アークナイツ:不本意姦短編集 作:片腕チェーンソー
「ぬうっ!?ああっ……もう朝か。」
性処理課の朝は早い。ピピ、と電子音が鳴ると同時に私の膣内に挿入されていた器具が動き出し、絶頂によって強制的に目覚めの時を迎えさせられる。就寝時においては装着する器具を用いて姿勢を操作させられていることが多々あり、今日は足を大きく広げさせたうえ持ち上げられた、いわゆるまんぐりがえしの姿勢をとらされていた。社に置かれた私の寝室はガラス張りであり、私は衣服の着用を禁じられているため、夜勤の連中によって全裸であのような無様に眠っている姿をとらされ、嘲笑されていたということになる。
……もちろん不愉快ではあるが、これも業務に伴う規定であり、受け入れざるをえない。以前のようにブリッジの姿勢を取らされたり、半覚醒状態で器具によって強制的に卑猥な踊りを踊らせられるよりかは、何倍もマシだ。……目が覚めるとまず行わなくてはならないのは、部屋にとりつけられたカメラに宣誓した後の自慰行為だ。私は黙々と器具を外していき、カメラの前まで移動する。
「私、サリアはちんぽに尽くすためだけに生きている肉便器だ。ちんぽをしごくために存在するこの髪先から、皆様を興奮させるためだけに大きくなった胸、ちんぽを咥えて離さないまんこに至るまで私のすべてが男に奉仕するためのモノであり──」
ふん、とそこでカメラの前に設置されてある極太ディルドに腰を一気におとし、膣でしっかりとくわえ込む。中腰になって足をがばりと開き、両手を頭の後ろに構えて全裸でディルドをくわえ込むさまは無様としか言いようがない状態であるが……これもまたやむを得ないことだ。当初は宣誓のみだったのだが、飽きてきたとのことでディルドを使ってスクワットによる自慰を行いながらやることを命じられた。
「──こんなどうしようもない淫乱女を飼っていただいていることに感謝の念をこめて、脳筋女の自慰を披露させていただく。私の痴態をたのしんでくれ……フン!」
姿勢を変えないまま腰の高さだけを変えてディルドを使った自慰を行っていく。太く大きなディルドは、最初は入れるだけでも一苦労であり、スクワットなどまるでできないまま動けなかったことを思い出す。出社してきた連中に身体を押し付けられて無理やり挿入させられたことで叫び声をあげながら失禁してしまった様子は録画されており、社の集会で晒上げられ、多くの社員に笑いものにされた苦い記憶──いまだにこのことをあげつらってくる社員もいる──は私の中にまだはっきりと残っている。
「ふっ……ぬうっ……イくっ!」
淡々と腰を上下させ、ディルドを根元まで加え上げてはそれをすべて膣から抜く動きを繰り返し、ついに絶頂する。最後にディルドを抜くと、ぬぽりと愛液がディルドの先まで長い橋を架ける。
「ありがとうございました。」
自慰を終えるとカメラに向かって土下座をする。ここまでが朝の業務となる。
──────
日中における基本的な業務は各課を訪問したうえでの性処理になる。ただ性処理といっても各課によって嗜好が異なり、その方法も異なってくる。
──まず、経理課
「じゅぽ、じゅる、じゅる、れろ──」
「あ~いいわ、相変わらず最高~!」
基本的に事務仕事を行っている経理課においては、彼らの仕事と両立ができるように机の下においてのフェラが基本となる。舌を竿に這わせ、口をすぼめて先走り汁をすすっていく。目線は常に相手の方を向き、奉仕されているという実感を相手に与えていく。……実にくだらん技術だが、実際必死なさまが見てて心地よく、早く射精できるという評価を受けているため、業務の効率化という点で行っている。
「おぉ、そろそろだな」
「んぐむぅ!」
奴らは射精が近づくと基本的に私の両角をつかみ、喉奥にまで挿入してくる。ヴィーヴルであるということに特段の誇りを感じているわけではないがそれでも射精用のハンドル扱いにされ続けることには思うところがある。まあもっとも私に関する権利はすべて社に譲渡されているために不平を言うこともないのだが……
「ん~ついでにすませちまうか」
じょろろ……と私の喉に自身の一物をつっこんだままにして男が尿までだしていく。身体から排出されるべきものが強引に私の中に流し込まれていく。純粋な嫌悪感が募ると同時に、喉をふさがれ続けていることで体がえづかんとするのを必死にこらえる。以前吐き出した際には床がきれいになるまで汚れをなめさせられ、吐瀉物も顔に押し付けられた状態で再び飲み込まさせられたため、もう一度あの体験をさせられるのは避けたいところだ。
「すっきりした~、よっと」
「ごぼっんぐっ……はあ、はあ……この度はザーメンだけでなく、尿までお恵みいただきありがとうございました。」
一物を喉から引き抜かれると、なんとか荒い呼吸を行って意識をはっきりさせ、しっかりと土下座の姿勢をとり、感謝の言葉を述べる。許可が出るまで頭を下げ続け、許可が出れば次の席に移り、再び奉仕を行っていく。一度だけでは満足できなかった場合や、単純に土下座する私の頭を足蹴にしたいという場合にはしばらく拘束されることとなるが、それでもここでの業務はだいぶ楽なものだといっていい。ただ、精飲までしなければいけない以上、胃への負担は大きく、また時には目隠しをされ、誰の一物をしゃぶっているのかをあてさせられるという極めてくだらないゲームをさせられることがあるため、日ごろから一人一人の性器の特徴をつかまなくてはならないのが厄介なところだ。
──全員の処理を終え、つぎにやってきたのが、工学課だ。
「んおおおおおおおっっおっ、ぐううううううう、イく、イくぅ……ほぁ、ぐう……」
「ははは、大変な醜態ですねえ。手慰み程度の作品でしたがこうも反応がいいと面白い。」
私が睡眠時に着用を強制されている器具を作成したのもこの課の社員たちであり、本来作成すべきもののついで、あるいは目的の一助として作成された器具によって私をもてあそぶことに喜びを感じる連中である。私自身が彼らの性処理をすることはそこまで多くはないが、彼らの器具によって課される絶頂は相当な数に上るため、身体的な負担で言えばかなりのものがある。
「どうです?もとは医療用を目的としたアームなのですが、いい具合にあなたのだらしない穴二つにマッチしたようですね。」
仰向けに寝かされ、手足を拘束された私が前にしたのは、柔軟に稼働する複数のアームを持つ機械であった。きわめて慎重に私の膣と尻穴にその長いアームを挿入すると同時に大きく抽送の動きを繰り返し始めたことによって、この数日で開発され切った私の身体はあっけなく絶頂してしまったのだ。
「ふん、手慰みにしてもくだらん性能だな。この程度では本業の方も程度が知れるぞ。」
「ふふ、何を言おうとあなたがみっともない羽目になるのは変わらないというのに、本当にかわいらしい方だ。」
にやりと薄笑いを浮かべた男が端末を操作すると、さらに三本のアームが姿を現し、私の固くなった両乳首を二本のアームがぎゅうとはさみ、残り一本のアームが私の口に入り込んでいく。喉にまでアームが達さんとしたその時、ぶしゅりとアームの内部から液体が放出される。
「多様な機能が求められているものでしてね。あなたの乳首をしごき上げてくれているように吸引機能であったり、鎮静剤などを注入できるような機能もついているんですよ。まあ今回あなたにさしあげたのは媚薬ですがね。わざわざ取り寄せたとっておきの品なのですが……お気に召されてようでなによりです。」
男の言う通り、確かに媚薬の作用と思える効果で体が熱くなっていくのを感じる。私の様子をみて再び薄笑いを浮かべた男が端末を操作すると、すべてのアームが動きだす。
「ごもっっ!?んぐぉっ……んぐっ……」
口、尻穴、膣内において抽送が始まり、両胸においても乳首が吸引され始める。性感帯への多量の刺激によって頭がおかしくなるような快楽のもと私は二度三度と絶頂していく。もはやアームによって姿を隠されるかのような状態となった私を後目にして部屋を退出する男の姿を横目にとらえたところで私はアームの刺激に耐え切れず、ぶしゃあとひときわ大きな潮を吹くと、気を失った。
「……んう、ここ、は……」
疲労感を多く残したまま目を覚ますと、課の人員はおらず、アームは撤去された状態で私は横に寝かされていた。ちらりと時間を確認すると数十分ほど気絶をしていたことがわかる。息を整えてから自身の身体も確認してみると、そこには工学課の人員によってなされたのであろう卑猥な落書きが多く残されていた。『淫乱』、『バカ雌』、『年中無料』といったものから、トイレのマークや男性器をもしたイラストまで、おそらく私が意識を失っている間に私の身体をもてあそんでいたのだろう。太ももや胸にかけられていた精液を手近なところにあった布で拭いながら、多岐にわたって私を貶めようとして描かれたものの存在をみとめ、ぎりと歯ぎしりをするも、なんとか立ち上がる。
「もう昼休憩の時間か……」
昼休憩、といってもあくまでそれは社員たちが休憩するという時間であり、私にそんなものは与えられていない。最低限の汚れをぬぐった私は、下卑た落書きをのこしたまま工学課を後にした。
──────
「おっ!やっときたのか、遅かったじゃんかサリアちゃんよぉ。」
休憩時間が与えられていないといっても、職務を行ううえで食事自体は必要である。そのため、私は昼休憩においては食事をとりながら奉仕をするという形をとることになっている。失神していたせいか何人も男たちが並んでいることにうんざりした気持ちになりながらも、私は壁の中央に開けられたちょうど人一人分が通れそうな穴に上半身だけくぐらせる。男たちに尻を見せつけるような姿勢になると、穴がゆるやかに閉じていき、腕も後部にあることをのぞけば、いわゆる壁尻というらしい姿勢──初日に男たちが興奮して連呼していた──となり、私が移動できないように固定される。
「へへ、待ってる間に辛抱たまらなくなったからちょっと飯を豪華にしてやったんだぜ?感謝してくれよなぁ」
さわさわと尻をなであげる男の言うように、確かに私の食事はずいぶんと『盛り付け』られていた。
「チッ……害虫が……」
私の食事は基本的に栄養価だけが考慮されたものであり、腕も後部にある関係上、基本的には犬食いの形でとらざるをえず、それゆえかドッグフードをいれる容器に盛り付けられていることから、食事の際には極めてみじめな思いをさせられるものだった。しかしながら排泄すら近くの社員から許可を得なければいけない──そしてたいがいは漏らすまで我慢させられたり、犯される──私の生活において食事は唯一といっていいほど能動的な行為であったことから、この過酷な日々においては心を落ち着かせられる時間であったのかもしれない。目の前にある精液でまぶされた食事をなんとか容器に顔をつっこんで咀嚼していくなかで、私はそんなことを思っていた。
「おおっ……やっぱいいなあサリアまんこ」
「よし、や~っと回ってきたか」
当然私がやらなくてはならないことは食事だけではない。上半身においては食事を行っている一方で、壁を挟んだ向こう側においてはむき出しとなった下半身に、列をなした男たちが次々と腰をうちつけていく。腰を、あるいは突き出された両手をにぎって熱心に抽送を繰り返されていくことで、私もまた快感で何度となく絶頂していく。
「ぐっ……あ……うう……」
気が付けば私に腰を打ち付ける男たちはいなくなっており、私の腹部を拘束していたものもなくなっている。時計を見ると昼休憩の時間が終わったことがわかる。それでも疲れから、しばらくの間私は動けない。ぽっかりと広がった私の穴からどろどろと精液が流れ落ちていくことへの嫌悪感からなんとか疲弊した体を動かす決心をする。口にのこった精液の苦い味に不快感を覚えながらも、ゆっくりと穴から体を抜け出す。午後の業務を控えて憂鬱な心持になりながらも、背中にまでかけられた精液を洗い流すため、私はシャワー室に向かった。
──────
「ふひっ、こんなところにいたのかぁ、探したんだぞぁ、サリアぁ」
そう言ってぎゅうと私の胸をひねりあげる男に対して、私は心の中でため息をもらす。面倒な男につかまってしまった。私の業務は基本的には各課をまわって行うものであるが、当然それ以外、たとえばこうした移動のさなかにおいても社員から求められれば私は対応しなくてはならない。とはいえ私自ら赴くうえ、当然社員も仕事を行わなくてはならない以上、向こうから私をわざわざ探し求めて奉仕させようとする人間はそう多くないのだが……この男はその数少ないうちの一人である。大学時代に何度かかかわったことのある男であり、容貌は醜く肥え太った豚のようであり、能力も低い。さらに部下など立場の弱い人間には高圧的であるという端的に言えば屑のような男であり、当時は何度も足を引っ張られ、いら立ちを感じていたものである──しかしそんな男でも社員である以上私は要求をのまねばならない。
「おい、雌豚の分際で何をぼさっと突っ立てるんだ?いつもの『挨拶』やれよ、そんなこともわかんねえのかよ」
「……大変申し訳ございません。無能なサリアの身体をご主人様の立派なチンポで教育してください、ふん、ふん、ちんぽ!ふん、ふん、ちんぽ!」
両手を頭の後ろにくみ、ガニ股になって男を誘うかのように腰を振り続け、胸の揺れと同時にちんぽと叫ぶ。無能な人間らしい極めてくだらない『挨拶』だが、やれと言われる以上やらざるをえない。基本的に私の態度に関しては通常通りの方が興奮するということで常のままでいることが認められているが、各社員にその裁量はゆだねられているため、この男のように一部の社員から徹底的にへりくだるよう命令されており、業務効率化の観点から私もそれを受け入れている──が、業務のためとはいえやはり腹立たしいという気持ちは当然に生じている。
「ん~最高に無様だなぁ、こんな脳みそスカスカ女が優秀なわけがない……やっぱりお前とクリステンは体で成績もらってたんだよなあ?答えろやバカマンコ」
「はい、おっしゃる通り私たちは無能であるにもかかわらずマンコで成績をもらっていました、申し訳ありません!」
このくだりも男と毎回やらされるものであり、一分一句たがわないように覚えさせられたものである。私だけではなくクリステンまで貶めようとする姿勢には吐き気さえ覚えるが、一方で男はにやにやと満足げに私の身体を撫でまわしている。
「本当にしょうがねえ雌豚だなあ、サリア。まあお前の正直さに免じて今日も俺がたっぷり使ってやるからなぁ」
そういうと男はぐいと私の手をひっぱり、トイレへと私を連れ込んでいく。私の業務は社に認められている以上、どういった場所で行為に及んでもよいのだが、この方がお前を使っている感じがしていいとして男はトイレで私に奉仕を命じることが多かった。
「あー気持ちええ。ひひ、しっかしお前とこんな風に愛し合えるなんて思わなかったぜサリアよぉ」
便座に座った男にまたがり、抱き着くような形で挿入し、腰を振る私に対して男がにやにやと告げる。その手には学生であった頃の私の画像が映し出されており、今の私と見比べているようだった。自分を見下していた女が全裸で腰を振り続けるさまを改めて認識し、男の鼻息が荒くなる。『愛し合う』などという表現は不快極まりないものであったが、これに対しても男から指導を受けていたため、そのとおりにふるまわなくてはならない。
「……はい、私も昔から犯していただきたかったので幸せです」
「ふひ、素直な奴にはご褒美だなぁ、ほれ」
べろりと舌をだした男に対して私は男の首に手を回し、ぐいと体を近づけてその口内を自分からむさぼっていく。舌を絡め、歯茎を嘗め回す。ぎゅうと私の胸が男の胸板によって形を変えていく。こんな男に、こんな真似をさせられながらも確かに自分が感じている事実に歯噛みしながらも、男とさらに舌を絡め合わせていく。すると男が私の頬を両手でつかみ、その笑みを深くしていく。男の一物を自ら挿入しながら首に手を回して胸を押し付けながらも懸命にその舌を絡め合わせる私に対して、私の顔を両手でもてそぶ男の様子は、業務で行っていることであると頭はわかっているものの、なぜか明確に上下関係を示しているかのようで、男と目を合わせられ続けた数分の間で、私の心境は敗北感にあふれていた。
「おし、じゃあいつものやつやれ」
「……はい」
密着した状態で一度射精した男であったが、なえることなく私に再び命令を下す。立ち上がり後ろを向いた男がかがむのを確認すると私はその下に潜り込み、べろりと男の尻穴に舌をはわせる。くさい、汚い、気持ち悪い──考えうる限り最悪の状態であるが、吐き気をぐっとこらえて私はさらに身体を動かし、男の一物を胸で挟み込む。
「おー、たまらねぇ、あの生意気女にケツなめさせてパイズリまでさせてるぜ……へへ、お前もこれが一番好きなんだもんなあ?」
当然そんなことはなく、男が最初に私を利用した際に、私が最も嫌がる奉仕はなんなのかと聞いたことで毎回行わされるようになったに過ぎない。したり顔で質問してくるこの男に対しては殺意すら生じたが、しかし業務のため答えざるをえなかった結果がこれである。悪臭としか言いようがない状況だが、舌を常に動かす以上鼻で呼吸せざるを得ず、そのたびに私の肺に男の悪臭が流れ込む。何度も吐きそうになるのをこらえて、舌、そして腕で胸を動かして男に奉仕していく。
「うお、でるぞ!」
男の射精とともに私は尻から顔をはなし、深く呼吸をして吐き気を抑えていく。かつては何度も吐いていたが、吐いたものも当然自分で『処理』させられるうえ、男が去った後も掃除するためにトイレにいなくてはならないため、場所も相まってやってきたほかの社員によってさらに業務が増えてしまうことからしてここ最近では吐くことなく自分を律していくことができるようになってきた。……それがいい成長だとも思えないが。
「ふい~、出した出した。で、どうするよ。」
満足した様子の男がにやけた顔のまま私を見下ろす。私は再び息を吸い、気持ちを落ち着かせてから正座の姿勢をとる。
「……本日もご奉仕させていただきありがとうございました。私のようなバカマンコとは比べようもないほど優れたご主人様、あなた様と体しかとりえのない私が不釣り合いなことは重々承知ですが、ご寵愛をいただきたいです、私と──結婚してください!」
「ふひ、誰がてめえみてえな便器と結婚するかよ、バァ~カ」
「ゔっ!……ごほ、げほ……」
嘲笑とともに男は私の腹部を蹴り飛ばして去っていく。これもまた決められた挨拶ではあるのだがしかし、わざわざ自分を極限に卑下したうえで嫌っていた男に結婚をせがみ、侮蔑されながらそれを拒絶されるというのは、極めて屈辱的であり──このことに関しては、いくらやっても慣れそうにはなかった。
──────
「おっせえぞサリア!セックスしか頭に入ってねえ女はこれだから駄目だなぁ、オイ!」
「……すまない」
同期の男によって時間を大きく食われてしまったため、結果的に各所に訪れるスケジュールも順繰りに遅れてしまい、本日最後の業務である警備課への到着もまた大きく遅れてしまった。結果として案の定大柄なヴィーヴルの男──警備課の主任の男の機嫌は損ねられているようだった。この男はかつてライン生命の警備課に配属されていたのだが、当時の私を女と侮り指示に反することが多かったため、実践訓練で実力差をわからせた結果、自分が負けたことを受け入れられず退職したことを覚えている。
「おーし、んじゃあ今日も『訓練』はじめていくからなぁ」
そういうと男は私に向かってゆっくりと手を伸ばしていく。『訓練』とは警備課における実技的な組手であり、本来ならこうも無警戒によられれば一蹴することなど容易であるが、私の業務の一環として課せられた『訓練』においては私は反撃することが認められていないため、ひらりとその手を避けるにとどまらざるを得ない。
「おい、何分で捕まると思う?」
「前回もすぐだったしなあどうせ長くはもたねえだろ」
「つーかいつみてもエロいな。ばるんばるん乳が揺れてるぜ」
周囲に集まってきた警備課の男たちの言葉を聞き逃しながらも、私は徐々にギアをあげはじめた男の組み付きをかいくぐっていく。飛び込みをかわし、長い腕による突きをさけ、ハイキックを防いでいく。
「ひゅー、相変わらず動きのキレだけはいいじゃねえか、だがそろそろタイムリミットが迫ってるみたいだなぁ」
男の言う通り、私は消耗していた。かつてであれば一蹴できる相手ではあるが、反撃もできないうえ防具、アーツの使用もできず、一日の業務を経て疲弊しきった体では、男の攻撃をいなし続けることにも限界があった。
──そして
「ぐうっ……くそ……」
「よっしゃあ!最短記録更新じゃねえか?」
男の一撃が私の腹部に突き刺さり、動きを止めた私に嬉々として男が覆いかぶさる。反撃を禁じられている以上私は抵抗することができず、男の思うように組み伏せられていく。足を絡ませて拘束され、背後に回って私の首を左腕が締め上げていく。さらに右腕を大きく振り上げると、そのまま私の腹部を再び強く殴りつける。
「ごほっ……ぬう……やめろ……」
「やめろだあ?まだルールをわかってねえのかよバカがよぉ、オラ!」
「があっ……わかった、ギブアッ──」
降参の意思を示そうとした瞬間、首を一気に絞められ、言葉が中断させられる。
「へへへ、聞こえねえなあサリアよぉ、だいたい、てめえは、生意気なんだよ、雌の分際、で!」
男は首を絞め、いらだった様子のまま一撃二撃となんども私の腹を殴りつけていく。私はなんとか逃れようと身をよじらせるが、男を害しない範囲の行動ではどうすることもできず、男の鬱憤を晴らすためだけの人形と成り果てていた。
「こ、降参する、もう、勘弁してくれ……」
「うし、いいだろう。今日はこんなところだな」
もう何度目かもわからない降参の意思表明をようやく受け取った男は、ひゅうひゅうと息をする私を見下ろしたまま、満足げな様子を示す。腹部を殴りつけるだけではなく、そのまま関節技などを幾度となくかけられた私はもはや息も絶え絶えといった状態であったが、そんな私を考慮することなく、男は再び私に覆いかぶさる。
「そんじゃあ俺に全くかなわなかったサリアへの『指導』をはじめなくちゃな」
「ぐ……」
そういうと男は一気に私に一物を挿入する。まだ準備どころか濡れてもいないために痛みが走るが、全く気にすることもなく男は腰を振り続ける。
「あの暴力女がこうもしおらしくなっちまってなあ……くく、気取った態度も一皮むいちまえばこんなもんってわけだ」
乱暴に胸を揉みしだきながら抽送を続ける男は私を露骨に馬鹿にするような目をむけると、当時のことを思い出したように荒々しく腰をふりだす。
「思い出したらむかついてきたぜ……まぐれとはいえあんだけボコられちまったわけだからなあ。ま、その分日頃の指導にも熱が入るってもんだが」
そういうと男は私の首を両手でぎゅっとしめはじめる。苦しさから身じろぎする私をしっかり押さえながらも男は腰の動きをさらに早めていく。
「気張れよサリア。俺が出すまで逝くんじゃねえぞ」
首を握る両手を無意識のうちに外そうとするも男を振りほどけず、私の意識はどんどんと明滅していく。口元からはよだれを通り越して泡が出始め、目の照準が合わさらなくなっていく。視界がぼやけ、男が何を言っているのかもわからなくなっていく。把握できる情報が自身を貫く男の一物による快感だけになっていき、意識が白く塗りつぶされようとていき──
「出るぞ!」
「お!?ひゅう……おっ、あへぇ……」
男の射精とともに首から両手が離され、酸素が体内に入ってくるとともに私もまた激しく絶頂していた。男の膨大な精液に負けないほどの大量の潮、さらには尿までもが私から数度にわたってふきだしていき、私はその快感に耐え切れず、再び意識を失った。
「何寝てんだ?起きろ!」
ばしゃん、という音とともに男の声によって私は意識を取り戻す。どうやら水をかけられたらしい。周囲の様子からして気絶していたのはどうやら数分程度であり、体は限界を訴えている。
「ったくだらしねえなあ。この調子じゃまだまだ『訓練』が必要そうだな」
「待て、今日はもう……」
「口答えしてんじゃねえ!決めたぜ、今日は三、いや四周はしてやるからな」
「くっ……」
がははと笑う男に、周囲の警備課の人間たちも喜びを隠さない。この『訓練』は主任であるこの男だけではなくすべての課の人員にたいして行うものであり、当然『指導』も全員が行うこととなる。
「んじゃ、はじめていいっすよね?主任!」
「おう、ぬりい『訓練』だったらてめえもボコボコにするからな」
「うはは、ひっでえ。ま、そんなことにはならないんで安心してみててくださいよ」
この課の連中はライン生命の警備課に比べてはるかに能力としては劣っているがしかし、弱者をいたぶるという嗜虐的な面においては主任同様通じており、翌日からの勤務に決定的な支障をきたさないが相手に苦痛を与えるすべにたけているものばかりであった。
「ひひ、がんばれよサリアちゃ~ん」
なんとか連中に時間を与えないように逃げ回ろうとするが、これまでの業務で体力はもうなく、先の主任の男による暴力で回避すらおぼつかない状態で仮にも警備課に配属されている屈強な男たちから逃げられるはずもなく──
「へへ、つかまえたぜ~今日はどこをいじめてやろうかねえ」
数分程度でつかまり、各所をなぶられ、そして『指導』として性交される。これを何人も行っていくうちに私は立つことすらできなくなっていた。そこから先の私はもはや完全にサンドバッグと化していた。なんとかして逃れようとはいつくばって動く私を順繰りになぶり、犯していく。宣言通り四周の『訓練』が終わった際には私は反応する気力すら失ってしまっていた。
「ちっ、こうも無気力になっちまったら仕方ねえ。今日はもうここまでだな。訓練室からほっぽりだしとけ」
ボロ雑巾のようになった私は汚物のように持ち上げられ、警備課から追い出される。そうした扱いの悪さを不快に思うことさえ、疲れ切った私にはできなかった。
──────
警備課から追い出された私は、一時間ほどたってからようやく動けるようになり、自室に戻るためたちあがった。倒れこんでいる間にも何人かの社員によって犯されたことで体力はまるで回復していないが、まだ最後の業務が残っている。
自室に返ると、机の上に巨大なジョッキがぼんと置かれている。そしてその下のハコには今日の業務で性交の際に使用された使用された大量のゴムが入っており──
「……本日業務によって生じた分の処理を行う」
一つ一つのコンドームからジョッキに精液を移し入れ、ジョッキからあふれんばかりとなった精液の量をみて、しばし言葉を失うも、自身をふるいたたせて部屋のカメラにむかって業務の開始を告げる。
ごく、ごく、ごく──ひどく臭く濁った、しかし今ではもう飲みなれてさえしまった液体を飲み干していく。時折のどに詰まりさえしそうなほどの濃厚なそれを吐き気を抑え込みながらなんとか胃に流し込む。自身に刻み込まれていくような不快感を覚えながらも数分かけてようやくすべてを飲み干していき──
「げぇぇぇっぷ……便器のサリアにザーメンを恵んでいただきありがとうございました。」
みっともなく音をならし、カメラに向かって土下座を行う。ずんと胃が重くなるのを感じながら、私は這う這うの体で寝具に倒れこむ。器具が稼働し私の身体を勝手に動かそうとすることを感じながらも、それを気に留める余地すらなく、疲労から私は意識を落としていった。意識がなくなる直前、なぜか頬が濡れている気がしていた。