ハイスクールハックアンドスラッシュIF 偽りのギルドマスター 作:アイウ
次の日。
さっそく俺達は、授業の間の休憩や放課後他のクラスを見て回った。
目的は同学年の可愛い子?を探すこと。
いかにも男子がやりそうな事だが、俺よりも茜さんの方が意気揚々としている
そこはさておき、この学園は1学年あたり24組あるからさらっと見回るだけでも一苦労あった。
あとペアで廊下を歩いていたため、モテなさそうな奴から舌打ちをされたり、昔の不良漫画みたいな恰好の奴が出てきてガンを飛ばされた。
中には茜さんに手を出そうとした奴がいたので、その腕を掴んで捻りあげる。
俺は1段階目クラスで『
そのため絡んできた男子は、あっさり力負けして許してくれっと懇願してきた。
必要以上に痛めつけて恨まれると厄介なので開放する。
「覚えてろよ」等と決まり文句を言いながら去っていく男子生徒。
目立ちたくなかったが、この現場を多くの同級生に見られてしまった。
まぁ、舐められるよりかはマシだろう。
あとは成果があるかだが…
「あの子...」
茜さんの呟きを聞き、そちらの方に目を向ける。
そこには多くの人だかりができており、対象が誰かわからない。
「茜さん。気になる子だったの?」
「うん。すごく可愛い子だった。ハーフか、留学生かわからないけど外国の血筋だね」
言われてみると、人だかりの合間から金色の髪が見える。
囲んでる人が邪魔で全体は見えなかったが断片のパーツだけでもかなりの美人に見える。
そして囲んでる人達は男子生徒が多かったからそれだけ美人であることの裏付けなのだろう。
「これは話そうとするだけで大変そうだね」
「うん。すごく可愛い子だったから納得かも」
そこまで言われると俺も見てみたくなる。
しかし取り巻きが邪魔でちゃんと見えない。
「出直す?」
「う~ん。ちょっと話してみたいんだけど、ダメかな?」
「...いいよ。行っておいで」
男の俺が、話しかけたら100%狙ってると思われるから反感を買って不味いと思うが、同じ女子の茜さんなら幾分かマシだろう。
そう思って返事をすると茜さんは、彼女と同じ教室にいた女の子と話して情報収集をしてから、人だかりに向かっていく。
俺は、いざという時に助けに入れるように遠くから見守る。
距離があったので会話の内容は分らなかったが、しばらくすると笑顔の茜さんが戻ってきた。
「すごく機嫌良さそうだね。上手くいったのか?」
「うん。ばっちり、明後日のダンジョンダイブに付いて来てくれるって」
「それは凄いね。でもクラスの子達には止められなかったの?」
「止められはしなかったよ。先を越された!みたいな顔をしていたけど」
「その程度なら問題なさそうだね。成功したようで良かったよ。初日からになると美咲さん達にも話を通しておかないといけないな」
元々次のダンジョンダイブは、俺と茜さんだけで行こうと思っていた。
初日のダイブで生き残ったことを隠しつつ、そのアドバンテージを活かすならそれが最良だと思うから。
だから美咲さん達には、ダンジョンで生還するのを最優先にするため少数で挑むことを伝えてある。
彼女達も率先してダンジョンに挑みたいわけじゃないから、俺達が先行して強くなってレベリングを手伝うという話は渡りに舟という話で納得してくれていた。
だが他のクラスの子を入れるとなると、そのことが美咲さん達に伝わった場合、反感を買う恐れがある。
それなら事前に説明して納得してもらった方が良いだろう。
そんなことを考えながら帰路についた。
>>>
2日後
この日は新入生のダンジョンダイブが解禁される日だ。
午前中の授業が終わった後、さっそく俺達は茜さんが誘った女の子を迎えに行く。
茜さんから聞いたが、彼女の名前はアイナ。
如何にも外国人らしい名前だった。
珍しく、華憐で目を引く外見の彼女が、なぜ他のクラスの女子の誘いを受けてくれたのか?
そんな疑問は湧くが、質問し過ぎるのも良くない。
俺は、どういう話をするのか話題を考えながら廊下を歩く。
「あっ、アイナちゃん!。お待たせ~」
茜さんの言葉で、こちらに振り向く金髪美少女。
綺麗な長髪で、小さく整った顔に碧眼。
茜さんよりも背が高く、胸と大きいのに腰は引き締まっている。
ちゃんと見るのは今回が初めてだが、人が寄ってくるのも納得だ。
各いう俺も仮に茜さんがいなくて彼女と同じクラスだったら真っ先に狙っていたと思う。
「茜。今日はよろしく」
「うん、よろしくね!それで早速だけどこちら私のパートナーの蓮君」
「蓮って言います。よろしくお願いします」
「...うん。茜から頼りになるって聞いる...期待してる」
見た目に反して、日本語はかなり流暢に話しているので、日本でかなりの期間過ごしているのだろう。
言語や文化の違いの配慮は必要ないのかもしれない。
「あっ、アイナちゃんが男といる」
「え?、誰だよあいつ! 他のクラスだよな」
挨拶をして直ぐに周りからそんな声が聞こえる。
「何あいつ?連れてる女の子も可愛いじゃん」
「他クラスだよな?何他のクラスに手を伸ばしてるんだ?調子乗ってるな」
会話の内容は、俺に対する物がほとんどで良く思われていないのは確実だ。
遅かれ早かれそうなることは避けられないと思うが、アイナさんのお迎えは茜さんに任せた方が良かったのかもしれない。
「さっそくだけど、お昼だし食堂に行こっか。周りも騒がしくなってきたし」
「うん」
「わかった」
この場を離れるのが吉と判断し、移動を進める。
しかし男子生徒数人のグループが釣れてしまった。
「アイナさん。彼らとは仲良いの?」
「違う。正直、付きまとってきて鬱陶しい」
手厳しい物言いだが、事情があるのかもしれない。
とりあえず話を合わせて頷いておく。
「それは厄介だね。茜さんの誘いに乗ってくれたのもその辺りが理由?」
「彼らだけじゃない。クラスの皆、初ダイブで生き残れていなかった。私のこと守るとか助けてくれるとか言ってたのに...」
「この学園の初ダイブで生き残れる一般生徒は今までいないって話だよ」
「だからこそ、一般人ならそうなるのが常識だとして、その常識を超えられるような超人こそ私が求めてる人だった」
「つまり、強い人、能力の高い人と組みたいってことだね」
「そうだったんだ。じゃあ、私の何を見て一緒にダイブするって判断してくれたのかな?」
「自信があるように見えた。初ダイブを経験した後でここまで活き活きとダンジョンに誘ってきたのはあなただけだった。少なくとも彼らよりかはマシ」
そう言われて、思わず茜さんと目を合わせる。
死に戻りした場合、記憶が無くなるからダンジョンのことは覚えてないはずだが、状況から自分が死んだことはわかるし、容易に生還できないことはわかるだろう。
そんな中、初ダイブを終わったばかりに新入生が、明るく自信満々に誘う人がいたら不思議の思うのも納得できる。
ただアイナさんは、良い方向に捕らえてくれたため同行してくれるようになったので問題はない。
茜さんは、ごめんッといった感じでジェスチャーで謝る。
仕草が可愛い。
それに対し俺も大丈夫っという風に返した。
「私もいるからイチャイチャしないで欲しい」
「ごめん。アイナちゃんの期待に沿えるよう頑張るね」
「すまない。俺も頑張るよ」
少々語気が強いところがあるが、ダンジョンで強くなることへの意識は高いと感じる。
仲間にするメンバーとしてはその方が好都合だから俺の中で評価が上がった。
それから食堂で昼食を取った後、購買で初心者セットを購入することに。
俺は『能力拡張』の効果でクラスを切り替えられるため、斬って良し、突いて良し、おまけに片手が空く、汎用性の高さを考えてAセットの片手剣にすることにした。
茜さんとアイナさんは、槍で少しでもモンスターと距離を取って戦えるようにしてもらう。
そしてその初心者セットで購入した装備を身に着け、早速羅城門へと向かう。
その間もアイナさんのクラスの男子集団は、付かず離れずの距離を保ってついて来ていた。
アイナさんが鬱陶しいと思っているからストーカ―行為だが、この学園には警察等いないため、
対処が難しい。
絡まれるのも面倒なため、さっさとダンジョンに潜ることにする。
「それじゃ手を繋いでダイブすれば同じ場所に飛ばされるから、手を繋いで行こう」
茜さんを真ん中にして手を繋いで、転送魔法陣の上に移動する。
転移が始まる少しの時間。
そこに後ろをつけていた男子生徒達が、ダッシュで突っ込んでくる。
「えっ!?」
ダンジョンダイブへの割り込み狙いの特攻だ。
ダンジョンの中は無法地帯だ。
だからモラルがない人達からすると、一緒にダイブすれば好き勝手できると考えたのだろう。
入学早々そんなことしないだろうと思っていたが考えが甘かった。
既に俺達は転送魔法陣の上にいるから避けることはできない。
咄嗟に二人を後ろにして前に出ると、右足の一人蹴り飛ばすが残りの3人は対処ができなかった。
体当たり気味に組みつかれたため、バランスを崩して後ろに倒れこみながら視界が暗転した。
>>>
ドサッと音を立てて倒れてしまう。
だが痛みはあまりない。
後ろにいた茜さんとアイナさんがいたので、緩衝材の代わりになってくれたようだ。
心配になるが、まずは俺にしがみ付いているこいつらだ。
後頭部に肘鉄を入れて、腕で振り払っていく。
「っ~~」
「こいつ力、やべぇぞ」
彼らは『初心者ノービス』で、俺は1段目クラスに達しているため振り払うのは容易だった。
頭を抑えてうずくまっている奴を除いた二人が、後ずさって距離を取る。
「女だ。女を狙え」
弱い奴を狙うのは戦いの基本だ。
だがそれを許すつもりはない。
「『
言葉を発すると体から力が吸われていく感覚がして、目の前に2mを超えるゴーレムが現れる。
そのフォルムは以前召喚した時より若干小さく、スマートになっている。
その姿は鎧を来た大男のようでもある。
この変化は、露店精霊からもらったスキル『
コンセプトは、ゴーレムの弱点である鈍足を改善すること。
元々のゴーレムは3メートルぐらいで人を乗せる構造になっていたため胴体が大きく、四肢が短くなってしまう。
だから搭乗機能をなくしてより人型に近い構造に変更。
さらに全体的に小さくして、装甲も背中側だけ薄くしたりと工夫していった結果が今のゴーレムだ。
ついでに転生前に好きだったアニメのガンダムやコードギアス、マヴラブ等のロボットをイメージしてデザインを変更したのでカッコよくなってると思う。
「なんだこいつ?」
「これってゴーレムってやつか?」
「なんでスキルが使えるんだよ。同じ一年だろ!」
絡んできた男子生徒達が喚いている隙に行動に移す。
一人の男子の足に剣を刺し、もう一人の方をゴーレムで捕らえようとする。
「ぐぁあああああ」
「わぁあああ」
足を刺された方は痛みで絶叫し、ゴーレムに襲わせた方は俺達とは反対方向に逃げていく。
だが逃がすつもりはない。
もし逃がした奴が生還した場合、俺の情報が流出してしまう恐れがあるからだ。
幸いにも速度はゴーレムの方が早いようで、徐々に距離を縮めていき両手で捕まえた。
「くそっ、放せ」
「騒ぐな!」
そう言ってゴーレムの力を強める。
「痛って~、ギブギブ」
足を刺した生徒の追い打ちで足の筋を切り付けて逃げれないようにした上で、最後の一人に目を向けると足を抱えて蹲っていた。
茜さん達が槍で刺して自己防衛した結果なのだろう。
無力化に成功したところで、男子生徒達を一か所に集め尋問を開始する。
「お前ら、何でこんなことをしたんだ?」
「...そりゃ、アイナちゃんが他の男とダイブするなんて言うからついて来たに決まってんだろ。つか他クラスの女子に手を出してんじゃねーよ」
「口の聞き方に気をつけろよ」
そう言って足蹴にすると、『すんません』っと言って慌てて口調を変えた。
「同じ男として嫉妬する気持ちはわからなくはない。でも危害を加える行動はダメだろう?」
「いや、そんなつもりは...はい。おっしゃる通りです」
「さて、こいつらどうしようか?どうせこのまま放置してもモンスターに殺されるだけだが」
「殺すメリットは?」
俺の質問にアイナさんは質問を重ねた。
メリットデメリットで対処を決めたいようだ。
「確実に死に戻りさせられることかな。さっき俺が使ったスキルみたいな隠したいことが漏れる危険性を排除できる。あとは少しだが経験値が得られるはずだ」
「じゃあやる」
「おい、お前ら正気か」
「ちょっとダイブに便乗しただけじゃないか!、そこまでするのは」
俺達の会話の内容を聞き、捕らえられた男子生徒が抗議し始める。
「うるさい。お前らがやった行動で俺達が死んでたかもしれない。だからやったことの報いは受けてもらう」
ダイブ前の割り込みは、一度の転送の上限人数を超えた場合や俺達が割り込みに驚いて手を放してしまった場合、仲間と離れ離れになり、死に戻りするリスクが大幅に高まる行為だ。
「おい。許してくれよ。可能性があっただけだろ。誰も死んでないしそこまでしなくてもいいじゃないか」
「そうそう。それに本当に死ぬわけじゃないだろ?大げさなんだって」
「そうだ、そうだ。過剰過ぎだ」
「人のこころとかないのか?」
俺は、反論はせず剣で一人の頭を突き刺した。
人の頭部は思いの他硬く、クラスの力補正があっても貫くことはできなかったが、刃は脳まで届き致命傷を与えることができたはずだ。
「がっ」
「ひっ」
仲間の死を見て、悲鳴をあげる他の生徒達。
「やっ、やりやがった。この人殺し」
「実際に死ぬわけじゃないだろ? ただダイブ中の記憶がなくなるだけだ。だから安心しろよ」
手や上半身を使って後ずさる生徒達に追撃をする。
「ぐっ、あ~」
悲鳴の方を見ると茜さんとアイナさんが槍で止めを刺していた。
「蓮君だけに背負わせたりしないよ」
「うん。これで私達も共犯」
「ああ、ありがとう」
彼女達の心遣いに感謝を述べる。
猟奇的状況だから感動できないのが残念だが。
「二人とも怪我はない?」
「うん」
「大丈夫」
「それなら良かった。トラブルはあったが、気を取り直して狩りに励もう」
「ちょっと待って。あれ説明して」
さすがにスルーできなかったのかアイナさんからツッコミが入る。
いきなり鎧の巨人が現れて味方をしてくれたのだから気になるのも無理はない
「『
「『
「そうは言っても、蓮君は強いよ」
アイナさんの呟きに、すかさず茜さんがフォローを入れる。
アイナさんは強い仲間を求めていた。
その状況で仲間が戦えないクラスであることが判明したのだから、がっかりしているかもしれない。
「うん。強ければ問題ない。強さの違いは他の戦闘職との差を見ないと判断できない。だから今私より強ければ問題ない」
「そうか。なら良かった。それじゃあ留まっているとまずいから先に進もう」
「うん」
話に区切りが付いたところで、アイナさんの視線が逸れる。
そのタイミングで『
クラスチェンジ直後の弱体化を考慮してギリギリまで保留にしていたが、経験値が無駄にしないようにクラスを変更する。
数日悩んだ結果、『
情報は全くないが、だからこそ好奇心が勝ったのと、『
原作では、同じスキルを持つ者の感覚等を共有できるスキルで、他人と感覚を共有する不快感はあるが、
SPの共有ができるメリットがある。
これのスキルを強化すれば、自分が持ってるスキルの共有ができるかもしれない。
加えて俺は研究者に操られている時に『
そうでなかったとしても、俺には『
次に茜さんの方も操作してクラスを変更する。
事前に希望を聞いており『
見た目では何も変わらないが『
準備が終わったところで探索再開だ。
>>>
「『ファイヤーボール』」
茜さんの言葉を発すると、バスケットボールくらいの火の玉が現れ、ゴブリンに向かって飛んでいく。
命中したゴブリンは後ろに弾かれ、全身を火が覆った。
苦しそうに身じろぎするがやがて絶命する。
残りのゴブリンを俺とゴーレムで倒して行き、一匹だけ残す。
「魔法!茜凄い!凄い!」
「あ、ありがとうアイナちゃん」
茜さんの魔法を見たアイナさんのテンションが急激に高くなる。
今までの会話から淡泊な印象だったが、認識を改めないといけない。
驚きが隠せないのか茜さんが押され気味だ。
「私の感覚に狂いはなかった!やっぱり茜は特別」
「うん。アイナちゃん。蓮君が抑えててくれるから止めをさそうか」
「わかった」
アイナさんが、ゴーレムに両腕で地面に抑えつけられているゴブリンに向けて槍を構える。
「は~、は~」
心を落ち着けるためか、深く深呼吸をしてから勢いをつけて槍を突き刺す。
「やぁ」
掛け声と共にゴブリンに槍を突き刺すが、ゴブリンには刺さらない。
「硬い」
「落ち着いて勢いをつける必要はない。先に刃先を当てて角度を直角にしてから体重を乗せて刺して」
「うん」
俺のアドバイスに従い、再度試すと刃が刺さって致命傷を与える。
ゴブリンは数秒して瘴気になって姿を消した。
『
「やったね。アイナちゃん」
「ふふ。倒せた。ブイ」
生き物を殺害する感覚が無理で、なかなかモンスターを倒せない生徒が多くいるという話だがアイナさんは問題ない人のようだ。
俺もそこまで忌避感はなかったので不思議なことでもないだろう。
表情はあまり変化がないが、ピースをして喜びを表現していると思う。
「お疲れ様。体調は大丈夫?」
「問題ない。どんどん行こう」
>>>
「はぁ、はぁ、はぁ」
その後もレベリングは順調に進み、アイナさんがもうすぐランクアップ到達できるところまで来た。
だがレベル上昇に伴い、アイナさんの体調が悪化していき辛そうに息を吐いている。
「アイナさん。そろそろ辞めておく?」
「いや、私だけ、役立たずだから、早く、強くなりたい」
呼吸を整えながら言ってくれるが、このまま経験値を取得していけば辛くなる一方だ。
原作では、新入生の中でゴールデンウィーク前に1段階目クラスチェンジできればかなり優秀という話だったと思う。
だから無理しなくても次回ダンジョンダイブで確実にクラスチェンジできるのだから焦らなくても良いと思うが、『
「わかった。でも続けるにしても少し休憩を入れようか」
「そうですね。もう1時間は戦い続けてますからね」
「うん。ありがとう」
休憩といっても玄室の隅で座って足を休めるだけだ。
ただ休むにしても警戒は必要なので、ゴーレムを自動モードに切り替えて周囲を探索させる。
「ねぇ茜。戦ってて変な感じにならなかった?お腹が熱くなってくるような」
「そうだね。初ダイブの時は辛かったなぁ。でも今はそんなに感じない。なんでだろう?」
「レベルが上がって耐性というか許容力みたいなものが増えたんだと思うよ。あとは魔法というかスキルが使えるようになって、それで発散できるようになったんだろ思う」
原作知識から補足するとアイナさんから「それができない場合は?」と聞かれた。
説明しづらい内容なので茜さんの方も見るが、思いは伝わらず小首を傾げてくる。
「その...性的欲求を満たすと多少は解消される」
「つまりセックス?」
「端的に言うとそうなる」
俺の回答を聞くとアイナさんは少し悩んだあと言葉を切り出した。
「...蓮は、私とそういう事したい?」
「いや」
「私は魅力ない?」
「そういう訳じゃない。ただ俺には茜がいるから」
「蓮君。この前話したけど、私としては蓮君に彼女が複数人いても問題ないよ」
「そこは理解してるし、ぶっちゃけ俺も色んな可愛い女の子とそういうしたいっていう欲はある。でも大事なのはアイナさんの意思だろ」
「そう。なら私も蓮の女にして欲しい」
ここで明確な言葉が、アイナさんの口から出てきた。
どう受け止めるべきか返す言葉を考えていると、パンっと茜さんが手を鳴らして話をまとめる。
「当のアイナちゃんからお願いされたから、これで断る理由がなくなったね。そうでしょ?蓮君」
自分の望む展開になったためか満面の笑みだ。
別に負けたわけじゃないが少し悔しい。
わずかな抵抗としてアイナさんの気持ちを詳しく聞いてみることにした。
「アイナさんは、どうしてそう思ったのかな?」
「今日の探索でわかった。あなた達は強いし頼りになる。だから一緒にいたいって思った」
「別に俺の女にならなくても、仲間として一緒に居られるぞ」
「だめ。私もこの学園に来た以上、避けて通れないことは分ってる。その上で選べるのならあなたが良いと思った」
「そうか...わかった」
彼女の答えは、誤解の余地がない明確な物だった。
断ることもできるが、俺としても彼女は嫌いではないし、むしろ魅力的だと思うから受け入れたいと思う。
受け入れると決めたためか、それとも取り繕う必要がない状況になったからか、興奮が高まってくる。
俺はアイナさんの体を引き寄せると口づけをする。
舌で唇をこじ開け、彼女の舌に絡めていく。
同時に彼女の背中を、お尻を、胸を弄って、興奮を高めていく。
「蓮君。始める前に移動しないと」
茜さんの注意でダンジョン内の注意事項を思い出す。
つい思考がアイナさんに向いていたため『
ふーっと大きく息を吐いて、仕切り直す。
「続きは移動してからにしよう」
「うん」
>>>
10分程、雑魚敵を倒しながら移動した。
今までと違い、アイナさんに譲らず俺と茜さんで処理していったのでスムーズに戦えていたと思う。
俺も茜さんも2段階目のクラスにクラスに到達したばかりだが、雑魚処理でレベルが上がっていき、
少なくとも1段階目クラスの時よりかは強くなったと思う。
というか1レベル上がる毎の身体能力の補正が大きくて混乱する。
それはさておき十分に移動したところで、アイナさんとの情事を再開した。
少し時間が立っていたが、お預けを食らったことで俺の興奮は最高潮に達している。
アイナさんを抱き寄せ、下腹部を弄る。
愛撫などしなくても、彼女の性器は愛液でぐっしょりと濡れていて準備はできているようだったので、
背面立位で俺のペニスを挿入した。
挿入していくと少し抵抗を感じていたが、俺自身の欲望のままに一気に挿入する。
「いっ」
アイナさんが苦悶の声が聞こえて、そこで配慮が足りていなかったことに気付く。
「ごめん。いきなり強くやりすぎた」
「いい。でも少しそのままで」
「でもそのままだと辛いでしょう。私が愛撫してあげますね」
そういって茜さんが、アイナさんの正面から手を伸ばし、性感帯に触れていく。
その表情には喜びが隠しきれておらず、欲望が隠しきれていない。
「茜。やっ、やめて」
先ほどまでとは違い、アイナさんが焦ったような声をあげる。
クールぶってた子が快楽を堪え切れず喘いでしまうというシチュエーションは、俺の興奮を高ぶらせ、
アイナさんの膣内の物がビクッと震えてくる。
もう動かず我慢するなんて無理だ。
できるだけストロークを短く、彼女の膣奥で性器を擦るように動かしていく。
それだけでも十分な快感を与えてくれる。
しばらくしてイキそうになったので、我慢せずそのまま彼女の中に射精した。
「ううっ、変な感じする」
「もう少しだ。我慢してくれ」
そういって快感が収まるまで、彼女の膣内で射精しつづけた。
射精が終わったところで、アイナさんから自分の性器を引き抜とアイナさんの性器から精液が垂れて出てくる。
無駄に服を汚したくないのでティッシュを取り出して処理をしていく。
「ありがとうアイナさん。調子はどうかな?」
「ん...少しは楽になったかも、これでもう少し頑張れる」
「それは良かった。それじゃあもうひと頑張りしようか」
「うん。よろしく」
>>>
それからも雑魚を狩っていく俺達。
今までと一つ変わったのが、アイナさんを仲間にすると決めたため、アイナさんにも俺の能力を打ち明けて、俺が全力で戦えるようになった。
そのおかげで、マッピング用にセットしていた『
ゴーレムを含め、疑似的に前衛が3枚になったので戦いも安定した。
そんな中、次の玄室で見えた敵の姿に足を止めて話を始める。
「デカいな」
「そうだね。明らかに普通の個体じゃない」
まず間違いなく『
そのゴブリンの身長は200cm以上あり、小鬼という感じはしない。
体型も力士程ではないが、かなりふくよかで力はありそうだ。
武器は大きな剣で、普通の人間にはまともに振ることもできないサイズ感だ。
「序盤の中ボスってところかな。気を付けて挑もう。茜さん援護。アイナさんは今回は後ろで待機してて」
「分かった、やるね」
「...うん」
「それじゃさっそく『ファイヤーボール』」
飛んでいく火の玉に続いて、俺とコボルトが強襲する。
茜さんの狙いが上手く、火の玉が頭に命中して火が頭に燃え移る。
ゴブリンは武器を手放して、手で拭うように火を消そうとしており隙だらけになっている。
ドタバタしているゴブリンの足の筋を狙って斬りつけ、そのまま駆け抜ける。
俺の後ろでブオンという音がなり、振り返って確認するとゴブリンが腕を振り回しているようだった。
その後ろからコボルトが、背中に剣を突き刺して、剣を抜くと同時に蹴りを入れて飛び退いた。
蹴られた衝撃により、足の筋を斬られたゴブリンは片膝を突く。
そこに茜さんの魔法で追撃し、俺とコボルトが隙を見て攻撃を加える。
最終的に俺がゴブリンの首を切り裂いた後、ゴブリンは散りになって消えた。
「お疲れ様。援護ありがとう茜さん」
「うん。でも蓮君達が引き付けてくれるからこそだよ」
お互いを褒め合い、一息ついた後で戦利品を確認する。
すると、ゴブリンがもっていた大きな剣が目に入る。
「武器がドロップしたな。大きすぎて使えなんだけど、二人は使わないよね?」
問いかけると茜さんとアイナさんは、二人とも頷く。
明らかに後衛が持つ武器じゃないので聞くまでもなかったか。
俺としても扱うには重すぎるので遠慮したい。
だから売ることを考えていたところで、アイデアが思い浮かぶ。
ゴーレムを操作し、大剣を持たせる。
そして何回か振らせて見ると、武器の重量に振り回されず、扱えているように見える。
振り下ろした後の切り返しは遅いが、ゴーレム自体がそのあたり機敏に動かせないので問題ない。
刃物つきの武器は、刃の角度に注意して振らないといけないのでゴーレムには難しいと思っていたが、
剣ではなく、大きく分厚い鉄板と考えればありかもしれない。
「この剣は、俺のゴーレムが使わせてもらうね」
「異議なし」
「うん」
二人の了承も得たので、早速実戦投入だ。
玄室を移動して敵を探す。
直ぐにゴブリンの群れが見つかり、そこにゴーレムを突貫させていく。
ゴブリン側もこっちに気が付き、武器を構えて対策するが、ゴーレムが横薙ぎに剣を振るうと、
3体のゴブリンをまとめて吹き飛ばす。
1体目の体が半分ぐらい裂けているくらいなので斬撃武器としては微妙だが、鈍器としては十分だろう。
攻撃が最初に当たった1体以外は、辛うじて死んでいないのでゴーレムに2撃目を出させる。
だが大剣を振りかぶる動作が遅く、その間に間合いから逃げられてしまう。
追い詰めるためゴーレムを動かすが、動かした以上にゴブリンが距離を取ってくるので壁際に追い詰めるまで時間がかかってしまうだろう。
ひとまず性能はわかったので、俺とコボルトで残りのゴブリンを倒していく。
大分慣れたこととクラスの補正のおかげで、急所に当てれれば一撃で倒せるようになってきた。
ちょっと気が早いかもしれないが、この調子なら次の階層に目指してもいいかもしれない。
今の階層はほぼゴブリンしかでないため、『
レベリングのために一体だけ残して、止めをアイナさんに譲る。
アイナさんが止めをさしたら、ついにクラスチェンジ可能なレベルに到達した。
早速だが、クラスチェンジをさせよう。
せっかく仲間に入ってくれたアイナさんが、ハズレクラスになったらダンジョンで活躍できず勿体ないことになるだろう。
そうならないために『
他にも露店精霊からもらった「技術伝授スキルインストール』が当てはまるが、これらのスキルはキャラ育成をサポートするスキルだ。
その効果対象が多い程、恩恵を得られるだろう。
隠さないといけない理由があるので、安易に使えないが今後一緒にいると決めた仲間に対しては、スキルをガンガン使って恩恵を活かしていきたいと思う。
方針を決めた以上は、使う前に説明が必要だろう。
「アイナさん。今、君はクラスチェンジ可能なレベルになった」
「え?、レベルがわかるの?」
「ああ。俺が持ってるスキル『
レベルとか、クラスとかね。その延長でクラスチェンジをさせてあげることができる」
「なにそれズルい」
「はは、まぁ確かにズルい力だ。でもゲームじゃなくて自分の人生に大きく関わることだ。有用な手はなんでも使うべきだろう。なにより直接被害を受ける人はいないし」
「それはそう。...よろしくお願いします」
アイナさんが納得してくれたのでクラスチェンジをすることに。
アイナさんのステータスの空欄になっているクラス欄をタップし候補を見る。
1st:
『
2nd:
『
SSR:
『
数は少ないがSRのクラスがあり、それは俺が切り替えれるクラス候補にもなく、茜さんもついていないクラスだ。
個人的にはぜひ『
とりあえず候補を口頭でアイナさんに説明していく。
『術士マギ』を説明した時に嬉しそうに「それで」っと即決しそうになったので、一度止めて一通り聞いてもらった。
その後、今のパーティー構成についても説明し、足りてない役割についても共有した。
「わかった。それなら『
「本当に?そうしてくれるなら助かるけど」
「発現率が低いんでしょ?なら希少な分、役割が被らない。それに私もこのパーティーで役に立って行きたいから」
「ありがとう。本当に助かるよ」
「アイナちゃん良い子。良い子」
そう言って茜さんが、アイナさんの頭を撫でるが少し鬱陶しそうだ。
ともかく、候補が決まったらなら早速クラスチェンジだ。
『
「よし。できたよ」
「もう?なんというか...拍子抜け?」
「まぁ、演出が全くないからな。でも確実にクラスチェンジができているよ?それに体調が良くなってない?」
「言われてみるとそうかも」
アイナさんはそれで納得してくれたみたいだ。
その次は試しに、『
俺が初心者セットに入っていたナイフで指に傷を作り、それをアイナさんに向ける。
「ゲームの回復魔法をイメージすると良いかもしれないね」
「うん、ヒール」
その言葉を発すると、俺の指を緑色の光が包み、傷口を塞がっていく。
「バッチリだね」
「うん。やった」
やはり魔法に憧れがあったのか、アイナさんは嬉しそうだ。
茜さんの希望?で仲間にしたアイナさんだったが、今はこれ以上ないくらい最高の人選に思えてくる。
なにより可愛いし。
なにわともあれ、怪我を負った時の保険ができたのは大きい。
今後の戦闘は、もっと大胆に攻めれるようになると思うから。
その辺りを確認するためにもダンジョン攻略を進めて行き、ゴブリンの素材や武器、カードを集めていたら、あっという間に時間は過ぎていった。