とある性教の雌女昇格(メスメライザー) 作:無ければ作れ(Invenire404)
勿論何を以てとするかは人に依ろうが──『
順調に拡大していっている。他学区からも客が来る。そして……意外や意外、というか。
メル友こと『胤河製薬』の碓井さんとのやり取りは想像以上の盛り上がりを見せている。『胤河製薬』営業部でありながら、「ある研究所」の動物行動制御に関する研究者、らしく。
動物行動制御とは簡単に言うと電磁波で動物の行動を制御しよう、というまんまその通りの研究で、今回の『
なお、そもそもの諸悪の根源についても軽く触れてくれた。俺が気にしているとわかったのだろう。
だけど、一時期離れていたはずの超有能研究者がまたチームに戻ってきて、研究チーム内での足切りが起きたと。その足切りの被害者がXであると。
超有能研究者、というのはこれまた十中八九布束砥信だろう。その彼女が絶対能力進化計画に引き戻されて、そんで足切りが、って話。確か布束砥信は責任を押し付けるために呼び戻されたって話だったはずだから、Xは相当要らない人物だったのだろうなぁ。
その上で自分の手元にある妹達を一般人に横流しは……死刑RTAか何かをしているとしか。
なんでXと関わり続けるのは泥船でブレイクダンスすると同義。早めに手を切るに越したことはない相手、だったらしい。ご入り用でしたらあなたの手元にある人形の処分もいたします、とは至れり尽くせりだけど、10039号はセロリへの言い訳にするから大丈夫ですと断っておいた。勿論核心は話していない。
という世間話ができるくらいの仲にはなった。まぁ、相手が宥和を重んじるがゆえではあるけれど。
やり取りもメールから業務用チャットになりはしたが、お互いビジネス文章のままだ。その辺はな。プライベートにまで踏み込まれちゃあな。お互い顔も名前も性別すらも分からん状態だから、割と空中戦なやり取りも多い。碓井さんの方は晒しちゃいるが、名字だけじゃあな。
また、『
あちらさん、だけではなく。
こちらでも結果が確認できたのである。
この店、『アルモニ屋』を利用するのは何度も言っている通り
であるのだが、従業員の子らの話を聞く限りでは、この店に通い出してから微々たるといえどもレベルが向上した、という
それ以上先が見えた子はまだいないし、それは碓井さん側がやることだけど……こっちのレポートもあっちにとっては「素晴らしい結果」らしく。
性欲の発散、解消、あるいは爆発。
それが『
なお、過去の症例から、失恋やNTRのような恋愛的心因性ショック状態で能力が使えなくなったり安定しなくなっている例が発見されているため、「伸ばして可能性を見たい能力持ち」にはBSSやNTRを体験させず、どうでもいい能力で試すのだそうで。合掌。
また、10039号に施した『能力向上プログラム』の方もしっかり成果が得られていて、今では『フレキシブル・フェロフルイド』を双頭ディルドのようにさえ操れる。しかも感覚あり。
もう一体買っておけばなぁ、とは思うものの……上記の話を聞いた後でXに連絡を取ろうと思えるはずもなく。
芸を覚えたのなら実践させてやりたいよなぁ、とか考えていた……そんな時だった。
「キャストをやりたい……ねぇ」
「はい。……ダメ、でしょうか」
それは他学区の客も取るようになってから二日後のこと。
第七学区──最も関わりたくない学区からの客であり、女の子であり、そして。
「あのね。……わかってんのか? ここがどういうミセなのか」
「わかっています。……青少年に性道徳の追加講習を受けさせる店、でしょう」
「そうかい。で、お前さん。もう一回自分の名前と所属の学校を言ってみな」
「……
という。……いやいや、あのねのね。
官能小説持込おじさんの寄越したスパイかなんかなの?
「お嬢様だよね。……つか、経緯を聞くか。別に金に困ってるとかでもないんだろ」
「……思うように能力開発が上手くいかなくて……少しずつ少しずつみんなについていけなくなって。……いつしか学外の子と一緒にいるのが楽しくなって……気付けば……スキルアウトと、そう呼ばれる人達の輪の中にいて、それを苦にも思わない自分がいたんです」
ああ。……まー、いるか、そういう子は。お嬢様学校なんつっても全員が全員ずっと優秀であり続けられるわけじゃねーもんなー……。
んー。
「それで……第七学区の……お世話になっている人が、最近色々成長してきて目に毒だから、他の奴らが間違いを起こさないように……ここへ、と」
「なんでまたウチなんだ」
「ここに通っているスキルアウトは……性犯罪を起こさないことで有名だから、だと思います。『
「気持ちよさそうだったから、やりたくなった。か?」
「……はい」
性道徳ゆるゆるなのはおじさん良いことだと思いますが、思い切りが良すぎるというかリスクリターンが頭に無すぎるというか。
あー。うー。
「まず、ウチにキャストという概念はない」
「え、そうなんですか」
「ああ。ウチはいわゆるマチアプ……それもワンナイト目的のマチアプを店の形で場所提供及び隠蔽工作をしてやる、って場所なんだよ。だからキャストはいない。が、お前さんみたいに欲求不満な少年少女がわんさかいるから成り立っている」
どうしても男子生徒のイメージが多くなりがちだけど、女子生徒の
男子は腐る、女子は腐らない、なんて話はどこにもない。暴力行為に訴えているスキルアウトが目立ちがちだから偏見でそう見えるのはあるだろうが、不良行為をしている奴の比率に男女はそこまで偏りを持たない。
「……だからフツーに客として利用してもらうのが一番いいんだが……相手も常盤台のお嬢様が相手だと……どっかで知った日には、大変なことになる。主にウチが」
「……」
「ああ待て、そう暗い顔をするな。そもそも俺はお前らのような青少年に性教育のなんたるかを教えるためにいるような存在だ。そして、気持ちよくなりたいから、というのが原動力なのであれば──丁度いいのがある」
「それは……なんですか?」
「展示キャスト、だ」
ここに話が繋がるのである。
さて──。
直径69cmの透明な円柱。そこに、二人の少女が入っている。
顔にはSMに使うようなラバーマスク。首には犬用のような武骨な首輪。さらに首輪から繋がる鎖があって、非常に短いその鎖のせいで、キスをせざるを得ない距離までしか離れられない。
「どうだ、封環。体勢的に痛い所などは無いか」
首輪に付けられた内臓マイクが「は、はぃ」という甘く蕩けた返事を拾う。
円柱に入っている片方は10039号、もう片方は封環であり、二人には首輪、手錠、足枷の三つが嵌められていて、それぞれが同じく短い鎖で繋がれている。
その上で、10039号の股座からは『フレキシブル・フェロフルイド』が伸び、封環の膣に顔を突っ込んでいる。例によって処女膜は破らない素敵仕様の双頭ディルド。
10039号だけに聞こえる個別のマイクで問いをかける。二人の互いの声はほとんど聞こえないようになっている。嬌声は聞かせあった方が相乗効果が見込めるんだけど、10039号の語尾は変えられないからな。苦肉の策である。ラバーマスクも、常盤台の学生じゃなかったらつけてなかったさ。
「どうだ──初めての女体のナカは。膣という肉壺は」
「とても……とても、温かく、ぬるぬるしていて、刺激が強いです。と、ミサカは女として感じることのなかったはずの男根という快感に咽び震えます」
「そのオナホールはとりあえず今日はお前のものだ。好きに使え。ただし、壊すなよ」
「マスター。好きに使うということは、膣以外も使用して良いものなのでしょうか。と、ミサカは己が思っていた以上の獣欲を滾らせながら所有者に問いかけます」
「操作ができるならいいぞ。ああ。貫通はまだ窒息系の処理が難しいだろうからやめておけ。だが、尻から胃までなら、弁がおしゃかになっても俺が治してやれる。尿道も膀胱が破裂さえしなければどうにかしてやる」
「ミサカは観覧者の方々がよく言う"これじゃあ小ぶりすぎて挟んでも気持ちよくないだろうな"という言葉が、あれほどの胸ならば気持ちいいのかどうか、ということについて試したかっただけなのですが。と、所有者のデフォルトにある変態性に若干引きながら試してみたい気持ちが湧きます」
……そういう。うるせ。
「時折来る上級者の方は腋やへそも性的対象にしているようですが、気持ちいいのでしょうか、と、ミサカは興味津々に尋ねます」
「腋はいいけど、へそは止めときな。ケアがめんどい」
「承知しました、と、先程からびくびくと痙攣及び拡縮を繰り返す蜜壺の感覚にミサカも絶頂しそうになりながら答えます」
足と頭周辺には緩衝材があり、そして封環の首にも一応件のプログラムの使える首輪がある。そこまで難しいものでもなかったからな、もう一個作ってみた。
ただ封環は
展示するんだ、一応容姿的な話をしておくと、身長155cm、B79、W60、体重は測っちゃいないが50kgくらいだと思う。
ベールピンクでナチュラルボブなその髪はウェーブが見事に出ているけれど、話を聞くにあんまり髪に気を遣ってなさそうなので、地毛が癖毛なのかもしれん。日本人にしては鼻が高く、顔立ちがはっきりしている。瞳の色もまたピンクっぽい茶色。地の色かどうかは知らん。コンタクトはしてないっぽかったけど学園都市謹製だとわからん。
……ま、今回はラバーマスクで何にも見えないんですけどね。
でも口元だけ開いているそれでも気品が伝わってきてしまうのは……おれがバックグラウンドを知っているから、だろうか。
もう一度封環に繋げる。
「再三言うが、この店は能力使用禁止だ。わかっているな」
「は、はひ……あの、この……胸とか、背中とかに……ひゃうっ!? は、這ってきているものは……」
「さっき説明しただろう。お前の前で同じように"展示"されているやつの一部だよ」
「い、いえ、どう考えても人間じゃな──」
通信を切る。
よし。じゃあ今日も店、やっていこう。
四時間後。
メンテナンスのためにと『
円柱の一部を開けば──もわぁ、と……発情しきった雌の匂いが水分を伴う蒸気として排出された。
「10039号。全ての『フレキシブル・フェロフルイド』を体内に納め、待機しろ」
「承知しましたと、ミサカは疲れ切った身体に鞭を打って……ぁ、ああ、戻す時の、身体を押し広げる流体が、心地よいですと……ミサカは報告に重ねて恍惚の笑みを浮かべながら、報告します……」
すっかり気に入ってくれたようでなにより。
封環の身体から全てを抜いた彼女を引き剥がし、『
んで意識OFF。
その後封環を……そのぐったりした身体を持ち上げ、ベッドに。
「生きているか」
「……ひゃひ」
「今日は四時間だったが、これはお試しコース。ウチのキャストになるっていうんなら、フルタイムで入ってもらうぞ。それくらいの覚悟が出せないんなら──」
「やりまひゅ……あはぁ、きもちいぃぃぃ……。……おかしな……クスリとか、つかってまへんもんねぇ……。それで……えへへ、りぃだー、わらひ、ここきて……せいかい……」
「……じゃあまぁ、週五フルフルで……月80万でどうだ」
「はい?」
「なんだ、足りないか? 結構な肉体労働とはいえ頭脳労働が含まれんからな。一時間五千円は良い具合だと思うんだが」
さっきまで天国の端にいる、みたいな表情をしていた封環は、なんだかぞっとしたような顔になり……ぶんぶんと首を振り始める。
「いえいえ、いえいえ、そんなに要らない……貰えませんって……。こ、ここで働いている子にはいくら出しているんですか? キャストじゃなくて、受付とかの子たち」
「あいつらはフルタイムで働いているわけじゃないし、週三か週四だからなぁ、基準にならん。一応金額で言うと、月25くらいか」
「う、受付の仕事だけで、ですか?」
「あとはタイムキープもだな。清掃はロボットがいれば十分だし……」
「金銭感覚おかしいですよ、絶対……。て、っていうか、私、ハダカで、何をこんな……」
「今更何言ってんだ。……ああ、興奮でほとんど聞こえてなかったのか? ほれ」
と。万一何かあっては困るのでつけている『
──透明な流体に弄ばれるようにして、ぬたぬた、ぬらぬら、べたべたと……絡み合うは、二人の乙女。
手を後ろで拘束された胸の大きな方は、トランスしているかのように一定のリズムで喘いでいて、小ぶりな方は身体をぐねぐねさせながら、それとは別のタイミングで喘ぎ声をあげている。
それを──食い入るように見つめる、周囲の人間たち。
「ぁ……」
男も、女も。
手元のリモコンに反応するその「見世物小屋のおかしな動物」に、興味津々で、性的に見ていて、そのはけ口にしていて。
「
「ひぃ……!?」
「まぁ大体の奴はお前がクリや乳首より前後の穴をずぼずぼされるほうが好きって気付いただろうな。──見ず知らずの人間が、あるいはこれからお前が初めましてをするかもしれない人間が──
ぶしゅ、と。
四時間液を垂れ流し続けた股座から、さらに潮が吹き出た。
「適性大だな。……奥にシャワーがある。休息が終わったらちゃんと浴びていけ。ああ、それと、一応。そこにあるマネキンみたいな黒い女体は、さっきまでお前の前にいた奴だ」
「へ!?」
「こいつも訳あって顔と名前を晒せないキャストだが、お前と違って住み込みでな。こいつにはもうちょい働いてもらう。こんな感じだが、呼吸や水分はどうにかなるようになっている」
「そ……そう、なんですね」
「だから──今溜まっている性欲を、こいつを見ながら解消しても特に怒ったりはしない、ということを言いたかった。……じゃあな、明日からよろしく」
まぁ、これも性職者としての務めだろう。
迷える子羊を導いてやったのだから、十字教の連中から感謝状でも貰いたいくらいだ。……向けられるのは剣だけだろうが。
さーて、今日の残り少しを頑張りましょうかね。
☆☆☆
それが未だに続いていることを知った御坂美琴は、関連施設への破壊行動をしていた。さっきまでは。
すでに粗方を破壊し終え、あと少し……というところで。
……携帯端末が鳴る。
「ん……黒子? なに、どうしたの?」
白井黒子。彼女のルームメイト兼……まぁ、相棒のようなその存在からの電話。
こんな時間に何事かと通信を開けば。
「"ああ、よかった。繋がりましたわね。お姉様、今どちらにいらっしゃいますの?"」
「ちょっと外に出ているだけだけど、なに?」
「"お姉様、
「知ってるわよ。一年の時少しだけ話したことあるし」
「"その方が現在どこにお住まいか、というの、何か知りませんこと?
逡巡が発生する。
御坂美琴。彼女が今直面している学園都市の闇と、話したことはある、程度の関係性の同級生と。
本来彼女はそういうものを天秤にはかけない……そういう損得を抜きに動く性格……では、あるのだが。
「……ごめん、黒子。こっちもちょっと……立て込んでてさ」
フラッシュバックする。
自分と同じ顔をしたモノが。
その胴体に風穴を空けられて……あの下種に、玩具にされて。
それを当然とするような計画が今、進行している。
なんとしてでも──止めなければならない。
「"そう……ですの。ええ、わかりましたわ。お姉様はお姉様の思うことを思うままに為してください。わたくしたちもそれぞれのできることをいたしますわ"」
「うん、ごめんね。……ありがと、黒子」
通信を切る。
今は──少しでも、あの子たちを殺させぬように、と。