「…んぁ…あだまいだい…」
そう言ってむくりと起き上がる彼女はクルミ。
彼女はインターネットで伝説の名をほしいままとしているハッカー「ウォールナット」その人である。
そんな偉大なハッカーは昨日、冷蔵庫に入っていた水入り、のように見えたグラスを一気飲みした。
その日は真夏の炎天下。日は落ちてもう夕方だが、とにかく作業に集中してろくに水分を摂れていない喉を潤したかったのだ。…後にその浅慮な行動を後悔することになるのだが。
…結論から言うとそれは日本酒「泥酔」だった。おそらく後で飲もうとして何らかの理由でグラスに移して置いていたのであろう。
「んぐっ!?ぐえっほ!ぐぇ…っ!なんだ…っ、これは…!?」
クルミはそのむせ返るアルコール臭で喉から酒を突き返され、その大半で地面を濡らすことになった。すぐさま彼女は水道水で口をゆすぎ、それから喉に水を通した。
「…けほっ、けほっ、…はあーっ…うう…なんで酒なんかグラスに入れて置いてるんだ…アイツ…」
その日は定休日でたまたまミカが外出中であったため、その場にいない誰かに悪態をつきながら零した酒をタオルで拭う。酒を拭ったタオルを軽く洗おうと思ったが急に視界の認知が歪み、脳がふわふわした感覚に襲われるのに気がつく。
「んぇ…?っとっとと…なんだぁ…?これが…よいって…やつなのかぁ…?」
そういって言ってる間にもどんどん思考と判断力が奪われ、身体も重くなっていく。彼女のその小柄な体躯はアルコールにとても弱かった。
これではいけない、と急速に奪われる思考をなんとか振り絞ってメモ用紙をもぎり取り、走り書きを書いて千鳥足でいつもの押入れへと向かう。
襖に走り書きを貼り付け、なんとか押入れに身体を押し込み、椅子に身体を預けて突っ伏した。
…そうして冒頭に戻るのである。…彼女は二日酔いだった。
「んぁ…大変な目にあったな…今何時だぁ…?」
…寝ぼけ眼を指で擦りながら、彼女はふと、変な感覚を覚え、思わず身体を硬直させる。
それは温かいような…じっとりとしているような…凡そ寝起きで感じてはいけないような感覚だった。
「…おいおいおい…まさか…まさかな…はは…」
そういって恐る恐る手を、シャツとスカート、パンツに隔たれた股間に伸ばす。
「…っ!!」
手に感じる明らかな湿り気。それは寝汗とも違うもので、鼻腔を刺激する言い訳のしようのない、匂い。
…彼女は「おねしょ」してしまったのだ
(まずいまずいまずいまずい)
彼女は恥ずかしさで顔から火が出ているような、そんな熱さを感じつつ自慢の脳をフル回転させる。
ミカならともかくミズキに見つかるのは面倒くさい。後々まで禍根が残る。それだけは避けないといけない。
椅子の座面は幸いにも防水だから大丈夫だが、そのせいで椅子に尿が溜まってしまっている。それを零さないようにゆっくり身体を起こしてPCをつけ、時間を確認する。
…幸いにも時間は深夜2時。この時間ならミカも寝ているしミズキもとっくに帰っている。
よくよく考えたら今日(昨日)はリコリコの定休日だ。もっと遅い時間に目が覚めていたら危なかったが、まあ結果論だ。リカバリー策も思いつき、ほっと一息つく。
両サイドの襖を少し開けて、やはり人がいないことを確認する。従業員側スペースの奥から僅かに寝息が聞こえるが、これはミカのものだろう。
状況を把握してさあ始末するぞ、と思いとりあえず頭上のタオルを手に取り、尿を吸い取る。椅子に溜まっていた分だけでもタオルはぐっしょりと濡れる。服を拭う分には足りず、もう一枚取り出す。それで股間の湿り気を少しでも取ろうと思い…
少し、少しだけ魔が刺した。自分の尿の匂い、猛烈な恥ずかしさ、普段絶対遭わない異常なシチュエーション。
そういった脳内物質がぱちぱちと駆け巡る材料が揃っていて、少しムラっときてしまった。
「…5分、5分だけ…時間は、十分にある…」
…今クルミがいる位置から従業員スペースの空間の、その先の物置にはミカがいるため声を抑える必要があり、かなりリスキーだが…酒が僅かながら残っていたのであろうか、彼女は発覚のリスクよりも欲求の発散を選んだ。
一度走り出したプログラムは停止命令や例外エラーが出ない限りは止まらない。彼女は前者を持ち得ず後者はワーニング止まりだった。
彼女は口にまだ使っていないタオルを咥え、少し脚を開いて濡れたままの衣類越しに手を当て、自らの秘部を捏ねる。
「…っ!……っ…」
声を押し殺し、ふーっ、ふーっと鼻息を荒げながら指遣いがどんどん激しくなる。
…いつもと違う。なんだか、変に感じやすくなっているような…
もわ…っと立ち込めた、少しのアンモニア臭と…それとも異なる尿独特の匂いが鼻腔をくすぐる。奇妙なことにそれすらも興奮の燃料となり、脳がちかちかするような感覚を覚え、意識がトびそうになる。
襖一枚と空間、そして壁一枚隔てたところに同居人がいるのに、自分はこんな事をしている。バレてもミカなら見ないふりをしてくれるだろうが、そうは分かっていてもその事実を咀嚼する度身体が熱くなり、身体が浮くような感覚と昂りをおぼえてしまう。
胸に意識を向けると恥ずかしいくらい乳首がカチカチに隆起していた。
「…っんっふ…うっ…!ふーっ…!」
同居人にこんな、こんな痴態がバレるのは…すごく恥ずかしい。見られたくない。そんなリスクを取ってまで声を押し殺してまでする、異常な自慰は、異様な興奮と昂りを彼女に与え、脳が真っ白になる。
…これはだめだ、だめになってしまう…
そんなことを脳裏に掠めつつも、手は止められずそんな僅かな理性も塗りつぶすように彼女の快楽は頂点に急速に登っていく…
「っっっ!!…〜〜〜っっ…んうっ…っ…!」
臀部からつま先までぴんと張った脚がビクビクと何度も震える。咥えたタオルは意地でも声を出すまい、と強く硬直した身体と同調するように強く噛み締めており、涎が染みていた。
…しばらく微振動が続き、収まってからタオルが口から離れ、ぽとりと落ちる。
「…っふぅーっ、ふぅーっ…」
絶頂によって真っ白に塗りつぶされた脳内からは一瞬の快楽以外を考えることができず、開けっ放しの口からは吐息と涎が漏れ出る。
しばらくは快楽の余韻を感じながら荒い呼吸音をなんとかなだめ、彼女は一旦の落ち着きを取り戻す。
…自慰をしたからといって服に染みついた尿はなくなることはなく、寧ろ濃厚な何かの匂いがより一層強くなっている。椅子だって失敗の跡をぬぐい取っただけだ。
「…流石に片付けるか…何やってんだ私は…」
少し自己嫌悪に陥りつつもテキパキと「後始末」を始め、無事ミカが起床するまでに事を済ませた。
尿の匂いで何度か先程の行為を思い出しそうになりながら、手洗いして洗い流し、水気を絞った衣服はとりあえず洗濯機に突っ込み、さっとシャワーを浴びて着替える。
これは後で寝汗びっしょりだったことにしよう、と思った。
「よーしなんとかなったぞー…あー…なんか疲れた…」
そういって従業員スペースの畳の上で雑魚寝したのだった。
初投稿です。
今年に入ってリコリコを履修して思ったより深くドハマりしてしまい、勢いでクルミの痴態を書きたくなりました。
最初はAIに指示を出しておむつ履かせたりおもらしさせたりというのを書かせてたんですけどどうにもクルミのキャラ設定や口調が不安定だったので「どけ!俺が手本を見せてやる!!」となってこれが出来上がりました、なので100%手書きです。おかしいなぁ…普段文章は書かないはずなんだけども…
一応骨子は出来上がってるのでおむつ履かせるとこまでは書いて投稿したいと思います。
ところでショートムービー1話見てると出てくるんですけど、泥酔の度数って27度で厳密には日本酒じゃないらしいですね(酒税法で決まってて、日本酒として販売できるのが22度未満らしい)
現在市場に出回ってるので立場が近いのは46度(!)の越後武士(えちごさむらい)でこれもリキュール扱いらしいです。飲んでみたいなぁ…