※この作品はR-18です。

とある性教の雌女昇格(メスメライザー)   作:無ければ作れ(Invenire404)

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※エロ無し


3.八月十三日『怠け者の足から鳥が立つ』 - Lazy folks take the most pains.

 うだるような暑さの中、一人買い出しに出る。

 ここ第一〇学区には研究施設だのなんだのばっかりで、コンビニが全くない。なので隣り合う学区である第二学区、第七学区、第十一学区、第十八学区、第二十二学区のどこかに足を運ばなければならない……のだけど、まず第二学区は無い。

 なぜってここ、警備員(アンチスキル)風紀委員(ジャッジメント)の訓練所があるせいか、空気がピリピリしている。一応犯罪者なわけですおにーさんは。なんとなく避けちゃうわけですよ。あとここも試験場ばっかでコンビニなんか無い、ってのもある。

 次、第十一学区も無い。ここは倉庫街なんで……一応店はあるけど、品揃えが微妙。

 第十八学区はエルィィィイトの集う場所である。日陰者の行く場所ではない。

 よって残すは第七学区、第二十二学区のどちらかであり、第二十二学区は地下数百メートルまで続く地下街があって、まぁ基本はこっちに行く。色々あるし。

 当然の顔をして第七学区を外した理由は、まぁ、わかりやすいだろう。いるんだよおにーさんずがあそこは。まだバレてないだろうけど、会ったらマズい奴がいっぱいる。だから行けない。

 

 ……という理由で二十二学区を選んだ……んだけどなぁ。

 

「とうま! あれ、なんなのかな! 私ちょっと見てみたいかも!」

「いやいやインデックスさん? 俺の財布事情のことも少しは慮ってほしかったりして……」

「でもでも、これだけ広い場所だと、同じものとは二度と会えないかもしれないんだよ!」

「いやいやそんな店のラインナップがしっちゃかめっちゃか変わるってことは無いと思うと言いますか……」

 

 いるんだよね。……なんでいるんだ、とは言わん。第七学区の隣だし、まぁ、いることもあるだろう。

 なんで鉢会うんだ、は言う。……えー、じゃあこれ回れ右して第七学区の方行こうかなぁ。不幸かどうかは知らんが、スーパートラブルメーカー(トラブルが向かってくるように仕向けられているもの)と一緒にいると余計な事件に──。

 

「きゃー!! ひったくりよ!!」

 

 ……地下街でひったくりて。逃げ場無しの代名詞みたいなところで何やってんの。つかヤメテヨー俺の近くで。どっか別のとこでやってよー。

 特に捕まえるとかはない。「おらどけどけどけ!」ってナイフ振り回してる奴さんに恐れおののく感じで人混みと共に退避。そげぶ兄さんも守る者がいる時に早々危険は増やさないはず……と思いたいけど。

 

風紀委員(ジャッジメント)です! 大人しく投降しなさい!」

「は、はぁ!? お早いお着きが過ぎんだろっ! ……だが!!」

 

 ぐわんと、何か見えない手に掴まれたようにして、身体が引っ張られる。

 ……マディ?

 

「チッ、隣のガキが良かったが……まぁいい! それ以上近付いてみろ! こいつの首に風穴が開くぞ!」

 

 念動力らしきもの掴まれ、身動きのできない状態で……首に刃物を突き付けられる。

 ぅ、とたじろぐ風紀委員(ジャッジメント)の人。ですのさんではない。ですのさんなら人質とか意味ないだろうし。

 

「暴れないで大人しくしてんのは賢い判断さ……このまま俺が地上に逃げるまでの間何もしなければおかしなことにもならねえから、わかってんな?」

 

 こくこくと頷く。まるで恐怖で言葉が発せないかのように。

 

「そうだ、……そうだ、道を開けろ! 変な気は起こすなよ! 風紀委員(ジャッジメント)の失態で外部の人間が殺された、なんてなったら……へっへっへ、どうなるのやら、なぁ!」

 

 ああ……そうか。

 学園都市にいる大人って基本教員だからなぁ。正確には学生が接する大人は、だ。教員か研究者か、そのどちらかとしか普段関わらないと、フツーのなんでもない大人がいる、という思考には陥らんのよな。

 まぁ俺も? 性の伝道師? 性教育者? なわけだけど!!

 

 とかって……真面目にするべき場面でふざけていたのが仇になったのだろうか。

 

「あり……て、店長!? 何やってんすか!?」

 

 今日は非番だったはずの、うちの店の従業員。

 それが大声を出して話しかけてきたのである。莫迦莫迦、あんまり犯人を刺激すんじゃないよ。

 

「あぁ!? なんだ、近付くんじゃねえ!」

「どわ、落ち着け落ち着け、刃物を下ろせって! ──まぁオレっちじゃねーのは近付いてるみたいだけど」

 

 足音は背後から。直後、ガラスの割れるような音が響き、身体が解放される。

 

「な……なんだ!? 俺の『御籠守目(スティープル)』が消えた!?」

「アンタ、こっちだ! 呆けてないで!」

 

 ……ああ、幻想殺しか、今の。

 うへぇ、本当に無理矢理……なんつーか、まっさらにする、みたいな。塗り潰しでも消しゴムツールでもなく、レイヤー新規作成、みたいな。

 

「この──んでぇ、オレっちからの、飛び膝蹴りのプレゼントだ!!」

「莫迦、やめとけ。風紀委員(ジャッジメント)の前だし、過剰防衛になりかねん」

 

 助けてくれようとしたんだろう、張り切ろうとしたその従業員の飛び蹴りを受け止め、さらに手を引いてくれたツンツン頭おにーさんの手を逆に引き返し。

 

「すまん、そういうわけだから、最後までは付き合えない。ごめんな」

「……え、あ、いや」

 

 そのまま、外野の位置まで戻って……直後。

 

「確保ォー!!」

 

 ひったくりさんは、風紀委員(ジャッジメント)に確保されたのであった。

 

 

 して。

 第二十二学区のとあるフードコートにて、その四人で顔を合わせる。

 従業員も女の子がいるとわかれば場を弁えるから、ありがたくはあったが。

 

「あーっと。すまん、余計なことしたか? そっちのおにーさん、あんな状況でもかなり落ち着いてたみたいだし……」

「いや、あのまま行けばコイツが過剰防衛で捕まるところだった。重ね重ね礼を言うし、一万円くらいなら奢ってやれるから、好きなものを食べるといい」

「さっすが店長太っ腹! ……オレっちも与っていいんですよね?」

「充分な給料を出しているはずだがな。まぁ、二人で一万円は厳しいだろうし、いいよ。……つか釣り銭は要らないから、勝手に食べていてくれないか。俺買い出しの途中なんだよ」

 

 店の売上はそこそこ出ているからなぁ、正直一万円くらいならポンと出せるようにはなってしまっている。……金銭感覚金銭感覚ゥ。

 

「いやいや奢ってもらうとか、悪いですって」

「にしては隣の彼女、もうどれを食べるか頭に浮かべているようだが」

 

 だばだばと涎を流す真っ白な修道女。

 ……手切れ金、か。

 

瑞折(ミズオリ)、そういうことで頼む。もし一万を超えたら立て替えておいてくれ。あとで金額を報告してくれたら、経費として認可してやるから」

「マジっすか!? いやホント働いてる時から思ってるスけど、店長ホワイトすぎ!!」

「ただし、青りんごを手招きするのは無しだ。いいな」

「ハイっす!」

 

 要はこの二人を新規客に考えたり紹介したりするのは無し、って隠語ね。

 その辺の守秘義務というか口の堅さはすごいんだよね従業員の子たち。……だから大丈夫と思いたい。欠片でも情報を残しておくと、後から調べられた時に「そういえばあいつらあんなことを……」みたいな切り口から全部バレかねん。

 

「世話になったな、高校生。ただ……刃物を持った能力者なんて鬼に金棒なやつに素手で挑むのは大概にしておけ。いつか死ぬぞ」

「ああ、……はは、性分なもので。こればっかりは」

「おっさんの先輩風さ。適当に受け流してくれたらいい。……じゃあな」

 

 そうしてその場を去る。

 ふぅー切り抜けたぁあっぶねええ……。

 店長なんて呼ぶなよそれ絶対何の仕事してるんだって踏み込んでくる奴じゃんかよぅ。

 

 いやぁ。いやぁ怖い。心臓に悪いワ~。……もうこれから全部通販にしちゃおうかなぁ。お金あるし。

 

 

 さて、第一〇学区に戻ってきた……んだけど。

 なんか……物々しいというか騒がしいというか。なんだなんだ。どうしてこんなに警備員(アンチスキル)がいるんだ?

 

「すみません、ここは立ち入り禁止です。下がってくださーい」

「……あの、この先に住んでる者なんですけど……何の騒ぎですか、これ」

「ごめんなさい、詳細は話せないんです。申し訳ないのですが、回り道をしていただくしか……」

 

 マディ?

 ……えー。遠いんだけど。

 

 まぁしゃーなしかぁ、と……踵を返した、その瞬間だった。

 

「え……うそ、一人じゃない、のに──?」

「な──どういうことじゃん!?」

「車に運べ! それで二次被害は減らせる!」

 

 聞き覚えのあるじゃんじゃんに思わず振り返れば。

 先程案内をしてくれた警備員(アンチスキル)の女性が……頬を上気させ、身体を不自然に凹ませ、明らかに快楽を覚えている、という姿が。

 ……え、なに、痴女?

 

 じゃ……なさそうだな。

 ……警備員(アンチスキル)にも学生IDがあるのかな。いや、教員IDか?

 それで……あのプログラムを使っている誰かが、この子を、ってか。

 

 最近妙に警備員(アンチスキル)風紀委員(ジャッジメント)が騒いでたのってもしかしてこれを探るためだったりする?

 えー。……で、俺の手元にそのプログラムの入った端末があって、今も……俺の邪魔をしたのが悪い、とばかりにこの人が狙われて。

 

 俺を犯人にしたいって気概しか伝わってこないじゃん。

 なーにがお礼を、だ。やーっぱりそういう目的じゃんかよ。

 

 二次被害というのがなんなのかはわからんけど、彼女の名誉を守る的な話かな。警備員(アンチスキル)の車両に運ばれていった彼女は、それきり見えなくなった。

 が……既に携帯端末で録画なんてことをしてやがる莫迦の多いこと多いこと。そんなに欲求不満なら『アルモニ屋』に来いよ。真面目に仕事して、がっつり被害者な人でヌくんじゃねーよ。

 

 とか思っていたら。

 その……録画をニヤニヤ眺めていた男たちが、突如「げぁ」なんて蛙の潰れたような音を出し……そのまま、ボトムにテントを作り、濡れ痕を作り、そしてイカ臭さを撒き散らして……気絶したではないか。

 ……スーパー初心、って話じゃねーよな、これ。

 

「な……手口の加速が、手に追えないじゃん……」

「監視カメラ! 監視カメラの画角から外れてください!!」

「このあたりの監視カメラは既に全部止めている! だってのに、クソ……!」

 

 ふむ?

 成程……そういうトリガーか。

 

「下手人が精神操作系の能力者なのか念動力なのかは知らんが、広域且つ特異な強度を持つ能力は大抵縛りがある。無論、素の才能で辿り着いたやつはその限りじゃないが、自分だけの現実(パーソナルリアリティ)なんてものは何か起点があった方が作りやすいもんでさ」

「……あんたは?」

「この近くに住んでるおっさん。……で、何が言いたいかって言うと、この事件の犯人もそういう何かをトリガーにしている可能性は高いってわけよ。今おたくらの言っていた監視カメラの画角っていうのは確かに的を射ているのかもしれんが、まさか的が二重構造だったとはね」

「どういうことだ。何が言いたいじゃん」

()()()()()()()()()()()──それが能力発動の条件なんじゃないかな、って。監視カメラ越しのモニター。放送されているモニターの向こう側。そして、携帯端末のカメラの向こう側」

「っ、追加の被害はそういうことか! 待て、なら──」

 

 じゃんじゃんが即座に、そしてこっそり周囲を見渡す。

 いた。

 野次馬の中に、一人だけ……さっきの警備員(アンチスキル)のおねーさんが乗った車両の方を端末の外カメで撮り続けている少年が。

 

「あ、あっと……すみません、怪我無いですか?」

 

 人混みに紛れ、それに押されるようにしてそいつにぶつかり、右ひじの後ろでそれを跳ね上げる。

 弾き飛ばされた画面に映っていたのは……例のUI、ではなく、普通にカメラのアプリだ。望遠機能付きかな。

 

「ああ、ああ。良かった、収まったか。……ほぼ同時。証拠は不十分気味だけど……任意同行、してもらうじゃんよ」

 

 ……しかしとなると、じゃあ胤河製薬は無関係、か?

 あるいはトカゲの尻尾きりの可能性もありけり、だが。

 

「それと、あんた。礼を言うじゃんよ」

「俺の家がこの先にあるんですよ。ここ封鎖されると凄く困るんです」

「だとしても、助かったじゃん。名前は? あとで警備員(アンチスキル)から──」

「第一〇学区に住んでる時点で察してくださいや。あんまり輝かしい人生送ってこなかったんで、名乗る名前なんてないですよ。じゃあさいならさん」

 

 ひらひらと手を振ってその場を後にする。

 勢い余って探偵役をやったけど、本来は顔も声も覚えられたくない人間なのでね。

 

 

 さて、ようやっと店に帰ってきて、それなりの数あるプロテクトを越え、バックヤードに入る。

 

「店長、さっき瑞折(ミズオリ)から連絡あって、なんか店長が皿の割れたヒロイン河童だったって聞いたけど、何事?」

「経費で落とすのやめる、って伝えておけ。……まぁなんだ、ひったくり現場に出くわして、ぼけーっと突っ立ってたら能力で掴まって人質にされて、民間人と瑞折に助けられた感じ」

「うわー命知らず。店長に手ェ出すとか」

「ん、なんだ。別に俺そんな危ない奴じゃないけど」

「いやいや。このあたりのスキルアウトみんな店長に感謝してんよ? ここまで客を大切にする店中々無いし、どうやってんのか知らんけど全くパクられんし。あの店に手ぇ出したらブチのめす、って言ってるスキルアウトのグループが幾つあるか」

 

 ……なんか変に神格化されてないか。

 うわー、その辺がなんかまわりまわって『事業(ビジネス)』の創設者とかメイヘムとかの話になったんかなぁ。人の噂って拡散力もだけど、ねじ曲がり度合いがエグみ沢博美だからなぁ。

 

「うわー嫌そう。店長って基本目立つのっていうか矢面に立つの嫌いだよね」

「好きな奴いるのか?」

「いるにはいるんじゃない? それこそ瑞折とか目立ちたがりだし」

「そうだっけ。……ま、その辺はぶん投げるわ。スキルアウトの子らも……ウチに害を為さない分にはお客さんだし、守ってくれてるってんならサービスしてやるかって気持ちになるし……なんでもいいけどね」

 

 力無いもの倶楽部、ってわけじゃないけどさ。

 能力無し(スキルアウト)は能力者へのコンプレックスやら学園都市やらの僻みやらで団結しやすい。史実では暗部に良いように使われたり狩られたりするだけだった彼らが、何か拠り所的なモノを俺の店に見て、団結力を高めてくれる、ってんなら……ま、良いことじゃないか?

 

「それと、こっちは報告……っていうか、相談なんだけど」

「ん、なんだ」

「別の学区の奴にも『アルモニ屋』の話ってしていいの? 皆その辺今んとこ言わないようにしてるみたいなんだけど」

「ああ、いいよ。前から言ってる通り、ネットに書き込むとかをしなけりゃいいよ。あとは……なんだ、この店に囚われている女の子を解放してヤルンダーみたいなやつを引き込まなければ」

「囚われてるって……女の子たちだって客でしょ、あれ。キャストとかいたっけウチ」

「だから、この店の仕組みを知らないのにぶち壊そうとするやつはお断りって話」

「なーね。了解了解」

 

 この楽園をぶち殺されても困るのでね。

 

 

 さて、自室に戻り……メールボックスを開く。

 メールは二件。メアドはどちらも同じ、「胤河製薬」のもの。

 まず件名「ありがとうございます」から。

 

" お返事ありがとうございます。胤河製薬営業部 碓井と申します。

  早速ではございますが、『神ならぬ身にて天上の快楽に辿り着くもの(MAYHEM)』研究、及び『事業(ビジネス)』において、貴方様がネックに考えているものについてをお教えください。当研究所が必ずや力になります。

  また、お困りかと思い、研究者の権限を付与した『書庫(バンク)』閲覧用のアカウントを用意いたしました。ログイン後、お好きなパスワードに変更し、お使いください。

  それでは、ご多忙のところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。"

 

 う、うーん。至れり尽くせり……なんだけど。なんだけど……なぁ。

 

 で、二件目。件名は「症例(ケース).1 利根辺(とねべ) (けん)

 知らん名前だなぁと思いながらメールを開けば……カルテのようなものが出てくる。その右上にある写真に写るのは……先程、警備員(アンチスキル)のおねーさんに能力を使っていたと思わしかった子。

 うわぁ。結局繋がるのね。

 

 カルテには、利根辺君の身体的特徴と、彼の能力が……異能力(レベル2)から強能力(レベル3)になった旨を示す内容と、その成長速度と比例する……リビドーの数値。

 思春期少年らしい回数の自慰回数だけでなく、なにを見た時にどう反応した、みたいなのが赤裸々に綴られている。完全に実験動物だな。

 

 要するに、性欲が強そうな子を狙って「端末のカメラに写すだけで衣服の向こう側を見ることができるアプリ」を渡したと。元々の能力が念動力であったために、利根辺くんは性欲を原動力にメキメキと力を伸ばしていって、最初は「視認し、視界の真ん中におさめ、強く集中し」、「半径10m以内のものを」、「持ち上げたり倒したりする」くらいしかできなかった彼が……この方法で罪を重ねることで、「端末と眼球の距離が30cm以内で、リアルタイムの映像であれば、モニター越しならば誰にでも」、「愛撫や挿入といった性行為に限定し」、できるようになった、と。

 ……成程。学園都市のカリキュラムがどれほど遅々としているか、ってのはよくわからんが、余程凄い効果だったんだろうな。報告書なのにちょびっと主観が入っている。

 さらに好みの女性相手には大能力(レベル4)に届きかねないほどの強度を見せた、と。

 

 ……これが『神ならぬ身にて天上の快楽に辿り着くもの(MEYHEM)』の研究らしい。カルテにも『MEYHEM REPORT』って書いてある。

 まー……思春期中高生のリビドーを『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』の可燃剤にする、というのは……別に間違った発想って感じもしないな。

 エロのために『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』を発達させ、この短期間で幻想御手もびっくりな成長を見せたというのなら……マジで性教育じゃんな。『性教育(エンリッチメント)』とか呼んでいいレベル。

 

 あー、じゃ、一件目の方の返信をするか。

 ウチは基本能力無し(スキルアウト)が多いから能力開発に関しては正直どーでもいいんだけど、勝手に感銘受けてくれたんならそれはよかったですよ、というのをなるべく柔らかく伝える。

 

 その上で……『時間割り(カリキュラム)』のさらに追加で『教育(エンリッチメント)』が必要だと考えている、とか。

 恋人がいる場合やBSSの場合、NTRの場合などでも色々変わりそうだ、とか。

 あと、レベル2でそれならレベル4や5がやったらどうなるのか気になりますよねハハ、みたいな話とか……を。

 

 社会人的ビジネスメール作成能力で仕立て上げる。……いやいや、自分から首突っ込んでどうするんだって意見はごもっともだけど、ここまで俺の全部を把握されていて素人晒してみそ? 死ぬ死ぬ。多分寝ている間に『アルモニ屋』なくなってるよ。

 

 ……なんだ、まぁ、あの。

 10039号の「弱点」。どこにGスポットがあるのか、どこが最も感じるのか、みたいなのも……もう頭に入ってるからさ。

 オリジナルもそうなのか、っていう多少の好奇心はあるよね。あと体格違う組……最後の注文とか最悪番外とかも同じなのか、とか。……いや、気になるだけだよ? 手だしたら死ぬじゃんカキクケココに殺されるじゃん。

 つか待って? これ要約すると「リビドー満たすのに能力使うとレベルが上がるかもね」って研究だよね。……じゃあ10039号が快楽を得るために能力を使い出したら……ワンチャンがあり得るってこと? うわこーわ。もうずっと封じておこう。

 

 ビリビリとリモコンの二人は……まぁ、そういう妄想をしたことがないとは言わないし、気持ちよくなるだけでレベル上がるんならサイボーグおじさんもびっくり仰天だろうなぁ。

 メルトゴリラは……スタイル自体は良いし、気も強いから、アナルが弱そう(粉みかん)。

 

 ……よし。考えるのやめ!

 送信送信!

 

 明後日、か。

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