※この作品はR-18です。

FF7ntR   作:夜叉五郎

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七番街スラム編
第五章:天望荘での同棲生活開始 ♡


[u]-εγλ 0003年10月下旬。

 

八番街スラムを後にしたハメルとティファ。

二人はプレートの連絡通路を渡り、七番街スラムへと向かう。

向かった先は、かつてその危機を救い、大きな恩を売っておいた老女マーレが大家を営むアパート「天望荘」だ。

 

真夜中にもかかわらず、マーレは二人を快く迎え入れてくれる。

 

「おや、ハメルの坊やじゃないかい。こんな時間に、可愛いお嬢さんを連れてどうしたんだい? 神羅の役人にでも追われてるのかい?」

 

「いや、ちょっとわけあって八番街スラムを出てきたんだ、マーレさん。あんたのところで、部屋を借りたいと思ってね」

 

マーレはハメルの言葉を聞きながら、彼の後ろで緊張した面持ちで佇むティファへと鋭い視線を向けた。

ハメルが単独でここを訪れた際、ダミーニの息子のラケスとマンソン・グループによって、連れの女がほぼ軟禁状態で働き詰めにされていると相談を受けていた。

マーレは目の前の少女がその張本人だと瞬時に察する。

 

「あんたがハメルの連れかい。随分若い娘っ子だね」

 

マーレがざっくばらんな口調で問いかけると、ティファはハメルの背の後ろから一歩前に出た。

ザンガンに師事し、拳法を修めている彼女の佇まいには、過酷な環境に身を置きながらも決して折れない、凛とした芯の強さが見て取れる。

少し緊張で声を震わせながらも、格闘家らしい無駄のない美しい所作で、深く一礼した。

 

「初めましてティファです。ハメルから聞いてます。情報を集めて頂いてありがとうございました」

 

その真っ直ぐな紅い瞳と、清廉さに満ちた礼儀正しさに、マーレは小さく眉を上げる。

二人の距離感や互いを想い合う濃密な空気から、マーレは彼らが深い仲であることを瞬時に見抜いた。

もともとハメルの実力と度胸を高く買っていたマーレである。

そのハメルがすべてを投げ打って連れ出してきた少女の健気な態度を前にして、この肝っ玉大家が好印象を抱くなという方が無理な話だった。

 

「ふん、律儀なこった。いいよ、ハメルには命を救われた貸しもあるし、あんたみたいな良い子は歓迎さ。――ちょうど二階の角部屋が空いてるよ。身寄りもない若い二人なんだ、わざわざ不経済に別々の部屋を借りることもないだろ? 二人でそこに住んだらどうだい」

 

マーレはニヤリと不敵な笑みを浮かべながら、最初から同棲を前提として一本の鍵を差し出した。

その言葉に、ハメルがティファの意向を確かめようとするより早く、ティファが自ら一歩前に出た。

彼女は顔を耳まで真っ赤に染めながらも、凛とした声で真っ直ぐに断言する。

 

「はい! 一部屋でお願いします!」

 

「ティファ……」

 

ハメルが驚いて振り返るが、彼女の意志は固い。

もう一刻たりともハメルの隣から離れたくないという、本能的な衝動のあらわれであった。

 

文字通り命懸けで自分を守ってくれたハメルの治療費だからこそ、どんなに過酷でも返済を健気に頑張ってきたティファ。

けれど、故郷と父を失った心の傷は深く、本当は辛くて仕方がなかったのだ。

そんな日々から、ハメルはまたしても理不尽な状況をひっくり返し、自分を再び救い出してくれた。

都合二度も自らの命と人生を救い上げてくれた男への依存と愛着は、とうに限界を突破している。

 

十三歳を超えれば大人として扱われて出稼ぎに行かされ、結婚だって可能となるこの世界だ。

マーレはティファの迷いのない即答に頼もしげな笑みを深めると、いかにもスラムの大家らしくサバサバとした態度で鍵を差し出し――そして、もう片方の手で、ティファの手のひらに小さな緑色の輝石をそっと転がした。

 

「二階の角部屋、好きに使いな。――それと、お嬢ちゃん。老婆心ながら、これも一緒に持っておきな」

 

「これは……マテリア、ですか?」

 

鍵と共に握らされた、仄かに緑色の光を放つ小振りな魔晶石を見つめ、ティファが不思議そうに首を傾げる。

 

マーレはニヤリと悪戯っぽく、しかしスラムを生き抜いてきた者としての真面目なトーンで言葉を重ねた。

 

「『バリア』のマテリアさ。スラムじゃ一つ屋根の下に収まる若い男女の、必須の嗜み(お守り)だよ。あんたたちにはまだ、新しい命を育てる余裕なんてないだろう? このマテリアはね、外からの物理的な衝撃を防ぐだけじゃないんだ。望まない懐妊から、女の身体を守ってくれる防壁を張れるのさ。順序を間違えて身を滅ぼしちまう若い奴らを、あたしは嫌というほど見てきたからね」

 

「――っ!」

 

その言葉が意味する『避妊具代わり』という冷徹な生活の知恵を理解した瞬間、ティファは顔を耳までどころか、首筋まで一気に真っ赤に染め上げた。

あまりの気恥ずかしさに思考が完全に停止し、鍵とマテリアを胸元で受け取ったまま、完全にフリーズしてしまう。

 

ハメルもまた、前世の原作知識にすら存在しないマテリアの意外すぎる裏の使い方に「そんな方法があったのか」と目から鱗となりつつも、突きつけられたあまりにも生々しい現実に、少し気まずそうに視線を泳がせた。

 

マーレはそんな二人の初々しい反応を面白そうに眺めながら、いかにもスラムの老大家らしく豪快に笑ってみせる。

 

「いいよ、誰とどう生きようが、あたしがとやかく言う筋合いもありゃしないさ。好きにおやり。――ただ、あんまり夜うるさくするんじゃないよ!」

 

ハメルとの深い仲やこれからの同棲生活を突きつけられ、ティファの胸は激しく高鳴っていた。

耳の根元まで真っ赤になり、今すぐにでも逃げ出したいほどの気恥ずかしさに襲われる。

 

だが、彼女は単なるか弱い女の子のようにおどおどとうつむき、言葉を濁すような真似はしなかった。

すっと背筋を伸ばし、その真っ直ぐな紅い瞳でマーレの視線を正面から受け止める。

 

 

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恥ずかしさに微かに声を震わせつつも、その声音には誠実さと、一人の武道家としての毅然とした強さが満ち溢れていた。

 

「……っ、ありがとうございます、マーレさん。夜遅くに突然押しかけた私たちを、こんなに温かく迎えてくださって、本当に嬉しいです。お部屋、二人で大切に使わせていただきます」

 

ティファはそう言うと、先ほどと同じく、深く、丁寧に頭を下げて心からの感謝を伝える。

 

恥じらいつつも一切の卑屈さを感じさせない、そのどこまでも真っ直ぐで健気な佇まい。

ただ守られるだけでなく、一人の人間として自立した芯を持つティファを前に、マーレは「ふん、本当にハメルにはもったいないくらいの良い子だねぇ」と、満足げに鼻を鳴らしながら、ますます頼もしげに目を細めて二人の背中を見送るのだった。

 

---

 

あてがわれた天望荘の一室は、狭いが八番街スラムのコンテナルームよりもずっと小綺麗だ。

二人は部屋に荷物を下ろすと、これからの新居となる空間の設備を一緒にチェックし始める。

 

スラムのアパートとはいえ、天望荘の設備は八番街の不自由なコンテナ街に比べれば遥かに充実している。

部屋の隅には小さな調理スペースがあり、窓の建て付けも悪くない。

そして、奥の木製の扉の向こうには、専用の小さなシャワールームまで備わっている。

 

「シャワーがあるのはありがたいな。ティファ、きちんと使えるか、まずは俺が実際に使って確かめてみるよ」

 

ハメルはそう告げると、シャワールームへと足を踏み入れる。

バルブを強く捻ると、配管がゴボゴボと音を立て、やがて勢いよく温水が吹き出す。

上のプレートから供給される廃熱を利用した、ミッドガル下層特有の温水だ。

 

ハメルは実際にそのまま衣服を脱ぎ、シャワーを浴びて温度や水圧、錆の混入がないかを点検する。

湯気に包まれながら、かつてセフィロスに貫かれた胸の真ん中にある生々しい傷跡や、この一年間で死に物狂いで鍛え直した引き締まった肉体を、温かい湯でしっかりと洗い流していく。

不快な温度の乱高下もなく、設備は完全に生きている。

流石に水の魔晄臭さは拭えないが、ボディーソープで誤魔化せるレベルだ。

 

シャワーを終え、下半身にパンツ一丁を穿いただけの姿でハメルが外へ出てくると、部屋には少し緊張した面持ちのティファが待っている。

彼はそのままベッドの端に腰を下ろし、静かにティファの番を待つ。

 

「湯量も温度も問題ない。次はティファの番だ。……ここならちゃんと鍵も閉まる。ゆっくり入っておいで」

 

「うん、ありがとう、ハメル……」

 

ティファの胸から、ほっと深い安堵の吐息が漏れる。

八番街の劣悪なコンテナ街にあった共同のお湯浴び場は、薄いカーテンで仕切られているだけの大雑把な代物だった。

四六時中、男たちの視線に怯え、覗かれやしないかと気が気ではなく、ハメルが入り口に立って厳重に見張りをしてくれている時だけが、唯一安心して身を清められる時間だったのだ。

 

だが、この天望荘にあるのは頑丈な木製の扉で守られた、自分たちだけの専用個室だ。

もう誰の気配に怯えることも、ハメルに見張りの負担をかける必要もない。

本当の意味でのプライベートな空間に深く感謝しながら、ティファは入れ替わりで中へと入っていく。

 

ハメルが使ったばかりの、まだ男の熱気と温かい湿気が色濃く残る狭い空間。

ティファは少し気恥ずかしさを覚えながらも、衣服を丁寧に脱ぎ捨て、温かいお湯をその豊満に成熟した肢体へと浴びせる。

ザンガン流の苛烈な鍛錬で極限まで引き締まったウエスト、しなやかな脚、そして溢れんばかりに豊かな胸へと、湯滴が滑らかに伝い落ちていく。

 

薄い木製の扉を挟んだすぐ外では、ハメルがその絶え間ない水の音を、ハンターとしての鋭い聴覚で静かに耳にしている。

お互いが至近距離で相手の存在を強烈に意識し、狭い部屋の中の熱気がじわじわと高まっていく。

 

やがて、体にバスタオルを一枚巻いただけの姿で、ティファがシャワールームから出てくる。

しっとりと濡れた長い黒髪が肩にかかり、湯上がりで上気した肌が仄暗いランプの光に照らされ、圧倒的なプロポーションが艶やかに浮かび上がる。

バスタオルの上端が豊かな胸のふくらみを辛うじて覆い、下端は太腿の中ほどまでしか届いていない。

 

その扇情的な姿に、ベッドに腰を下ろしていたハメルの反応は素直だった。

パンツの布地を内側から押し上げるように、逸物が熱を帯びて硬く膨らみ始める。

湯上がりの肌と、バスタオル一枚で強調された豊満な肢体。

男として、視線を逸らせないほどに直截な衝動が下半身に集中していく。

 

ハメルは前髪を静かにかき上げ、深い水色の瞳を真っ直ぐに彼女に向ける。

その瞬間、張り詰めていたティファの緊張の糸が、完全に切れる。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「ハメル……っ!」

 

ティファはハメルの胸へと飛び込み、そのしなやかな腕で彼の背中をきついほどに強く抱き締める。

その滑らかな肩が、溢れ出る涙とともに激しく震えている。

 

「私、本当に悔しかった……悲しかった……。あの人たちを信じて、一生懸命働いてたのに、全部嘘だったなんて……。でも、ハメルがいてくれたから、私、もう迷わない。ハメル、ハメル……!」

 

ハメルは彼女の艶やかな黒髪を優しく撫ぜ、その身体を大きな包容力で包み込む。

 

「終わったんだ、ティファ。すべて清算してきた。これからは、誰にも邪魔されない、俺たちの本当の新しい生活が始まるんだよ」

 

ハメル自身、ただ大好きなこの世界を守り、目の前のティファを理不尽から救いたかっただけだ。

独占しようなどという下心はこれっぽっちもない。

しかし、顔を上げたティファの上目遣いの瞳には、もはや隠しきれないほどの濃密な熱情と、一人の男に対する絶対的な信頼の光が揺れている。

 

「ハメル、私……あなたなしじゃ、もう生きていけないの……」

 

潤んだ唇が、微かに震えながらハメルの吐息を求めている。

ハメルは彼女の顎を優しく指先で持ち上げ、ゆっくりと顔を近づける。

重なり合った唇は、驚くほど柔らかく、いつもと同じ熱さであった。

 

深く、お互いの存在を確かめ合うような接吻。

ティファの身体から力が抜け、甘い吐息とともにハメルの腕の中で完全に融解していく。

バスタオル越しに伝わる彼女の激しい鼓動が、かつてセフィロスに貫かれたハメルの胸の傷跡へと、心地よい熱となって響き渡る。

 

一度、名残惜しそうに唇を離すと、ティファはハメルの首筋に腕を絡めたまま、彼の美しい水色の瞳をじっと見つめて小さく囁く。

 

「ねえ、ハメル……告白してくれた時の約束、覚えてる?」

 

ハメルは彼女の真っ直ぐな想いに胸を熱くする。

 

「ああ、覚えているよ。お前が俺にくれた、大切な約束だろう」

 

「うん……あの時は私から、ここを出るまでってお預けにしちゃったけれど。もう何もないわ。見張りも、あの嘘の借金も……ここには二人しかいない」

 

ティファは顔を耳まで真っ赤に染めながらも、覚悟を決めたように真っ直ぐな視線でハメルを見つめる。

 

「だから……お預けは、もう終わり。私を、あなたのものにして、ハメル……っ」

 

ティファは枕元に置いておいた金属製のバングルと、緑色の輝石を手に取った。

 

マテリアは武具や防具に装着して初めてその真価を発揮するものだ。

気恥ずかしさに耳の根元まで真っ赤に染め上げながらも、ティファは引き締まった手首に愛用のバングルを嵌め、そのマテリア穴へと『バリア』の結晶をカチリとセットする。

 

一人の自立した女性として、そしてハメルと完全に一つになる覚悟の証として、彼女はバングルに精神を集中させた。

ティファの指先から紡がれた魔力に応じるように、装着された緑色の輝石が一瞬だけ強く明滅する。

次の瞬間、術者である彼女自身の胎内――その最も奥深くにある子宮を対象として、目に見えない仄かな魔力の結界が展開された。

望まない懐妊から女の身体を完璧に守るための、強固な防壁。

 

武道家としての美しい集中力をもって確実に対象へと『バリア』を発動させると、ティファは羞恥に耳まで赤く染めながらも、自らバスタオルの端を指先でつまんだ。

ためらうように一度息を整え、そのままゆっくりと布をほどいて床に落とす。

 

豊満な胸がぷるんとまろび出た。

湯上がりの瑞々しい肌に、しっとりと光をまとった二つの膨らみが、ランプの光の下で艶やかに揺れる。

 

ティファは恥ずかしさを誤魔化すようにぎゅっと目を閉じ、ハメルの逞しい首筋に再び腕を絡めた。

 

「……っ、これで、大丈夫だから。……優しく、してね?」

 

そのあまりにも健気で、それでいて情熱的な合図が引き金となり、ハメルのティファを思う気持ちは一気に限界を突破する。

 

八番街のコンテナルームで暮らしていた頃は、ニブルヘイムの惨劇を思い出しては、怖くて寂しくて眠れない夜が多かった。

そんな夜、ティファはいつも薄い鉄板の壁を何度も叩いて、隣の部屋のハメルを呼び出していたものだ。

狭いシングルベッドの中で彼にきつく抱きしめられ、ただ恐怖を紛らわせるようにボロボロと涙を流し、彼のシャツを濡らしながらようやく眠りにつく――それが、これまでの二人の夜だ。

 

だが、今夜このベッドの上で交わされる抱擁は、あの頃とは全く違う温度を孕んでいる。

恐怖や孤独を遠ざけるための、どこか痛々しく切ない温もりではない。

互いの肉体と存在を心から欲し、激しく求め合う雌と雄としての、目眩がするほどに熱い情熱がそこにはある。

肌を伝うその圧倒的な熱さに、ティファの胸の中にあった不安は綺麗に消え去っていった。

 

細い月明かりが差し込むベッドの上、完全に無防備な姿で向き合う二人。

ハメルの逞しい輪郭を見つめながら、ティファの脳裏に、かつて給水塔の上で交わした幼い約束と、遠い街へ行ってしまった金髪の少年の面影が一瞬だけ過る。

しかし今、自分がその体を抱きしめ、素肌を擦り合わせ、純潔を捧げようとしているのは、その面影とは似ても似つかない別の男だ。

ティファは心の中で、過去の淡い思い出にそっと別れを告げる。

 

(ごめんねクラウド、あの約束無しでいいよ)

 

同時にハメルもまた、その美しく実った彼女のすべてを視線で愛おしみながら、この物語の本当の主人公へ向けて、独占欲に溢れる言葉を紡ぐ。

 

(すまないクラウド、ティファは俺がもらう)

 

二人の想いが完全に重なり、ハメルがその強靭な身体でティファを優しく包み込むようにして、ついに二人は最後の一線を越え、深く一つへと結ばれていく。

 

---

 

ザンガン流拳法の苛烈な鍛錬によって極限まで磨き上げられたティファの肉体は、驚くほどしなやかだ。

日々の激しい柔軟運動や蹴撃の訓練の成果もあり、その身体はハメルの熱く逞しい質量を拒むことなく、吸い付くような高密度の密着感とともに優しく受け入れていく。

ティファが心の中で身構えていたような痛みは驚くほどになく、代わりに意識の奥底まで満たされるような圧倒的な充足感が押し寄せる。

 

「んっ……あっ……ハメル……っ」

 

ティファは歓喜の吐息を漏らし、ハメルの首筋に白い腕を絡めてその背中にしがみつく。

細い指が背中の筋肉に食い込むほど強く、甘い吐息が何度も耳元に落ちる。

一度その満たされる感覚に覚えてしまえば、もう引き返すことなどできない。

二人はまるで互いの存在を確かめ合うように、本能のままに甘いセックスへと溺れていく。

 

「んあっ……はぁ、はぁ……奥まで……っ、届いてる……」

 

ハメルの絶え間ない自己鍛錬によって鋼のように強靭に仕上がった肉体と、少女から大人の女へと完璧な結実を遂げたティファのプロポーションの相性は、最高と言うほかない。

互いの肌がぴったりと密着し、絡み合う粘膜から心地よい快感が生み出され続ける。

彼女の身体は、ハメルの逞しい腕に抱きすくめられ、その包容力に身を委ねることにこの上ない悦びを感じていた。

 

「んっ……あぁ……ハメルの……熱い……っ」

 

ティファの脳裏に去来するのは、八番街の狭いコンテナルームで過ごした、あの不自由で愛おしい日々の記憶だ。

悪夢に怯える自分を、ハメルはいつも狭いシングルベッドの中で優しく、きつく抱きしめて守ってくれた。

ただハメルだって、血の通った年頃の一人の健やかな男性だ。

毎朝、目覚めるたびに密着した肌を透かして伝ってくる、雄としての抑えきれない朝勃ちした肉棒の熱さや、肉体の本能的な反応。

ティファの女性らしく急激に成熟していく肢体をあれほど間近で抱きしめていれば、そんな生理現象が起きるのは人間のオスとして当然のことだ。

ハメルと同衾し、密室で夜を重ねるようになった結果、ティファは男の心と体の仕組み、そして自らの肉体がいかに男たちにとって抗いがたい魅力に満ちているかを、否応なく肌で学んでいった。

 

それなのに、ハメルはあの時の約束を頑なに守り、決して無理にティファを求めてこようとはしなかった。

傷ついた自分の心を最優先にして、どこまでも理性を保ち、自制し続けてくれたことは、ティファにとって涙が出るほど有り難い記憶となる。

だが同時に、大好きな彼を我慢させ続け、自分の体に反応してしまった勃起を処理してあげられないことへの、言葉にできない申し訳なさと切なさも、ずっと彼女の胸の奥に澱のように貯まっていたのだ。

 

(でも、もう何も我慢しなくていい。これからは、こんな風に愛しいハメルを、私のすべてで満足させてあげられる――)

 

それは、男に尽くすことを厭わない、生真面目で、優しくて、お人好しな生来の心根を持つティファにとって、何よりも誇らしく、幸福な選択であった。

 

やっと結ばれた男女二人が、一度や二度の肉の交わりで満足できるはずもない。

そもそもハメルもティファも一流のハンターと格闘家であり、基礎体力は尋常じゃなく有り余ってる。

夜が更けるにつれ、二人の愛の交歓はさらに深く、情熱的なものへと昇華していく。

 

部屋の中に、二人の艶っぽく昂った呼吸と、激しく重なり合う甘い衣擦れの音が響き渡る。

ティファは恍惚とした表情で視線を絡ませ、ハメルの上に跨ると、自らしなやかな身体を委ねて彼を求める。

 

「んっ……はぁっ……ハメル……もっと……っ」

 

スラムの男たちを魅了し、彼女自身もその価値を自覚していた美しく豊かな胸が、今はただ一人の男であるハメルのためだけに、無防備に揺れている。

その光景は、どんな芸術をも圧倒するほどに官能的で美しい。

 

「あ……んあっ……んっ、あぁっ……!」

 

ティファは熱い吐息を漏らしながら、自らの指先で、ハメルの胸のど真ん中にある生々しい傷跡を愛おしそうに、そして確かめるように何度も撫でさする。

かつてニブルヘイムの魔晄炉で、自分を庇ってセフィロスの刀に貫かれた、あの致命傷の跡だ。

 

「この傷が……私を守ってくれた証……っ。私の命は、あなたのものよ、ハメル……!」

 

傷跡に触れ、ハメルが生きていることを確かな結合を通じて実感するたびに、ティファの愛はさらに深く、狂おしく昂っていくようだ。

彼女は潤んだ瞳でハメルを見つめ、さらに深く彼を抱きしめて情熱を注ぎ込む。

 

「んっ……はぁ、はぁっ……ハメル……好き……っ、大好き……あぁっ……!」

 

果てる瞬間の彼女の身体の震えと甘い吐息は、ハメルの理性を完全に消し飛ばすほどに強烈であった。

 

「んあぁっ……! ハメル……っ、イっ……! イっちゃう……っ! あぁあっ……!!」

 

細い腰が痙攣するように震え、熱い吐息が何度も喉の奥から零れ落ちる。

 

遠い未来、すべての記憶を失った金髪の幼馴染がこの街に流れ着いたとしても、すでに彼が入る隙間など、どこにも残ってはいなかった。

 

---

 

[u]-εγλ 0003年11月下旬。

 

七番街スラムのアパート「天望荘」に移り住んでから、一ヶ月の月日が経とうとしている。

この一ヶ月の間、二人は狭い一室で貪るように互いの存在を求め合い、毎夜のようにじっくりと愛の交歓を重ね続けていた。

 

幸いなことに、マンソンに必要分を払って手元に残った16万6千ギル、そしてそれぞれがこの一年間で必死に貯めてきたギルを合わせれば、しばらくは無理に稼ぎに出なくても十分に暮らしていけるだけの蓄えが二人にはある。

急いで何でも屋の仕事を入れる必要も、次の働き口を探す必要もなかった。

 

昼過ぎに気怠げに目を覚まし、互いの体温を感じながら静かに食事を摂る。

そして日が落ちれば、どちらからともなく火がつき、ほぼ毎日のように夜遅くまで、時には東の空が白み始めるまで体を重ねる日々を送る。

七番街スラムの片隅で、ニブルヘイムの二人だけの生存者はどこまでも深く愛欲に溺れ、誰にも邪魔されない蜜月を過ごしていた。

 

ハメルの深い情愛に身も心も満たされ、不当な借金のくびきからも解放された平穏な日々。

 

だが、目先の稼ぎや覗きの恐怖に追われる必要がなくなったことは、皮肉にも、それまで過酷な労働によって必死に麻痺させていた故郷ニブルヘイムの惨劇の記憶と、ティファを正面から向き合わせることになってしまう。

 

安全で温かい環境を手に入れたからこそ、それまで張り詰めていた緊張の糸が解け、心の奥底に抑圧されていた凄惨なトラウマが夜の静寂とともに眠りの底から這い上がってくるのだ。

 

ハメルと激しく愛し合い、心身ともに満たされた心地よい疲労感の中で眠りにつこうとする瞬間や、深夜にふと目を覚ましたとき。

深く目を閉じれば、あの燃え盛る故郷の炎が鮮明に蘇り、凄惨な記憶の濁流が彼女の精神を激しく脅かす。

 

「はっ……、く、苦しい……炎が……ハメルぅ……っ!」

 

冷たい汗を流し、突如として悪夢の生き地獄へと引き戻されて過呼吸に陥るティファ。

しかし、そんな彼女の隣にはいつも、先ほどまで自分を強く抱きしめてくれていたハメルがいた。

 

「大丈夫だ、ティファ。俺はここにいる。ティファを置いてどこにも行かない」

 

ハメルがその逞しい腕で、震える彼女の身体を再び包み込むように強く抱きしめる。

その胸板の確かな鼓動と確かな温もりが、ティファの心臓の昂ぶりを次第に静めていく。

悪夢の炎を打ち消し、かろうじて正気を取り戻させてくれるハメルの抱擁は、彼女にとってこれまでと変わらない絶対的な救いだった。

 

ティファの受けた傷はそれほどまでに根深く、そして夜の暗闇に潜む悪夢の鮮明さに比例して、彼女はその恐怖を振り払うようにハメルの確かな存在を求め、彼との愛の交歓へとさらに狂おしくのめり込んでいくのだった。

 

---

 

ハメルもまたティファの求めに応え続ける。

 

ハメルは原作のティファが大好きだ。

だからこそ、リアルなティファの性格を尊重し、そのまっすぐな性格や純朴な心根は決して弄ろうとはしない。

ただし、その代わりと言ってはなんだが、彼女の肉体だけは徹底的に開発し尽くしていく。

根が素直なティファは、従順にハメルの愛撫を受け止め続けてしまう。

 

「んっ……はぁっ……ハメルの指、熱い……っ。そんなに優しくされると……身体が、勝手に……んあっ……」

 

日々、ティファの性感帯を隅々まで舐め尽くすハメル。

乳首から下乳、クリトリス、Gスポット、子宮口に至るまでを立派な性感帯に仕立て上げていく。

そして、ティファの快感耐性の閾値をどんどん上げ、気絶するほどの連続絶頂を与え続けた。

 

「んあぁっ……! また……っ、イっちゃう……! ハメル、待って……っ、だめ、まだイッてるのにっ……あぁあっ……!」

 

特にハメルが愛したのは、やはりティファのバストである。

 

「ハメル……胸、そんなに執拗に……っ」

 

「ティファのここが、俺は一番好きなんだ。柔らかい。……感じてるな」

 

乳首を吸い、舌で転がし、指で捏ね回し、下乳の敏感な部分を丹念に開発する。

ハメルの濃厚な男性ホルモンを大量に浴び続けた結果、ティファの女性ホルモンが異常活性化し、成長期を過ぎたはずのバストがさらに増量を始めていた。

この一ヶ月の荒淫を経て、原作よりも1カップ増量されたティファのスタイルが出来上がっていく。

 

ティファは恥ずかしさに耳まで赤く染めながらも、その事実を心のどこかで誇らしく思っていた。

ハメルが自分の胸を、これほどまでに欲し、慈しみ、愛してくれている証拠なのだと。

愛されるほどに膨らんでしまった豊かな肉感を、彼女は積極的に揺らし、ハメルの視線と掌を誘う。

 

「んっ……あぁっ……ハメルが、こんなに好きでいてくれるから……っ、また大きくなっちゃったみたい…… 恥ずかしいけど……嬉しい……っ」

 

ハメルに執拗に弄ばれ、吸われ、捏ね回されるたび、ティファの胸の奥には被虐的な悦びがじわりと広がっていく。

おっぱいをめちゃめちゃにされてしまう感覚が、なぜかたまらなく甘く、身を委ねたくなる。

恥じらいと快感が混ざり合い、彼女の吐息は次第に甘く、乱れていく。

 

「んあっ……もっと、して……っ。ハメルの好きなように……私のおっぱい、めちゃめちゃにして……っ」

 

さらにハメルは、無自覚に転生者としての現代日本の性知識を駆使してしまった。

性知識皆無のティファに、この世界では変態レベルのテクニックを教え込んでいく。

全身リップ、フェラチオ、玉舐め、パイズリ、授乳手コキ、ソーププレイ。

 

「これが恋人同士の愛し方なのね」と勘違いしたティファは、恥じらいながらもハメルの教えを従順に守り、奉仕の快感に酔いしれる。

初めて覚えるセックスの快楽に溺れ、ハメルの強靭な肉体と激しい愛撫に満たされ、開発され尽くしたティファの肢体は、少女の殻を完全に脱ぎ捨て、目眩がするほど艶やかな大人の女性へと羽化を遂げていった。

 

夜ごと、ティファはハメルの教え通りに跨り、豊満な胸を自ら揉みしだきながら激しく腰を振る。

増したバストを意識的に揺らし、ハメルの眼前でその質量を誇るように動かす。

 

「ハメル……奥がいいのっ……! 見て……私の胸、こんなに……っ。ハメルのせいだよ……? んあっ……セックスってこんなに気持ちいいのね……病みつきになっちゃうっ!」

 

「ああ……ティファ。その胸、俺だけのものだ」

 

「ううん……っ、おっぱいだけじゃないわっ......私の全部、身も心もハメルだけのもの……だよっ! ああぁんっ……!」

 

気絶するほどの連続絶頂に身を委ねながら、ティファはハメルの教えを忠実に守り、男への奉仕の悦びに酔いしれることで、トラウマから逃れることが出来ていた。

 

---

 

だが、本当の問題は昼間の時間帯だ。

 

これまでは馬車馬のように働かなければならず、感傷に浸る隙も振り返る暇もなかった。

しかし、訪れた平穏は、ティファに「これからどう生きるか」という、重く暗い難題を突きつける。

 

人間のメスとしての本能が満たされ、ティファが肌に宿る大人の色香がいっそうの磨きをかけていく中、ハメルはティファを腕の中に抱いたまま、これからについてじっくりと語り合う時間を設けてみた。

 

ハメルは決して急かすことなく、ティファの胸の奥にある澱(おり)をすべて吐き出させようと、優しいトーンで言葉を促す。

 

「ティファ、少し落ち着いてこれからのことを話そう。ティファが胸に抱えているものを、全部俺に聞かせてくれ」

 

ティファはハメルの引き締まった胸板に顔を埋め、シーツを小さく握り締めながら、消え入るような声で訴える。

 

「日々の生活に追われて事件を忘れそうになったり、ふと笑ったりするだけで、いつも罪悪感が付き纏ってくるの……。自分の父やニブルヘイムの人たちのこと、あの事件の真相……全部、生き残った私が背負って生きていかなくちゃいけない。ハメルと一緒のときは大丈夫だけど、一人になると、これからどうすればいいのか分からなくて、すごく不安になるの」

 

ティファは本来、原作の通りであれば、それらの重圧をすべて一人で抱え込み、誰にも言えずに孤独な深淵の中で一人もがき続ける中、様々な出会いや出来事を経験していくはずだった。

逆にそれが彼女の人格を鍛え、本来の意味での自立に繋がり、ティファ・ロックハートという素晴らしいパーソナリティが出来上がる。

 

しかし今、彼女の隣にはハメルがいる。

重荷を半分引き受け、自分をあの理不尽な搾取から引きずり出してくれた男の存在に、ティファはすでにドップリと依存していた。

 

ハメルは彼女の豊かな黒髪を優しく撫でながら、動揺するティファの心を鎮めるように、極めて冷静で明確な生きる指針――大きな目標までの道筋を指し示す。

 

「ティファ、まずはなぜあの事件が起こったのか、その真相を二人で解明しよう」

 

ハメルの淀みのない、確固たる声が静かな部屋に響く。

 

「真相を突き止めるには、情報を完全に封鎖している神羅カンパニーと敵対しなければならない。だが、俺たち二人だけの力で神羅という巨大な組織を崩すのは不可能だ。だから、神羅に反抗するための仲間を作る必要があるんだ」

 

ティファは息を呑み、ハメルの深い水色の魔晄の瞳を見つめる。

 

「仲間を……? でも、どうやって?」

 

「仲間を集めるには、俺たちがここに居るだけで人が集まってくるような、明確な理由を周囲に提示できなきゃいけない。そのためには、正式にこの七番街スラムに深く根付く必要があるんだ。まずは生活の基盤を整えよう。八番街スラムで手に入れた16万ギルを元手にして、ここで二人で『何でも屋』を開業するんだ」

 

ハメルの理路整然とした説明は、暗闇の中で立ち尽くしていたティファの心に、一筋の確かな光としてすっと染み込んでいく。

なぜ生きるのか、何のために進むのか。

そのすべての疑問に対する答えが、ハメルの言葉によって示され、彼女の新たな原動力へと変わっていく。

ティファの瞳には、ハメルに対するもはや狂おしいほどの信頼と熱情が宿っていた。

 

ハメルはティファの火照った頬を優しく包み込み、さらに言葉を続ける。

 

「神羅に反抗したいけれど、ティファは暴力は向いてない。関係ない他人を傷つけるのは多分無理だろう。だけど無理に前線に立って、非情な戦士になる必要はないと思う。荒事や危険な役目はすべて俺が担う。ティファには当分の間、事務や裏方の仕事を任せたい。でもティファにしか出来ない仕事もあるだろうから、その時は俺を助けてくれ」

 

自分の帰る場所を守り、自分を影から支える内助の功をお願いしたい。

それは、二人の未来を永遠に縛り合う、実質的なプロポーズだった。

 

「――はいっ……! 私、ハメルにどこまでもついていくよ。ハメルを支えるためなら、何だってするわ」

 

ティファは嬉し涙を溢れさせながら、ハメルの首に腕を絡め、自ら激しく唇を重ねる。

自分を暗闇から救い出し、新たな生きる意味を与えてくれた最愛の男へと、ティファはこれからの人生のすべてを、身も心も余すことなく捧げていくのだった。

 

---

 

翌日、方針を決めた二人はさっそく行動を開始する。

天望荘の大家部屋を訪れ、マーレに向かって交渉を切り出す。

 

「マーレさん、実は俺たち、ここで新しく『何でも屋』の仕事を始めようと思って。ついては生活の基盤を安定させるために、このアパートの空いているもう一部屋を、何でも屋の『事務所』として貸してくれないか?」

 

ハメルが明確な要求を伝えると、マーレは煙草の煙をふぅと吐き出し、ソファに深く腰掛ける。

 

「へえ、何でも屋ねぇ。いいよ、今は二階のあんたたちの部屋の隣が空いてるからね。格安で使わせてやるよ。その代わり、条件がある」

 

「条件?」

 

ティファが小首を傾げると、マーレはニヤリと笑う。

 

「お嬢ちゃん、手が空いてる時はわしの大家業務を手伝っておくれ。この歳になると建物の簡単な修繕やスラムの偏屈どもからの集金も骨が折れるんだよ。あんたみたいな可愛い子が来てくれたら、家賃の滞納も減るだろうさ」

 

「はい! 私で良ければ、喜んでお手伝いします!」

 

ティファは嬉しそうに微笑み、こうして天望荘の一室を事務所として借り受け、「何でも屋」の看板が掲げられることとなる。

その部屋は、四年後にあの金髪の幼馴染――クラウドが流れ着き、泊まることになるはずの因縁の部屋そのものだ。

 

話を終えた後、マーレはやる気に満ちた二人の顔を見つめ、フッとからかうように笑う。

 

「しかし、いつまで部屋に籠もって乳くりあってるのかと心配したさ。あと一日遅ければ、乗り込んで叱ってやったところだよ」

 

「ご、ごごめんなさい……っ」

 

ティファは一瞬で顔を林檎のように真っ赤に染め、両手を合わせて縮こまる。

そんな彼女の様子を面白そうに眺めながら、マーレはニヤリと不敵な笑みを深くする。

 

「まあいいさ。その顔見れば文句も引っ込むというものさ。お嬢ちゃん、いい顔になってるよ。ハメル、あんたなかなかやるね。上手いのは弓と剣の扱いだけじゃなさそうだ」

 

ハメルはその表情をピクリとも動かさずに泰然と佇んでいる。

マーレは小さく煙を吐き出し、それから真面目なトーンに戻って言葉を続ける。

 

「あんたの腕前ならスラムの荒事なんて楽勝だろうさ。だけどね、新参者がいきなり大っぴらに仕事を始めると、余計な揉め事を生む。特にこの七番街スラムの治安を仕切っている連中に、あらかじめ顔を通しておいた方が動きやすいだろう」

 

そう言うと、マーレは一枚のメモを書き上げ、ハメルに手渡す。

 

「七番街スラムの自警団さ。わたしの紹介だと言えば、無下にされることはないよ。リーダーのところへ行って、繋ぎを作ってきな」

 

マーレの確実な計らいに感謝し、二人はその足で自警団の拠点へと向かった。

 

---

 

鉄屑とコンクリートで囲まれた集会所のような場所に一歩足を踏み入れると、そこには一癖も二癖もありそうな若者たちの姿がある。

 

「おいおい、マーレの婆さんの紹介で、何でも屋を始めたいだって? あんたたち、一体何者――」

 

対応に出た大柄な自警団の男が二人を品定めするように睨みつけた、その時だ。

奥の部屋の扉が勢いよく開き、見覚えのある快活な声が響く。

 

「ちょっと、騒がしいわね……って、嘘、ティファ!?」

 

バンダナを巻き、活動的な服装をした少女――ジェシーが、驚愕の表情で部屋から飛び出してくる。

彼女は呆然とする男の前に割り込むと、ティファの肩を親しげに抱き寄せて男を小突く。

 

「知り合いも何も、私の大事な友達よ! 滅多な口の利き方しないでよね!」

 

「ジェシー……! ビッグスに、ウェッジも!」

 

奥から体格の良いビッグスと、温厚そうなウェッジも顔を覗かせたのを見て、ティファの顔に驚きと歓喜の色が広がる。

 

彼らは、八番街スラムの饅頭屋で働いていた頃の常連客だ。

美味い饅頭に釣られてやってきたウェッジをきっかけに、ビッグスやジェシーとも急速に仲を深め、彼らが反神羅組織「アバランチ」のメンバーであることも薄々は気付いてた。

まさかこんな風に七番街の自警団の拠点で再会することになるとは夢にも思っていなかった。

 

「八番饅頭、ティファちゃんが急に居なくなってびっくりしたっす。味も落ちて二重にショックだったっすよ」

 

ウェッジがひょっこりと前に出て、本当に残念そうに眉を下げて言う。

ティファは申し訳なさそうに苦笑いを浮かべ、両手を合わせる。

 

「ごめんなさい、ちょっといろいろあって……」

 

そんな二人のやり取りを見て、ビッグスが優しく微笑みながら言葉を重ねる。

 

「でもまた会えて嬉しいよ。なんか前より生き生きしてるな。……それに、その、美人になったっていうか。安心したよ」

 

ビッグスはそう言いながら、ティファのあまりの眩しさに少し顔を赤らめ、気まずそうに視線を泳がせる。

 

今のティファは内側から溢れるような活気に満ちており、それが彼女の持つ美しさを一層際立たせている。

だが、それだけではない。

以前の健気な少女の雰囲気とは明らかに違う、濃厚な雌としての色気がそこはかとなく匂い立っているのだ。

衣服越しでも主張の激しい豊満な胸の弾力、どこか潤いを帯びた肌の質感、そして立ち振る舞いの端々に滲み出る艶やかな変化――。

ビッグスは、彼女がこの一ヶ月の間に少女から「大人の女」へ完全に羽化した事実を、男の本能で敏感に悟る。

 

その劇的な変貌に、ジェシーの女優特有の鋭い観察眼も即座に反応する。

ジェシーはティファの引き締まりつつも肉感的な身体つきと、彼女から放たれる甘く熟したようなオーラをじっと見つめ、一瞬でその背景にある「濃密な時間」を察知する。

 

ジェシーの瞳はすぐに、隠しきれない好奇心で爛々と輝きだした。

その視線はティファのすぐ隣に佇むハメルへと向けられ、その整った顔立ちや、隙のない強者の佇まいを露骨なほどジロジロと隅々まで観察し始める。

さらに、ティファがハメルの衣服の裾を無意識に、しかしひどく愛おしそうに握りしめている様子を見て、ジェシーの中で点と線が完全に繋がる。

この卓越した存在感を持つ男こそが、純朴だったティファをここまで大人の女へ変えた張本人なのだと。

 

すべてを察したジェシーは、ニヤニヤとした意味深な笑みを浮かべながら、まずは快活に胸を張る。

 

「なんだ、何でも屋を始めるの? だったら大歓迎! 私たちがいくらでも良い仕事を紹介してあげるわ!」

 

それから、これでもかとティファを恥じらわせるように顔を覗き込み、ハメルを親指で指さしながらからかうような声を出す。

 

「ふーん……で、こっちの頼り甲斐の有りそうなかっこいいお兄さんは、ティファの『何』なのかな?」

 

ジェシーの露骨な追及に、ティファはハメルによって極上の快感を注ぎ込まれ、満たされ尽くした自らの身体を隠すように少し身を寄せ、顔を真っ赤に染める。

しかし、ハメルと交わした誓いを思い出すと、恥じらいながらもどこか誇らしげに胸を張る。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「私の……私をいつも守ってくれる、大切なパートナーなの」

 

ハメルの指し示した道筋通り、七番街スラムの自警団、あるいは将来アバランチの中核となるメンバーたちとの強固な絆が、ここに最良の形で構築される。

神羅という巨大な欺瞞に立ち向かうための二人の戦いは、この天望荘の片隅から、静かに、しかし確実にその幕を上げるのである。

 

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