※この作品はR-18です。

FF7ntR   作:夜叉五郎

20 / 25
ハロウィン編
第二十章:Jカップサキュバス ♡


[μ]-εγλ 0006年9月。

 

常夏のコスタ・デル・ソルから帰還して以来、七番街スラムの酒場『セブンスヘブン』は、それまでの歴史を塗り替えるほどの狂気的な大繁盛を見せていた。

 

夕暮れ時、鉄のプレートがもたらす重苦しい影が下層スラムを包み込む頃には、店の前にはすでに開店を待つ男たちの気の早い行列が出来上がっている。

集まっているのはスラムの住民や、わざわざ上層から降りてきた富裕層だけではない。

ジュノンやコレル、さらには遥か彼方のウータイに至るまで、世界各地からやってきた旅人や筋金入りの酒飲みたちが、世界バーテンダー大会の噂を聞きつけてこの物騒な地下世界へと押し寄せていた。

 

彼らの目的はただ一つ。

コスタ・デル・ソルで審査員長をして「女神の母性を感じさせる」と言わしめ、八百長すらねじ伏せて最優秀カクテルに選出された伝説の一杯『ティファズミルク』を味わうためだった。

 

「はい、お待たせいたしました。『ティファズミルク』です」

 

カウンターの奥から、鈴の音を転がしたような澄んだ声が響く。

客の男たちは一斉に喉を鳴らし、差し出されたグラスへと文字通り貪るような視線を向けた。

 

コスタ・デル・ソルでの大会時、材料がすり替わってティファの母乳が奇跡的なバランスで混入していた『ティファズミルク』。

あいにく現在店で提供されているカクテルには、もちろん本物のティファの母乳は含まれていない。

ハメルが厳選して仕入れた、スラムでは最高級とされる新鮮な市販のミルクとリキュールを使った、ごく普通のレシピのカクテルだ。

 

しかし、客たちはそんな裏事情など知る由もない。

「これがあの伝説の一杯か……!」と、聖杯を戴くかのように、誰もが恍惚とした表情でグラスを傾け、一滴残らず有り難がって喉へと流し込んでいく。

 

客たちがこの普通のミルクカクテルを「至高の美酒」へと錯覚する最大の理由。

それは、カウンターの奥に立つバーテンダー――ティファ・ロックハート自身の、限界を突破した母性美に他ならない。

 

あの旅を境に本格的に乳が出るようになって以来、ミッドガルに戻ってからも二人の間では毎朝の「搾乳」が秘められた習慣となっていた。

ハメルが『かばう』マテリアの効能を応用し、妊婦にかかる肉体的な負荷を自身の強靭な逸物へと逃がしながら、優しく丁寧に搾り続けてきたのだ。

その乳腺への継続的な刺激と、双子を宿す神秘的な成長が凄まじい相乗効果を起こした結果、彼女のバストはついにトップバスト100センチの大台を突破する――文字通りの「Jカップ(メートル級)」へと到達していた。

 

セブンスヘブンの制服である蒼色のセクシーなミニドレスは、すでにその凶悪な質量によって限界を迎え、豊満という言葉すら生ぬるい二つの巨大な果実が、今にも生地を突き破らんばかりに傲然とせり出している。

 

そんな店内の喧騒を、バーの隅から静かに見つめる男がいた。

黒いスーツをスマートに着こなし、鋭い視線を走らせる店の「黒服」――ハメル・スレイダーだ。

 

ハメルは冷徹な現実主義者のスタンスを崩さない。

ティファの持つ圧倒的な性的魅力が、このセブンスヘブンという店の売り上げを維持し、強力な「客寄せ」になっていることを深く理解していた。

だからこそ、男たちがどれほどいやらしい目でティファの胸元を視姦しようとも、それがただの視線である限りは滅多なことでは止めに入らない。

冷ややかに放置し、客が金を落とするのを黙って見届けていた。

 

だが、それが「実害」に変わろうとする瞬間だけは、絶対に容赦しなかった。

 

ティファはカウンターの中にある少し高めのスツールに腰掛け、メートル級の胸を小刻みに揺らしながら、軽快にシェイカーを振る。

そして、出来上がったカクテルを客へ提供するために、スツールから身を乗り出してカウンター越しに体を深く伸ばした。

 

その瞬間、ミニドレスの胸元から突き出される形になった極上のJカップの果実に、どさくさに紛れて触ろうと、不埒な客がニヤケ面で手を伸ばす。

そうした不埒者は、毎晩のように後を絶たない。

 

だが、その汚い指先がティファの肌に触れるよりも早く、虚空から伸びた万力のようなハメルの強靭な掌が、男の手首をガシリと完璧に掴み取った。

 

「――当店はお触り厳禁だ」

 

深い水色の魔晄の瞳が凍りつくような冷徹さで男を射抜く。

ソルジャーをも凌駕するハメルの圧倒的な威圧感に、男は悲鳴を上げることすらできずに顔を真っ青に硬直させた。

 

「二度とこの店の敷居を跨ぐな。出禁だ」

 

ハメルは男の手首を掴んだまま、一切の無駄のない洗練された動作でフロアを引きずり、そのまま夜の路地裏へと叩き出した。

 

店内に張り詰めた一瞬の静寂のなかで、誰よりも激しく震え上がっていたのは、カウンターのすぐ近くの席に陣取っていた常連のジョニーだった。

 

(ひ、ひえええええっ……!! 危ねえ、マジで危ねえところだった……!!)

 

実はジョニー自身も、至近距離から大迫力で迫ってくるティファの神々しいほどの爆乳に完全に惑わされており、油断すれば自分もふらふらと誘惑に負けて手が伸びてしまいそうになっていたのだ。

それだけに、目の前で繰り広げられたハメルの電撃的なガードと、一切の容赦のない冷酷な排除は、ジョニーの心臓を恐怖で縮み上がらせた。

 

もし、さっき自分の理性がほんの少しでも遅れていたら、あの鋼鉄の万力のような掌で手首をへし折られ、路地裏に粗大ゴミのように叩き出されていたのは自分だったに違いない。

ジョニーは滝のような冷や汗を流しながら、今にもティファに向けてふらふらと伸びそうになっていた自らの右手を全力で引っ込め、股の間に深く挟み込んでガタガタとガクブルに震えていた。

周りの客たちもハメルの底知れない強さと冷酷さに肝を冷やし、慌てて手元のグラスへと視線を戻す。

 

「もう、ハメルったら……。お触りしようとする人を捕まえる時だけは、本当に容赦ないんだから」

 

カウンターの奥で、ティファが困ったように、しかし自分と子供たちを守ってくれる夫の絶対的な過保護さに胸の奥を愛おしさでいっぱいにしながら、紅い瞳を和らげるのだった。

 

---

 

[μ]-εγλ 0006年10月中旬。

 

ミッドガルの荒涼とした夜風が一段と冷たさを増す頃、ティファの妊娠は7ヶ月(28週)を迎えていた。

お腹の中に二人の新しい命を宿している彼女の腹部は、この時期になると明確に大きく、重い質量を持って前へとせり出し始めていた。

 

ハメルはティファの立ち時間を厳しく制限し、重いものの運搬などはすべて自分が先回りして片付けていたが、ティファ自身は格闘家としての頑健な基礎体力があるため、体調はすこぶる良好だった。

 

そんなある日の昼下がり、営業前のセブンスヘブンに、アバランチの3人組が賑やかな足音とともに飛び込んできた。

 

「ハメル、ティファ! ちょっとこれを見てよ!」

 

ジェシーが満面の笑みを浮かべ、両手に抱えた大きな衣装箱をテーブルの上にドスンと置いた。

ビッグスとウェッジも、どこか楽しげな様子で後ろに続いている。

 

「どうしたの、ジェシー?これ、何が入ってるのかしら」

 

ティファが大きく膨んだお腹を片手でそっと支えながら、不思議そうに首を傾げる。

 

「もうすぐ10月末、秋実節(ハロウィン)でしょ? プレートの上の人間たちは毎年派手にお祭り騒ぎをしてるけど、スラムの子供たちには、まともなイベントなんて何もないじゃない。だからさ、今年の10月31日は七番街スラムを挙げての『ハロウィン特別夜会』を開こうと思うの!」

 

ジェシーの提案に、ティファの紅い瞳がパッと輝いた。

 

「ハロウィンイベント……! 素敵ね。マリンや、近所の子供たちを集めて、お菓子を配ったり、美味しいカボチャの料理を作ってあげたら、きっとみんな喜んでくれるわ」

 

「でしょ? ――でもね、ただのお楽しみお祭りってわけじゃないのよ。実はこれ、アバランチの新しい作戦の一環でもあるんだから!」

 

ジェシーは声を少し潜めると、ハメルとティファに顔を近づけて悪戯っぽくウインクした。

 

「『魔晄を使いすぎると、夜中にカボチャのお化けが出てきて全部吸い尽くしちゃう』……今回のイベントをキッカケに、そんな都市伝説を子供たちや親世代に草の根レベルで広めたいの。楽しくお菓子を配りながら、魔晄エネルギーの浪費に対する忌避感をスラム全体に刷り込む。大掛かりなテロだけが反神羅の闘いじゃない、こういう意識改革のためのプロパガンダも立派な作戦でしょ?」

 

ジェシーの作戦説明に、後ろに控えていたビッグスがニヤリと笑って頷く。

 

「お祭りのどさくさに紛れて噂を流すってのは、神羅の目を欺くにもおあつらえ向きだからな」

 

「カボチャのオバケ作戦、絶対に成功させるッス!」

 

ウェッジも拳を握って意気込んでいる。

 

「だからさ、当日はスタッフの私たちも全員、本格的な仮装をして完璧に世界観を作って雰囲気を盛り上げようと思ってさ。ちょっと頑張って衣装を用意してきたの!」

 

ジェシーが胸を張る。

 

バレットには無骨な「フランケンシュタイン」、ハメルには黒いロングコートが漆黒の闇に映える冷徹な「ヴァンパイア(吸血鬼)」の衣装が用意されているらしい。

 

「そして……ティファには、これ! 今のティファのスタイルに一番似合うやつを、寝る間も惜しんで仕立て直したんだ!」

 

ジェシーが箱から取り出したのは、男たちの本能を狂わせるような「サキュバス(淫魔)」の衣装だった。

 

「わぁ……。素敵だけど、今の私の身体で着られるかしら? サキュバスって、その……」

 

「大丈夫! お腹の赤ちゃんたちを絶対に締め付けないように、ウエストから下はかなりゆったりした伸縮性のある仕立てにしてあるから。でもその代わり……ふふん、上半分はちょっと気合が入ってるよ?」

 

ジェシーの悪戯っぽいウインクに促され、ティファは開店前の時間を使い、地下にあるハメルとの二人の私室へと移動して試着をすることになった。

 

---

 

寝室の姿見の前で、ティファは丁寧に衣装に袖を通していく。

艶やかな漆黒の生地が、吸い付くように彼女の肢体を包み込んでいく。

ジェシーの言葉通り、妊娠7ヶ月を迎えて丸くせり出したお腹のラインは、一切の圧迫感なく優美な球面を描いてドレスに収まっていた。

背中には小悪魔のようなレザー調の翼が控えめに羽ばたき、髪には愛らしい一対の角のカチューシャが添えられている。

 

しかし、問題はそれ以外の部分だった。

普段の蒼色のミニドレス姿でも限界を突破していたティファの双丘を包む胸元は、サキュバスのモチーフ通り、大胆なハートカットで深く、大きく抉られていた。

妊娠によってさらに豊穣さを増した乳白色の圧倒的な質量が、衣装の縁から溢れんばかりに盛り上がり、深い谷間が強烈な自己主張を放っている。

 

さらに強烈なのは、スカートのサイドに入ったスリットだった。それは太ももどころか、腰のラインまで深く切れ込みが入った極めて大胆な仕立てになっていた。

そのため、ドレスの隙間からはジェシーがセットで用意した下着――腰紐が眩いチェーンになっていて、肌に直接きらめきを添える『ちょっと背伸びパンツ』が完全に露出している。

歩くたびにしなやかな大腿部から、チェーンが食い込む煽情的な腰回りまでが露わになる、まさに雄を魅了するための極限の仕様になっていた。

 

「ティファ、着替えは終わったか?」

 

エレベーターが降りてきて、ヴァンパイアの衣装を完璧に着こなしたハメルが地下室に入ってきた。

黒のロングコートに身を包み、魔晄の瞳を覗かせる彼の姿は、本物の闇の貴族のような恐るべき美しさを放っている。

 

しかし、ハメルは室内に立つティファの姿を見た瞬間、その足を完全に止めた。

 

大きく膨んだ愛おしい下腹部と、それを凌駕する圧倒的な質量で迫るJカップの胸元、それから腰まで裂けたスリットから覗くチェーンの輝き。

豊潤な母性と、脳の血管を破裂させるほどの強烈なエロティシズムが、奇跡的なバランスで同居している。

 

 

【挿絵表示】

 

 

ハメルの深い水色の瞳に、烈火のような独占欲と、ドロリとした濃密な愛欲の炎がまたたいた。

 

「ハ、ハメル……これ、やっぱり少し胸元が開きすぎじゃないかしら……? スリットも、なんだかスースーして……」

 

ティファが顔を耳まで真っ赤に染め、メートル級の胸を隠すように両腕で抱きかかえる。

だが、その動作によって豊かな肉がさらに押し上げられ、余計に煽情的な格好になってしまう。恥ずかしさのあまり、その場で内股気味に身をすくめても、腰の深い切れ込みから覗くチェーンのきらめきは隠しようがなかった。

 

ハメルは無言のまま、標的を捉えた狩人のような、音ひとつ立てない滑らかな足取りでティファへと歩み寄った。

その強靭な両腕が、背後から彼女の豊かな身体をしっかりと抱きしめる。

ハメルの大きな掌が、生地越しに、愛おしい我が子たちが眠る丸いお腹を優しく包み込んだ。

 

「ハメル……っ」

 

「……あまりに刺激が強すぎて、他の男たちに見せるのが本当に惜しいな。ジェシーの熱意が、少し恨めしいくらいだ」

 

ハメルはティファの白く滑らかな首筋に顔を埋め、ふつふつと湧き上がる独占欲をなだめるように深く息を吸い込んだ。

 

「ハロウィンの日は、俺の視界から一歩も離れるな。ティファに手を出そうとする男たちは、俺がすべて裏で処理してやる」

 

「ふふ、本当に過保護なんだから……。でも、ハメルがずっと傍にいてくれるなら、私、安心してサキュバスになれるわ」

 

ティファはハメルの逞しい腕に自らの身体を委ね、心からの安心感と愛おしさに胸を熱く火照らせながら、鏡の中に映る「ヴァンパイアとサキュバス」の姿を見つめるのだった。

 

---

 

[μ]-εγλ 0006年10月31日。

 

ハロウィン当日のセブンスヘブンは、これまでにない怪しくも温かい熱気に包まれていた。

店内のいたるところに手作りのカボチャのランタンが飾られ、オレンジ色の柔らかな光が、スラムの暗い夜を照らし出している。

 

「トリック・オア・トリート! ティファお姉ちゃん、お菓子くれないと悪戯しちゃうぞ!」

 

仮装したスラムの子供たちが元気よく扉を開けて入ってくると、カウンターの奥から「いらっしゃい、みんな!」と、極上の笑顔のサキュバスが出迎えた。

 

ティファが事前に用意していた特製のパンプキンクッキーと、大鍋でじっくりと煮込んだ濃厚なカボチャのポタージュスープが子供たちに振る舞われる。

一口食べた子供たちは「美味しい!」と大歓声を上げ、マリンもフランケンシュタイン姿のバレットの膝の上で、嬉そうにクッキーを頬張っていた。

 

イベントの噂を聞きつけた大人たちの来店によって、夜が更ける頃には店内の混雑はピークに達していた。

当然のごとく、漆黒のサキュバス衣装を纏ったティファの、Jカップの胸元と大きく膨らんだ愛おしいお腹のライン、そして腰まで深く裂けたスリットに、男たちの視線が一斉に釘付けになる。

 

そんななか、カウンターの一等席を陣取っていた常連のジョニーも、至近距離で見る淫魔姿のティファにすっかり悩殺されていた。

目の前で強烈な自己主張を放つメートル級の果実と、丸くせり出した豊かな下腹部、そして歩くたびにチラチラと覗く『ちょっと背伸びパンツ』の眩い腰紐チェーンに、彼の脳のキャパシティは完全に狂わされてしまう。

ジョニーは目をハートマークにしながら、熱い吐息を漏らしてカウンターへと身を乗り出した。

 

「トリック・オア・トリート! ティ、ティファ……お菓子なんてくれなくてもいいから、俺にイタズラさせてくれぇぇっ!」

 

叫びながら、我を忘れてふらふらと誘惑に負けた右手が、バーカウンター越しにティファの身体へと伸びそうになる。

 

だが、フロアの隅で目を光らせていたハメルが不埒な動きを察知して間に入るよりも早く、ティファのほうが一枚上手だった。

 

「はいはい、ジョニー。イタズラの代わりにこれね」

 

ティファは困ったように、しかし完全に慣れた手つきで微笑むと、小皿に山盛りにされたナッツやチョコレートなどのお菓子を、お通し代わりとしてジョニーの目の前へとコトンと置いた。

 

「えっ、あ、お菓子……?」

 

「それをつまみながら、大人しくお酒を飲んでてね。いい子にしていないと、ハメルが怒っちゃうよ?」

 

ティファの見事な先回りのあしらいと、優しく諭すような微笑みに、ジョニーは「は、はいっ!」と顔を耳まで真っ赤にして瞬時に手を引っ込めた。

そして、差し出された小皿を宝物のように両手で大事そうに抱え込み、一瞬で大人しくなってカクテルをすすり始めた。

 

しかし、店内のすべての男がジョニーのように素直に引き下がるわけではなかった。

 

「おいおい、今年のティファちゃんは一段とヤバいな……。あの淫魔になら、いくらでも骨抜きにされたっていいぜ……」

 

「あの胸、本当にメートル級だな。それにあの腰のスリットから見えるチェーン……見ているだけでミルクカクテルが三杯は飲める……っ」

 

下卑た笑みを浮かべる男たちの背後に、漆黒のロングコートが音もなく翻った。

 

カツン、とハメルが手にしたガラスの灰皿をカウンターに置く。

それと同時に、フロア全体の空気が一瞬で凍りつくほどの、おぞましい「殺気」が店内に吹き荒れた。

ハメルの水色の瞳は、完全に獲物の命を刈り取る暗殺者のそれだった。

 

「ひっ……!?」

 

男たちがガタガタと震え出す。

さらに追い打ちをかけるように、カウンターの端からはフランケン姿のバレットが、ガトリングの銃身を不気味に回転させながらギロリと睨みを利かせた。

 

「うちの女主人の身体に変な視線を送る奴は、この場でミンチにしてカボチャの餌にしてやる。……分かったか、あぁん?」

 

バレットの地鳴りのような低音に、不埒な男たちは完全に戦意を喪失し、縮こまってカクテルを飲む作業に戻っていった。

 

ハメルは完璧なエスコートでティファへの接近を阻み、スマートかつ冷徹に営業をコントロールし続けた。

 

---

 

深夜、子供たちも大人たちも大満足で家路につき、ようやくセブンスヘブンの重い扉が閉められた。

静まり返った店内で、ティファはバーカウンターの奥の椅子に腰掛け、ふぅ、と小さく息を吐いた。

 

「お疲れ様、ティファ。体調は大丈夫か? お腹は張っていないか?」

 

ハメルがすぐに温かいタオルと飲み物を持って彼女の傍らに寄り添う。

 

「大丈夫よ、ありがとうハメル。みんながすっごく喜んでくれて、私まで幸せになっちゃった。……あ」

 

ティファがふと、ベロア生地のドレスの上から自身の下腹部に両手を添え、驚いたように紅い瞳を丸くした。

 

「どうした?」

 

「ハメル、ちょっと……ここに手を当ててみて」

 

ティファに促され、ハメルは衣装のロングコートを脱ぎ捨てると、彼女の正面に膝を突き、その無骨で大きな掌を、大きく丸くせり出したティファの下腹部へとそっと滑り込ませた。

 

2ヶ月前、コスタ・デル・ソルのビーチで触れた時は、まだお腹の奥の方で「小さな泡がぷつぷつと優しく弾けるような」あまりにも微かで繊細なサインだった。

 

次の瞬間――ハメルの厚い手のひらに、ベロアの生地を透かして、内側から「ポコン、ポコン」と、明確に外へと押し返してくる力強い衝撃が伝わってきた。

 

一度だけではない。

右側から、そして少し遅れて左側からも、確かな質量を持った小さな肉体が、ハメルの手のひらを認識したかのように力強く呼応してきたのだ。

 

「……! 動いた、な」

 

ハメルの魔晄の瞳が、驚きと、言葉にならない深い感動に大きく見開かれた。

 

「ええ。ふふ、2ヶ月前よりずっと力強くなったでしょう? 出産まであと4ヶ月。この子たちね、本当にお腹の中で元気に、お父さんとお母さんの声を聞きながら育ってくれているのよ」

 

ティファはハメルの頭を優しく抱き寄せ、自身のお腹に顔を埋める夫の黒髪を愛おしそうに撫でた。

かつて知っていた原作の悲劇――セフィロスの凶刃も、故郷を焼き尽くす炎も、そして歴史の改変を阻しようとしたフィーラーの呪縛すらも、ハメルはその執念と力で完全にねじ伏せてみせた。

 

その闘いの果てに手に入れた、掌に響くこの力強い「新しい命の鼓動」こそが、二人が掴み取った本物の未来の証明だった。

ハメルは胸の奥を激しい愛おしさで満たしながら、愛する妻のお腹にそっと唇を寄せ、静かな誓いのキスを落えているのだった。

 

---

 

その後二人は、ピンボールゲーム台のある床をドスンと力強く踏み、エレベーターで降下した先にある地下室のベッドルームへと移動した。

鉄のプレートに遮断されたこの隠れ家は、地上の喧騒から完全に隔離され、プライベートな薄暗がりに包まれている。

 

しかし、ティファはまだ、あのサキュバスの衣装を着たままであった。

ベッドの端に腰掛けた彼女は、部屋に入ってきたハメルを見つめると、潤んだ紅い瞳に悪戯っぽい光を浮かべ、ふにゃりと愛らしく微笑んだ。

 

「トリック・オア・トリート、ハメル……。お菓子をくれないと、特別な『悪戯』しちゃうぞ」

 

普段の凛とした格闘家としての姿からは想像もつかない、身重の肉体が醸し出す濃厚な母性と、甘く蕩けるような誘惑の宣言。

ハメルは低く掠れた声で、静かに微笑みを返した。

 

「あいにくお菓子は持ち合わせてないな、ティファ」

 

「じゃあ、たっぷり『悪戯』してあげる」

 

ティファは蠱惑的に微笑むと、ハメルの手を引いてベッドへと誘い、彼の豊かな身体を壊れ物を扱うように優しく、しかし確実に逃がさない強さで抱きしめた。

 

「あっ……ハメル……っ」

 

ハメルは優しくティファの衣装に手をかけ、背中のファスナーを滑らかに下ろしていく。艶やかな漆黒の生地が剥ぎ取られ、露わになったのは、ついにJカップ(メートル級)へと到達した、乳白色に輝く圧倒的な質量を持った双丘だった。

双子を育むために細い血管がうっすらと浮き出た乳房は、ハメルの大きな掌に包み込まれ、柔らかな弾力を確かめるように深く、優しく揉み解されていく。

 

「んぁ……ッ、ふあ……ハメル、そこ、すごく、あついの……っ」

 

ティファは甘い吐息を漏らし、ハメルの逞しい肩に細い指先を置いた。ハメルは張り詰めた先端を優しく愛撫し、さらに胸元から下方へと愛撫の手を降ろしていく。

たどり着いたのは、妊娠7ヶ月を迎えて綺麗な球面を描く、大きく膨んだ下腹部だった。

皮膚がピンと張り、愛おしい我が子たちが眠るその場所へ、ハメルは敬意と狂おしいほどの愛を込めて、何度も何度も優しい口づけを落としていった。

 

「あう……お腹、くすぐったい……ふふ、でも、すごく温かいよ、ハメル……」

 

ティファの愛に満ちた声を聞きながら、ハメルも自らの衣服を脱ぎ捨て、ギンギンに勃起した逸物を解放した。

 

ティファの身体とお腹の子供たちの安全を最優先にするため、ハメルは彼女の身体に一切の負荷が掛からない『騎乗位』の体勢をとらせた。

ここからティファが自ら主導権を握り、ハメルへの特別な『悪戯』を開始する。

 

ティファは艶然とした微笑みを浮かべながらハメルの上に跨がり、大きく膨んだお腹を労わるように、しかし確信犯的な緩やかさでゆっくりと腰を下ろしていく。

ドレスの隙間から覗いていた『ちょっと背伸びパンツ』の眩い腰紐チェーンが、二人の境界線でかすかに擦れ合い、きらきらと音もなく輝いた。

 

「ティファ、ゆっくりでいいからな……」

「ふふ、ダメ。私の悪戯なんだから、ハメルは大人しく受けていて……っ」

 

ティファはハメルの胸にそっと手を置き、自身の動きを完全にコントロールしながら、ゆっくりと、じっくりと最奥までハメルの質量を呑み込んでいく。

 

「ひぁああっ……!? んんんっ、奥まで……すごく、いっぱいに、満たされてる……っ」

 

Jカップの巨乳を優しく揺らし、ティファは熱い結合感に身体を震わせながらも、甘い主導権を渡そうとはしなかった。

これは単に快感を追い求めるための行為ではなく、お互いの存在と、お腹の中の新しい命への愛を確かめ合うための、ティファ主導の愛の儀式だった。

彼女はハメルの反応を確かめるように、わざと焦らすような緩急をつけて腰を動かし、密着したまま、粘りつくような濃密な愛撫を仕掛けていく。

ハメルはティファのお腹に衝撃が伝わらないよう、彼女の腰を優しくホールドし、妻の甘美な悪戯をすべて受け止めていた。

 

結合部からは溢れ出た愛液が白く泡立ち、ピチャピチャと甘い音を立てて静かな地下室に響く。

 

「は、ハメル、ハメル……っ! 私の悪戯、どう……? き、気持ちよくて胸がいっぱいになっちゃうでしょ……っ」

 

「ああ、ティファみたいなサキュバスになら、精気全部吸い取られたって構わない」

 

ハメルは深い水色の魔晄の瞳で、愛おしさに蕩けきった妻の紅い瞳を真っ直ぐに見つめ返した。視線が絡み合い、互いの絶対的な愛と信頼が交錯する。

 

ティファが優位に立ってゆっくりと腰を上げ下げするたびに、内に秘めた肉壁が彼の質量を逃がすまいと、キュウキュウと温かく締め付けてくる。

ハメルは一切の荒々しさを排除し、ティファの体温を、その最奥の鼓動を確かめるように、じっくりと時間をかけて深く出し入れを続けた。

 

幾度となく繰り返される、甘く濃厚な愛のピストンの果てに、二人の心と肉体が限界を迎えようとしていた。

ゆっくりと、しかし確実に高まっていった熱が頂点に達し、ティファの全身に幸福な痙攣が走る。

 

「あ、お、あぁぁぁっ! ハメル、ハメルぅぅっ!!」

 

ハメルのペニスもまた、強烈な一体感の中で爆発寸前にまで膨張していた。

しかし、どれほど愛の絶頂に達していようとも、ハメルの理性が完全に消えることはない。

身重のティファの体や胎内の双子に万が一のリスクを及ぼさないよう、彼は最初から鉄の意志を固めていた。

 

(絶対に、中には出さない――!)

 

精液が子宮に与える影響を完全に避けるため、ハメルは絶頂の刹那、跨がっているティファのしなやかな腰を大きな手で優しく、しかし確実に持ち上げ、結合を滑らかに解除した。

そのまま、まだハメルの上に座った姿勢のままのティファのボテ腹――優美な球面を描く愛おしい下腹部に自身の猛り狂う逸物を擦り付けるようにして、一気にすべてを解き放った。

 

「あ、っ……ハメ、ル……?」

 

ティファが愛の余韻に震える紅い瞳を見開いた瞬間、彼女のふっくらと丸い下腹部へと、ハメルの濃厚な熱い射精が何度も激しく浴びせかけられた。

 

「んんっ……! 濃くて……あついのが、お腹に、いっぱい……っ」

 

ドクドクと注がれる大量の白濁が、ティファの誇る愛おしいボテ腹を白く染め上げ、そこから生々しく流れ落ちていく。

カボチャのランタンが灯る薄暗い地下室の中で、ティファの豊かなお腹にぶちまけられた愛の証は、妖しく、そしてこれ以上なくロマンチックにきらめいていた。

 

二人は互いの激しい呼吸と体温を重ね合わせながら、固く、固く抱き合い、互いの身体に付着した愛の余韻を惜しむように愛撫し合う。

 

胎内で眠る双子たちの力強い鼓動と、最愛の妻の肉体を完璧に守り抜いた充実感。

スラムのハロウィンの夜、二人の絆は何者にも引き裂くことの出来ない、永遠の未来へとさらに深く縛り合わされるのだった。

 

---

 

[μ]-εγλ 0006年12月19日

 

この年の暮れ、ニブルヘイムの神羅屋敷の地下深く――重苦しい魔晄の冷気が漂う実験室から、二人の男が脱出を果たした。

 

ザックス・フェアと、重度の魔晄中毒に侵され自力で立つことすら叶わないクラウド・ストライフである。

 

彼らが自由の身となったのは、[μ]-εγλ 0002年10月1日のニブルヘイム事件のあの惨劇が起きて以来のことであった。

彼らは宝条博士の手によって神羅カンパニーの実験体へと仕立て上げられ、ポッドの中で非道な生体実験を受け続けていたのだ。

しかし、暗闇に閉ざされていたその歳月が「実に四年以上」にも及んでいたことを、この時のザックスはまだ知る由もない。

 

人間としての尊厳を奪われた長い暗闇の代償として、セフィロスとの死闘で死の淵にあった二人――ザックスとクラウドの肉体は、過酷な実験の副産物により致命的な損傷すら痕跡を残さず完璧な復調を遂げていた。

その秘められた強靭な身体能力は極限まで高まり、神羅カンパニーにとっても計り知れない脅威となる領域へと達していた。

 

「……待たせたな、クラウド。村から脱出だ」

 

ザックスは背中に愛剣――バスターソードを背負い直し、魔晄中毒で意識の混濁したままのクラウドの肩を担ぎ上げる。

 

実験室を突破し、薄暗い屋敷の階段を駆け上がるザックス。

冷たい冬の夜風が吹き抜けるニブルヘイムの村へと足を踏み入れた瞬間、ザックスは己の肉体に溢れ出す圧倒的な生命力を実感していた。

時間がどれほど経過しているのかすら定かではない混乱の中で、だが立ち止まっている暇がないことだけは分かっていた。

神羅の追っ手はすぐにこの逃亡を察知し、追撃の包囲網を敷くはずだ。

 

意識の戻らない親友を庇いながら、神羅カンパニーの追っ手を避け、世界中を転々と巡る過酷な逃避行。

だが、ザックスの胸に宿る使命感は、ただの逃走だけに留まってはいなかった。

 

神羅の手から逃れつつも、かつて共に背中を預け合い、そして運命の歯車を狂わせていったソルジャー・クラス1st――アンジール・ヒューレーやジェネシス・ラプソードスとの断ち切れぬ因縁。

彼らとの因縁に決着を付けるべく、ザックスとクラウドの二人は、荒涼たる世界へと旅立つことになるのだった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。