「う、うぅ……ん」
チ、チ、ちゅん、ちゅん、と小鳥の囁きが聞こえる。小鳥たちが朝の清涼な空気を運んできてくれていた。
だけど、俺はもうちょっとベッドの心地よさに微睡んでいたかった。しかし、さすがにだらけすぎだ、と起きあがって背筋を伸ばす。ばき、ばき、と固まった体が解れる音がした。
——ここは、俺たちが拠点としているアリーゼ所有の一軒家。
あの時。触手の責めで意識を失った後の事になるが、俺たちは幸か不幸か、助けられて街へと帰還を果たしていた。
……まぁ、なぜ、俺が幸か不幸かなんて言ってるのかというと。
「ふ、ぐぅ……」
着替えていた俺の体に、どくん、と衝動が奔る。悦楽を寄越せ、と。
そう、この通り残っているんだ、触手の媚毒が。後遺症という形で。
不定期に、体が疼く。あの素晴らしき悦楽を求めて。そして、それはパーティーメンバー全員に傷跡として残されていた。
……しかし、ここがパーティーメンバー全員の自宅というべき、アリーゼ所有の一軒家で本当に良かった。
これが、宿屋に泊まっていようものなら、最悪宿屋で俺たち主催の乱交パーティーが開催されていてもおかしくなかった。
ただ、それでも救いなのは俺たちの中で唯一。アリーゼだけが軽傷だった、というところか。
俺、レニ、エリスの三人は散々子宮や、アナルを通して直腸に媚毒を注がれてしまったため、もはや手遅れだったが、アリーゼだけはおまんこは魔法で守られていたし、糸の触手で媚毒を注ぐようなものじゃなかったから、まだマシに済んだのだ。
それでも、体に媚毒をぶっかけられていた事実は変わらないので、やはり、発情することはあるのだが……。
そして、その発情にも困ったものだ。
いまだって発情した体は義務と言わんばかりに、ごぷり、とおまんこから愛液を垂れ流している。濡れたショーツがおまんこに張り付いてクリトリスやヒダを刺激するのが気持ちい——気持ち悪いくらいだ。
正直、この発情した状態でみんなの前に出るのは憚られた。
なんというか、周りに発情した者がいると、他の者も充てられて発情してしまう。
それこそ、この家の中で朝っぱらからレズ乱交パーティーが開催される運びになってしまう。それでも宿で見知らぬ男に剛直を突き込まれて、あられもない矯声をあげるよりかは、幾分マシだが。
それよりも、この発情した体をどう収めるべきか。
さすがに、この転生した世界には、張型やローターのような大人の玩具は存在しなかった。むしろ、存在してたら怖い。
俺は自身に宛がわれた部屋をぐるり、と見渡す。
——書き物用の筆。
……いや、さすがにそれでオナニーするのは憚られた。
——木製の飲料コップ。
……口につけるものでおまんこをほじくるようなオナニーするほど倒錯してないぞ?
——机の角。
それ使うくらいなら指で弄るよ。……気持ちいいのかな?
なんというか、ろくなものがない。
いや、まぁ。この部屋にそういった自慰道具があったら、それはそれでどんだけ性欲強いんだ。と、仲間にドン引きされていただろうが。……いまはちょっと、どう思われるか分からないけど。
そういってため息を吐こうとした俺の目に、とあるものが見えた。
雄々しく、太い円柱状の握り。その円柱の先に拵えられた丸い宝石。そして、円柱の根本にある、クリトリスを刺激するのにちょうど良さそうな突起。
壁に立て掛けれてる、俺が愛用しているロングソードとダガーの二振り。特にダガーは柄の太さといい、長さといい、ちょうど良さそうに見えた。
「んぐっ……」
ごくり、と唾を呑み込む。
もし、あれをおまんこに突き立てて、ぐちゃぐちゃにかき混ぜたら。俺は間違いなく、おまんこから送られる悦楽に頭がぶっ飛び、絶頂するだろう。
ふら、ふら、と夢遊病の患者のように俺はダガーのところまで行って、直接手に取り、躊躇いもせずスカートを捲って、おまんこへ宛がおうと——。
「にひひ、いっけないんだぁ」
俺以外の声が聞こえて、正気に戻った。
ざっ、と手に持ったダガーを構えて、声が聞こえてきた窓へ体を翻す。そこには赤髪の小柄な少女。
仲間のひとり、レニの姿があった。
「なんで、お前……」
「だって、アイナったらいつまで経っても起きてこないんだもん。だから、イタズラでも……。なんて、思ってたんだけど——」
そういって、レニは口を三日月に歪める。
先ほどの言葉といい、レニは間違いなく、俺の醜態を見ていた。
「仮にも教会の聖堂騎士さまがそんなんじゃ、示しがつかないよねぇ?」
「……い、良いんだよっ! どうせ、俺はもう教会を抜けた破戒僧みたいなもんなんだしっ!」
「……はかいそー?」
「き、きにするな!」
動揺しすぎて、思わず前世の言葉が出てしまった。
……それはともかくとして。俺が元教会騎士であることも、そして教会を抜けたのも本当だ。と、いうか仲間たちには包み隠さず伝えている。
別に信仰を捨てた訳じゃないから厳密には破戒僧、というか背教者、というわけでもないんだけど……。
むしろ背教なのは教会の生臭や金の亡者どもだろう。
……今世の俺は孤児。捨て子として、教会の孤児院の玄関口に置き去りにされていた、らしい。
さすがにその頃の記憶はないので真偽の判断はできないが、俺が教会の孤児院で育ったのは紛れもない事実。
正直、シスター。先生がいなければ、俺の人生はまったく別のものになってただろう。それだけは確かだ。
だからこそ、シスターに憧れた俺は、彼女のようになりたくて。彼女へ恩を返したくて教会の騎士を目指した。
幸いにして、この身は才覚に恵まれていたようで、トントン拍子で従士まで駆け上がることができた。が、それが生臭どもに俺という存在が認知されたのだろう。
あいつら、俺の出世を止めた上で言うに事欠いて、俺に股を開いて媚びろ、なんて言ってきたんだ。
……俺自身、今世の女として産まれて、そういうのに興味がないか、と言われたらすごく興味があった。でも、自分を安売りするつもりなんて毛頭なかったから、俺は——。
——くちゅり。
「ひゃうっ……!」
ショーツ越しにおまんこへ生暖かいなにか、が当たる感触で我に返る。いつのまにか、俺は考えに没頭していた。
首筋にふぅ、ふぅという息遣い。レニに背後を取られた上で抱き締められてるようだ。
……と、いうか。この感覚、まずい。
「ねぇ、アイナ? 他の二人にはちゃんと黙ってるからさぁ……」
この娘も、俺と同じように発情している……!
「あたしので、気持ち良くなってよ——」
その言葉と共に、彼女の指がおまんこのヒダを掻き分け膣内に侵入し、同時に俺の上衣をはだけさせると、既に勃起していた乳首を指で挟んで、こりこり、と弄くってきたのだった。
「あっ……んぅ! く、ふぅ……」
「ねぇ。どう、アイナ? 気持ちいい?」
……あれからどれくらい経ったんだろう。
俺はレニに抱きかかえられた状態でベッドに座り、彼女の愛撫に弄ばれていた。
……その証拠、とでも言うべきか。
壁側の姿見の鏡には、ふわふわとした緑髪を汗で張り付かせ、本来、目を半開きにして眠たそうにしながらも鋭い表情を見せていた顔は悦楽で淫蕩に、とろとろに蕩けさせ。
だらしなく、はだけさせた衣服の隙間からは、小柄な体躯には似つかわしくない。現実のバストサイズで言えば、Dサイズの巨乳がレニの掌で弄ばれつつ、体が小刻みに震えるのに連動してぷるぷる、と存在を自己主張して。
なにより、だらしなく開いた股の奥。ショーツをずらされ露となった髪と同じ緑色の陰毛は、愛液でおまんこにべったりと張り付き、そして——。
おまんこの奥からごぷり、と白く濁った本気汁を吐き出し、同時に俺の相棒と呼ぶべき一振り。ダガーの柄を、ぐちゅり、とおいしそうに、物欲しそうに咥え込んでいる俺の、民の規範となる姿を見せるべき元聖堂騎士アイナの、淫蕩に堕落した姿があった。
「ねぇねぇ、どうなの?」
レニに握られたダガーの柄が、どちゅ、ずるぅ、と抜き差しされるたびに腰が跳ねる。
技術もなにもない、ただ乱雑に抜き差しされるだけでも感じてしまうほど、いまの俺は出来上がってしまっていた。
「気持ち、ぃ——」
「にひ、ならもっと良くしてあげるね?」
その宣言と共に、レニはダガーの柄をぐりぐり、と押し込む。頂点の宝石部分が、精液がほしい、と降りていていたポルチオを刺激すると同時にぐぐ、と押し上げる。
本来なら、ただ痛いだけのそれも、いまの状況では悦楽に変換されてしまう。
「ほ、ぉ……! う、きゅ——!」
だらしなく開いていた両足がぴん、と伸びる。
おまんこは咥え込んでいるダガーの柄をおちんぽと誤認し、はやく精液を吐き出して、とばかりに、きゅ、ぎゅう、と絞り上げつつ、奥へと導く。
頭はちかちか、と火花が散って、許容量を越えつつある悦楽を喜んで迎え入れていた。
しばらく、俺の意に反してぴん、と伸びていた足が、くたり、と弛緩してだらしなく股を開いていた状態へ戻る。
ぶわ、と全身から噴き出す汗。散々に絶頂させられ、疲労とともに全身を包み込む倦怠感が心地よい。
「あ、はぁ……」
熱い、昂った吐息が漏れる。
もっとほしい、という欲望と、もう無理、という理性が頭の中でせめぎあう。
——ず、ぬるぅ。
「あ、ひっ……」
レニは無言のまま、おまんこへ差し込んでいたダガーの柄を引き抜く。それに合わせて、おまんこはぴゅ、ぴゅるっ、と潮を噴き出した。
そして、レニは先ほどまでおまんこが咥え込んでいた、俺の愛液と本気汁でどろどろに汚れたダガーを目の前へ持ってくる。
「ほら、すごいねアイナ。どろどろだぁ」
本来、生死をともにする筈の相棒たるダガーを、己が欲望のために、おまんこへ咥え込んでいた。
その背徳感が、ぞくぞくとした感覚となって、背中を駆け巡る。
「これ。汚れを掃除するの、大変そ——」
桃色の悦楽のもやに頭をやられた俺は、レニの発した<掃除>という言葉に反応した。そして——。
「ぴちゃ、れるぅ……。ちゅ、ぱ……」
「へぇ……」
柄の部分の汚れを取るため、俺は男の剛直を、かつての触手を頬張ったように口へ含み、舌を使ってきれいにしていく。
それを見たレニは喜色を孕んだ声を漏らしていた。
しばらく無音の部屋に、ぴちゃ、じゅる、と奉仕するように舌で舐めとる音が響く。
奉仕したところで精液を吐き出す訳もないのに、俺はそれが当然、必然とばかりに舌で舐めあげ、口でバキュームのように吸い上げる。
……ただ、それがお気に召さなかったのか。それとも、放置されていたのが腹立たしかったのか。
レニは俺が口に含んでいた柄を無理矢理引き剥がすと、そのままベッドへ引き倒すと覆い被さってきた。
俺の眼前に、いつのまにかズボンやショーツを脱ぎ捨てて、彼女の赤い髪と同じ色の茂み。その奥に隠されている、ばくばく、と貝のように蠢くおまんこを見せつけるように。
それを見て、俺は無意識にごくり、と喉を鳴らした。
その時はまだ、桃色の淫蕩に犯され気づいてなかったが、ちょうど俺とレニ。ふたりともがおまんこに向き合うかたち、シックスナインの体勢になっていたことを。
その、レニのおまんこからとろり、と粘り気のある俺の顔に垂れてきた。
「ねぇ、アイナ。あたし、まだ全然してもらってないから、さ。……今度はあたしを満足させてよ」
その言葉と共にふりふり、と可愛らしいお尻を振るう。
悦楽の熱に犯された俺の頭は、そのおねだりを聞いて、まるで盛った猿のように、がっしりとお尻を、腰を掴むと彼女のおまんこへむしゃぶりつくのだった。