アークナイツ:不本意姦短編集 作:片腕チェーンソー
「……ふう」
ぽつぽつと降り出した雨の中、常に纏う裁判官としての制服を僅かに濡らしながらも、ラヴィニアはため息を付く。わずかに目を伏せた先には墓石が並び、そこに彼女が手向けた花が横たわる。
先のシラクーザにおける動乱の中で、狼主の猛威をうけてベッローネファミリーを含む多くの者たちの命が失われ、この地における勢力図は完全に一変した。ベルナルド、そして若頭たるレオントッツォが命を落としたことにより、ベッローネファミリーは大きく力を失い、サルッツォファミリーが沈黙を続ける中で新たなファミリーがシラクーザの主導権を握ることととなっていった。そしてそれは事実上ベッローネファミリーの庇護下の下にあったラヴィニアにも大きく影響するものであり──
「またここにいらっしゃってたんですか。相変わらずまめな方だ……いや、それとも昔の男が忘れられないものですかい?」
「っ!」
ぎゅむ、とラヴィニアの肩を抱き寄せ、その大きな胸を揉みしだいた男に対して、しかしラヴィニアは抗わず、ただ黙して俯くにとどまる。男の指がラヴィニアの胸に沈み込み、かと思えばゆさゆさと弾みを楽しむかのように揺らされる。
「あー、相変わらずたまんねえ乳だわ。へへ、上か下のお口でしゃぶってくだせえよ」
「なっ!?こんなところで──」
「あ?嫌かどうかじゃなくてよぉ、どっちが良いかって聞いてんだよ……わかるだろ?」
ラヴィニアの反応に対して取り繕うのをやめて高圧的な態度をとる男であったが、しかし彼女はその言葉に歯を食いしばりながらゆっくりと男に傅き、一つ息を吐いてから男の服を脱がし、口淫を始めていく。
「ははっ、すっかりうまくなりやしたねえ。最初はあんな下手くそだったのに」
ずむ、じゅろ、と目をつむりながらゆっくりと男の一物を口につつむ彼女の姿は確かに不慣れさをかんじさせないものであり、自身の変化を自覚させられたラヴィニアはわずかに表情を歪めていく。
「お、そろそろ出るぞ、全部、飲め!」
がしっと後頭部を掴まれながら男の性を注ぎ込まれると、ごきゅり、ごきゅりと音を立てながらゆっくりと飲み干していき
「んあ……」
「よぉし、全部飲めたな、偉い偉い」
男に頭に撫でられる嫌悪感を押し殺しながら拳を握りしめるラヴィニアは、こうなった経緯について思いを馳せていく──
※
「ふうん、あんたがラヴィニアかい。ああ、もちろん知ってるよ?ベッローネのところで囲われてた変わり者の裁判官。んで、そんなあんたがうちになんのようだい?」
からり、とキセルを口から話してラヴィニアに語りかけるのは、先の事件以後うまく勢力を拡大し、シラクーザにおいて多大な影響力を持つようになったマフィアのドンたる女傑である。
「私が今日ここに伺わせていただいたのは、この町の公正のためです。」
「公正ィ〜?そりゃあ、大切だなあ。でもなんでそんなことをあたしたちに?」
にやにやと笑うドンの顔は醜く歪み、配下の男たちもにやにやとこちらを馬鹿にする薄ら笑いを隠さない。
「すでにこのファミリーがシラクーザで大きな勢力を誇り、そしてその力が裁判所にまで及んでいることは私が示すまでもありません。私がお願いしたいのは、あなた方のそうした力の行使によって裁判所が形骸化することを──つまり、あなた方のご機嫌次第で審判が定まるようにすることをやめていただきたいのです。」
「ぷっ……はははははははははは!」
ドンの哄笑とともに、部屋に笑い声が一斉にこだまする。
「は〜笑った笑った。まさかそんな馬鹿正直に来るとはねえ。しかし──」
──そんなお願いを私たちが受けると思っているのかい?
ぎろり、とドンの眼差しがラヴィニアを射抜く。その鋭さに一瞬身がすくみそうになるも、抗うかのようにドンを見つめ返し、ラヴィニアは言葉を紡いでいく。
「もちろん、ただでとは言いません。私の提示できるものであれば、いくつかご用意させていただいております。」
堂々としたラヴィニアの胆力にドンはどこか感心したような、しかしどこか憎しみのあるような表情を浮かべる。
「大した度胸だ。ああ、それは認めるよ。しかし、あたしたちがこれから傀儡にしようとしていた裁判所にあんたみたいな女がいると知って、どうして消しちまおうとしないと思えるんだい?」
ドンのセリフに合わせ、部下たちが一斉にラヴィニアに向けて武器を構える。しかしラヴィニアはそれに動じることなく、書類をドンに提示する。
「これは……」
部下を介して書類を受け取ったドンは目を丸くする。それはこのファミリーの資産、資金の流通路などを詳細に調べ上げたものであった。合法、非合法問わずまとめ上げられたそれは、彼女たちの力の源であり、これ単体ならともかく、この情報をもって行動に移せるレベルの組織の手に渡った場合、彼女たちにとってはいささか異常に難儀なものといえた。
「ふん、大したもんじゃないか。だがこれをあんたが脅しで使うには──」
「──サルッツォファミリー」
「なに?」
「私が交流があったのは主にはご存知のようにベッローネファミリーの方たちでしたが、先の一件でサルッツォの方とも多少は交友があります。もし私がここから帰れなかった場合、これらの情報が全てサルッツォファミリーに流れるようにしてあります。」
「……小娘が。なかなかやってくれるじゃあないか」
ドンは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。彼女たちのファミリーは先の一件で生じた空白をうまくかすめ取る形で多くの権力を手にしたがしかし、それでも向かうところ敵なしという程の力があるわけではない。そんな彼女のたちの有力な対抗馬となりうるのが先の一件に関わったとされるも、未だ力を多分に残していると目されるサルッツォファミリーであった。サルッツォファミリーにはこの資料を利用して彼女たちに抗う力があり、そして勢力を急拡大させる彼女たちを阻まんとする動機もある。ドンは瞬時に資料とサルッツォの力によってもたらされうる自身のファミリーへの被害を計算し、それが容易に受け入れられない程度のものであることを認識する。
「……ふん。確かに今ここであんたを消すには少しばかしデメリットが大きいのは認めるよ。それにあんたの能力も認めてやる。単なるベルナルドの情婦だと思ってたんだがねえ……」
「お言葉ですが、私と彼はそういう関係性ではありません。」
「ふうん、そうかい?」
それにしては、ラヴィニアを見る目は他の女を見る目、そう、たとえば自分に対する目とは違っていたようにドンは感じていた。ドンはラヴィニアから目を外し、ベルナルドに思いを馳せる。いい男だった。自分を袖にしたのだけは許せないがしかし、と、そこまで思ったときにドンの胸中にどこか黒いものが渦巻いていく。ああ、ベルナルドが目をかけていた女を今私は手中に収め得るのか。そう思うとドンは再びラヴィニアに目を向け、にい、と笑う。
「……ああ、ああいいだろうさ。あんたのお願いを受けてやる。ただし二つ条件がある。まず一つは、あんたが持っている情報を何処かに流さないようにしてもらうことだ。こちらにアーツによる契約手段がある。本当は消してもらいたいところだが、あんたの身を守る手段でもある以上、それを飲んじゃくれなさそうだしね。」
「ええ、もちろんです。それで、もう一つは?」
「ああ、その前に確認だが──あんた、処女かい?」
「っ!?……ええそうです。」
ここまで鉄面皮だった彼女の顔が崩れ、わずかに赤みがさしたことを見逃さず、ドンはにやりと笑みを深めながらラヴィニアに告げる。
「もう一つの条件は、あんたがうちのファミリーの情婦になることだよ、ラヴィニア・ファルコーネ裁判官。」
「……え?」
端正な顔が再び歪む。彼女はそんなことが求められるなど予期もしていなかったのだろう、多様な譲歩を用意してきたはずだ。しかしドンはそれらに目もくれないままラヴィニアの体を寄越せよと笑みを浮かべながら告げる。
「ああなんだ、潔癖な裁判官様には難しい話だったかねえ、だったら帰ってもらって構わないよ?安心しな、帰りに襲いかかるなんてことはしないから」
「なっ……」
「なに、仕方ないことだ、あんたみたいな美人さんが、こんな街のために身体を捧げる必要なんてないんだもんなぁ?無理もねえさ。ささ、お前たち、ラヴィニア裁判官をお見送りしてきな!」
お前の求めるものはその程度のものなんだな──言外にそう示すドンの薄笑いにラヴィニアはぐっと拳を握り、しっかりとした眼差しで彼女を見返す。
「……いいえ、あなたの提案を受け入れましょう。私が──あなたのファミリーの情婦となればよいのでしょう?下卑た提案だと言わせていただきますが、それでもその程度で私の申し入れを受け入れていただけるのなら、悩むほどのことではありません」
ラヴィニアの返答にわずかに驚いたように、しかしすぐに笑みを深め、ドンはラヴィニアとの契約を結んだ。
──数分後、彼女は初めての行為に及び、彼女にとっては価値の高くない、しかし彼女を守りたかった者からすれば代えがたいもの──彼女自身の貞操を失うこととなる。
そしてそれはラヴィニアにとっての屈辱的な日々のはじまりにすぎなかった。
※
「この件に関しては、まだ審理が必要そうね……申し訳ないんだけれど、調べものをお願いしていいかしら?」
「もちろん大丈夫です!お役に立てれば何よりです!」
──昼時、カフェ。
ラヴィニアは先日より裁判所に勤めることとなった後輩のループスの男とともに、昼食にきていた。彼女がマフィアの情婦となったとしても、基本的には[[rb:そういったこと > ・・・・・・・]]は夜に行われることが多く、裁判官としての職務を行うことは認められていた。
(「そっちの方が興奮する」なんてふざけた理由じゃなかったらもっと喜べたのだけれどもね……)
しかしながら裁判官としてだけでなく、情婦として好きでもない男たちに弄ばれるのはラヴィニアに大きな疲労をもたらしていた。これまで経験のなかった性行為をさせられることによる単純な肉体的疲労はもちろんのこと、契約を楯にどんどん調子に乗る男たちを相手にすることへの精神的疲労も大きかった。当初は様子を伺って彼らなりに丁重に──そのときはそうだと全く気づかなかったが──ラヴィニアを抱いていた彼らであったが、彼女の無抵抗を良いことに要求はしだいにエスカレートしており、ホテルやマフィアの部屋でのみ行われていた行為が、ラヴィニアの自室や車内、果ては野外においてまで所構わず行われるようになっており、それと同時に彼らのラヴィニアを見る目が警戒すべき裁判官から、なんでも言うことを聞く女へ移り変わっていっていることを感じていた。
「おっ、ここにいたのか、探したぜえ〜」
「……あなたたち」
からん、と音を立てて店のなかに入ってきたのはファミリーの男たちであり、彼らの目がみな性欲にまみれているのをみて、ラヴィニアはふう、とひとつため息をこぼす。
「ラヴィニアさん?」
「ごめんなさい、先に行くわね。私も昼休みが終わるまでには戻るから」
「で、ですが──」
「大丈夫。私は……大丈夫だから」
恐れと、納得のいかない気持ちが後輩の男の目にあることに気づきながらも、振り返ることなくラヴィニアはゆっくりと扉の前の男たちの側に寄り添い、ささやく。
「……してあげるから、ホテルまで行きましょう」
「え〜?俺らもう待ちきれないっすよ、ここでいいじゃないっすか〜」
「……わかった、ここの裏手でいいから。出ましょう」
「ひひっ、やりぃ」
一刻も早く後輩とファミリーの男たちを遠ざけたいとして要求を受け入れるラヴィニアはしかし、腰に手を回されて店から出ていく際に後輩の方をにやりとみる男の目線に、気づくことができなかった。
「ん、んん、あっ、ああっ!」
「ふー気持ちいい〜」
ぱんぱん、とすこし覗き込めば見えてしまいそうな路地裏にて男とラヴィニアが腰を打ち付ける音が響き渡る。男が腰を打ち付けるたびにラヴィニアの大きな尻が波打つように揺れていく。壁に手をあてて顔をふせるラヴィニアの表情には、苦悶の色がありながらもしかし、確かに快楽の色も滲んでいた。
「舌だせ、キスしながらイくの好きだろ?」
「ん、んえ、ぇろ」
覆いかぶさった男の方に顔を向けさせられると、男の舌がラヴィニアの口内へと侵入する。執拗に舐め回されることへの不快感を感じながらも、必死に彼女もまた男の舌に自身の舌を絡めあわせていく。
「ん、んあ、っっっ!」
「ん……あ~出し切ったぜ。とりあえず一周だなあ、お疲れさん」
絶頂とともに疲労から崩れ落ちたラヴィニアの頭を撫でる男に苛立ちを覚えるも、息を整えながら彼女は自身の苦難が一度終わったことに安堵する。
(ふう……なんとか切り抜けられたわね。一度家に帰って、いや、家に誰かがいる可能性もあるし、どこかで身体を清潔にしてから裁判所の方へ──)
「おーい、ついでにこいつも混ぜてくれや!」
「……え?」
下品な笑みを浮かべながらもファミリーの男が連れてきたのは、先程までラヴィニアが談笑していた後輩の男であり、マフィアの男に連れてくるまでに殴られたのであろうか、その頬は赤く腫れ上がっており、足取りには力が無く俯いている。
「っ!彼は関係ないでしょう!」
「おいおい大事な同僚だろぉ?可哀想だからこいつにもサービスしてやれよ」
「なっ!?」
男が後輩を座り込ませれて両腕を掴み、こちらに向けさせる。
「ほらほら、いつも頑張ってくれてる後輩くんにいたわりのキスの1つでもくれてやれよ!」
「だはは!そりゃいい!後輩くんも嬉しいだろ!ほれ!」
キ〜ス!キ〜ス!
野卑な声かけが手拍子とともに路地裏にこだまする。どうしようがこうなった彼らを止める術はない──彼らの体を許したこの数日間でそのことを悟ったラヴィニアは、震える後輩の顔を見て覚悟を決める。
「ごめんなさい……んっ」
「んぐっ!?」
膝をついて目線をあわせると、後輩の頬を両手でそっと優しく包み、口づけとともに舌をゆっくりと差し込み、互いの舌を絡ませ合っていく。舌を絡ませていくうちに片手を頰から後頭部へ、片手を脇をくぐらせて肩へと回すことで上半身を密着させて二人が一体となるようにキスをしていく。マフィアに教え込まれたこんな手練手管を自分を慕う後輩に使わせられることに強い抵抗感があったものの、せめて彼が不快にならないようにと優しく後輩を抱きしめる。
「ヒュー!あっついキスだねえ!やっぱラヴィニアちゃんもしたかったんじゃねの?」
「だはは、間違いない!男好きだから新しい男にご奉仕できて喜んでんだよ」
(くっ……勝手なことばかり……こうしなきゃ許しはしないでしょうに!)
「んっ……もう、いいでしょう?彼を解放してください」
長い、そして艶めかしく濃厚な口づけをおえたラヴィニアはきっと男たちを睨みつけながら後輩を庇うようにして立ち上がる。しかし男たちはにやにやと笑みを浮かべたままであり──
「いやいやラヴィニア裁判官、こんな状態で生殺しはかわいそーだろぉ?ちゃ~んと最後まで頼むぜ?」
「ッ!本当にあなたたちは……」
「おいおい恨むんならおっ立っちまった後輩くんを恨めよ?まあ、あんな下品なデカ乳押し付けられながらドエロいキスされて立つなっつーほうが難しいか!」
げらげらと笑う男たちに対し、ラヴィニアは怒りと屈辱のあまり目をふせる。その様子を反抗と捉えたのか、男たちの中で一際気の短い者が苛立ちをみせる。
「おいラヴィニアちゃんよぉ、あんまガタガタ抜かしてっとこいつバラしちまうぞ?」
「なっ!?それは契約に──」
「あ~分かってる分かってる、こいつをバラしたあとあんたが俺を捕まえるんならきっちり裁判所の結論に従ってやるぜ?そういう契約だからなあ。だがよ、ここでこいつをやっちまうことは、な〜んにも契約には反してないんだぜ?」
確かに、彼らの行為がラヴィニアとファミリーの間で具体的に交わされた契約の条項に反することはない。とはいえ彼らとラヴィニアの契約はあくまで対等な立場によるものである以上、過度にラヴィニアの意を害すべきことではないことは明らかである。しかし──しかし彼らはそれでもやりかねないということをラヴィニアはわかっていた。この数日で痛感するほどに、彼らは無思慮であり、短絡的であった。それゆえに彼女の取りうる手段は弁論による対抗ではなく──
「……分かったわ。分かったから、言う通りにするから、彼に手を出すのはやめてちょうだい」
彼らのご機嫌取りとして、命令に従うことしかなかった。しかし彼らの増長はラヴィニアの予期できる程度ではもはやなく──
「いやいや、そんだけですませようとしてんじゃねえよ。ちゃんと謝ってくれる?素っ裸になって土下座だよ、土下座。ああ、ついでに淫乱なラヴィニアちゃんにこいつとヤラせてあげようってんだからおねだりもしてみらわないとな?」
ぎり、と歯ぎしりをするも、ラヴィニアにはそこから逃れる手段がないことがよくわかっており、せめて後輩をここから無事に帰すために、ゆっくりと服を脱ぎ、地に膝をつけ、手と頭をおろしていく。まだ身に纏っていたシャツなどを脱いでいき、大きな乳房があらわになる。それと同時に下腹部につけられた刺青──ファミリーの所有を示す証を目の当たりにして、震えながらも目をそらさんとする後輩の努力がかえってラヴィニアの目に留まり、ラヴィニアは自身の痛ましさを再確認させられ、羞恥心が湧き上がる。
「ご提案を拒んでしまい大変申し訳ありませんでした……どうか……どうか男好きの私に、新しい男性の……チンポを味わわせてください」
「くっくっく……まだちょっとお硬い部分が残ってるけど、ま、いいだろうよ、オイ!」
「なっ、やめろっ!」
男の声に、後輩を拘束していた者が体勢を変え、後輩の抵抗虚しく彼の下半身を露わにしていく。痛々しいほどに怒張した一物をみて、今度はラヴィニアがいたたまれなさから顔をふせる。
「……ごめんなさい。すぐに終わらせるから」
「ラヴィニアさん、その刺青は……」
「……こうするしか、ないと思ったの。そしてそう思ってるのは今も同じ。だから……ごめんなさい」
笑いながら刺青をいれられたときの絶望感──もう戻れないのだという証を刻まれても、それでも確かな決意をラヴィニアは瞳に宿し、後輩を見つめる。そして後輩を巻き込んでしまった罪悪感を抱えながらも、せめて彼の恥辱を少なくするために手早く済ませようと、彼の怒張した一物にわずかに手をあて、自身のすでに濡れそぼった秘裂にあわせると、一気に腰を下ろす。
「んぐっ!」
「あ、ああっ!ら、ラヴィニアさん……」
「……大丈夫、私みたいなのとさせられるのは嫌だろうけれど……すぐに終わらせるわ」
そう告げるや否や、ラヴィニアは勢いよく腰を上下させ始める。
ぱん、ぱん、ぱんとラヴィニアの尻が打ち付けられていくことで、行為の快感に加えて彼女の大きな尻を直に感じとらされることで、後輩の理性がどんどんと溶けていく。さらに彼女の大きな乳房がゆさりゆさりと上下運動にあわせて揺れ動き、不本意であっても確かに快楽を感じているラヴィニアのわずかに溶けた表情は、普段の冷静で、実直な彼女を知る後輩だからこそ、どうしようもなく興奮を高めるスパイスとなっており──
「うっ、ああっ!ラヴィニアさん、僕はもう──」
「大丈夫、大丈夫よ。いいから、全部出してちょうだい」
脳内が爆発したかのような快感とともに、後輩の精がラヴィニアの中で解き放たれる。ラヴィニアが自身の中に確かに注ぎ込まれたものを感じ取り、暗い表情を浮かべる中、後輩の男はそれまでに振るわれた暴行も相まって、ゆっくりと意識を失っていく。
「っ!?息は……あるみたいね、よかった」
安否を確認できて安堵するラヴィニアであったが、後輩の一物を抜きとり、股から精液を垂れ流したうえでの様子はファミリーの男たちからすれば愉快な光景であり、嘲笑が路地裏に響き渡る。
「もう、いいかしら。私にも職務があるの」
「ああ、もちろん行ってもらって構わないぜ、俺らもスッキリしたし、面白いもんも見れたしなぁ」
無愛想なラヴィニアにも鷹揚な男たちに違和感を覚えながらも、衣服を着ようと置いてあった下着を見てラヴィニアがわずかに硬直する。
「ああ、わりい!必死に腰振ってるラヴィニアちゃんがエロすぎてつい下着にもぶっかけちまったぜ」
ぎろり、とファミリーの男たちを睨むラヴィニアであったがしかし、男たちは薄ら笑いを浮かべるばかりである。
(……馬鹿馬鹿しい。反応する方が負けね)
ゆっくりと精液にまみれた下着をとり、何事もないかのようにそれをつけていく。ぐちゃあ、と胸元にたれていく精液の不快さは一瞬彼女の動きを止めたが、それでもそれ以上の反応を見せないままに下着をまとい、そして衣服を着用する。
「それでは、失礼するわ。」
まるで何事もないかのように平然と後輩を抱えて去っていくラヴィニアであったがしかし、その嫌悪感をこらえんとする様子さえも、男たちには嘲弄の対象であったことはいうまでもない。
※
からり、と古びた扉が軋む音がなる。もう何度も嗅いだはずだが、それでも慣れない湿気た香りにラヴィニアの端正な眉が歪む。
「お、来たか。遅かったじゃねえかよ。だいぶ待ったぜ?ま、どうせうちの連中にさんざ遊ばれてたんだろうがなぁ!」
げらげらと下品に笑う男に言葉を返すことなくラヴィニアはゆっくりと近づき、職員から渡された鍵を用いて男が閉じ込められていた部屋へと入っていく。
後輩を家へ送り届けた後、身体を清潔にしてからラヴィニアは勾留中のファミリーの男を訪れていた。本来ならファミリーの力によって勾留などされることなく自由を謳歌できるはずの男だったが、ラヴィニアとの契約のもと、裁判に至るまでの勾留を受け入れている。ただし勾留を受けていようがファミリーの一員であることに変わりはない以上、時間を持て余した男に散々こうして奉仕に呼び出されているのが実情であった。
「あ~もう待ちくたびれたぜラヴィニアよぉ」
「待ちくたびれたって……貴方には昨日も行為を行ってあげたはずでしょうに」
「お前みたいなエロい女が抱き放題なんだぜ?ここじゃすることもねーし溜まっちまうもんなんだよ」
部屋に入ったラヴィニアの後ろに回りこむと男はぎゅむう、とラヴィニアの胸を鷲掴みにしながら彼女の頭に顔をよせてその臭いを吸い込んでいく。
「おっ風呂入ってきたのか?感心感心、やる気満々だねえ」
「あなたが先ほど自分で言っていたでしょう。お仲間に汚されたからそれを洗い流しただけです」
「んふ、辛辣だねえ。ま、そっちの方が燃えるから良いけど。んじゃあ、いつものヤツ頼むわ」
男がベッドに座り込むと、ラヴィニアはその前でしゃがみ込み、男の下半身を露わにしていく。下着を脱がせると漂ってきたむわり、とした臭いに一瞬ラヴィニアの顔は引きつるも、なにを言われるまでもなく目を瞑ったまま男の一物にゆっくりと口づけをおとす。
ちゅっ
「へへ、いいぜ、その調子で繰り返していけよ。あ~、最初のときを思い出すなあ、お前も忘れんなよ?都市裁判官ラヴィニア・ファルコーネ様のファーストキッスは俺のチンポにだったってことをなあ?」
柔らかく口づけを落とし続けるラヴィニアに男はけたけたと笑いながら彼女の髪を撫でる。
「あんときは興奮したなあ……今でも覚えてるぜ?お前が嫌そ〜に俺のチンポに唇くっつけたときのことはよぉ!お前の青白い顔、引き攣った笑み……思い返すだけでギンギンになっちまうなぁ……」
男の挑発にも一切反応を示さず黙って奉仕を続けるラヴィニアだったが、男は機嫌を害した様子もなく滔々と語り続ける。
「俺はてっきりベルナルドのジジイやレオントゥッツォのガキの世話してたと思ったたからよう、嬉しい誤算だったなあ……こんなどエロい体に手を出さないなんてあいつらも酷だよなあ?」
(──こんな、彼らのことを何も知らないような男に……)
自らだけでなく、ベルナルドやレオンのことまでも虚仮にする男に奉仕せざるをえないことに憤りを覚えるも、しかしその反応が男を喜ばせるだけだとわかっているがゆえに、ラヴィニアは怒りを抑えて黙々と男の一物に口づけし、舌を這わせていく。
「いいねえ……そろそろそのデカ乳ではさんでくれや」
「……」
ゆっくりと、しかし従順にラヴィニアは衣服を脱ぎ、その大きな乳房をあらわにすると、男の一物をはさみ、しごきはじめる。重量感のある自身の胸を両手で抱え込み、男の大きな一物をも覆い尽くしていく。
ずり、ずり、と先走り汁を潤滑油にしてラヴィニアの胸と男の一物が擦り合わされる音が部屋に響く。
「……くっ!?」
しばしの時間の後、男はラヴィニアに何も告げることなく絶頂し、ラヴィニアの胸、そして顔に男の白濁が勢いよく飛び散っていく。じろり、と睨むラヴィニアだったが、しかし精液をかけられたその様子は男を興奮させるスパイスにしかならなかったのか、ぺろりと唇をなめた男は再度その一物を隆起させる。
「んじゃ、本番だな、いつもみたいにまたがってアンアン喘げや」
そういってごろんとベッドに寝転がった男にわずかに睨むも、ラヴィニアに選択肢はない。ゆっくりとスカートと下着を脱ぐと、男に跨り、その大きな一物を握り、自身の秘裂に当て、腰を慎重に下ろしていく。
「んん、ぐっ……ふ、う……」
何度やっても慣れることのない、男の一物を自身の中に受け入れていく感覚。しかし、心は男は拒めども、彼女の身体は歓迎するかのようにキュッキュッと健気にその一物を咥え込んでいく。そしてその快楽、あるいは自身が確かに悦んでいるという事実を振り払うかのようにラヴィニアは腰を振り始める。彼女の大きな尻が男の上で懸命に上下し、それに付随して彼女の上半身──ぎっしりと詰まった彼女の双球もゆさりゆさりと揺れ弾んでいく。
「ひひ、何度見ても眼福だよなぁ……こりゃ」
ラヴィニアに奉仕させるだけでは飽き足らず、男は眼前で揺れる乳房をがしりと握り揉みしだき、そしてその乳首を弄ぶ。
「んん、ああっ、あっ──はあっ……ああんっ!」
自身が腰を振って得た快楽、そして男から与えられた快楽でこれまで堪えていた声が漏れ出してもなお、自身の職責として懸命に腰を振るラヴィニアに、男の興奮も高まっていき──
「──〜〜〜〜〜〜っ!」
男がついに欲望を吐き出すと同時に、ラヴィニアもまた絶頂する。声はなく、しかし快楽は全身に響き渡る。荒い息を吐くラヴィニアの顔を男がつかむと、ついでとばかりにに唇が貪られ、口内が蹂躙されていく。この日すでに何度もその肢体を貪られていたラヴィニアは疲労からぐったりと男に身を預け、男の身体に挟まれた彼女の乳房がぐにゃりと形をゆがませる。
「──へへ、ラヴィニアよぉ、まだまだこれからだぞぉ?」
※
裁判官の業務、そして勾留中の男に対する[[rb:職務 > ・・]]を終えて、彼女はようやく帰路につく。その美しい容貌にも疲労が浮かんでいるが、しかし、彼女の仕事はまだ終わるわけではない。
ぎい、とある店の裏口──古びた扉を開けて彼女が中へ入ると、むわりと酒気と淫靡な雰囲気がラヴィニアに纏わりついていく。ヌオバ・ウォルシーニの中心部から少し離れた古びた酒場、そして彼女が服従するファミリーの遊び場こそがこの場所である。裁判官としての制服を脱ぎ去り、店の制服に着替えると、ラヴィニアはゆっくりと客のいる広間への扉を開ける。
「ひひ、まーたデカくなったんじゃねえの?毎日揉んでる俺のおかげだな〜」
「おっいい尻してんなあ……今晩どうだ?」
「あっとこぼしちまった……拭いてくれるよなぁ、姉ちゃん?」
下卑た喧騒の中で男たちが酒と女を貪っている。といっても、女の中にはもとよりの娼婦──そのなかでも積極的に稼がんと虎視眈々としている者もいるが、ラヴィニアを含め大多数は不本意にも店員をやらされているものであり、男たちからのセクハラを形ばかりの抵抗で耐え忍ばんとするものばかりである。
「おっ、遅かったじゃないのラヴィニアちゃんよお……相変わらず似合ってるぜえ?」
「……どうも」
この店でもとりわけ容姿、そして男好きのする肢体のラヴィニアはすぐに客のつかまると、じろじろと視姦されていく。あくまで男を楽しませんとする店であるがゆえにその制服も当然まともな代物ではなく、手足こそタイツで覆い尽くすものの、その他の部分は局部と乳首を今にも剥がれやすそうなシールで隠したのみという破廉恥としかいいようがないものを裁判官たるラヴィニアは着用させられていた。
「くひっ、いや〜あのラヴィニア裁判官がこんな娼婦でも金積まなきゃ着てくれねえようなバカみてえな服着てくれるとはねえ……」
そう言いながら男はぎゅうと、ラヴィニアのずっしりとした乳房を好きに揉みしだく。
「おっと、ついうっかり手が当たっちまったぜ……悪いなぁ、店員さん。ご機嫌を害しちまったかな?」
「……いえ、お構いなく」
今もなおラヴィニアの乳房を好きにいじくり回しながらもわざとらしく問いかける男の茶番──ラヴィニアにわざわざ同意をさせて彼女の尊厳を貶めようとしているのだ──をいなしながらも、ラヴィニアは男たちの顔ぶれを確認し、ひゅ、と息を呑む。
「──どうして、あなたが……?」
ラヴィニアが問いかけた相手は、先ほどラヴィニアと同行していた裁判所の後輩であった。
「ひひ、なあんでかなんてそんなの当たり前だろ?あんなドエロい身体味わわせておいてなあ?普通の男ならもう辛抱できなくなっちまう。うちのファミリーに入ったら憧れの先輩も好き放題できるぜって言ったらコロッと落ちちまったぜ。」
「ラヴィニアさん……すいません、でも、俺……」
「落ち着いてちょうだい、あなたは少し気が動転しているだけよ。私もとりなしてあげるから、ファミリーへの加入なんてなかったことに──んあっ!?」
必死に──正しい道を歩んでいたはずの後輩を元の道に返さんとするラヴィニアの説得は、当の後輩が強引に自身の指をラヴィニアの秘裂に突っ込ませることで中断される。
「んっ、あっ、まって、あっ……」
「こんな馬鹿みたいな服着てるくせに上から目線なのやめてくださいよ……いっつもデカ乳揺らして俺を誘惑しやがって……立派な人だと思ってたのに……こんなタトゥー入れてマフィアに股開く淫売だったなんてねえ!」
後輩の左手がラヴィニアの下腹部に刻まれたファミリーのタトゥーをなぞり上げる。右手では乱雑な指の出し入れを繰り返し、しかしそんな一方的な行為でさえ、開発されきったラヴィニアの身体は快楽を感じ取ってしまう。
「あっ、あっ、ま。まって、いったん話を、おおっ……」
「[[rb:ラヴィニア > ・・・・・]]、おねだりしろよ……」
ラヴィニアの名を呼び捨てにした後輩の性欲で澱んだ瞳を前に、ラヴィニアは彼がもう変わってしまったこと、そして自分の過ちを悟っていく。
「……そん、な」
「へいへいラヴィニアちゃんよお、さっさとおねだりしろって。かわいい後輩の頼みだろぉ?」
「変態なラヴィニアちゃんにはもーっと淫乱なやつのほうがいいかな?」
ぎり、と好きかって言い出すファミリーの男たちに対する怒りをぐっとこらえ、ラヴィニアは後輩にその大きな尻を向け、すでにシールを剥ぎ取られていた秘裂を両手で開く。
「ご、ご主人様の素敵なオチンポで、ラヴィニアの、欲しがりマンコを躾けてください……」
すでに何度も男たちにやらされて、しかし裁判所で働く同じ道を歩んでいたはずの人間に対してのそれは、常よりもはるかに強い恥辱をラヴィニアに与え、彼女は顔から火が出るような思いを抱く。
そして麗しの裁判官の痴態は後輩のほとんど失われかけていた理性を完全に取り払い──
「ラ、ラヴィニア!俺の!絶対に、孕ませてやる!最高だ、ああああああ──」
もはや言葉を失って叫び声を上げるほどに本能のまま、ラヴィニアは貪られていく。後輩の一物が出ては入りを繰り返し、顔を、舌を、胸を、首を、腹を、そのすべてを味わわんとする後輩に、ラヴィニアは何の抵抗もできない。
「ああ、孕め、孕め、孕めぇ!」
数分、あるいは数十分に渡る捕食の果て、後輩の一物からついに精が放たれる。極度の興奮からなされたそれは、確かにラヴィニアの中に吸い込まれ、巻き散らかされていく。
「……あ、ああ」
わずかな吐息、そして涙がラヴィニアの目からこぼれ落ちる。しかしそれを以て彼女を弄ぶ宴が止むことはなく、その日彼女は後輩を含む数十度の射精を受けることとなった。
※
「おはようございます、ラヴィニアさん」
あれから、ラヴィニアにとって裁判所の中でさえ一息つける場ではなくなった。これまでと変わらぬ振る舞いを装う後輩、しかしその目はかつてあった敬意や好意を宿すものではなく──
「あ~、やべ、ラヴィニアさんのデカ乳見たらちょっとムラっとしたから使わせてくださいよ。」
ラヴィニアをただの欲望のはけ口としか見ない、澱んだものであった。
「おお〜いいぞ、本当に夢みたいだぜ……」
(……ぐ……苦しい……息が……)
別室に入るやいなや剥き出しにされた一物をしゃぶると、後輩はラヴィニアの頭部を抱えて強引にピストンを開始する。強引なイマラチオにラヴィニアの呼吸が阻害され、一物を懸命に頬張りながらも苦悶に染まった表情の上には反射的な涙が流れ落ちる。しかし彼がファミリーに堕した今、その抵抗は苦しげに腰をタップするにとどめられる。
しかし、そのあまりにもか弱い抵抗は、かつて憧れていた麗しき裁判官を自身が好き放題しているということへのスパイスとして、かえって男の興奮を募らせていき──
「……ッ!ラヴィニアさん……ラヴィニア!もう……俺のものだ……ラヴィニア!」
(あ……もう……)
自身の喉に叩きつけられる男の一物の感触やそれに伴う醜い水音。それらをどこか他人事のように感じながらラヴィニアはゆっくりと意識を失った。
※
「ん……」
失神していたのであろうか。かぴかぴになった髪から漂う臭いに眉を歪めながらもゆっくりとラヴィニアは立ち上がる。気づけば衣服は完全に脱がされており、顔だけでなく胸、そして膣にもどろりとした精液を感じ取れる。自身が失神してなお陵辱がされていたことは明白だった。
「……くっ」
なんとか衣服を着ようと足を動かさんとするが、その力さえも入らず彼女はゆっくりと崩れ込む。
守ろうとしたもの、あるいは守りたかったもの、そして今の自分。様々なものが頭をめぐっていく。
(……ああ、私はなんのために……?)
わずかに抱いた思いをかぶりをふって打ち消し、彼女は再び立ち上がる。今度はしっかりとした足取りをもって衣服をまとい、最低限の身なりを整えてから、部屋を出る。
陵辱の後とは微塵も思えない凛とした姿は、市民を思う常のラヴィニア・ファルコーネである。しかし、その心の奥底に生じたひびは治せるものではなく、そして彼女の心の奥底までを見通せる人物は、もうどこにもいなかった。