※この作品はR-18です。

溶解する観察者のヴェイル〜電子の檻・澪の転落〜   作:砂城スミ

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澪の退廃2

柏木澪は市内にある温泉旅館で男たちをもてなしていた。

 

 

3人のビジネススーツの男たち。彼らはN市にあるR出版の社員で、そろって40代。

この会合は、青藍社の不手際をR出版に”おわび”して今後もよろしくおねがいするための会で、成瀬がセッティングして、相澤が承認していた。

 

はじめは客室で懐石料理とお酒を楽しむだけだった。

もう料理は下げられている。

同僚たちーー成瀬も、相澤も、もういない。

R出版の要望で「澪だけ残して」延長している。

R出版の男たちの本来の目当てがこれ。

もちろん成瀬はわかっている。

相澤はなにも知らない。

 

いまや澪だけが、男たちの相手をしている。

 

 

少しだけ退室して、

備え付けの小さなシャワー室で身を清めた。

そして、成瀬に指示された服装に着替えた。

ビジネスには到底ふさわしくない姿。

男たちの前に姿を晒すのには勇気が必要だった。

 

「澪ちゃん、こっち来て」

「はい、失礼しまぁす」

 

男の呼びかけに、媚びた声ですりよるわたし。

男たちの視線が浴衣の胸元にそそがれているのがすぐにわかる。

 

「浴衣かわいいね」

「うっわ、いい匂いする」

 

男たちはそわそわしはじめる。

 

「お酒、まだ飲みますよね?」

男たちに愛嬌をふりまきながらお酌する。

これはずっと青藍社でやってきた基本業務だから、誰よりも慣れてる。

 

男が馴れ馴れしく言う。

「澪ちゃんって、本当に事業部の人なの?正直に言って、接待要員でしょ?」

「俺もそう思った!慣れてる感じするよね」

「えっと・・・」男たちの無礼な言葉になにもいえない。「どうでしょうね」曖昧に返事するしかできなかった。

 

「澪ちゃんも飲んだら?」

「はい、いただきます」

 

ぐっと日本酒を飲み干す。

飲まないとやっていられない。

わたしは”接待要員”・・・そう思うと惨めな気持ちになる。

これも同僚たちを助けるため。円滑に仕事を回すため。

そう納得している。

自分を奮い立たせる。

 

「ところでさ、御社の成瀬君がさ、帰り際に、これ、置いていったんだけど」そう言って、1ダース入りのコンドームの箱をしゃかしゃか振る男。「これ、どういうこと?」

もう・・・やるしかない。

わたしは頭を下げた。

「今回の、弊社の不手際のお詫びです。存分にお使いください」

 

浴衣を解いて、胸をむき出しにする。成瀬によって隙間なくキスマークをつけられた、醜い薄い胸を。

男たちが唾を飲む。

オスのにおいが漂ってくる。

 

 

 

◆

 

 

 

この旅館は和洋室になっていて、和室側は料理が下げられて布団が2組敷かれ、洋室側にはシングルベッドが2台ある。

狭いシングルベッドの上で、男たち3人の相手をした。

 

アルコールの助けもあって、大胆な気持ちになれる。

 

男たちをよく観察して、ひとりひとりに違ったサービスをする。

 

おしりをふりながら、犬のように男たちの股間に顔をうずめて、大きく口を開けて奉仕した。

恥部を自分で大きく広げておねだりをしてみたりもした。

そして、男にまたがって自分から腰を振ってキャンキャンと鳴いた。

雌犬のように。

 

ーーあは・・・楽しくなってきちゃった

 

まるでトレッドミルで走り込んでいるときみたいな、ランナーズハイになってる。

うそみたいに体が軽い。酒に酔った男たちを圧倒して、次々に絶頂させていく。

 

ーーみんなスタミナ無さすぎ

ーーそれに、サイズも、テクニックも・・・

ーー成瀬くんたちが"異常"なんだけど

 

3人の男たちは、満足して眠りについていった。

 

 

◆

 

 

深夜、部屋は再び静まり返っていた。

 

アルコールもさめて、痛み止めの薬効もきれてきた。

お腹の奥がまた痛くなってきた。頭痛もする。

 

コンドームの箱を開くと、まだいくつか余ってるのがわかって安堵した。

何度も挿入をうけいれたベッドにはひどく乱れていて、白いシーツに茶色い汚れがいくつも。

 

「アシスタント、痛み止め」

<アシスタント: 本日の規定量に達しました。これ以上は放出できません>

「うそでしょ・・・痛ぁ・・・」

 

眠りにつきたいところだったけど、

ここに朝までいたらまた相手をしなきゃいけなくなる。

ふらつく身体に鞭打って、タクシーをつかまえて、夜中のうちに家に帰った。

 

 

 

◆

 

 

 

<成瀬: R出版さん喜んでましたよ。今後も取引を継続してもらえることが決まりました。これも澪さんの"おもてなし"のおかげ。しっかり仕事できてえらいですね>

 

これがわたしの仕事・・・

 

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