とある性教の雌女昇格(メスメライザー) 作:無ければ作れ(Invenire404)
長身痩躯。巨乳。蜂蜜色の髪。
そこに、紺色の武骨なヘッドギアと、シルバーメタリックなチェア。チェアから伸びる無数の管、バイブ、電極。
我が『アルモニ屋』から徒歩十分ほどの場所にある雑居ビル。その地下数百メートルのところに埋め込まれた、特殊合金の部屋。
「おはよう、食蜂操祈」
「──っ、は……ぁ、……はぁ、はぁ。……あのお爺さんの代わりに、今度はアナタと話している時だけ解放される、ってわけね……」
「いや、静音モードで稼働させることもできる。脳波の方は会話にならんからやらんが、機械の方はな」
「う──やめて、くれると……ん゛、嬉しいのだけど~?」
「まぁしばらくは俺ばかりが話すからそのまま聞いていればいい。──さて、まずは自己紹介か。俺の名は安東。この学園都市の少年少女に欠落している性知識を追加教育することを至上として生まれてきた代行者のようなものだ」
なお、四文字のことは特に信仰していない。
「お前のことはよく知っている。『
「随分な言われようねぇ~。そんな……独裁者を、好きに扱えて、さぞかし気分が良いんじゃないかしらぁ~?」
「ところがそんなこともない。あの場では様子見に徹したが──脳波によって認識を操作する、というのは、若干俺の研究内容とも被っているからな。個人限定とはいえ先を越された気分だよ」
「……アナタも幻生と同じくらいオカシな研究者ってことぉ?」
「ふむ、やっぱり脳波の伴わない責めはほとんど効いていないんだな。膣も肛門も尿道もバイブが出入りしているというのに、彼の手元に居た時より快楽値が低い」
そして、そうであるということは。
「良い観察眼だけどぉ~、気付いたってどうにもならないんだゾ☆」
「……」
「確かに身体のあちこちを弄られていて不快だけどぉ~、女の子が気持ちいいだけで気絶するとか夢の見過ぎっていうか、童貞君の夢物語っていうかぁ~。大人になってまでこじらせているのは可哀想でならないけどね~」
「……」
「聞こえてないと思うけど、一応説明してあげると……私が普段から使っているリモコンはぁ、使える能力が幅広すぎるために、私自身の万能力の切り分けとして、精神的な区切りとして使用しているだけでぇ、私の能力行使に絶対必要ってわけじゃないんだゾ☆」
直立不動の俺に対し、だゾ☆は。
「さぁ、脳波をオンにして、責めを再開してちょうだ……い……?」
「成程、これが水分操作か。やはりよく似ている……というか、ほとんどブレイドの理論のまんまだな。アレイスターめ……」
「何を言っているの──あ、ぐぅっ!?」
こういうのは実際食らってみないとわからないことも多い。
バックアップはしていたとはいえ、いやー怖いね。こういう危ない橋は渡らないタイプなんだけどなぁ。
「まぁいいや。……で、そう。お前が五日ぶりの眠りを享受している間に、お前の体内にあるものを仕込ませてもらった」
「体内……ですってぇ……!?」
「こいつはいくらでも伸びるけど決して千切れない、という代物でな。お前の体内をゆっくりと進み、肛門から排泄されるまでの間、約五日間ほど滞在する」
「……気持ちの悪いものを勝手に……う、う゛っ! なに、さっきから……」
「『霊磁性流体』というのがコイツの別名でな。電気系能力者であれば磁力を操作することでコイツの操作ができるし、感覚をリンクすることもできる」
「感覚を……リンク……」
「今、お前の目の前で、お前の体内にある『霊磁性流体』とリンクを果たした電気系能力者が、腸壁に身を押しつぶされる感覚をその身に受け取っているんだが……似たような感覚に覚えは無いか?」
言葉を発することを禁じた状態の10039号。それが今、頑張って食蜂操祈のナカの流体を操作しようとしている。
──その快楽を、もっと味わうために。
ちなみに搬入にはかなり苦労した。人一人を運ぶのってやっぱ大変ネー。
「その能力者にとって、『霊磁性流体』はペニスやクリトリスのような性感帯と同義でな。お前の腸壁がこれを撫で擦れば擦るほど、電気系能力者にも快楽が入る。そして、木原先生に頂いた機能を使い、この電気系能力者の感じているものをお前のクリトリスでも感じられるようにしてある」
遠回りな手段だけど、『
丁度良く、ぐぎゅるるるっとだゾ☆のお腹が鳴る。
瞬間、雷にでも打たれたかのように、だゾ☆も10039号も絶頂した。
「な、ぁ、ああ!?」
「点滴だけじゃあお腹が減ろうさ。況してやさっきまで胃にいたものが全部腸に行ったから、身体は空腹だと判断する。……さて、どうだったかな。空腹時の内臓が鳴らす微細かつ繊細な振動をするオナホールの感覚は」
「こ……こんなことに、何の意味が……っ」
「さらにこの上から、食蜂操祈、お前の膣内にあるヒダ、その全てとクリトリスの感覚をリンクさせる」
「ひぃ、ギ──!?」
あれだけ余裕そうだっただゾ☆が一気に白目を剥く。……おお、これ強すぎるか。
解除解除。
「──ぁ、か……っは、ぁ……」
「すまんすまん、女は快楽だけじゃ気絶しないって言うから、大丈夫なのかと思ってさ。……とまぁこんな感じで、お前の身体で気持ちよくなりたいやつとばんばんリンクさせていくから、よろしく。今の責めもいつか耐えられるようになればいいな」
「む──無理、脳波の方がまだいい……お願い、やめて……!」
「そんなにいきなりしおらしくならなくてもいいぞ。演技なんだろ、わかってるわかってる。……しかし、脳波の方が良い、は心外だな。……じゃあこういうのはどうだろうか」
端末を操作する。
彼女に繋げるのは、今店頭で『
それをぶち込む。
「……なに、これ。……いや、いやぁ!? 私、ハダカが……い、今更どうして……!」
「露出に対して興奮しこそするが、割合一般的な感性の持ち主がその脳波の持ち主でな。さらにヘッドギア内の映像を──屋外のものに変えてみたりして」
「──!? ぁ……」
じょばぁ、と失禁するだゾ☆。ちなみにマシンチェア君は排泄物をオートで綺麗にしてくれる。
今の彼女は、普段の自分の趣味嗜好に加え、露出行為に対して異様に恥ずかしさを覚え、恥ずかしいことが気持ちいいと思うようになっている。
実際にスキルアウトたちにじろじろと自身の痴態を見られている─しかも前回の風紀委員襲来の時に顔が晒されている。勘のいいものならば体格の一致で誰かわかるかもしれない─封環の羞恥心&興奮に上乗せされる、「自身があられもない恰好で屋外に居る」というシチュエーション。
ちなみに映像は学園都市の清掃ロボット君などから拝借している。そのため。
「こうやって、常盤台の中にすることもできるし、VR映像としてお前の今の状態を投影することもできる。ほら、顔を動かして下を見てみろよ。とんでもない恰好してるぜ」
「──」
ぐん、と……電極クリップの銅線が揺れるくらい、クリトリスと乳首が屹立する。
さらにここからは趣向を変えて。
☆☆☆
常盤台中学。
彼女の通う学び舎で……彼女はその裸体を晒していた。
否、裸体だけではない。
ぷしゅぷしゅと音を漏らして潮を噴くのが止められない股も、欲望の詰め込まれた快楽を与えるためだけの機械で貫かれている孔という孔も、乳首とクリトリスを挟んだクリップも……すべてが晒されている。
「(……落ち着きなさい、落ち着きなさいよぉ、私……。これは映像……恥ずかしいことなんてない……そんなことわかってるはずよぉ……!?)」
そうだ。こんなもの、映像でしかない。休みの日に服を着るのが面倒で下着姿のままに端末を操作したり、通信端末で誰かと会話をするのと、何ら変わりはない。
無い、はずなのに。
「あら、女王。おはようございます」
(え……)
「喜ばしいことですわ。五日もお休みになられていた時は胸が張り裂ける想いでしたが……」
(だ……だからなんだってのよぉ。こんな映像、今時カンタンに……)
「その……少し変わり果ててしまったとはいえ、こうして学び舎でまた会えること、嬉しく思いますわ」
派閥のメンバー。それが……若干引いているような顔で、食蜂の全身をゆっくりと眺めるような目線で……そんな言葉を放つ。
「きゃあ!? え、何事……?」
「(ぅ……)」
「我らが女王ですよ。どうしてもこの椅子から外すことができなくて、だからそのまま通うことになったのです。最初はその……驚かれると思いますし、戸惑うかもしれませんが、どうか受け入れてあげてください」
「そ……そうなんだ。……近くで見ていいものなの?」
「(ゃ、ゃめ……)」
「うひゃあ……すごい。ずっぽり咥え込んでる……。前も後ろも、おしっこの穴まで……」
別の派閥の、好奇心旺盛な少女。それが……今の食蜂の姿をじろじろと見て、懇切丁寧に解説をする。
はふぅ、と……荒くなっている息遣いが腹部を撫でる。クリトリスや陰唇を撫でていく。
「へー、食蜂さんってアンダーヘア全部剃ってるんだ」
「この椅子に拘束された時、全て剃られたそうですわ」
「剃られた? 誰に?」
「さぁ……? 殿方であるようなのですが……」
「へぇ、食蜂さんって彼氏にあそこの毛剃らせるんだ。さっすが女王サマ」
「(だ、誰があんなのと付き合うもんですかっての……。……でも、良かった。羞恥はあるけれど……慣れてきたわぁ、この状況。あの安東とかいう男も、私の適応力がこんなにも高いだなんて夢にも──)」
「さて、そろそろ授業が始まってしまいますし、行きましょうか、女王」
(え?」
彼女が括りつけられている椅子の後ろに立つ派閥のメンバー。
そうして……その椅子が、車椅子のように押され始める。
何一つ身に纏っていない肌が風を切る感覚。行く人来る人、すれ違う人全員が──食蜂を見て、ぎょっとして、変態を見る目になって。
(ち……違うの、やめて、そんな目で見ないで……)
「……あれ、食蜂? アンタ……何その恰好」
「(……っ)」
「御機嫌よう、御坂さん。女王は……もう一生この椅子から降りることはできないそうで。今も皆さんの視線を感じて軽く絶頂しておられるくらい、快楽漬けになっているらしく」
「ふぅん? 私も触ってあげよっか?」
「(お・こ・と・わ・り。私の身体に触れるなんてそんなこ、)」
「ええ、どうぞ。お喜びになると思いますから」
「じゃあそうね……まずはここ」
ぎゅ、と……乳首が抓られる。冷たいクリップの感覚ではなく、女子生徒特有の柔らかなタッチでの愛撫。
快楽なんてほとんどないはずなのに──彼女の股座からは、潮が吹き出た。
「これ、喜んでる証?」
「はい。御坂さんでしたら弱めの電撃を与えてあげるともっと喜ぶかもしれません」
「こう?」
「!(──っ)」
「あ、なんだ、声出るじゃない。成程、我慢してただけか。──じゃあ、もうちょっと出力を上げて……」
バチッ、と……強めの静電気のようなものが乳首に走ったその瞬間、食蜂は「あぁっ、んんぅ……」という、出した自分でも驚くくらいの甘い声を上げた。
痛い、とかではなく。
あまりに……気持ちよくて。
「へえ、あんたって案外可愛い声出すんだ」
「女王はいつでも可愛いですよ」
「そうねー。なんか印象変わったかも。他に好きなとこは?」
「やっぱりお豆さんですかね。女王は自慰行為をする際、まずそこから触り始めますし……」
「(──!?)」
急騰する羞恥心。なぜそのようなことが知られているのか。
「クリって……うわ、でっか。食蜂、アンタのクリ大きいけど、生まれつき?」
「いえ、これは五日間の責めで肥大化してしまっただけですね。もう戻らないと思いますし、どうか可愛がってあげてください」
「おっけー。──じゃあ、これくらいかな」
ヂッ、と……電流がクリトリスを伝う。普段隠れている部分にまで浸透する振動のような電流。内側という最も感じる部分を通り抜けるその感覚に、思わず絶頂する食蜂。
「うわぁ……。すごいわねアンタ。これだけの人が見てる前でイけちゃうんだ……」
「そ……それは、あなたが……っ」
とまで口に出して。
「(落ち着きなさい、私。これは映像なんだから、話しかけたって──)」
「えーなに、私のせい? あんたがそんな格好して学校に来てるのが悪いんじゃない」
「──。……え。……私の声……聞こえて……?」
「はぁ? 何言ってんのよ、当然じゃない。目の前にいるんだから」
椅子の両脇から伸びてきた手が、ぐわ、と乳房を掴み、揉む。
老人の手じゃない。男の手でもない。
──女子中学生の、華奢な、手だ。
「う……うそ、そんなわけ」
「なに、こいつ。やっぱ快楽責めでおかしくなっちゃったんじゃないの?」
「そのようなことはありませんわ。こうやって丁寧に揉んであげれば、女王の気も落ち着いてきます。ほら、女王? 気持ちいいでしょう?」
「や……やめてくれるかしらぁ? そんなの、ちっとも……んぅ……気持ちよくなんて無いのだしぃ」
「それにしてはアンタ、乳首もクリトリスもビンビンじゃない。……なんか妬けるわね。私からの電気じゃ一瞬しかこうならなかったのに仲良しの友達からの愛撫だと簡単に、なんて」
「仲良しだなんて、そんなこと……ぁ、だめ、耳に息を吹きかけないでぇ……!」
……その後、御坂美琴を伴い教室へと入った食蜂は、廊下の比ではない量の視線を受け、再度絶頂する。
そのまま授業が始まる。おかしなことなどない一日が。おかしいのはただ、自分だけ。
やがて一日が終わる。
「(あぁ……疲労力とんでもないわぁ……)」
「女王、お疲れのところ申し訳ありませんが、一緒にお出掛けいたしましょう」
「何を言っているのかしらぁ? 私があなたたちと行動を共にすることなんてないでしょう、初めから」
「けれど女王、何事もリハビリが大事ですよ」
「……ちょっと、話が通じないんだけど……って、待って、嘘……嘘でしょう?」
マシンチェアが押されていく。
向かうは当然──常盤台中学の外。
「無理よ……恥ずかしさで、耐えられないわぁ……!」
「無理でも、これからずっとそのままなのですから、慣れるしかありませんよ」
と。
マシンチェアが押され、敷地外に出る。
出た、その瞬間。
車通りの喧騒。路上を行く学校外の人間たち。
食蜂の姿を見て……咄嗟に顔を逸らす、数人の小学生たち。
「ぅぁ……」
慣れていたはずの羞恥心が再度襲ってくる。
見られている。全員に。全てを。
それが──心地よくて。
「うわっ、なんだあれ、スゲー」
「でけぇ乳……。ちょ、撮ってネットに上げようぜ」
「ちょ──ちょっと、やめさせて! あれ、やめさせなさいよぉ!」
「今だけなら考えましたが、これから先ずっとこのリスクは付き纏うのですから、早めに慣れておいた方が良いですわ、女王」
「そんなわけ──」
シャッター音が鳴る。フラッシュが焚かれる。
盛り上がった股間部分を隠そうともしない男たちの下卑た視線が突き刺さる。
じゅる、と……膣が濡れ始める。伴い、いつの間にか止まっていたディルドバイブがピストンと振動を再開した。
「ん……っ、時間を置いたから、余計に……っ」
「おい、あれ……やべー。マジモンだろ。見られて余計にコーフンしてるぜ」
「つかヤバくね? よく見るとケツにもぶっといの突き刺さってっし、マンコにも……その上の尿道までほじくられて感じてる」
「てか……あの顔って、食蜂操祈じゃね? レベル5の」
「マジ? ってことはまだ中二でアレかよ。男を誘うためだけの身体って感じじゃんエッロ」
肛門、尿道のピストン、バイブも再開した。
一日置いたからこそ……甘い痺れが下半身全体を覆っていく。
「もう……わかったから、早く……」
ふと、気が付けば。
後ろで椅子をおしてくれていた子が、いない。
「ちょ……嘘、でしょ……」
放置されている。
常盤台の敷地の外。無数の人間の行き交う往来に、この恰好で。
──それを、好機と見て……彼女の身体の至る所を見ながら、近寄ってくる男子生徒たち。
「へへへ……これ、良い、ってことだよな」
「据え膳食わぬは男の恥、ってな。──うは、でっけぇ」
無造作に……今度は明らかに分かる男の手で、乳房が掴まれる。
そのゴツゴツとした掌と乳首が擦れあい、痺れるような感覚が生まれた。
「いや……いや、やめて、やめてっ!!」
憐れ、食蜂操祈は何もできず、その魔の手に──。
「やめろぉぉおおお!!」
落ちなかった。
どころか、バキ、ゴキと……殴る音が響いて。
首すら動かせない彼女の視界に、その……トゲトゲ頭が、映る。
「(──嫌)」
「っと、大丈夫か、あんた。……凄い恰好だけど、まぁそういう趣味の人もいんだろ」
「(嫌、見ないで……あなたにだけは……)」
「あーっと……目のやり場に困るな。……こういうのって、とりあえずクリトリスを握ればいいんだっけ?」
食蜂操祈は。
だらだらと、涙を流して、懇願する。
「やめて……この記憶は、この人は……大切な記憶だから。……こんなことで、上書きしないで……他の、どんなことでもやって良いから、これだけは……」
ぷつん、と。
VR映像が途切れた。
五感の全てが戻ってくる。自分の体液の匂いしかしない部屋。孔を貫く機械の水音しかしない部屋に。
「んー、ちょいアクセル踏み過ぎたか。あと、あいつがクリトリスという単語を言うわけがないという解釈不一致問題が付き纏い過ぎるな……」
「……私の……記憶を、読んだの……?」
「かもしれない。俺は案外色々なことを知っているよ、みーちゃん」
「っ……! やめて。あの子にだけは……手を出さないで。……あなたの実験、すべて受け入れるから……私の大切な思い出と、あの子に手を出すのは……やめて」
その言葉に、男は「んー」と、考えた素振りを見せる。
見せて。
「それは難しいかも知れない。木原先生は『
「そんなっ……お願い、……わ、私の……を、使って……アナタのを処理しても、良いから……」
「生憎そこまで性処理に困っていなくてな。その交渉は受け付けることができない」
「……」
「が……先程も言った通り。ああ、お前の中では体感一日が経ったのだろうけど、まだ一時間ちょいしか経っていないから先程という言葉を使わせてもらうが──この脳波発生装置による催眠も、ひいては精神操作という能力自体も、俺にとっては快くないものなんだよ」
機械が止まる。責めが終わる。
「木原先生……木原幻生。そして碓井さん。『胤河製薬』はまるで旧知の仲であるかのように俺に対して肩を組んできたけれど、木原を信用するほどピュアになった覚えはないし、神格化され担ぎ上げられておけば大人しくしていると思われるのも癪なんだな、これが」
「……何が、言いたいのかしらぁ」
「一芝居打たないか、というお誘いだ、食蜂操祈。──木原幻生、あるいは『胤河製薬』……技術と資金力は本物だからな。──乗っ取らないか、アレ」
「……それが、交換条件?」
「そうなる。飲んでくれないのであれば、俺の裏切りが彼らに露見しては困るから、さっきの方法や膣のヒダをクリにする、みたいな責めなんかの全てを使いお前を徹底的に壊してから返すとするよ。その肉体の至る所に自爆モジュールとか組み込んでな」
脅しにきている口調ではない。どころか、世間話をするかのようなトーンだ。
この男。『
食蜂は──。
「飲むしか……ないように聞こえるから、飲むわぁ」
「賢い判断だ。ああ、ちなみに」
その、ヘッドギアが……男の手により取られる。
あまりにも愚かな油断だ。それが無いのであれば、こんな男『
「……なに、アナタ。……水分操作が、届かない?」
「ちなみに、元からお前の能力は効かないから、そのつもりで。あと今の裏切りポイントで膣ヒダクリトリスの刑十分ね。よーいドン」
「──ギ、」
バヂヂヂッ! と、御坂美琴に与えられた電撃など比ではない強さの電撃が脳に走る。走ったような感じがする。
一瞬にして真っ白になる視界。落ち着いてきていた性感帯のすべてが励起され、全身が快楽を受け止めるだけの容器になったかのような感覚を覚える。
「あ、あが、ががが、や、やべ、やめ゛て゛っ!! おねか゛、い゛!! し゛ぬ゛、し゛んじゃうか゛ら──!!」
「大丈夫だ。テクノブレイクだの快楽で死ぬだのって話が都市伝説として存在するけど、実際そんなことは起こらないよ。脳や心臓の血管が破裂して、のケースはあるけど、その辺は常にモニタリングしてるから大丈夫だし、快楽で脳が焼き切れるとかいう意味わかんないことは起きない」
「き゛い゛でない゛、そんなこ゛、ォ゛……が……」
「まぁマウスの脳の快楽中枢に電極埋め込んで自分でスイッチを押して快楽を得られるようにする、って実験では、マウスが食事や睡眠を忘れて最終的に衰弱死した、っていうやつがあるけど、このレベルの快楽物質が出ることなんてほぼないし、死因はあくまで衰弱死だからなー。安心して意識トばしなよ。すぐに叩き起こされると思うけど」
ケラケラ笑う男。
なにも考えられない。文句も罵倒も思い浮かばない。
焼かれるような快楽の炎。全てが快楽信号の火あぶりの刑。
その十分は、食蜂操祈の人生で、最も長い十分だっただろう。
ぐったりした彼女に対し、「おー、一気に体力持ってかれたな。今まで溜めに溜めていたのに」なんて日常会話のような温度感で話しかけてくる。
わかった。ようやく理解した。
食蜂は幻生ら研究者のことを同じ人間だとは見ていない。あちらが食蜂たちをモルモットとしか見ていないように、彼女も研究者を人間だとは思っていない。
この男は、そうじゃない。そちらではない方向にタガが外れている。
まるで生物と機械の見分けがついていないかのように、心情と機能に区別が無いかのように。
肩を組むには最悪の相手だ。だが、飲むしかない。どうしてか通用しない『
「改めて。これからよろしく。ああ、俺の名前は安東気朔。そうだな、人呼んでエロの伝道師……だけど、まぁ『店長』って呼び名が一番呼び慣れているかな」
「……食蜂、操祈。……一つ聞くけど……胤河製薬の乗っ取りが完了したら、私は解放されるのかしらぁ?」
「ああ、そのつもりだ。点滴だけでも人一人の維持費用ってとんでもないし」
「そう。……あと、さっき言っていた電気系の能力者と……体内にあるっていう『霊磁性流体』は、どうなったのかしらぁ」
「能力者の方はお前が気にする必要は無いよ。『霊磁性流体』の方はまだ腹の中にある。気になるようだったらなんとか頑張ってヒリ出してみるといいさ」
「……遠慮しておくわぁ。何が起こるかわからないし。……それで、作戦はあるんでしょうね?」
「勿論だ。──まず」
そこから展開される……あまり頷きたくない作戦に、食蜂操祈は顔を顰めながら、正当性・妥当性・成功率を計算していく。
曲がりなりにも学園都市の頂点の頭脳を使って。
──少しずつ、事態は動いていく。