ハイスクールハックアンドスラッシュIF 偽りのギルドマスター 作:アイウ
また感想コメントもありがとうございます。
ご指摘いただいたルビの書き方や、誤字の修正を1~7話で行いました。
「蓮君?、あの沙姫って女の子は何なの?」
寮に帰ってきてから早々威圧的なクラス女子達に促され、正座させられていた。
そして開口一番に告げられたのがその言葉だった。
「待ってくれ。俺はただ彼女が辛そうにしてたから話を聞いただけだ」
「本当に~?あの子めっちゃスタイルが良かったよね」
「本当だ!やましいことは何もない。その証拠に隠してないだろ」
普通に考えて、浮気とかならわざわざバレるような場所に連れてこない。という意図で主張する。
「でもさ、彼女の茜を放っておいて他のクラスの女子に気を遣うっていうのもおかしな話じゃない?
彼氏なんでしょ?」
それに関しても海燕荘に帰って来てから翌朝の登校まで一緒にいるから十分な気もする。
だがそれは俺の主観で、大事なのは茜さんの気持ちだ。
彼女が、もっと俺と一緒にいたいと思っているのなら改善しないといけないだろう。
「...たしかに、そこは俺の配慮が足りなかった。ごめん。明日から気を付けるよ」
俺が謝るが、女子の集団はまだ不満がある様子。
茜さんはあまり怒っているようには見えないが、取り巻きの子が中々許してくれない。
彼女達からすれば、ひどい女子の扱い方を容認すれば、それが他の男子にも影響してそういう扱い方が基準になっていくことを避けたいのだろう。
純粋に茜さんのために、というのあるかもだが。
張り詰める空気の中、俺をこの状況から救ってくれたのは、当の本人である茜さんだった。
「皆、そのくらいにして。蓮君にも事情があると思うし、後は私と蓮君で話すから」
「茜がそう言うなら...分かった」
「うん。皆、私のためにありがとね。蓮君、行こっか」
茜さんに、促され彼女の部屋へと入っていく。
彼女の表情を見ると笑顔だったが、それが本心から来るものなのか?取り繕ってる上辺だけのものか?
俺には判断がつかない。
ドキドキしながら、いつものように隣あってベットに座ると、彼女が切り出した。
「沙姫ちゃんだっけ? 可愛い子だったね」
「うん、まぁそうだね」
どういう反応が正しいか分らず、曖昧な答え方をしてしまう。
「ふふ、身構えなくて大丈夫だよ。怒ってはいないから」
その声色は、嘘に見えず本心を話しているように見える。
安心できたので緊張が少し緩む。
「誤解されてないようで良かったよ。茜さんと関係が悪くなるのは嫌だから」
「うん。私も蓮君と一緒に居たい。...だからね無理に束縛する気はないよ」
?!
この言葉、もしかしなくても信用されてないな。
「いや、ちょっと待って。隠してるとかそんなんじゃ無くて本当に沙姫さんとは何もないんだって」
「そっ、そうだよね。ごめんね」
すぐに謝ってくれてるが、茜さんの表情が暗くなり落ち込ませてしまった。
俺を疑ったことを悔やんでいるのだろうか?
俺は彼女を元気づけるようにフォローする。
「茜さんは何も悪くないよ。それに俺も彼女を放置して何やってたの?って話だし。ごめん」
「うん。私の方も大丈夫だよ。それで蓮君は何をしてたの?」
「簡単に言うと、主要キャラ同士の出会いを早めたってところだね」
「主要キャラ...なるほど。前言ってた未来のための行動ってことだよね?」
茜さんはそのキーワードだけで、今まで教えた情報を繋ぎ合わせ察してくれたようだ。
話が早くて助かる。
「そう。だから彼女とパートナーになる予定の男子を引き合わせたんだ」
「上手く行ったの?」
「それは明日にならないとわからないかな」
「そうなんだ。ちなみに一緒にいたもう一人の男の子について聞いても良いかな?」
先の未来で重要な人物と言われたら、相手が男でも気になるだろう。
茜さんの問に、少し考えてから話始める。
「もちろん。彼の名前は叶馬。背が高くて鍛えてるからガタイも良い。それに異様な気配を放っていて、正直かなり怖い。茜さんも見れば直ぐに分かると思う。でも根は良い奴で、強いのにそれで威張ったりもしないし、手が届く範囲なら人助けもするし、頼めば協力もしてくれたりする善人だ。そして何より彼はこの学園で最強になる。それも半年もしない内に」
「凄い人なんだね。...でもそれなら彼とパーティーを組んだ方が良いんじゃないかな?」
「たしかに、俺達の安全を考えると一緒に行動した方が良いね。でもダメなんだ。ダンジョンや倶楽部の仕組みから人数制限がかかるから、俺達でその枠を埋めたくないんだ」
「そっか、本来仲間になる人が入れなくなっちゃうもんね」
「そう。それに俺達が入ることにより、得られる経験値や精神面で成長する機会を奪ってしまうかもしれない。とはいえ彼らが強くなる手助けはしたいから積極的に協力はするつもりだけど、近づき過ぎず見守れる距離感で居たいと思ってる。ただ、これは俺個人の思いだから、茜さんが彼らに何かしてもらう必要はないよ」
「ううん。私も協力するよ。学園全体に影響が及ぶなら私にとっても関係ない話じゃないから」
「ありがとう。助かるよ」
素直にそう答えた。
俺一人じゃ、手が回らないこともあるし、異性の方が都合が良い場面もあるだろう。
なにより茜さんは、精霊とのやりとりから只者じゃないこと分ってる。
神の血を引くという話だから、上手く行けば同じく雷神の血を引く叶馬に並ぶくらい強くなるかもしれない。
まぁ、例えそうでなくても好きな女の子が近くに居てくれる。
それだけでも十分に嬉しいことだ。
提案のお礼というわけではないが、茜さんの頬にキスをする。
茜さんもお返しのキスをしてくれ、その後はお互いの唇を重ね合わせていく。
最初は優しく、次第に深くなっていき、水音を慣らしながら舌を絡め合わせていく。
ここ数日毎日しているのでお互い慣れてきたと思う。
「ちゅっ、んちゅっ、はぁ、もうっ夕飯前だよ」
「ごめん、我慢できない」
そういって茜をベットに押し倒して、服を脱がせていく。
「仕方ないな~」
そう呆れながらも茜さんは、俺のシャツのボタンを外して受け入れてくれた。
それから俺達は、性欲が尽きるまで肌を重ね合わせた。
>>>
夜も深くなった頃。
ふぅ~っと息を吐きながら、茜さんの隣に横になる。
まだ一段階目クラスだがダンジョンの位階による性欲強化は思いのほか高く、なかなか興奮が収まらず、何度も射精をしてやっと落ち着いたところだった。
「遅くまで付き合わせちゃったね」
「いいよ。私も続けて欲しかったから...これもレベルが上がったの影響なのかな?」
「多分そうだろうな」
「そっか...ねぇ蓮君。私ね」
茜さんは直ぐに続く言葉が出てこないのか、言い淀む。
俺は焦らず、彼女が話始めるのを待った
「...私ね。女の子が好きだったの!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?
思わぬ告白に、思考の処理が追いつかない。
そう言う趣味の女子が、いてもおかしくないのは分かる。
だがそれを自分の彼女から、それも行為の直後で聞かされるのは予想もできなかった。
「以前の話ね!今はちゃんと蓮君の事、好きだよ」
俺の混乱が伝わったのか?茜さんが慌てて補足する。
その内容で、少し安堵して落ち着いて話を聞ける状況になった。
「おっ、俺も好きだよ。...それに今の時代それほど珍しくもないんじゃないかな?」
「ふふ、そうだと良いんだけでね。それでね。この学園に来るまでの私にはそういった気質があったの」
「その...今はどうなのかな?女の子の事は好きじゃない?」
「ううん。好きなのは変わってないよ。それが男の子にも好きな人ができただけ。だから簡単に言うとバイセクシャルってやつだね。...引いちゃったかな?」
不安そうにこちらの表情を伺いながら問いかけてくる茜さん。
「そんなことはない!」
反射的に言い返したが、嘘偽りのない本音だ。
好きな彼女が、多少変わった趣向をしていても気にしたりしない。
「好きな女の子に少し変わったところがあったって嫌いになんてならない。...ただ茜さんは、我慢してるわけじゃないよね?俺といるのを」
「うん。本当に我慢してない。誓うよ」
真剣な表情で答えてくれる。
だからその言葉を信じようと思った。
「それなら俺も問題ないよ。話してくれてありがとう」
「うん。こちらこそ聞いてくれて、受け入れてくれてありがとう」
俺は彼女のお礼に対して頭を撫でた。
感情が揺さぶられた内容の会話が終わったことに、内心でほっと息を吐きながら心を落ち着けていると追撃が始まった。
「それでね。ここからが私が本当に話したかった内容なんだけど、蓮君、ハーレムを作らないのかな?」
「え?、あっ、そう言うことか...」
またしても思わず口から戸惑いが零れたが、少し考えると何となく察しがついた。
「俺が複数人の女の子を相手にしても、茜さんにとっては嫌じゃない。むしろ嬉しい。っということかな?」
「うん。そんな感じ。ただ私も女の子なら誰でも良いってわけじゃないけどね。やっぱり可愛い子の方が好きだな」
正直、言うと複雑な気持ちだ。
好きな女の子からハーレムを作って欲しいと望まれることがあるなんて考えたこがなかった。
まぁ、この学園の性風紀ならおかしくもないかもしれないが。
複数人の女の子を囲う。
倫理感とか道徳心を脇に置けば、男にとって魅力的な話だとは思う。
むしろ男の俺に都合が良すぎて警戒したくなるレベルだ。
それに囲い込んでおいて本命は別にいるという状況は、女の子ことを考えると悪い気もする。
だから積極的に取り込みたいとは思わないので、話を先延ばしにすることにした。
「とりあえず条件に合う人が居ればかな。いくつか挙げると俺達がお互いに良いと認めと子で、かつ本人が希望すること。少なくとも強制はしたくない」
「うん。でも最後のは大丈夫じゃないかな?この学園なら蓮君の物にして欲しい女の子は沢山でてくると思うな。カッコいいし、頼りになるし」
「ありがとう。嬉しいよ。そうなるのであればあとは俺達判断次第だね。ちなみに既に目をつけている子はいるのか?クラスメイトとか?」
「ううん。クラスの子は様子見かな。目をつけてたのは沙姫ちゃん」
その言葉で茜さんが、沙姫や叶馬のことを深く追及した理由が分かった。
「ごめん、彼女は諦めてくれ」
「うん。もちろん。蓮君がダメって言ったら従うよ。まだ関係性でできる前だから私も絶対に欲しいわけじゃないし。ただ、この学園だと可愛い子程、辛い思いをしそうだから助けられるなら助けてあげたいなって」
慈しむようにそういう彼女の表情を見て本心からの言葉と思った。
たしかに俺も可愛い子がひどい目に合うのは見たくない。
「そうだね。俺も助けられるなら助けたい。それなら早く動いた方がいいね」
純粋な善意で提案した。
決して見返りを求めたスケベ心じゃない。・・・はずだ。
そして性的な被害だけでなく、ダンジョンダイブで受ける被害やリスクを考えると保護するなら早い方がいい。
さすがに初ダイブで失ったであろうソルデバイスは、取返しがつかないが、上手くレイドクエストを攻略していれば、原作の主要キャラみたく復元?、回復するのかもしれない。
だから仲間にするなら早い方が良いのは間違いない。
明日、他のクラスを見て回る約束をして俺達は眠りにつくのだった。