『同一CPレイジョの相互敗北搾取訓練』-功夫は快楽に屈す― 作:シノナリ
最近、キヴォトス全体でおかしな噂や現象が起きてるらしい。
女性なのに男性器が生えたり、自分のそっくりさんが出歩いていたり……。
どれも話を聞くと噂にしか思えず、実際に被害にあっている生徒はいないようだった。
そんなある日、鹿山レイジョはカンフーの練習のために公園につくと、突然、自分と瓜二つの存在……自分自身と出会ってしまうのだった。
服装も一緒、顔も一緒、体の少し特徴的なところにあるホクロも一緒……。
「「いったい誰ですかあなたは!?」」
二人は声をそろえてお互いを指さしあう。
じーっとお互い見つめあう……。
寸分たがわぬ自分自身だ。
これが噂になっていた自分のそっくりさんが出歩いているという現象……。
「噂は本当だったんですね…」
「ただ、自分が二人いるというのはどうも居心地が悪い……」
「ここは、どちらが本物か……」
「そうですね……」
「「これで決めましょう!」」
そういうと二人はカンフーの構えを取る。
勝ったほうが本物。なんともわかりやすいことだ。
「「勝負!」」
とあるカンフー映画でも言っていた。
最大の敵は自分自身であると。
それならばこれはカンフーを身に着けるのにおあつらえ向きな修行だ。
レイジョは今までやったことない修行の一環に心をワクワクさせながら、手合わせを始めた。
お互い自分自身、お互い手のうちはわかっている。そしてお互いの弱点もわかっている。
二人は肩で息をするほど打ち込みあい、打撃を受け、与え、長時間の戦いの末、同時に片膝をついた。
「「今回は引き分けのようですね……」」
お互い決着がつかないことを悔やみながら相手の顔を見る。それは二人にとってカンフーの大きな目標ができた瞬間だった。
自分自身を超える。
それができればカンフーとしての技術もそして心の強さも今よりも一段階あがる。二人はそれを確信した。
「またね。もう一人の私」
「またね。鹿山レイジョ」
そういうと二人はその場を後にし、再戦を心に決めたのだった。
それからというもの二人の鹿山レイジョは鹿山レイジョのことを常日ごろから考え続けた。
どうしたら鹿山レイジョを倒せるのか。一歩上回ることができるのか。自分の頭の中が自分のことでいっぱいになっていった。
自分が繰り出す技がどう見えるのか、自分の手、足、腰の入り方、胸の動き……。
自分と戦うことを想定し、鏡の前に立ち、トレーニングをすることが増えた。
そしてもう一人の鹿山レイジョとは手合わせする時は約束も何もしなくとも最初に出会ったトレーニングの場所で気が付いたら向かい合っていた。
自分自身だからなのか…なんとなく、直感で今日は手合わせする日だと信じ、そして実際に拳を合わせる。そんな日が長く続く。
出会ってからもう何日…いや何か月たったかもわからないぐらい過ぎたころレイジョはすべてがレイジョ中心に生活をするようになっていた。
手合わせをした数も10や20では済まない。もう100はしたらどうか。
どの手合わせも引き分けとなり、また反省、訓練を行い、手合わせをする。その手合わせを重ねれば重ねるほど自分の功夫が積み上がっていくのがわかる。
まるでカンフー映画のようなシチュエーションに酔いしれており、このことは誰にも話せない、鹿山レイジョ同士だけの秘密となっていた。
絶対に自分だけで自分を超えてやる。
異常なまでの執着心が二人をまた手合わせに引き込むのだった。
そして手合わせをするたびに「絶対に敗けたくない!」そう強く思い、そしてまた二人同時に膝をつくのだった。
どちらが先に勝利を掴むのか。それはお互いにすらわからない。ただ、自分にだけは敗けたくないと相手を強く思うのであった。
そんなある日、レイジョは訓練の後の日課のプロテインを買いに店に来ていた。しかし、いつも使っているプロテインは品切れだった。
「あのレアチーズケーキのがいいのになぁ」
そう不満をつぶやくと店員が店の裏からおすすめのプロテインを出してくれた。
今回ばかりは仕方ない。プロテインを飲まないのはあり得ないのでそれを購入し、帰路についた。
自主練を行い、プロテインを飲み、シャワーを浴びる。さっぱりしたところで布団に入り、眠りについた。
……ん?
レイジョは違和感を感じ目が覚める。
何か下半身が熱い……?
何気なく手を下半身に充ててみると固い異物が股間から固く生えていた。
これは!?
慌てて布団から飛び出し、自分の下半身を見る。
本来女性器があるような場所に、立派な男性器が勃起した状態で存在感をあらわにしていた。
「嘘でしょ……?」
おそるおそる触ってみるとビクンの跳ね上がり、それと同時に今まで感じたことない快楽が軽く腰を通り抜けた。
「ぁん!」
自分でもあまり出したことない声が出てびっくりする。
「こ、これは……本当に……?」
気が付けば艶っぽい息遣いに自分がなっていることに気づく。
部屋の中にある姿見とふと目があう。
そこには男性器をはやし、それに興奮した自分の姿が映し出されていた。
「うぅ……」
その自分自身の姿が恥ずかしい、と思うと同時に、ここから先に進んだらどうなってしまうのか、という好奇心が頭の中を駆け巡る。
そっと右手で硬直した男性器を握る。
今まで意識したことなかったが、きめ細やかで細い指……。
それが見たこともない自分自身に生えている少しグロテスクな男性器をそっと包む。
「ん!」
その触れた感触だけでレイジョの腰は強く跳ねる。
こんなことしていいのか……。正解がわからないまま、レイジョは手を上下に動かし始めた。
自分だけしかいない部屋。そこで静かに快楽の第一歩を踏み込んでしまった。
だが、姿見にはもう一人の自分がまるでいるように、レイジョの痴態を映し出していた。
もう一人の自分……突如現れた超えるべき自分自身というライバル……。
レイジョはそう思っていたが、自分の今の動きがまるで相手にしてほしい自分の願望のように見えてきていた。
快楽に溺れたい……それと同時に、同じように快楽に溺れさせたい……。
自分という存在ともう一人の自分という存在……。
それに発情している自分。そして、自分の手で勝ちたい……いや敗けを認めさせたいという気持ち……。
突如現れた男性器はレイジョが今まで気が付いていなかった想いを違う形で心に刻み込む。
なんて情けない姿……。
でもこうなりたい……。
こうされたい……。
こうしたい……。
次第に男性器をしごく手が早まり、自分では止められなくなる……。
ここ最近は常に自分自身と向き合い続けてきた。その中で知らず知らずのうちに自分の魅力に気づき始めていた。
無意識に自分の胸を空いた手で揉み始める。
「あっ……!ぁア……ァン!だ、ダメ……!」
ぐぐぐっと腰が持ち上がる。自分の弱いところ……それは自分自身が一番よくわかっている。
それを打ち倒すために修行をしている。しかし、今はそんなことも忘れ、姿見越しに犯される自分を犯すことに夢中になっていた。
胸を揉みながらカリカリカリとその弱い、自分の乳首をこする手が止まらない。
「んぁぁっ……! ふ、うぅ……っ、あ……っ、ぁあ……っ!」
足をおっぴろげ、ヘコヘコと腰が情けなく動く。その姿が姿見越しに見え、より自身が欲情しているのがわかる。
「や、だ……っ、もぅ、無理……っ、おかしくなっ、ちゃ……ぁ! ぁ、ッア…っ!」
乳首と腰への快楽はとまらない。
今まで鍛えていた体と功夫という心はなんだったのか。それをあざ笑うかのように。男性器から強く、白い液が飛び出した。
「ぁああ…ァん…!んん!!ん!」
腰がガクガクと動き、それに合わせ男性器がぶるぶると射精する。
その人生初めての快楽にレイジョは喘ぎ声をあげ、悶えるしかなかった。
そしてその快楽の先にいるのは、姿見に映るもう一人の自分……。
自分自身が自分自身に欲情している……。
そうとしか思えない状況にレイジョは頭がまっピンクになっていく。
今の快楽は自分のせいなのか、それとも向こうにいる相手のせいなのか……。
今のは自分が相手に味合わせた快楽なのか、それとも相手に屈服させられた快楽なのか……。
わからない。わからないが姿見はレイジョの情けなく快楽に溺れる姿をはっきりと映していた。
「んぁ……っ……はぁ……はぁっ……んんん!」
快楽の余韻が腰に無理やり力を入れさせる、そしてその力みが、奥底にとどまっている精液を絞り出し、それが出る快感でまた腰に力が入る。
射精時とは違う、微弱な快楽が長くレイジョの体を支配する。その逃れられぬ、訳も分からない感覚がぼんやりと頭がレイジョの快楽を包んでいた。
何分、いや何時間経っただろうか。射精も、呼吸もようやく落ち着き、自分の体とそして姿見を交互に見る。
自分の体の肉付きの良さ……それでいながら女性特有の肌の綺麗さときめ細かさ……。
それを見ているだけで男性器はまた固くなろうと動き始める。
「も、もういい!」
いそいそとティッシュで飛びちった精液を吹きとるとレイジョは布団に丸まり、これは夢だとぎゅっと目を閉じた。
これは夢だ……。悪い夢!
そう思いながら初めての射精の快楽と疲れで眠りについた。