平成初期のオカルト好き女の子が騙されて開発される話 作:ワックス
これはまだ昭和の余熱が残る平成の初め、オカルトブームが再び盛り上がりを見せていた1990年代の夏のことだった。
霧島綾子は、当時の女子高生らしくオカルトの話が大好きな少女だった。心霊スポット巡り、深夜の怪談ラジオ、友だち同士で回すコックリさん――そうした話題が出ると目を輝かせ、怖い話でも「もっと教えて!」と食いつくタイプ。
そんな綾子にとって、学校で一番仲の良い友人が星野みゆきだった。
みゆきは綾子以上にオカルトにのめり込んでいた。UMAや宇宙人よりも、超能力や幽霊、魔術といった「目に見えない力」に強く惹かれ、お小遣いのほとんどを心霊写真集や呪術書、護符や水晶といった品々につぎ込んでいた。夏休みに入ってからの彼女の部屋は、古本の山と線香の匂いで満ちていた。
ある蒸し暑い午後、綾子はいつになく興奮した様子のみゆきに呼び出された。
「綾子、聞いて! 私、本物の能力者を見つけたの!」
ソーダ色のアイスキャンディーを頬張っていた綾子は、思わず目を丸くした。
「えっ……? どんな人?」
「春休みの頃からこっそり会ってたんだけど……やっと確信が持てたの。山木さんっていうんだけど、まだ大学生なのにすごい力を持ってるの。丹田を活性化させて、体に溜まった悪い霊気を流してくれるんだって。私、最近すごく体が軽いし、夢の中でも霊の気配がはっきり感じられるようになったの。先生が言ってた通りだったんだ」
綾子は半信半疑のまま話を合わせた。
「それはすごいね……」
みゆきは少し頬を赤らめながら、しかし自信たっぷりに頷いた。
「うん、今度連れて行ってあげる。先生は本当にすごい人だし、きっと綾子にも効果があると思う。ただ……ちょっとだけ、施術のやり方が特殊なんだ。服の上からお腹の辺りを押されるんだけど、それがすごく……不思議な感じで……」
そこでみゆきは言葉を濁し、視線をわずかに逸らした。綾子はその様子に気づくこともなく、
(服の上からお腹を触られるくらいなら、まあ……)
と気楽に考えていた。
「今週の土曜日でいい?先生の部屋は駅から少し歩いたところにある新しいアパートなんだけど……一度行ったら、きっとハマっちゃうよ」
そう言って、みゆきは小さく微笑んだ。
その笑顔には、すでに「本物の能力者」への強い信頼と、どこか甘い依存の影が混じり始めていた。
綾子はまだ気づいていなかった。
この夏の出会いが、自分の日常を静かに、しかし確実に変えていくことを。
霧島綾子
肩甲骨ほどまで髪を伸ばしている。
身長は女子の中ではやや高く、幽霊や呪いと言ったタイプのオカルトが好き。
趣味はオカルトと映画とイラスト。
得意な教科は数学で好きな食べ物はチーズケーキ。自分より学力が上な同級生のことがうっすら嫌い。
スレンダーでA型
星野みゆき
肩ほどまで髪を伸ばしている。身長はやや低い。超能力や呪い、人体実験がオカルトの中で特に好き。
趣味はオカルトと卓球と相撲。
得意な教科は日本史で好きな食べ物はうどん。校則で禁止されてなければ茶髪にしたいなと思っている。
やや肉付きが良くてB型