:アイウ

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12.提案

 現実世界に帰還すると、安堵の溜息が出る。

 茜さんが機転を利かせてくれなかったら、危うく全滅するところだったのだ。

 張り詰めていた緊張が解け、疲労感が湧いてくる。

 「お疲れ様」

 

 「無事、帰ってこれて良かったよ」

 

 「うん、本当に良かった」

 

 「ああ、二人のおかげだ」

 

 そんな会話をしていると、「おい!」っと怒声が響いた。

 そちらを向くと、一緒にダンジョンダイブした男子生徒、倫太郎がこちらに詰め寄ってきた。

 

 「おい。お前、結局死に戻ってんじゃねーか。どういうことだ!」

 

 「どうもしない。お前、最初から裏切る気だっただろ。自業自得だ!」

 

 彼は、転移直後で襲ってきたので、転移する前からどういう行動をするか考えていたはずだ。

 だからダイブ中の記憶が無くなっていても、裏切りの行動をして返り討ちにあったことを示唆すれば、言い返せないだろう。

 だから、こちらが怒鳴り返すと一瞬怯んだ後、気圧されたことを恥ずかしく思ったのか、顔を真っ赤にして言い返してくる。

 

 「お前、自分達だけで生きて帰ったんだな。許さねえ。覚えておけよ」

 

 そう捨て台詞を吐いて去っていく。

 ダンジョンではやり過ぎてしまったと反省し、彼に優しく接するつもりだったのだが、向こうが敵意全開で来るので、そんな気持ちは失せてしまった。

 その姿を眺めていると、肩に手を当てられビクッとする。

 

 「おいおい。いきなり悪目立ちしてんじゃねーか。大丈夫か?」

 

 「不可抗力だよ。誠一君」

 

 「呼び捨てでいいぜ。俺もそう呼ぶから。それで、何があった?」

 

 話しかけたのは原作主要キャラの誠一。

 午前中に話しかけられた時は警戒心むき出しだったが、今は大分フレンドリーだった。

 状況的に、彼もダンジョンから帰還した後なのだろう。

 彼の後ろには叶馬達、パーティーメンバーの4人がいた。

 

 「パーティーに誘った女の子に、執着してる男子グループが居てね。彼はその内の一人」

 

 「面倒なことになっちゃって。入学早々、二人も女の子引きつれてるのが原因じゃないのか?つかハーレム願望とかあんの?」

 

 「別にない...と言い切れないこともない。ただそれが原因なら叶馬にも当てはまるだろう」

 

 「だれがコイツに喧嘩を売るんだ。どんだけおかしいかなんて一目見りゃわかんだろ」

 

 「どういう意味だ」

 

 ドンと強めに背中を叩かれた誠一がせき込む。

 

 「ケホッ、ケホッ、悪ぃ、冗談だって。もうちょっと加減してくれ」

 

 「まぁ、叶馬くらい強者の風格があれば新入生で歯向かってくる奴はいないだろうね」

 

 「むっ」

 

 「...そうだ。それなら俺達と組めよ。ちょうど俺達もパーティーメンバー集めてるところだし」

 

 「良いですね。蓮さんには借りを返したいですし」

 

 「うむ」

  

 誠一の発言に沙姫が追従し、叶馬が頷く。

彼らにとって俺は、沙姫を強引に押し付けた人になるので、邪見にされても仕方がないと思う。

 でも態度から好意的に捉えてくれているようで安心した。

 

 「虎の威を借りるってことか、確かに良い案だ。だけど...」

 

 だが原作ストーリーに沿うためにも、彼のパーティーの枠を埋めるのはまずい。

 一方で俺の行動により、彼らへどういう変化をもたらしたのか?を近くで観察できるメリットがある。

 それに彼らというか叶馬がいれば、変な連中に追い詰められる可能性がかなり減る。 

 加えて『超越個体』が出てきても叶馬なら倒せるだろうし、俺らのパーティーにいない斥候役がいるのでダンジョン攻略の安定感がグッと増すだろう。

 リスクに対してメリットが多く思えたので折衷案を提案してみることに。

 

 「臨時で組むということで良ければ、お願いしたい」

 

 「臨時?別にかまわねぇけど、何かあるのか?」

 

 「色々事情があってね。例えばクラスメイトのレベリングを手伝う予定がある。それのためにパーティーに参加できない時があるし、こっちの都合で君達パーティーのダイブを邪魔したくない。だから臨時にしてお互い都合が良いときに一緒に挑むのであれば喜んで参加する。いやむしろ参加させて欲しい」

 

 この方法であれば、叶馬のパーティーの枠、倶楽部の枠を埋めずに、適度に距離を保ったまま協力ができる。

 

 「クラスメイトのレベリングなんて、面倒なことしてるのな。まぁいいや、それで良い。いいよな?」

 

 誠一が叶馬に確認を取り了承を取る。

 

 「うむ。歓迎する」

 

 俺は後ろを向き、茜とアイナさんの様子を見ると、二人は頷いてくれる。

 勝手に決めてしまったが、不満がないようで良かった。

 

 早速、明日の探索で一緒に挑むことになった。

 そのための事前打合せを兼ねて、向こうの反省会に混ぜてもらうことになる。

 誠一の案内で、移動して腰を据えてじっくりと話し合いをすることになった。

 

 「じゃあ、俺達のパーティーだが、俺が『文官(オフィサー)』をやれる、こっちの子、茜が『魔術士(ウィザード)』で、こっちのアイナが『癒し手(ヒーラ―)』だ」

 

 「『癒し手(ヒーラ―)』...マジか。組んで正解だったぜ」

 

 誠一にとっては、妹を治す手段の一つとして『癒し手ヒーラー』を探しているはずなので興味が湧く情報だろう。

 あからさまに目つきは変わり、その視線を受けたアイナが俺の背中に身を寄せる。

 

 「この子も俺の大事な人だ。手を出さないでくれよ」

 

 「違うわ。いや、すまん。求めていたクラスの子が入ってくれてつい興奮しちまった」

 

 「誠一引かれてんじゃん。興奮し過ぎだって、マジ早漏」

 

 「早漏じゃねーし。デカい声でそういうこと言うんじゃねえ」 

 

 誠一のパートナーである麻衣が、拗ねたように誠一を非難する。

 

 「因みになんだが、その子は死に戻りの経験は」

 

 「残念ながら、初ダイブで生還できていない」

 

 「そっか...そう上手くは行かねーか」

 

 誠一の目的を達成するには、ダンジョンの外でもスキルを使える必要がある。

 そのためには『魂魄結晶(ソルデバイス)』が必要であるため、死に戻りで失われてることを残念に思っているのだろう。

 誠一が残念そうな顔を見せたのは一瞬で、すぐに切り替えいつもの表情になる。

 

 「でも希望はある」

 

 「希望?」

 

 「ああ、『魂魄結晶(ソルデバイス)』を復活させる方法だ」

 

 「はぁ?!、そんなの聞いたことねーぞ」

 

 その方法は、原作で叶馬達が偶然発見したもので、学園側が秘匿している情報等ではない。

 だから誠一が知らないのは当然で、重要な情報だからこそ興味を引くのはわかる。

 

 「かなり難しいがレイドクエストを攻略した時、特殊な経験値が与えられる。その経験値が貯まれば現実世界でもスキルを発動できるようになった事例がある。その間もちろん死に戻りはだめだ。それに細かくいうとダンジョン外でもSPを使えるようにする方法で『魂魄結晶(ソルデバイス)』が再生するのか、新しく生成されるのかわからない」

 

 この情報は、本来なら彼らが見つける方法なので、俺の成果ではない。

 だからもったいぶらず教えることにした。

 

 「その情報の出どころは?、信憑性は確かか?」

 

 「残念ながら、確証はないし証明はできない。でも俺はその情報に賭けて、できる範囲でレイド攻略にも手を出す予定だ。アイナを、大事な仲間の分は何とかしてあげたいから」

 

 「気持ちはわかるが、レイドってのが条件厳しいぜ。簡単な難易度は見つけた奴らが攻略するし、そいつらが攻略できなくても、学園の上位倶楽部の連中が狙っていて取り合いになるのは確実。上位の倶楽部でも攻略できないレイドだけが、自由に挑めるレイドになる。だから必然的に自分達でレイドを見つけるしかないが、遭遇率はかなり低いはずだ。ちなみにどのくらいの数、レイド攻略が必要なんだ?」

 

 誠一が冷静にそう分析した後、そう質問する。

 

 「極級レイド2~3つ分といわれている」

 

 「無理だろそんなの。挑んだところで逆に死に戻りして『魂魄結晶(ソルデバイス)』を失うのが関の山だ」

 

 極級のレイドは、攻略不可能級とされるか、内容によっては上位倶楽部が犠牲を払ってなんとか攻略できる可能性があるっといった難易度だったと思う。

 だから誠一の反応も妥当だろう

 

 「難しいのは分かっている。何より先輩達、上位倶楽部メンバーからしたら今の俺達なんて赤子も同然だ。彼らが諦めるレイドなんて、どう足掻いたって攻略できない。でも未来は違う。幸い『露店精霊』から特殊なスキルを貰ったからアドバンテージがある」

 

 「それって叶馬の『情報閲覧(インターフェース)』とか『空間収納(アイテムボックス)』のことか?」

 

 「え?叶馬君のチートスキル、蓮君も使えるの?」

 

 驚きのあまり麻衣が質問を入れてくる。

 俺も隠さず肯定し、補足を入れる。

 

 「『情報閲覧(インターフェース)』は俺が、『空間収納(アイテムボックス)』は茜が使える」

 

 「凄いじゃん。誘って大正解だったね」

 

 「マジかよ。ああ。協力者になってくれて助かるぜ」

 

 「まぁ、どっちのスキルも叶馬と被るから利点はグッと減るけどね」

 

 情報が見れるスキルと、無限に物資を保管できるスキル。

 持ってたら得なのは変わりないが。どっちも複数人使えたところで二人目がいる旨味は少ない。

 

 「無茶はできないが仲間のためにできる限りのことはしてあげたいと思う。だから例えば新しくレイドゲートを見つけた時は、お互い教えあって一緒に攻略するとか、そういう協力ができたら嬉しい」

 

 「それもそうだな。分かった協力する。普通にレイド攻略の旨味もあるっていうし、俺達も必要になる時が来るかもしれないからな。さて次はこっちの情報開示だ、俺が『忍者』で、こっちの麻衣が『魔術士(ウィザード)』、姫っちが『剣士』で、静香が『巫女』、最後に叶馬が、えっと、なんだっけ?」

 

 「...見習いだ」

 

 叶馬がそう言いうが、見習いというクラスはない。

 原作通り、叶馬の謎クラスへのコンプレックスでクラス名をぼかして答えてくる。

 実際はGRクラスの『雷神見習い(ライジングサン)』のはずだ。

 

 俺の『情報閲覧(インターフェース)』では叶馬のステータスだけは文字化けしており認識できない。

 おそらく格上と判定されているのだろう。

 ただ原作と同じ誤魔化し方をしているから間違いないだろう。

 

 ここで指摘することもできるが、叶馬から俺のクラスが見える可能性があり、俺のクラス表記がおかしいことに気付かれており、こちらの情報と説明の食い違いも指摘される可能性がある。

 まぁ、彼らに対しては俺のステータスがバレても良いと考えているので問題はないが、ここで話を脱線させると時間のロスになるだけだと思って黙っておいた。

 

 「まぁ、よくわからんクラスだが、こいつは前衛でタンクとアタッカーの役割はこなせる。少なくともわけわかんねーくらい強いことは保証できる」

 

 「OK。叶馬がヤバいくらい強いのは、対面してれば伝わってくるから期待してるよ」

 

 「若干後衛が多そうだが、全員普段の役割のまま行けそうだな。次に攻略する座標だがどうする? 俺達は『文官(オフィサー)』が居ないから何処かわからず探索してるんだが」

 

 「それじゃ、そっちが探索している座標で良いよ。俺が行けば座標を調べられるから、把握した上で2回目からまた話合えば良いんじゃないかな」

 

 「そうしてくれると助かるぜ。最後に待ち合わせ場所だがどうする?羅城門だとさっきの奴に絡まれるかもしれないから、他の場所で合流してから向かう方が良いと思うが」

 

 「ありがとう。助かるよ。それじゃあそっちの教室に向かうよ。丙組だったよね?」

 

 「合ってるぜ。わかった。じゃあ、授業後待ってるよ」

 

 無事、明日の段取りの打合せが終わった。

 主に俺と誠一で話し合っていたが、向こうの中心人物である叶馬は話し合いに不向きで、話を聞き流してよそ事を考えていたり、誠一がおかしい奴だから仕方ないと独自の解釈して納得するので、今後も誠一と情報共有をした方がいいだろう。

 その後も、保留にしていた学園側の監視網についての話を誠一から聞いたり、食事を取りながら会話を重ねて親睦を深めてから解散になった。

 

 ▼▼▼

 

 叶馬パーティーと別れ、購買部へと向かう。

 昨日、換金した分はまだ残っているが、ある目的のために纏まった額が欲しかったので急遽向かった。

 換金した分は9万銭。

 これでも昨日分の収集品の換金で貰った額で、今日の成果は丸々温存してある。

 何事もなく、換金を終えたので『海燕荘』へと帰っていった。

 

 寮に入り、茜の部屋を通り過ぎてとある女子生徒の部屋をノックする。

 返事があり、どうぞと返事があったのでドアを開けて中に入る。

 

 「やっほー。蓮君」

 

 「こんばんは美咲さん。遅い時間帯にごめんね。あと恵さんと文乃さんも」

 

 「こんばんは」

 

 「こん、ばんわ」

 

 中にいた女子生徒3人に挨拶をして、本題を切り出す。

 

 「ちょっと、日頃迷惑をかけてるからお礼をと思ってね」

 

 お礼というのは、俺が入り浸っている茜の部屋のもう一人の住人の美咲さんがこの部屋に身を寄せて3人で寝泊りしている状況になってしまっている。

 部屋を開けようかっと提案してくれた美咲さんの、″何とかするから大丈夫″という言葉に甘えて何もしなかったのだが、先日2人部屋に3人で寝ていると知ったので、お詫びとお礼をしに来たのだ。

 

 「お礼、期待していいのかなぁ?」

 

 「別に気にしなくていいよ、就学旅行みたいで楽しいしね」

 

 「はっ、はい!」

 

 一人、緊張している様子ではあるが、3人の仲が良いようで言葉通り不満を抱いているようには見えなかった。 それでも、甘えてばかりではいけない。

 だから少しでも恩返しをしたいと考えてここに来た。

 

 「ありがとう。正直めっちゃありがたい」

 

 現状、茜に加えてアイナもいるのだ。

 3人だけで居られる部屋があるのは凄く助かっている。

 

 「感謝を気持ちとして受け取って欲しい」

 

 そう学生手帳を取り出し、美咲さんにも学生手帳を翳すようお願いする。

 電子端末の機能を使って、銭を美咲へ送金して額を見彼女は驚きの声を上げる。

 

 「3万もいいの?」

 

 「もちろん。さぁ恵さんと文乃さんも」

 

 二人もと戸惑いながらも学生手帳を取り出した。

 

 「もちろん。最初に宣言した。俺達が強くなった時のレベリングを手伝うという約束が無くなるわけじゃない。それはそれでちゃんとやるから安心して」

 

 「そっちは心配してなかったけど、羽振りがいいね。旦那」

 

 「ああ、ちゃんと稼げてるって証明すれば、俺の言葉の信憑性も上がるだろ?今日は運が良かったのもあるが、そろそろランクアップできるんじゃないかと思うし」

 

 「早っ、クラスの他の男子とか、まだまともにゴブリン倒せないって聞くのに凄いね」

 

 「ああ。何なら換金証明書があるぞ。これ証拠」

 

 そう言って換金時のレシートを渡す。

 

 「ほんとだ。本当に9万銭稼いでるよこの人」

 

 「でもゴブリンばっかりですね」

 

 「低階層に出てくるのはゴブリンばっかりだから仕方ない」

 

 「ねえ?これだけゴブリン倒したってことはあれは出た?」

 

 「あれって?」

 

 「ラブポ。ゴブリンからのドロップって聞くと使いずらいけど、効果は本物って聞くよ~」

 

 ラブポーション、媚薬と言い換えてもいいが、ゴブリンやオーク等のセックスモンスターを倒した時にドロップするアイテムだ。

 実際ドロップして、茜のアイテムボックスの中に保管してある。

 俺もドロップしたモンスターのことを考えると、生理的に嫌な気持ちになるため、使いたいとは思わない。

 

 「俺は普通でいいかな。ダンジョンで戦ってるだけで興奮してくるから薬に頼る必要はないと思う。

さて、そろそろごめん。茜達を待たせてるから帰るね」

 

 「りょーかい。茜によろしく~」

 

 ▼▼▼

 

 「ただいま」

 

 茜の部屋に行くと、先に帰っていた二人は一緒のベットに座っていた。

 じゃれ合っていたようで、茜がアイナをベットに押し倒し倒している様子で、俺が入ると慌てて姿勢を正していた。

 

 「お帰りなさい。蓮君」

 

 「蓮、おかえり」

 

 茜の本心を知っているし、アイナも心なしか嬉しそうに見えたのでツッコミは入れないことにする。

 

 「美咲さんにお礼をしてきた。事前に話したけど、今日の換金分は全部そっちで使わせてもらったから我慢して欲しい」

 

 「大丈夫、昨日の取り分も使い切れてない」

 

 「そうだね。食事くらいしか使う場面がないからね」

 

 「確かに。でも上位の寮に移ったり、装備を揃えたりすると一気に飛んでいくらしい。だから無駄遣いは注意かな」

 

 「うん。わかった。注意する」

 

 「たしか上位の寮には実績が必要でしたよね?」

 

 「うん。玄武荘、青龍荘、白虎荘、朱雀荘のどれかに入るならBランク。最上位の麒麟荘はAランクの倶楽部に入ってないと入寮できないらしいね」

 

 「蓮君は、倶楽部をどうするか考えていますか?」

 

 「とある倶楽部に入れてもらおうと思っている」

 

 「新しく立ち上げるわけじゃないんだ」

 

 アイナの声から少しが落ち込んでいるように思えた。

 

 「アイナは、自分達の倶楽部を作りたいか?」

 

 「理想はそうだった。浪漫があるから。でも蓮の方針を変えさせるほどのものじゃない、だから気にしないで」 

 

 「そっか。悪いけど少なくとも年度内は上位倶楽部の中に在籍する形を考えている。それ以降は俺達と今後加わる仲間の戦力次第かな?」

 

 「さっきの叶馬さん達のパーティーに入るのはどうでしょうか?人数制限があるとしても姉妹倶楽部を作るとか色々対策はあると思いますが」

 

 たしかにこれから先で加入する彼らの仲間が、同じ倶楽部でないといけない縛りはない。

 友好があるなら、倶楽部の枠を無視して一緒に行動すれば良いだけなのだ。

 学園側が倶楽部の仲間として認めないだけで、倶楽部の特典を受けられないくらいの差しかない。

 叶馬達は、最終的にエントリー寮の麻鷺荘で住むし、部室や工房等の設備も麻鷺荘に作ってしまうため、

倶楽部ランクの特典を全く活かしてなかったから、なおさら影響ない可能性が高い。

 ただ逆を言えば、倶楽部の枠を無視して一緒に行動すれば良いだけだから、同じ倶楽部に入る必要がないのだ。

 

 「ごめんけど、それはダメだ。彼らとは協力体勢を取りたいが、近づき過ぎると不味い。だから時々ダンジョンに一緒に挑むくらいの関係性が好ましいかかな」

 

 「了解。蓮君が彼らと話していて楽しそうだったからどうかなって思ってね」

 

 指摘されると少し気恥ずかしくなってくる。

 無意識的に、テンションが上がっていたということだろう。

 正直、転生前に好きだった作品のキャラと行動ができる。

 彼らの役に立てるとなと思って嬉しくなっていたのは自覚がある。

 

 「あと沙姫ちゃん良い子だったから少し残念」

 

 茜がそう言葉を付け足した。

 どうやら沙姫のこと、隙あればと狙っていたようだ。

 

 「彼女は叶馬のものだから、手を出しちゃだめだよ」

 

 「わかってるよ~。私も彼と敵対はしたくないかな」

 

 「うん。彼こそ真の特別」

 

 二人から見ても叶馬の特異性は分かったようだ。

 

 「色々、勝手に決めてしまってごめん」

 

 「本当に気にしなくていいよ。叶馬君を除いても他の子達も頼りになりそうだったらし、私から見てもメリットが大きいように思えたもん」

 

 「うん。優秀な仲間は多い方が良い」

 

 「ありがとう二人とも。そう思ってもらえると俺も嬉しいよ」

 

 叶馬パーティーとの共闘。

 そう考えると明日のダンジョンダイブが楽しみでワクワクしてくる。

 実際の彼らがどれだけの強さを持つのか?

 今の俺の力を、彼らがどう評価するのか?

 この共闘メンバーの中で、どう活躍するのか?

 考える程、興奮して寝れそうにない気がする。

 

 このままだと寝れないかもしれないから思考をエロスの方向へ誘導することにする。

 彼女である二人をベットに押し倒して愛撫を始めるのだった。

 

 

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