ココアについて男子トーク 作:トクメイキボウです
原作:ご注文はうさぎですか?
タグ:R-18 残酷な描写 AI本文利用 ご注文はうさぎですか? ごちうさ ココア 保登心愛 精神的セクハラ 直接的行為なし 独自設定 AI利用
※直接的行為はありませんが、卑猥な表現は満載ですのでR-18です。
※本来公開の予定はなかったので、ココアの一人称や制服などは原作と異なりますが、ご了承してくださる方のみお読みください。
制服は、『Kanon』の学校の女子制服を参考にしました。
わたし、ココアは、今日もラビットハウスから学校へと続く石畳の道を歩いていた。引っ越してきてからまだ数週間だけど、木組みの家々が立ち並ぶこの街の風景にも、だいぶ慣れてきた気がする。
「おはよう、ココアちゃん!」
「おはようございます!」
通学路ですれ違う人たちに挨拶をされると、なんだか照れくさくて胸の奥がほわほわする。こんなふうに名前を覚えてもらえるのって、やっぱり嬉しいな。
学校に着いて教室に入ると、いつものようにクラスメイトたちが振り返った。
「ココアちゃん、今日も可愛いね!」
「その赤いワンピース、すごく似合ってるよ」
そんな言葉をかけられて、わたしはちょっと恥ずかしくなってしまう。だってこの制服、ちょっとスカートがなくて、脚が丸見えなんだもの。ワンピースと黒いハイソックスの間の絶対領域が、なんだか無防備で落ち着かない。
「あ、ありがとう……」
小さくお礼を言って、自分の席に座る。首元のピンクのリボンを無意識に触りながら、前を向こうとするんだけど……。
お昼休み、持ってきたお弁当を開こうとした時だった。
「なあ、ココアってさ……」
「ああ、わかる。その、なんていうか……」
教室の後ろの方から、男子たちのヒソヒソ声が聞こえてくる。最初は気にしないようにしてたんだけど、だんだん耳が勝手にそっちを向いてしまう。
「やっぱり胸、すごいよな。ワンピースでも自己主張を抑えきれてない激しさっていうか……」
「脚もさ、スカートないから丸見えじゃん?あの絶対領域、マジでやばい」
「しかもさ、今日もすごく可愛いし。あの桜の髪飾りも、サラサラの髪に映えてるし……」
かぁっと顔が熱くなる。わたし、そんなふうに見られてたんだ。自己主張の激しい胸って……自分ではどうしようもないのに。それに脚のことまで……。
「ココア、顔真っ赤だよ?」
隣の席の友達に指摘されて、わたしはますます恥ずかしくなった。お弁当箱を持つ手が少し震える。こんなに注目されるの、やっぱりまだ慣れないや。
でも、これがこの街での新しい日常なのかもしれない。そう思うと、胸の奥がちょっとくすぐったいような、嬉しいような、不思議な気持ちになるのだった。
「やっぱ中学校の頃、ココアには恋人いたのかな?」
その言葉に、お箸を持っていたわたしの手がぴたりと止まった。え、恋人……?
「まさか。いたらこの街に引っ越してこねえだろ」
「いや、あんまりにもココアに言い寄る男が多すぎて、手に負えなくなったから逃げてきたんじゃね?」
「ココアの可愛さならあり得るな、それ」
「この学校でもそうなるかもな。もうすでに、結構やばいし」
かぁぁぁっと、顔だけじゃなくて耳の先まで熱くなっていくのが自分でもわかった。ち、違うのに……! 地元にはね、たしかに男友達はたくさんいたけど、それはただの幼なじみとか、ただの友達とかで、恋人なんて一人もいなかったのに……!
「ねえ、ココア?大丈夫?」
友達が心配そうに顔をのぞきこんでくる。わたし、今どんな顔してるんだろう。きっと、真っ赤を通り越して茹でダコみたいになってるに違いない。
「だ、大丈夫……ちょっと、暑くて……」
そう言いながら、わたしは持っていたお弁当箱を机の上に置いた。胸の奥がドキドキして、なんだか落ち着かない。言い寄る男が多すぎて逃げてきたって……そんなの全然違うのに。引っ越してきたのは、ただ単にわたしの意思で……。
でも、考えてみれば確かに、バレンタインデーはいつもたくさんチョコレートを送る側だった。ホワイトデーのお返しもその分すごかった。でも、それはみんな友達としてで……。
「この学校でもそうなるかも」って言葉が、さっきから頭の中でぐるぐる回ってる。もう、やだ。わたし、ただ普通に学校生活を送りたいだけなのに。
机の下で、黒いハイソックスに包まれたふくらはぎをぎゅっとくっつけた。ワンピースの裾をちょっと引っ張って、なるべく脚が見えないようにする。でも、そんなことしても意味ないってわかってる。だってこの制服、もともとスカートがないんだもの……。
わたしはこっそりとため息をついて、もう一度お弁当箱を手に取った。せめて、ご飯を食べることに集中しよう。そう思ったけど、おにぎりを口に運ぶ手が、まだちょっと震えてた。
男子たちのヒソヒソ声はまだ続いてる。
「ココアっていつもテンションが高いのに、どこかか弱い感じがあるよな」
か弱い? わたしが? いつも元気いっぱいだって言われることの方が多いのに……。
「わかる。体が小っちゃいからかな」
「それに目が大きくて童顔だからだよ」
「デカいおっぱいとか絶対領域とか女としての魅力を振り撒きながら、まだ女の子の愛らしさを持っているのか。ココアはズルいよな」
ず、ズルい!? なにそれ、どういう意味!?
頭の中がぐるぐるしてきた。女としての魅力を振り撒いてる? わたし、そんなつもり全然ないのに。ただ普通に学校に来て、普通に授業を受けて、普通にお弁当を食べてるだけなのに……。それなのに、どうしてそんなふうに分析されなきゃいけないの?
「ココア、顔、さっきより真っ赤だよ?」
友達の声が遠くに聞こえる。わたし、今、きっとすごい顔になってる。だって、胸がドキドキして、耳の先まで熱くて、手も少し震えてて……。こんなの、初めてだ。地元じゃ男友達とワイワイ話していただけだったのに、こんなふうに見られたことなんて一度もなかったのに。
「ズルい」って言葉が頭の中でこだましてる。わたし、何もズルくなんかないのに。だって、自分の胸の大きさも、脚が見えちゃう制服も、自分で選んだわけじゃないんだもん。それに、童顔だって言われても、これはもう生まれつきだし……。
もう、どうすればいいの!? ここで急に立ち上がって「違います!」って叫ぶわけにもいかないし、かといってこのまま聞こえないふりを続けるのも辛いし……。
わたしはお弁当箱をそっと閉じて、机にうつ伏せになった。顔を隠さなきゃ、これ以上見られたくない。桜の髪飾りがカチッと机に当たって小さな音を立てた。せめて、この恥ずかしさが早くおさまりますように……。そう願いながら、わたしはぎゅっと目を閉じた。
うつ伏せたまま、ぎゅっと目をつぶっていたわたしの耳に、またしても男子たちの声が聞こえてくる。
「ココアって色んな服に着せ替えてみたくなるよな」
え、着せ替え? わたし、お人形じゃないんだけど……。
「わかる。ノースリーブだけとか胸が強調される服を着て欲しいな」
「ヘソ出しもして欲しい」
ヘソ出し!? そんなの絶対無理だよ! 想像しただけで顔がさらに熱くなってくる。
「どんな格好でも、絶対領域だけは忘れないで欲しいよな」
「あっ! ウチの学校のチアリーディング部の服なら全部の条件を満たすぞ!」
「ナイスアイディア! ココア、チアリーディング部に入ってくれないかな」
チアリーディング部! あの、短いスカートでポンポン持って跳ねる……。たしかに、あの制服なら絶対領域どころじゃないかも。でも、わたしには無理だよ。だって、ラビットハウスでバイトしてるんだもん。放課後はいつもお店の手伝いがあるし、部活なんてやってる時間ないんだよ。
ご期待には添えません、と心の中でそっとつぶやく。でも、そんなこと言えるわけもなくて、わたしはただ机にうつ伏せたままじっとしていた。
それにしても、男子の想像力ってすごすぎるよ。ノースリーブだけとか、ヘソ出しとか、チアリーディング部の制服とか……。次から次へとよくそんなことが思いつくね。わたしの頭の中はもうパニックで、どう反応していいのか全然わからない。
あんまりいじめないでほしいな。そう思いながら、わたしは熱くなった頬を机にくっつけた。ひんやりとした感触がちょっとだけ気持ちいい。このまま放課後まで、ずっとこうしていたい気分だった。
わたしは机にうつ伏せたまま、耳だけはどうしても男子たちの方に向いてしまう。だって、聞こえちゃうんだもん……。
「でもさ、ココアの可愛さとウチの学校のスカート無しのワンピースだけの制服をかけ合わせると、バスとか電車とかで痴漢に遭いやすそうだよな」
ち、痴漢!? わたしの肩がビクッと震えた。
「わかる。つり革につかまっている可愛いココアに、痴漢の男が惚れて、吸い寄せられるようにワンピースの裾をめくってお尻を触ったり」
ワンピースの裾をめくって……お、お尻を……? わたし、思わず自分のお尻のあたりに意識が集中してしまう。今はちゃんと椅子に座ってるから大丈夫だけど、なんだか急に心もとない気持ちになってきた。
「ココアはスクールバッグで一度はお尻をガードするんだよ。でもそうなると、おっぱいががら空きになって、痴漢に今度はそこを狙われる」
「ココアが赤面して、慌てておっぱいをスクールバッグを抱えてガードすると、今度はお尻を触られる」
「そして、目的地に着くまでそんな攻防が繰り返される」
「ココアらしい。あいつ思わず助けを呼ぶことを忘れそうだよな」
プシューッ……。わたし、今、頭のてっぺんから湯気が出てるんじゃないかな。だって、そんなことまで想像されてるなんて……。
ち、違うんだからね! 痴漢の想定なんてしたことないし! それに、わたし、バスとか電車には滅多に乗らないんだよ。この街は歩いてどこでも行けるし、たまに遠出する時はちゃんと指定席を取って、いつも座ってるんだから。だから、つり革につかまって痴漢に遭うなんて状況、そもそもありえないんだよ!
……でも、そうやって心の中で反論してみたところで、あの男子たちには届かない。彼らの頭の中のわたしは、きっとしょっちゅう痴漢に遭ってるんだろうな。じゃなきゃ、あんなに細かいところまで想像できるはずがないもん。
お尻をガードしたらおっぱいを触られて、おっぱいをガードしたらお尻を触られて……。そんな攻防を繰り返してるわたしの姿が、あの男子たちの頭の中では生き生きと動いてるんだ。現実のわたしじゃないってわかってるのに、想像上のわたしが男子たちの頭の中で好き勝手にされてるんだと思うと、やっぱり恥ずかしくなってしまう。
わたしはますます顔が熱くなって、机にうつ伏せたまま、両手で頬を包み込んだ。ああもう、どうしてこんなことになっちゃうのかな。早くお昼休みが終わらないかな……。
男子たちのヒソヒソ声が、今度はとんでもない方向に飛んでいった。
「俺さ、前に人身売買の歴史の本を読んだことがあるんだけど、ココアってオークションで高く売れそうだよな」
じ、人身売買!? わたしは机にうつ伏せたまま、心の中で悲鳴をあげた。なにそれ、どうしてそんな話になるの!?
「そりゃそうだろ、俺だって買いたいもん」
買いたいって……わたし、物じゃないんだけど!
「人身売買ってさ、まずヒトという商品の品質を調べるんだよ。ここでは、ココアが売買されると仮定しようか」
そんな仮定しないでー! わたしは心の中で全力で叫んだけど、もちろん男子たちには届かない。机に伏せたまま、ぎゅっと拳を握るしかできなかった。
「ココアが売りに出される前に、まず徹底的に体全体を洗浄されるんだよ。髪を整えたり、顔を洗ったり、体全体をきれいにしたり」
「今のココアと変わんねーじゃねーか」
「いや、もっと磨くんだ。その後、ココアを売りに出す前に栄養価の高い物を食べさせられて、血色を良くする。それから笑顔でダンスを強制されて、笑顔の特訓をさせられるんだ」
「笑顔のココアがダンスするの見てみたい」
「そうだな。とにかく、そうやって仕込みを整えてから、宝石とか綺麗な服で着飾ったココアは人身売買の倉庫に運ばれる。そして、客たちからココアは体中をペタペタ触られるんだ」
「そ、それって、胸とかお尻とかパンティの中も!?」
「ああ、全部自由にココアは触られる」
ぱ、パンティの中まで!? わたしの顔はもう、真っ赤を通り越して紫色になってるんじゃないかってくらい熱くなった。体をペタペタ触られるなんて、想像しただけで鳥肌が立っちゃう。
「合法痴漢……自分が客の立場なら羨ましい」
「そうだな。でも、最高なのはココアをオークションで落札した客だぞ。昼も夜もココアを好き放題できるんだから」
「夜に本物のココアと……グフフ」
「まあ、これくらいにしておこう。とにかく時代と状況が噛み合えば、ココアを我が物にできる人もいたんだよ。金で」
「俺その時代に生まれてたら、絶対にココアを買う金を貯めるわ」
男子たちが笑い合う声が聞こえる。
わたしは、もう言葉が出なかった。確かに例えはアレだけど、自分にそこまで執着してくれる人がいるっていうのは……驚きだよ。こんなに細かく、わたしを手に入れるためのシナリオを考えられるなんて。
でも、やっぱり犯罪者になりそうでちょっと怖いな。だって、「金でココアを買う」って、それってつまり、そういうことでしょ? 今はそんな時代じゃなくて本当に良かったって、心の底から思った。
それにしても、あの男子たちの頭の中のわたしは、いったいどんな目に遭ってるんだろう。洗浄されて、ダンスを強制されて、体中を触られて、オークションで落札されて……。現実のわたしはここでお昼ご飯を食べてるだけなのに、想像上のわたしは大変なことになってる。
もう、やめてほしいな……。でも、声に出して「やめて」とは言えない。言ったら言ったで、ますますからかわれそうだし。
わたしは熱くなった頬を机に押し付けたまま、早くお昼休みが終わりますようにって、心の中で何度も祈った。
わたしは机にうつ伏せたまま、耳をふさぎたい気持ちと戦っていた。だって、男子たちの声がどんどん大きくなってる気がするんだもん。
「ココアの主人になって、ココアとキスしてーな」
「俺はココアの胸をいつまでも揉みたい」
「ココアのワンピースめくってお尻を触りたい」
「ココアの絶対領域を触りまくりたい」
「ココアを抱きまくらにしたい」
「ココアとセックスしたい」
も、もう……! 顔から火が出そうなくらい恥ずかしいよ。キスとか、胸を揉むとか、セックスとか……そんなことまで想像されてるなんて。わたし、どういう顔で聞いてればいいの……?
でもね、ふと気づいたんだ。彼らはただ、自分の欲望を言葉にしてるだけなんだって。もし本当にわたしが「好きにしていいよ」なんて言ったら……例えば体育倉庫の暗がりで、そう言ったら……彼らの全部の欲望が、いっきに発散されるのかもしれない。
想像してみる。わたしが体育倉庫の冷たい床に座って、「どうぞ」って手を広げる姿を。きっと彼らは目の色を変えて、ワンピースの裾をめくったり、胸に手を伸ばしたりするんだろうな……。
そんなこと、実際には絶対できないけどね。華奢で恥ずかしがり屋のわたしには、できるわけがない。だって、一人に触られるだけでもたぶん相当なことなのに、大勢に囲まれちゃったら、きっと気を失っちゃうと思う。
でも、なんだかちょっと、彼らがかわいそうになってきた。こんなにも純粋に、まっすぐに、わたしのことを欲しがってくれてるんだ。イマジナリーなわたしだけで、その欲望を抑えられてるのかな。いつか、想像だけじゃ足りなくなったりしないのかな。それはちょっと、不安だよ。
だからね、お願い。想像上のわたしだけにしてね。リアルのわたしには、オオカミさんのように囲んで襲いかかってこないでね。想像上のわたしだけと、その……諸々の、恥ずかしいことをやってね。
リアルのわたしは無力で、みんなの期待にはきっと応えられない。こんなに熱い視線を向けられても、何もしてあげられない。でも、イマジナリーなわたしなら、きっとみんなに寄り添ってくれると思うから。みんなの願いを、優しく受け止めてくれると思うから。
わたしはそっと目を閉じた。彼らの言葉は確かに恥ずかしいけど、その想いの強さを軽蔑したりはしない。だって、こんなにも真剣に、わたしのことを考えてくれてるんだもん。それはそれで、ちょっとだけ……ほんのちょっとだけ、嬉しいのかもしれない。
もちろん、実際に何かされたら全力で逃げるけどね。
机にうつ伏せたまま、耳だけがどうしても男子たちの方に向いてしまう。だって、また何か話し始めたんだもん……。
「みんな昨日の夜、ココアをどうオカズにしたか話そうぜ」
オ、オカズ!? わたし、その言葉にドキッとして、思わず息を止めてしまった。オカズって、つまり、その……そういうことでしょ? リアルじゃないわたしが、男子たちの慰み者になってるってことなんだ……。
「俺はココアを盗撮した笑顔の全身写真をプリントした抱き枕カバーの抱き枕でオナニーして、何度もお休みのキスしてから抱いて寝たよ」
い、いつ盗撮したの!? わたし、心の中で叫んだ。それに抱き枕って……わたしの笑顔がプリントされた抱き枕を抱いて、お休みのキスまでして……。想像しただけで顔が熱くなって、耳の先まで真っ赤になっていくのがわかる。
「俺は女子更衣室に仕掛けたペンライトカメラで他の女子を切り捨てて、ココアの映像だけまとめたものを何度もオナニーしてから寝たよ」
じょ、女子更衣室にペンライトカメラ!? それって犯罪じゃないのかなぁ……。わたし、不安になってきた。わたしのせいで、誰かが捕まっちゃったりしないかな……。
「俺はココアが音楽の授業で歌うのを録音して、その可愛い歌声と『今日も一日お疲れさま!』っていうAIに加工してもらった声だけでオナニーしたよ」
こ、これはまだ、健全な方なのかな? わたしはそう思うことにした。歌声だけでオナニーって、なんか……うん、映像よりはマシなのかも。でも、やっぱりちょっと怖いよ。
「俺はココアの盗撮映像をAIで加工にして、俺に向けたキスシーンにした映像の画面と何度もキスをしてから、ココアの盗撮映像でオナニーしたよ」
そ、そんなにわたしの唇を求めてるの!? わたしは慄いた。画面にキスをしてからオナニーって……そこまでしてくれるんだ。でも、なんだか胸の奥がざわざわする。
「俺は入学式の写真からAIで生成したココアが、拉致されて犯人にレイプされる漫画をAIに生成させたよ」
え、拉致されてレイプ!? 空想上のわたし、凄いことになってる!? わたしは思わず目を見開いた。入学式の写真からそんな漫画を作っちゃうなんて……AIってすごいけど、怖いよ……。
「ふーん。でも、やっぱり本物には敵わないよな。ココア本人に側にいて欲しい」
男子全員が大きく「うん」と頷いた。それから、みんなが大きな憂鬱な溜め息を吐く。
その溜め息を聞いて、わたしの胸がチクッと痛んだ。もはや、自分の体を男子たちに差し出して「好きにしてください」って言った方が健全なんじゃないかって気がしてきた。だって、もうわたしのせいで犯罪者になっちゃってる人もいるし……。盗撮とか、更衣室のカメラとか……。
でも、この執着心を考えると、もし本当に「好きにしてください」なんて言ったら、わたしがとんでもない目に遭うことは間違いない。だから、男子たちの煩悩の解決のお手伝いをする勇気は、やっぱり出なかった。
「ココアと出会うまではこんなことはやらなかった。ココアは男を狂わせるギルティな存在なんだよ」
男子の一人がぼやくように言うと、他のみんなも再び頷いた。
そんなこと言われても……。わたしは途方に暮れるしかなかった。わたし、別に何もしてないのに。ただ普通に学校に来て、普通に授業を受けて、普通にお昼ご飯を食べてるだけなのに。それなのに、ギルティな存在だなんて……。
わたしはぎゅっと目を閉じて、机にうつ伏せたまま、小さくため息をついた。どうしたらいいのか、全然わからなかった。
わたしはそっと顔を上げた。もう、ここにいるのは耐えられない。だって、さっきからずっとわたしのことをオカズにした話を聞かされて、心臓がバクバクしてるんだもん。
……そうだ、化粧室に行くことにしよう。そうすれば、少しはこの場から離れられる。
わたしはゆっくりと席を立った。その瞬間だった。
さっきまであんなに盛り上がってた男子トークが、ぴたりと止んだ。教室の空気が、一瞬で変わったのがわかる。わたしは視線を感じて、足がすくみそうになった。男子たち全員が、わたしの一挙手一投足に注目してるんだ。
お弁当箱を机の上に置いて、ワンピースの裾をちょっと整える。たったそれだけの動きなのに、男子たちの視線がチクチク刺さってくる気がした。
わたしは教室の出口に向かって歩き出す。その時、わざと男子たちの近くを通ることにした。別に深い意味はないんだよ。ただ、そっちの方が出口に近いから……。
男子たちの側を通り過ぎるとき、横目でちらっと彼らの顔が見えた。みんな一様に、なんとも言えない至福の表情を浮かべてる。わたしが近くにいるだけで、そんなに嬉しいのかな。なんだかこっちまでドキドキしてきちゃう。
でも、やっぱり声をかける勇気はなかった。「あの、さっきの話、聞こえてたよ」なんて言えるわけないし、「あんまり犯罪はしないでね」なんて注意するのも変だよね。それに、もし話しかけたら、底なし沼に落ちちゃうかもしれない。
わたしは何も言わずに、そのまま教室を出た。
廊下に出ると、ほっと息をついた。これでやっと落ち着ける……そう思ったんだけど。
しばらく歩いていると、なんだか後ろから気配がする。誰かに尾行されてる? そんなはずないよね、と思ったけど、どうしても気になってしまう。
もしかしたら、今までもずっとこうだったのかもしれない。ただ、わたしが気付いてなかっただけで。だって、さっきの盗撮の話とか、更衣室のカメラの話とか……あれって全部、わたしが気付いてないところで起きてたことなんだよね。
そう思うと、急に怖くなってきた。後ろを振り返りたいけど、振り返れない。もし本当に誰かいたら、どうしよう。それとも、気のせいだって笑い飛ばせたら、どんなにいいか。
わたしは胸の前でぎゅっと手を握りしめて、できるだけ自然に、普通のスピードで廊下を歩き続けた。心臓はさっきよりもずっと大きくドキドキしてて、足がちょっと震えてる。でも、怖くて振り返れなかった。
わたしは化粧室から戻って、また自分の席にそっと座った。できるだけ音を立てないように、息をひそめて、また机に伏せる。これで少しは落ち着けるかな……。
でも、わたしが戻ったのを察したみたいに、男子たちのヒソヒソ声がまた聞こえてくる。……別にわたしも、聞くことを期待してるわけじゃないんだからね。本当なんだから。勝手にわたしの耳に入ってきちゃうだけなの!
「公衆便所のココアってのもそそらない?」
公衆便所のわたし……? とてつもなく汚い感じがするけど、でもどうしてか耳を澄ませてしまう。ああもう、どうして聞いちゃうのかな、わたし。
「それ俺、何度も妄想した。ココアを男子トイレの個室の便器の上にまんぐり返しの状態で縛りつけるんだよな」
な、なんだか凄い話になっている……。わたしは心臓がバクバクして、机に伏せたまま、ぎゅっと手を握りしめた。
「ココアを便器裏にある細い鉄パイプに両手両足をロープでひとまとめにして拘束するんだ。制服も下着も中途半端に脱がせて、パンティは完全にはぎ取って、ココアのデカ乳とオマンコと肛門を男子トイレの個室に入ってきた男に盛大に晒す」
と、とんでもない話に発展してる……! わたしはすごくドキドキして、心臓が飛び出しそうになる。まんぐり返しに縛られて、パンティをはぎ取られて、全部晒されるなんて……。
「当然ココアは入ってきた男に助けを求める。けれど、ココアの右のデカ乳には『精液用』、左のデカ乳には『便所』って油性マジックで書かれてるんだ」
わたしは、もしかしたらさっき自分が振り向いてくれなかったことで、男子たちがむしゃくしゃしてるのかな、と思った。さっきよりも強い嗜虐心を感じる。わたしの胸に『精液用』とか『便所』とか……そんなこと書かれるなんて。
「そんでまんぐり返しのココアの右太もも裏には『うぇるかむかも~ん!』って油性マジックで書いてあって、左太もも裏には『無料! ココアのオマンコ使ってください!』って書いている」
「うぇるかむかも~ん」はわたしの口癖だ。ラビットハウスでも、学校でも、つい言っちゃう。男子たちが知っててもおかしくはない。それが、性処理用の無料公衆便所の謳い文句になるなんて……。わたしはなんか、背筋がゾクゾクした。
「入ってきた男は困惑するだろう。ロープをほどいてと泣き喚くココア。しかし、あまりにもあられもない姿の美少女に、男はどうしても性欲が湧き立ってしまう。それにココアのオマンコからは既に白い精液が溢れている。肛門には黒いマジックが入れてあって、数字を数える『正』の字がココアの太もも裏に既に数文字書いてある」
な、なんかとんでもない状態かも!? わたし、もう精液用の便器になって何人もの男に使われてるの!? しかも肛門に油性マジックが入ってるって……そ、そんなの……!
「そこで男はこう思うんだ。『どうせ俺一人くらいこの美少女に中出ししたってバレないだろう』と。そこでチンコをココアのマンコに挿入して射精する。そして、ココアの肛門から油性マジックを引き抜いて、太もも裏に『正』の画数を増やす。それから油性マジックをココアの肛門に入れ戻して、満足げに去っていく。ココアはあんまりにも可愛いから、助ける男は誰もいないんだ」
か、可愛いから助けてもらえずに、おちんちんをどんどんわたしの大事なところに入れられるなんて……。男ってそういう生き物なの? 可愛いと助けてもらえないの? それとも、これはただの妄想の世界だけの話?
「中には当然凶暴な奴もいるさ。ココアのオマンコに射精するだけでは飽き足らず、精液をココアの恥ずかしがっている顔とか、おっぱいに撒き散らすんだ」
わかった。男子たちは、わたしのことが大好きであると同時に、振り向くはずがないと諦めてるから、こんな酷いことも却って思いついちゃうんだ。「可愛さ余って憎さが百倍」って言葉、聞いたことある。わたしは自分が可愛いとは思わないんだけど、でも彼らにとっては、そうなのかもしれない。
「そうして一日精液用の公衆便所と化したココアの太もも裏には、なんと九個の『正』の字が! ココアは四十五回も男たちにヤラレちゃったんだ」
「お前それ、ココアの体重と同じ数字じゃねぇか」
わたしは思わず体が跳ねそうになった。でも、この人たちがわたしの体重を知ってても何ら不思議はないことに思い至る。どうにかして、わたしの健康診断のデータを見たんだろう。怖いけど……もう、なんでも知られてるんだね。
「精液用公衆便所のココアかぁ。そそるなあ」
「さっそく今日AIに絵を描かせてみよう」
AIって……この話だけでそんなことまで描いちゃうの!? さすがにわたし、恥ずかしいよ……。だって、そんな絵が本当にできちゃうなんて。わたしの顔で、わたしの体で、そんなことされてる絵が……。
「よし、ネタをありがとう」
「できたら画像を送ってくれ」
「もちろんだよ、我が友よ」
一見麗しい友情に思える会話だけど、その友情の繋がりはわたしが精液用公衆便所になっている画像なんだからね!? ……まったく、どうして男子ってこうなのかな? それともわたしが悪いのかな? やっぱりあの男子たちに近づいた方が安全なのかな……?
……いや、やっぱりそんな勇気出ないよ。今の会話を聞いてるとね。
でも、不思議なんだ。あんなに自分をネタにされて、とても汚い話をしてるのに、どうしてか嫌悪感が湧かないの。それは、やっぱりわたしのことをそれだけ想ってくれているからだよね。男子の妄想って怖いけど、わたしに一途なのはなんか嬉しい気がするから、ヘンだな。
だって、もし本当にどうでもいい相手だったら、こんなに色々考えたりしないよね。彼らは彼らで、わたしのことを真剣に考えてくれてるんだ。それが例え、とんでもない方向に行ってても……。
わたしは机に伏せたまま、そっとため息をついた。ああ、どうしたらいいのかな。でも、少なくとも今は、このままそっとしておくのが一番なんだと思う。わたしにできるのは、せめて彼らの妄想の中で、精液用公衆便所になったわたしが、彼らの欲望をちゃんと受け止めてあげることくらいなのかもしれない。リアルのわたしには、何もできないからね。
机に伏せたまま、わたしは次の言葉を待っていた。だって、男子たちのヒソヒソ声はまだ続いてるんだもん。
「ココアってさ、アイドルになれるよな」
アイドル!? わたしは思わず顔を上げそうになった。精液用公衆便所から一気に煌びやかな世界に話が移ったことに、すごくホッとした。それに、なんだか嬉しくなっちゃった。女の子として、「アイドルになれる」って言われるのは、きっと最上級の誉め言葉だよね。
「ココアなら、すぐにトップアイドルの座に立てるに違いない」
この男子たちの間ではね、とわたしは心の中で思った。とはいえ、ここまでの話の雰囲気は一人の女の子としては嬉しいものだった。トップアイドルだなんて、そんなこと考えたこともなかったけど……。
でも、わたしの淡い期待はすぐに打ち砕かれることになる。所詮、男子たちの思考は精液用公衆便所の延長線上にあるんだって、すぐに思い知らされたんだ。
「ココアは可愛すぎるから、すぐに所属事務所用の枕営業に使われるな」
枕営業……。わたしはそれを聞いてガックリとした。もう、この男子たちはエロの方向から話が離れないんだね……。
「他の売れないアイドルの仕事を取ってくるために、とびきり可愛いココアが業界のお偉いさんから枕営業で抱く女の子に指名されるんだよ」
「ココアは騙されやすそうだからな。自分の事務所のプロデューサーにお偉いさんに挨拶に行くぞ、と言われて、従順に付いて行った結果、お偉いさんの元で睡眠薬を飲まされて、気が付いた時には腕を縛られてベッドの上。どんなにイヤイヤ泣き叫んでも、体を好き勝手に弄ばれてから、処女膜を破られるのさ」
処女膜を破られる……。わたしは芸能界の闇に触れた気がしてゾッとした。自分がその場にいるような話しぶりはやめて欲しかったけど、でも想像してしまう。知らないおじさんに睡眠薬を飲まされて、気がついたらベッドの上で、腕を縛られてて……どんなに泣いても許してもらえなくて……。
「それだけじゃないぞ。ライバル事務所が根回しして、ココアがウソの仕事の現場にノコノコと行くと、悪いおじさんたちに捕まってラブホでレイプされて証拠写真を撮られるとか」
そ、そんなことってあるの!? わたしは男子たちの情報に怖じ気づいた。ライバル事務所が罠を仕掛けるなんて、まるでドラマの世界みたい。でも、もしかしたら現実にもあるのかな……。
「もしくは、ココアだけが活躍すると、他の売れない子たちが嫉妬して、ココアが他の男といるところをセッティングして写真に収めてから週刊誌に情報提供する。ココアの所属事務所は週刊誌の報道を信じて、ココアがどれだけ濡れ衣だと訴えても、風評被害でトップアイドルとして使えなくなったココアの言葉を事務所は無視し、可愛さとスタイル抜群のココアをAV女優にして何とか金にしようとするんだ」
AV女優……。その言葉に、わたしは背筋が冷たくなった。芸能界のことなんて何にも知らないけど、そういうことってあるのかな、と思ってしまった。だって、もし本当に濡れ衣でトップアイドルになれなくなっちゃったら、事務所だって損をしたくないだろうし……。わたしみたいな子が、AV女優にされてしまうのかな……。
「いずれにせよ、ココアが芸能界の闇に消えて、男たちの慰み者になる未来しか見えないな」
男たちの慰み者……。わたしは、もしかして男子たちは心配してくれてるのかな、と思った。だって、芸能界の闇に消えるなんて、すごく怖い未来じゃない? でも、次の言葉でその考えは打ち砕かれた。
「でも、全部ココアが嫌々エロに巻き込まれると思うと面白くね?」
「まあな。アイドル・ココアで妄想してオナニーするのは、最近の俺の趣味なんだ」
結局男子ってそれなんだから! わたしは心の中で憤慨した。もう、心配してくれてるのかと思ったのに、やっぱりオカズにするためなんだ……。
「どうせココアが俺たちのものにならないのなら、ココアが枕営業でデブハゲのジジイに抱かれるのも、ライバル事務所のワナに引っ掛かっておっさんたちにラブホで好き勝手にされるのも、AV女優に墜とされて色んな男と色んなプレイをさせられるのも、みんな俺たちのオカズなんだよ」
わたしは、もう言葉が出なかった。アイドルと聞くと可愛くて煌びやかな世界しかイメージがなかったのに、男子トークによって危険でいっぱいの闇のイメージしか持てなくなっちゃった。しかも、わたしがトップアイドルになってから、芸能界の闇に堕ちることをネタに男子たちはオナニーをしてるんだ。
愛憎って怖いなぁ……。わたしは机に伏せたまま、小さく震えた。彼らは本当にわたしのことが大好きなんだと思う。でも、その大好きが、こんなふうに歪んだ形で表現されるなんて。もしこれが全部、彼らなりの愛情表現だとしたら……。そう考えると、なんだか複雑な気持ちになるのだった。
机に伏せたまま、耳だけはどうしても男子たちの声を拾ってしまう。また何か話し始めたみたい。
「ココアってさ、いつかストーカーに付け狙われそうだよな」
それはあなたたちのことじゃないの、とわたしは心の中で突っ込んだ。だって、さっきからずっとわたしのことを話してるし、尾行までされてる気配があったし……。
「そうだなぁ。ココアが下宿先のラビットハウスの三階で寝ていることを知られて、ストーカーがしつこく付きまといそうだな」
わたしは思わず体を硬直させた。え、なんでラビットハウスの三階に住んでること知ってるの!? わたし、男子たちにそんな話したことないよ。それって、もうあなたたちがストーカーなんじゃないの!?
でも、男子たちはそんなこと気にする素振りも見せずに話を続ける。
「ココアは無防備だから、尾行に気付かないで、ストーカーのスタンガンとか眠り薬を染み込ませたハンカチですぐに気絶させられて運ばれて、車の後部座席に寝かされるんだよ」
もう! どうしてわたしが酷い目に遭うことについては、そんなに事細かに想像できるのかなぁ! わたしは憤りと驚きを隠せない。でも、ここで男子たちは、日頃どれだけわたしをオカズにしているかの成果を披露し始めた。
「そうなったら、ココアはストーカーのものか。ココアは眠っている間に後ろ手をロープで縛られる」
「ココアが起きてボンヤリしている時に、制服越しに胸を揉まれながらストーカーの分厚いたらこ唇にキスされつつ、万年床に押し倒される」
「ココアは汚臭の染みついた匂いを嗅ぎながら、ワンピースのボタンをゆっくりと外される。やめてと言っても、ストーカーは笑うだけ。そして、露わになったココアの生おっぱいをじっくりと揉んで、美味しそうにしゃぶって、赤い乳首を弄くり回すんだ」
「それからココアは正座の姿勢にさせられて、ストーカーのおちんちんを入れられ、頭をつかまれてフェラを強制される。射精した精液を飲めと命令されて、逆らうと何をされるかわからないココアは、意を決して熱くて粘ついた液体をゴクリと飲む」
「ストーカーはその程度ではもちろん満足しないから、再びココアを万年床に押し倒して、ココアの絶対領域を丹念に触り、ベロベロ舐める」
「ココアの絶対領域を味わい尽くした後、ストーカーはココアのパンティをはぎ取る。ココアのいちばん大事なところが汚い部屋の空気に晒される」
「それから、ココアのオマンコをベロベロと舐める。ココアはイヤイヤ言うも、体は正直に反応してしまい、オマンコから愛液が噴き出る」
「そして、ストーカーのおちんちんとココアのオマンコが繫がる。処女膜を破られ、膣内を強引に広げられてココアはすごく痛くて嘆くも、助けてくれる者は誰もいない」
「そして、フィニッシュ。ココアの子宮に無責任な子種が注ぎ込まれる。ストーカーはココアの危険日も調査済みだから、ココアは子どもを孕む可能性が非常に高い」
「ああ、ココアちゃんの未来はストーカー次第。エンディングは決めてないけど」
「物語ならポテ腹エンドでいいけど、現実だとそうもいかないからな」
ここで男子たちの話が一区切りついたみたい。
わたしは、もう顔中が真っ赤になっているのを感じていた。首から上が、まるで茹でダコみたいに熱い。赤くないところを探す方が難しいくらいだよ……。
あの男子たちは、本当に本当にわたしのことが大好きなんだと思う。だって、こんなに事細かにわたしのことを想像できるんだもん。でも、絶対に自分がわたしを抱けるとは思っていない。だから、みんなでエロを徹底的に研究して、嫉妬や悔しさから他の悪人にわたしを与えて、めちゃくちゃにすることを望んでいるんだ。
わたしは机に伏せたまま、そっとため息をついた。だって、彼らは自分がストーカーになるとは言わないんだよ。いつも、誰か別の悪い人がわたしを連れ去って、酷いことをするって設定なんだ。それはきっと、自分たちが本当にそんなことをする勇気もなければ、そんな人間になりたくないっていう、ぎりぎりの良心なのかもしれない。
それとも、ただ単に、自分が加害者になるより、可哀想なわたしを想像で慰める方が興奮するってだけなのかな。
どっちにしても、わたしの体は彼らの想像の中で、とっくに色んな人に好き放題されてるんだ。ストーカーに拉致されて、汚い部屋で処女を奪われて、妊娠までさせられて……。現実のわたしはまだ何もされてないのに、想像上のわたしはもうボロボロだよ。
でも……それだけ想われてるってことなのかな。歪んでるけど、一途ではあるのかもしれない。わたしは熱くなった頬を机に押し付けた。
机に伏せたまま、わたしはまた聞こえてくるヒソヒソ声に耳を傾けていた。もう、聞かないようにしようと思っても、勝手に耳に入ってきちゃうんだもん……。
「魔法少女ココアってのはどう?」
魔法少女! わたしはそのフレーズに心惹かれた。魔法少女だなんて、なんだか可愛くてキラキラしてる響きだよね。もしかしたら、今度こそわたしが活躍できる妄想を用意してくれるのかなって、一瞬だけ期待しちゃった。
でも、男子たちは口を揃えて言うんだ。
「……弱そうだな」
えー! わたしってそう見えてるの!? わたしは心の中で叫んで愕然とした。魔法少女になっても弱そうって、ひどくない?
「ココアの小っこい体はともかくとして、あいつ基本ドジっ娘じゃん」
「この前のココアは、雨の中、傘も差さずに走って、水たまりにずっこけてたぜ」
わたしはたちまち赤面した。そ、そんなことまで見られてたんだ……。あの時は確かにすごい雨で、急いでラビットハウスに帰らなきゃって焦ってて……。でも、まさか男子たちに見られてるなんて思わなかったよ。
「国語の音読も噛んでいたし、魔法の詠唱中に噛んで失敗しそう」
わたしは心の中で何も反論できなかった。だって、確かに国語の音読で噛んじゃったし……。魔法の呪文だって、きっと長くて難しい言葉を使うんだろうな。そう考えると、噛んじゃいそうで自信がない。
「でも、ココアの魔法少女のコスチュームは可愛いに違いないな。あいつ、ピンクが似合うから、ピンクの帽子に、ピンクのワンピに、黒のハイソックスに、ピンクの靴なんてどうだ? そんでピンクのステッキを持つ」
スラスラとわたしが気に入りそうなコスチュームを言われて、わたしはやっぱり男子たちが怖くなった。だって、わたしの好みをこんなに的確に言い当てるなんて……。どれだけわたしのことを観察してるの?
他の男子たちも「可愛いな」「ココアに似合いそうだ」って即座に追随する。なんだか嬉しいような、怖いような、変な気分。
「昨日読んだ魔法少女のマンガで面白い展開あったぜ。その魔法少女をここではココアって名前にするか。ココアは、女ばかりが失踪する村に行ったんだ。そこで失踪の謎を探ろうとした魔法少女ココアは、二メートルは超える村人に後ろから棍棒で頭を殴られて気絶するんだ」
わたしは、この辺りで自分が活躍できる展開はない、と確信した。やっぱり……。
「目が覚めたココアは、両腕を上げられて木の枝にロープで縛りつけられているんだ。そのココアを身長二メートルは優に超える全裸の村人たちが囲む。そして、久々の女の獲物に喜んで、一人がココアの脚を軽々と持ち上げておちんちんをオマンコに突き刺すんだ」
ま、またしてもレイプ展開だ……。しかも、今度はわたしの名前が使われてる。わたしは赤面して、机に顔を押し付けた。
「それで村人はとっととココアに射精。その後も村人たちはココアを輪姦しまくるんだ。心優しい魔法少女のココアは、村人たちに魔法を行使できずにされるがまま」
わたしは思わず自分の股間を意識した。二メートルを超えるような大きな村人たちに、わたしの大事なところを好き勝手にされるなんて……恐ろしすぎるよ。
「そんで毎日のようにココアはレイプされ続けて、次第にお腹が膨らんでいってポテ腹になるんだ」
「ココアのポテ腹!」
男子たちが一斉に、頬を緩めながら口を揃える。その血走った目が怖くて、わたしはうつむき、思わず自分のお腹をさすった。
「そんでポテ腹となったココアを村人たちは神殿に運んで、巨大な淫獣に捧げるんだ。生贄として」
生贄……。わたしの顔は青ざめる。でも、男子たちの目はキラキラと輝いてるんだ。
「淫獣は触手を伸ばしてココアの脚に絡みつかせて転ばせた後、オマンコにも触手を伸ばしてゴクンゴクンと魔力を吸い取っていくんだ。これでココアは魔法少女じゃなくなって、ただの女の子になってしまう。そして淫獣は、触手でココアの足をつかんで手元まで引きずって、ココアの体を両手で持ち上げる。ジタバタするココアのお腹が膨らんでいることを満足げに見てから、淫獣は巨大な口を開けてココアを丸呑みするんだ」
丸呑み!? わたしは思わず驚いてしまった。辛うじて声には出さなかったけど、心の中は大騒ぎだよ。
「ココアうまそうだもんな」
他の男子が言うのを聞いて、わたしは愕然とする。わたし、美味しそうなの……?
「淫獣は妊娠した女が好物なんだよ。だから村人たちは、女を攫ってレイプしていたわけ。ココアもちょうどいい獲物だから妊娠させて食わせちまったんだよ。んで、村人たちは淫獣からのご褒美として強靭な肉体を授かるんだ」
なるほど、そういう仕組みだったんだ……って、感心してる場合じゃないよね! わたし、魔法少女になったのに、活躍どころか妊娠させられて、最後は淫獣に食べられちゃうなんて……。
「丸呑み」というジャンルは、男子たちにとって興奮するものだったらしい。話し終えた彼らの顔は、なんだかすごく満足げだった。
空想の中とはいえ捕食されたわたしは、ただただ震えていた。今の物語を満喫したという表情の男子たちを見て、男の人ってやっぱり恐ろしいな、と思ったわたしであった。
だって、魔法少女っていったら普通、悪者を倒して街を守ったりするものじゃない? それなのに、わたしが魔法少女になると、ドジっ娘だからって理由で、あっさり捕まって、村人に輪姦されて、妊娠させられて、淫獣に食べられちゃうなんて……。そんなの、あんまりだよ。
でも、これが彼らなりの愛情表現なのかな。わたしが可愛いから、こんなに考えてくれるんだよね。歪んでるけど、でも、嫌悪感が湧かないのは、やっぱり彼らがわたしのことを真剣に想ってくれてるからなんだと思う。
魔法少女のコスチュームを真っ先に考えてくれたのも、きっとわたしに似合うものを真剣に考えてくれたんだよね。ピンクの帽子に、ピンクのワンピに、黒のハイソックス……。実はちょっとだけ、着てみたいかもって思っちゃった自分がいる。もちろん、その後にあんな目に遭うのは絶対に嫌だけど。
カバンを探る音が聞こえて、わたしはつい耳をそちらに向けてしまった。なんだろう、今度は何が始まるの?
「じゃーん! 実は知り合いに頼んで、ココアちゃんのフィギュアを作ってもらったんだ!」
フィギュア!? わたしの体がビクッと揺れる。え、なにそれ、どういうこと?
「は、早くプチプチを取ってくれ!」
「はいよ!」
男子たちが全員色めき立つ声が聞こえる。わたしは机に伏せたまま、心臓がドキドキして仕方なかった。
プチプチという緩衝材が取られる音がして、男子たちが一斉にどよめく。
「すげー! ココアの髪の色や桜の髪飾りが完璧に再現されてるじゃねーか!」
「笑顔でウィンクしてる! 超可愛い!」
「ウチの赤いワンピースの制服に、ココアがいつも選ぶ首元のピンクのリボン! なんて素敵なんだ!」
え? え? わたしの許可なくこんなフィギュアを作ってもいいものなの? 男子の手の中にわたしのフィギュアがあるなんて、凄く恥ずかしいんだけど! わたしは半ばパニック状態だった。心臓がバクバクして、顔がどんどん熱くなっていく。
「おい、よく見せろ!」
「待て待て、俺にも!」
男子たちが群がる気配がする。そして、フィギュアを持ってきた男子が、なんだかもったいぶった声で言った。
「よし、じゃあ……こうするか」
なにを「こうする」のかわからないけど、わたしは嫌な予感しかしなかった。すると、男子が白い手袋をはめる気配がして、それからそっとフィギュアを持ち上げたようだった。
「うおー!」
男子たちが再びどよめく。なにが起きてるの!?
「淡いピンクのパンティを履いている!」
「前に盗撮した通りの色だ!」
「絶対領域も完璧に再現されてる!」
「茶色のローファーまで!」
え? どうしてわたしのパンツの色まで再現されてるの!? 再現が緻密すぎてあまりにも恥ずかしいんだけど!? わたしはこの上なく赤面して、混乱にさらに拍車がかかる。盗撮した通りの色って……やっぱりあの時、本当に盗撮されてたんだ。もう、男子たちの執念には恐れ入るよ……。
「おい、いくらだ!?」
理性を無くしたかのように叫ぶ男子の声が聞こえる。わたしは机に伏せたまま、耳だけが勝手に会話を拾ってしまう。
「これは試作品で、新しいのを作るのに一週間かかるけど、二千円でいいぜ」
「安い! 買った!」
「俺も!」
「俺もだ!」
「俺も頼む!」
どうやら、持ってきた男子以外、全員が買ったみたい。わたしのフィギュアが、勝手に売り捌かれている……。わたしは体を震わせながら、そのやりとりを聞いていた。二千円で売られちゃうんだ、わたし。試作品だから安いのかな。でも、一週間後には新しいのができるんだ……。
それにしても、わたしのことが大好きな男たちのことだ。絶対にただの観賞用ではないだろう。フィギュアとはいえ、自分の胸に触ったり、持ち上げてパンティを見つめたり、絶対領域を撫でたりするに違いない。
想像しただけで、顔から火が出そうなくらい恥ずかしい。だって、フィギュアとはいえ、それはわたしの形をしてるんだよ。わたしの顔で、わたしの体で、わたしのパンティを履いてて、絶対領域まで再現されてるんだよ。それを、男子たちが家に持って帰って、好き放題するんだ……。
これはある種のセクハラなような気がしてきた。でも、現実のわたしに直接触ってるわけじゃないから、法律的にはどうなんだろう。わかんないけど、でも、なんだかすごく恥ずかしくて、複雑な気持ちだった。
フィギュアを買った男子たちは、みんな興奮冷めやらぬ様子で、また何やら話し始めている。わたしはもう、耳を塞ぎたくなったけど、でもどうしても聞いてしまうのだった。
机に伏せたまま、わたしはまた聞こえてくるヒソヒソ声に耳をそばだてていた。フィギュアの話題が一段落したと思ったら、今度はもっと恐ろしい話が始まったみたい。
「フィギュア届くの待ち遠しいなぁ。……でもいつかは、俺の家にココアを捕まえてみたい」
捕まえて!? わたしは身の危険を感じて、思わず体がこわばった。よりにもよって「捕まえて」って……そんな物騒な言葉、使わないでほしいよ。
「あー、わかるわぁ、それ。ココアを自分の部屋に閉じ込めて一生出したくないよな」
他の男子たちもうんうん、と頷いてる気配がする。わたしは心の中で叫びたくなった。そんな犯罪行為に同意しないでよ!
「でも、俺らがココアを家に誘ったら、ココアはもう帰れなくなるよな」
「一緒のベッドに寝て、ココアを抱き枕にしたいなぁ!」
抱き枕って……。わたし、物じゃないんだけど。フィギュアだけで満足してほしいな、と心から思う。やっぱりこのクラスの男子のわたしに対する執着心は異様だ。
「なあ、ココア。俺、数学苦手だから俺んちで教えてくれないかな? ーー素直なココアだから、これでホイホイ男子の家でも付いてきそう」
わたしは心の中で反論した。いやいや、そんなの絶対に引っかからないからね! でも、自分がそう言われると、なんだか本当に騙されそうな気もしてきて怖くなる。
「そして、部屋に入ったらココアを捕まえてベッドに連行して、生物兼保健体育の実技に移るんだな」
生、生物兼保健体育の実技……。わたしはまたも赤面した。学校の真面目な教科の名前がそんな風に使われるなんて。生物の時間に習ったことは、まさか自分が教材にされるためだったの?
「生物や保健の勉強は、やっぱりココアの裸で学びたいよね。生殖分野についての最高の教材で、最高にモチベーションが上がるに違いないから」
わたしはもはやどういう顔をすれば良いのかわからなかった。そんなヤル気満々な態度を取られると、反応に困ってしまう。生殖分野の教材って……わたし、教科書じゃないんだからね。
「あー、ココアを俺のものにしてぇ!」
怖いからそんなことを言わないで欲しい、と心から思うわたし。そんなこと言われても、どうすればいいのかわからないよ。
でも、これだけは確かだ。クラスメイトの男子の家には、貞操と監禁の危険から決して行かない。絶対に行かない。それはもう、固く心に誓った。
だけど……それでも、彼らの一途さには心が揺さぶられるのも事実だった。だって、ここまで想われることって、なかなかないと思う。歪んでるし、怖いし、犯罪スレスレどころか完全にアウトなことを言ってるけど、それでも彼らは誰一人として「ココアなんてどうでもいい」とは言わないんだ。むしろ、みんながみんな、どうにかしてわたしを手に入れたいと思ってくれてる。
わたしは複雑な気持ちで、そっとため息をついた。彼らがもっと普通の方法で好意を伝えてくれたら、仲良くなれるかもしれないのに。でも、今はまだ怖くて仕方ないのだった。
机に伏せたまま、わたしはもう男子たちのヒソヒソ声に慣れてしまった自分がいることに気づいた。慣れたくはないけど、でも、逃げられないから……。
「ココアが剣と魔法の世界に生まれてたら、どうなってたと思う?」
今度はファンタジーの世界のわたしか……。でも、どうせいい展開にはならないんだろうな、とすぐに思っちゃった。
「そりゃ、ココアが庶民なら人さらいに目をつけられて拉致されて売っぱらわれる。貴族・王族なら、ココアの美貌を聞いた魔王がじきじきに攫いにくる」
結局捕まる運命しかないんだね、とわたしは心の中で嘆いた。でも、わたしを捕まえることが彼らの願望なんだから、仕方ないんだろうけど。
「でもさぁ、前に勇者が暗い洞窟に捕らえられたお姫さまを助けるってあったけど、あれ絶対おかしいよな。俺が魔王なら、ココア姫を捕まえて即レイプするもん」
「ココア姫」という響きは確かに魅力的だった。お姫さまなんて、女の子なら誰だって憧れるよね。でも、「捕まえてレイプ」という言葉にゲンナリする。せっかくのファンタジーなのに、どうしてそうなるの。
「そうだよなあ。魔王でもココア姫を見たら、一瞬で虜になって、魔王の部屋で異種姦して、自分の子どもを孕ませるもんなぁ。ヒーローがココア姫を助けに来た時には、もう既にココア姫のお腹は膨らんでて、時既に遅し。リアリティの観点から言えば、これが普通だよな」
そんなリアリティは、剣と魔法の世界というファンタジーには似合わないよ、とわたしは思った。それに、どんな時代でもどんな設定でも、男子たちはわたしを捕まえてレイプすることしか考えていない。これが思春期男子の思考なんだということを、わたしは学びたくないけど学んでしまった。
「ココア姫、魔王さえ惑わすとは。やっぱりギルティな存在だよ」
いやいやいや! そんなフィクションの存在がわたしなんかに魅了されるように設定しているのは、あなたたちの頭の中だよ! わたしは悪くないよ!
そう心の中で叫んだけど、でも……ここまででたくさん「拉致されてレイプされる展開」ばかりを聞かされてきたから、なんだか現代でもいつかは本当にそうなりそうだと思えてきて、わたしは震えた。
だって、彼らはもうわたしの住所を知ってるみたいだし、パンティの色まで把握してる。フィギュアまで作られて、毎日わたしをオカズにして妄想してる。これって、いつ現実になってもおかしくないんじゃないかな……。
わたしは机に伏せたまま、そっとため息をついた。せめてファンタジーの中だけでも、勇者に助けられるお姫さまになれると思ったのに、それすらも叶わないんだ。魔王に捕まって即レイプされて、妊娠させられて、助けが来た時にはもう遅いんだって。
でも、そんなに一途に想われているということは、やっぱりわたしにとって特別なことなのかもしれない。怖いけど、嫌悪感だけじゃない、なんだか複雑な気持ちになるのだった。
机に伏せたまま、わたしはまた聞こえてくるヒソヒソ声に耳を傾けていた。もう、聞かないようにするのは諦めてる。だって、どうせ聞こえてきちゃうんだもん。
「もしこの学校が魔法学校だったらどうする?」
魔法学校! それってすごく楽しそうだな、とわたしは一瞬だけ思った。ほうきに乗って空を飛んだり、杖を振ってキラキラした魔法を使ったり……。でも、その淡い期待はすぐに吹き飛ぶことになるんだ。
「俺だったら風の魔法を極めて、ココアのスカート無しのワンピースをぶわっと広げて、ココアのパンティをみんなに晒すよ」
ほらほらほら! 男子ってば、そういうことばっかり考えてる! わ、わたしの恥ずかしい姿を見ることしか考えて無いんだ! せっかく魔法学校なんて素敵な設定なのに、どうしてそうなるの!
「ココアがきゃっと悲鳴を上げて、慌ててワンピースの裾を両手で押さえても三百六十度はカバーできないから、たっぷり見放題だよ」
「ココアが赤面して、必死に風でめくれ上がるワンピースを押さえている姿を含めて見るのが眼福だよな」
眼福!? わたしがパンティを必死に隠そうとして困っている姿が!? もう、なにそれ、ひどすぎるよ。わたしの困った顔を見て楽しむなんて……。
「ココアを捕まえるときも風の魔法は重宝しそうだよな。掃除機みたいにブワーッとココアを吸い寄せて、俺たちの手の中に。グヘヘ」
グヘヘって……。そんな悪役みたいな笑い方しないでほしい。掃除機みたいに吸い寄せられるわたしを想像しちゃったじゃない。絶対イヤだよ、そんなの。
「ココアの服を脱がすときにも風の魔法はかなり使えそう。制服をビリビリと風の魔法で切り裂いてもよし」
よくないよ! わ、わたし、あられもない姿で魔法学校を歩くはめになるじゃない! それって、もう立派なセクハラだよ。魔法って便利なもののはずなのに、どうしてこんなことにしか使わないの。
「俺、風の魔法を極めるわ」
わたしを辱めるためにでしょ。それ以上の勉強のモチベーションなんかないでしょ! わたしは心の中でそう突っ込んだ。魔法の勉強にそんなに熱心になれるなら、もっと他のことに使ってほしいよ。
もう、本当にこの男子たちは……。
わたしは怒っていた。怒ってるはずなのに、でも、なんだかちょっとだけ嬉しくもある自分がいることに気づいて、ますます複雑な気持ちになった。
だって、風の魔法を極めてまでわたしを見たいって思ってくれるなんて、それだけわたしのことを魅力的に思ってくれてるってことだよね。自分がここまで他人を惹きつけていると思うと、赤面しつつも何だか頬が緩んでしまうのだ。
いや、彼らのお誘いには絶対乗らないけどさ。だって、わたしを「捕まえること」と「レイプすること」しか考えてないから。風の魔法を極めるのだって、全部わたしを辱めるためなんだよ。そんなの、やっぱり怖いし、絶対に近づきたくない。
でも……これだけ一途に想われているって、なんだかすごいことなのかもしれない。歪んでるけど、怖いけど、でも、嫌悪感だけじゃないんだよね。
わたしは机に伏せたまま、そっとため息をついた。顔はまだ熱いし、心臓もドキドキしてる。彼らの妄想の中のわたしは、今日もまた、風でスカートをめくられて、赤面して困ってるんだろうな。
机に伏せたまま、わたしはもう聞きたくないと思いながらも、男子たちの声を拾ってしまう。
「あ~、昼なのにここまでの話で俺のチンチンがだいぶ勃起してきたわ。ほら、俺のズボンがこんなに変形している」
ひっ……! わたしは本能的にビクッとした。それは過程はどうあれ、わたしが原因なのは間違いないから。だって、ずっとわたしの話をして、わたしがレイプされる妄想をして……それでそうなったんだよね。
「俺もだ。ココアにおちんちんを舐めて責任をとってもらいたい」
責任!? いやいや、あなたたちの妄想でそうなったのであって、話のネタにされて散々辱められたわたしには全然責任ないでしょ! わたしは心の中で必死に反論する。でも、声には出せないから、ただ机に顔を押し付けるだけ。
「ココアにはちょこんと正座してもらって、俺たちのチンチンをその小さな舌とお口で慰めてもらいたい」
ええ……! そ、そんなの、イヤだよ、怖いよ。正座して、なんて言われても……。わたしの口、そんなことのためにあるんじゃないんだから。それに、舌だって小さいし、きっと下手くそだし……って、そういう問題じゃない!
「クラスの男子全員分の精液を飲むことになるから、ココアも大変だな」
え、なんで決定事項みたいになってるの!? わたし、やるなんて一言もいってないよね!? クラスの男子全員分って、何人いると思ってるの。そんなの絶対ムリだよ。量だってすごいことになりそうだし……。
「ココア。フェラしてくれよ」
いやいやいやいや! 自分の興奮の責任は自分で取ってよ! わたしに押しつけないで! わたしは心の中で叫びまくる。机に伏せてるから表情は見えないけど、きっと耳も首も真っ赤になってるに違いない。
「ココアの話でようやく勃起するなんて、お前らはまだまだココアへの愛が足りねぇよ。俺なんかココアを見ただけでチンチンが膨らむんだから、ズボンの膨らみを隠すのがいつも大変なんだよ」
え、えー!? そ、そんなこと言われても困るよ! 見ただけでって……。わたし、普段からそんな風に見られてたんだ。教室で普通に過ごしてるだけで、男子たちのそういう反応を引き起こしてたんだ……。なんだかすごく恥ずかしい。それと同時に、ちょっとだけ怖い。だって、見られてるだけでそうなっちゃうなら、いつか抑えきれなくなったりしないのかな。
「ココア、誘ったら、体育倉庫とか、校舎裏とかに来てくれないかな?」
行かないよ! そんな……普段はなんでもないのに、誘われたら危険なところ! 体育倉庫も校舎裏も、これからは絶対に近づかない。ううん、一人で行動するときは、いつも以上に気をつけよう。そう心に誓うわたしだった。
でも……。こんなに真剣に想われてるって、やっぱりすごいことなのかもしれない。歪んでるし、怖いし、セクハラのオンパレードだけど、それでも彼らはわたしのことを諦めてないんだ。嫌悪感だけじゃない、なんだか胸の奥がくすぐったくなるような気持ちが湧いてくる。
わたしは、これからは男子たちのズボンの膨らみ具合を見て過ごす習慣がつきそうになることを思い、怖く思いながらも、なぜだか心臓がドキドキしてしまうのだった。
机に伏せたまま、わたしはまた聞こえてくるヒソヒソ声に耳をそばだてていた。
「ココアってさ、何であんなに可愛いのかな?」
えっ……。ド直球の誉め言葉に、わたしの頬は赤く染まる。な、なに急にそんなこと言い出すの。
「神さまが自ら力を込めて造形されたかのような顔の可愛さだよな」
「明るくてサラサラの茶髪にパープルの大きな瞳。まだ幼さは残るけど愛嬌のある顔つき。信じられない可愛らしさだよな」
そ、そんなに可愛いかな、わたし? 神さまが頑張って造形されたかのようだって……。それは誉めすぎだよぉ。わたしはただの普通の女の子なのに。でも、そんな風に言われると、なんだかくすぐったい気持ちになる。
「でも、やっぱり科学的根拠はあるんだよ。俺さ、ココアの実家の店の『Hot Bakery』にこの間の休日の時に行ってきたんだけど……」
わたしは飛び上がりそうになった。わたしの実家にまで行ったの!? あんな遠いところに休日を使ってまで!? 信じられない。そこまでするなんて、どれだけの執念なの。
「電車とバスを乗り継いですんげー時間かかったけど、山の中で自然豊かな所だった。隠れ家的なパン屋の店を切り盛りしていたのは、四人の子どもを持つのに未だに若々しいお母さんとココアよりも胸がデカいお姉さんだった。さすがにどっちも大人びてはいるけど、ココアと似た可愛らしさと愛嬌はあった。ちょっと濃淡はあれど茶髪は同じだったし、瞳の色もパープルだった。つまり、ココアの顔は遺伝なんだ。俺たちの元には、まだ幼い可愛らしさの残っている保登家の末の娘、最後の至宝が飛び込んできたわけだ」
そんな結論を得るためにわたしの実家にまで行ったんだ。その行動力のすごさには感心するよ。お母さんとお姉ちゃんのことも見てきたんだね。でもわたし、別にあなたたちの元に飛び込んだつもりはないんだからね!
そう思っていたら、その男子はとんでもないことを言ってきた。
「遺伝以外を除けば、やっぱり自然豊かな山で暮らしたことでココアの美味そうな体ができたんだと思う。デカいおっぱいとか見事な脚線美とかね。ほら、牛とか羊とかの家畜も、屋内に閉じ込めておくより、なるべく自然豊かな外で放牧していた方がストレスフリーで美味しく育つっていうじゃん。ココアも自然に囲まれた山でストレスフリーで放牧されていたから美味しそうに育ったんだろう」
わたしを家畜と同列に並べるの!? それとっても失礼じゃない!? それに言うに事欠いて「放牧」とか「美味そうな体」とか「美味しそうに育った」ってなに!? わたしは何も食べられるために育てられたわけじゃないんだけど!
「……そうか。ココアがそんじょそこらの女子と違うのは、狹い家畜小屋で育てられた安物じゃなくて、広々とした自然環境で放牧されたが故の高級品だからかぁ」
もう! わたしを牛さん羊さんと同じようにたとえるのはやめてくれないかな! しかもその言い方、他の女の子たちにもとっても失礼でしょ! わたしはプンプンしていた。でも、声には出せないから、ただ机に顔を押し付けるだけ。
「まあ要するに、今のココアは、自然豊かな田舎でデカいおっぱいとか瑞々しい脚を発達させながら美味しく育てられていたところ、都会に出荷されてきたようなものか。スーパーで安物の肉ばかりが並んでいるところに急に高級な肉が置いてあったら、そりゃビビるよな」
そんな言い方はやめて! この街にやって来たのはわたしの意思だし、お父さんもお母さんもお兄ちゃんもお姉ちゃんもわたしを大切にしてくれたおかげで今があるんだから! 「高級な肉」って言われてもちっとも嬉しくない!
でも、他の男子たちの反応は違った。
「ありがとう。ココアのルーツを知ると、ココアがますます美味しそうに見えてきたよ」
「俺たちのような大したことのないオオカミに、こんな神からの恵み物が!」
「誰が『高級な肉』をいただくことになるんだろう」
ちょっとちょっと。わたしを見る目がますます危うくなってきてない? わたしが「高級な肉」だと分析された途端、男子たちがよだれを垂らして見つめているように思えるんだけど!?
ちがう! わたしは食べられるためにこの街に来たわけじゃないんだからね!
でも、そんなことは言えなくて、わたしはわたしを見つめる獰猛な視線を受け続けなければならなかった。オオカミさんと違って、人間には理性があるよね? そう願いたいところだったけど、これまでの男子たちからの言動からして、本当に捕まって食べられそうになる危機感を覚えるわたしだった。
だって、「美味そうに育った」とか「高級な肉」とか、そんな風に言うなんて、まるで本当に食べる気みたいじゃない。それに、実際にわたしの実家まで行って調査するなんて、その執念はもはやハンターのそれだよ。獲物を追い詰める狩人の目で、わたしのことを見てるんだ……。
わたしは小さく震えながら、これからもっと気をつけなきゃと心に誓った。
机に伏せたまま、わたしはまた聞こえてくるヒソヒソ声に耳をそばだてていた。もうやめてほしいのに、どうしても聞いてしまう。
「医者なら健康診断の名目でココアをたっぷり弄べそうだな」
今度はお医者さんかぁ、とわたしは思った。たまにお医者さんのセクハラをニュースで聞くけど……。
「健診で病院の診察室に来たココアにまず男の医者が上半身の服を脱がせて、可愛い顔と膨らんだおっぱいをしめしめと思いながら今日はこの子をターゲットにしようと思う。まずは合法的なセクハラとして、丸椅子に座ったココアの体に聴診器を当てる」
聴診器で診ることを合法的なセクハラって言われたら、わたし困るよ……。今までのお医者さんも、わたしを診てそう思ってきたのかなぁ。そうだとしたら、すごく恥ずかしい。
「次に触診の名目で、座っているココアの生おっぱいを鷲づかみにするんだよ。それから丹念に揉みしだく。ココアは単純だから、『触診』の一言でされるがままとなる」
たしかにわたしはあんまり人を疑わないタイプだけどさ……。お医者さんの言葉なら信じちゃうかなぁ? でも結局、頭の弱いわたしは理屈で丸め込まれて、おっぱいを好き勝手にされちゃうのかなぁ。そう想像すると、なんだか不安になってくる。
「ココアを極上の獲物だと見なした医者は、もっとココアのおっぱいを揉みたいと思って、『何か違和感があるな』と言って、丸椅子に座っているココアの背後に回り込んで、ココアのおっぱいを両方とも丹念に揉みしだくんだ。ついでに、両方の乳首をつまんで可愛い反応をするココアを弄ぶ。ココアは医者に対する信頼から、されるがままとなる」
そ、そこまでのことはされたことないよ! でもこれからは気を付けないといけないのかな? だけど、「触診」っていう名目だと、医療について何も知らないわたしは丸め込まれそう。結局、お医者さんの好き勝手にされるのかなぁ。
「そして、ここからが面白いんだけど、医者はココアのオマンコを検査するという名目でパンティを脱がせてから、患者に脚を上げさせて御開帳の姿勢にさせる拘束台に座るよう命令するんだ。そして、ココアの脚が開きっぱなしになるように太ももあたりを拘束する。ココアは恥ずかしさに悶えながらも、病院だから大丈夫と思って、言われるがままとなる」
な、なんかそれ、とっても恥ずかしい格好だよ! 脚を開きっぱなしにされるなんて……。でも「病院での検査」って言われたら、わたしは信じちゃいそう。それにしても男子たちは、どうあってもわたしの拘束にこだわるんだね。
「医者はプライバシー保護の観点とか言って、ココアのお腹の上あたりで仕切るカーテンを引く。でもこれはマジックカーテンで、医者はココアの表情を楽しめる上に、ココアはどんな検査をしているのか見えない仕掛けが施されているんだ」
そ、そんなカーテンあるの!? 初耳だよ! 怖いよ! わたしが見えないだけで、お医者さんはこっちの恥ずかしい姿を全部見てるなんて……。
「医者はまずココアのオマンコを目視と触診で調べる。当然ココアの割れ目もクパァと開いて、処女膜のあるきれいな状態を確認するんだ。ココアが目をギュッと閉じて恥ずかしくても我慢する姿が、医者からは丸見え」
次の健診までにわたしの処女膜あるかなぁ。男子たちの言動を見ていると、なんだか不安になってくる。
「医者はココアのきれいなオマンコに興奮し、目視の名目で顔を近づけて荒い息を当てる。ココアは生温かい息を不快に思いながらも、『検査だから我慢我慢!』と言い聞かせて自分を抑える。医者はさらに興奮して、ズボンのチャックを下ろして膨らんだおちんちんをこっそりと出す」
ひいいっ!? お医者さんのワナって怖いよ!? カーテンの向こうでそんなことされてたら、わたし全然気づけないじゃない。
「外側は異常無しと言った医者は、今度は中の触診を名目に指をココアのナカにズブズブ突き刺すんだ。ココアは事前におっぱいを揉まれてるから性感帯が刺激されている。だから医者の指を入れられると、ココアのマンコ汁がダバダバと出て来るんだ」
ま、マンコ汁って恥ずかしいから言わないでほしい。そんなことになってる自分を想像すると、顔から火が出そうなくらい恥ずかしいよ。
「医者はこれだと検査に支障が生じるな、という名目で、吸引器を当てると言いつつ、ココアの太ももをつかんでココアのオマンコに顔を押し当てて、愛液を舐めたり、ジュルジュル吸い上げたりするんだ。ココアは赤面しながらも検査だと信じこんで、『吸引』を受け続ける」
ひいいっ!? そ、それはとっても恥ずかしいし、怖いって! でも、お医者さんに「検査です」って言われたら、わたし断れないかもしれない。
「そして医者は、『これから太い器具を入れて、熱いお薬を注入するけど、どんなに痛くても我慢してね』と言いつつ、実際は自分のおちんちんをココアのオマンコに挿入するんだ」
ええっ!? そ、そんなレイプのされ方があるの!? やめてよ! 怖いよ! 器具だと思って我慢してたら、それがお医者さんの……なんて、ひどすぎるよ。
「おちんちんを入れられたココアは痛みと次第に出て来る嬌声を我慢するために必死になって手で口を押さえる。医者は『この器具を使わないといけないから我慢してね』と言いつつ、おちんちんのピストン運動を続ける。そうしている間に医者が絶頂を迎えて、薬という名の大量の精液をココアの子宮に流しこむんだ」
わたしはもう放心状態だった。よくもまあ、ここまでわたしのレイプの場面を細かく想像できるものだね、と感心する。でも、そんなことされたら、わたし、きっと泣いちゃうよ……。
「医者が『たっぷりお薬が出たな』と満足して、ココアの太ももやお尻に流れた精液を拭き取ると、『明日も来なさい。まだ検査があるから』と言って獲物がまた自発的に来るように促す。知らずに中出しされたココアがかすれた声で返事をする。おしまい」
男子たちは拍手をする。机の下から聞こえるその音が、なんだかすごく遠くに感じられた。
「めっちゃ良い話だった!」
「俺も医者になって、ココアみたいな美少女が来たらそうするわ」
「医者っていいな」
よくないよ! わたし、とっても怖くなったよ! でも現実のお医者さんはそんなことしないよね! あくまで空想だよね!
……そう思いたいけれど、前に見た医者のセクハラ報道が頭をよぎる。男のお医者さんがこの男子たちみたいな性格なら、わたしはレイプされちゃうんだ。どうしよう。
わたしは頭を抱えた。これから健康診断があるたびに、こんなことを思い出しそうで怖い。お医者さんを信じたいけど、信じきれない自分がいる。
でも、これだけ細かく想像できる男子たちの執念には、やっぱりある種の感心を抱いてしまう。歪んでるし、怖いし、絶対に実際にやられたら困るけど、それでもわたしをここまで想ってくれる人は他にいないんだろうな、と。
机に伏せたまま、わたしはまた聞こえてくる男子たちの声に耳を傾けていた。今度は何の話を始めるんだろう、と思っていたら、「使い魔」という単語が飛び込んできた。どうやら有名なライトノベルのネタのようで、男子たちは一斉に盛り上がった。
「それなら、ココアが絶対に帰れなくなるな!」
ああ、結局それが一番の目的なんだ。わたしを捕まえることの延長線上に今回の話はあるんだね。わたしは心の中でため息をついた。
「主人と使い魔は一心同体だから、同じ部屋で合法的に一緒に住める! ココアが逃げようにも異世界だし、俺の部屋から離れたら衣食住の保証が無いからな。ココアは逃げようにも逃げられない!」
今度は衣食住でわたしを逃がさないようにするの!? わたしは心の中で叫んだ。でも確かに、異世界で知り合いもお金も無かったら、逃げるのは難しいかもしれない。そう考えると、なんだか怖くなってきた。
「俺はココアを藁たばでなんか寝させたりしない! 召喚初日からずっと一緒のベッドで寝るんだ!」
わたしはすぐに藁たばで寝かせてくださいと思った。でも、この男子たちなら小柄なわたしをベッドに強制的に運びそうだから、選択の余地はないのかなと諦めにも似た気持ちになってしまう。一緒のベッドで寝るなんて、絶対にイヤなんだけど。
「あのラノベは出だしが素晴らしいよな! ココアを異世界に召喚してすぐに、混乱中のココアの柔らかい唇に使い魔としての契約のキスをする。ルイズは才人相手に嫌がってたけど、俺なら大喜びでココアにチューするね!」
うぅ……。わたしは赤面しながら小さく呻いた。そんなにわたしとキスしたいの? 契約のキスって、突然そんなことされたら、心の準備もできないよ。それに、嫌がるわたしに大喜びでキスするなんて、やっぱり怖い。
「ココアに元の世界に返してと言われても、そんな方法は無いと俺は断言する。帰す方法が見つかっても絶対に握り潰す。そしてそのままどこへ行くにもどこで寝るのもずっとココアと一緒。サイコーじゃねぇか!」
わたしに優しい人なら良いけど、あなたたちのように、わたしを捕まえてレイプすることしか考えていない人とずっと一緒にいるのはイヤだよ。握り潰すって、そんなのひどすぎる。わたしの帰りたい気持ちを無視して、自分の欲望だけを優先するなんて。
「ルイズの才人に対する扱いとは違って、俺はココアにメシ抜きとか鞭打ちとかは絶対にしない。掃除、洗濯、雑用もさせない。ただ俺と四六時中一緒にいることだけを条件とする。逃げたときだけ、捕まえてお尻ペンペンかな」
行き場のないわたしにお尻ペンペンは、じゅうぶん酷いんじゃないかな。いくら衣食住が保証されていても、わたしを捕まえてレイプする主人からは逃げたくなるのが普通だと思うし。それに、四六時中一緒にいること自体が、もう十分に苦痛な条件だよ。
「人身売買より良いな、それ。タダでココアの身も心も俺のものにできるもの。確か貴族に関する法はあっても、使い魔に関する法はなかったはずだから、ココアをどう扱ったって罪には問われない。やばい、最高かも!」
わたしにとっては最悪だよ、それ……。せめて毎晩レイプされないことだけは保証してほしい。無理だろうけど。法で守られないなんて、そんなの怖すぎる。異世界って、わたしみたいな子には優しくない場所なんだなと実感した。
「使い魔システムは最高だな。もう本当にココアを完全に征服できるってことじゃねぇか!」
「すべて合法で、お咎めなし。地球でいくらココアの失踪が騒がれても、異世界ハルケギニアでは関係なし!」
「毎日毎日ココアを好き勝手にできる! やばい、天国だよ!」
地獄だよ、わたしにとっては。わたしを救済してくれる存在が誰もいないなんて。地球で騒がれても無駄だなんて、そんなの絶望的すぎるよ。わたしは机に伏せたまま、唇を噛みしめた。
それから男子たちは、わたしをベッドの上でどうするのかを熱心に議論し始めた。体中にキスマークを付けるとか、脱衣を命令するとか、惚れ薬を飲ませるとか……。典型的なおっぱい揉みとかお尻を触るとか絶対領域を触るとかレイプするとかも、彼らは飽きることなく議論している。もう、何を言われても驚かなくなっている自分がいることに気づいて、それがなんだか悲しかった。
男子たちのわたしに対する執着心に関しては、本当に凄いと思う。ここまで一途に想われることって、普通はないよね。ある意味、尊敬する。でも、やっぱり怖くて近づきたくないよ。だって、彼らの「好き」は、わたしを縛って閉じ込めて、自由を奪うことと同義なんだから。使い魔になんてされたら、もう二度と元の生活には戻れない。そんなの、絶対にイヤだ。
でも、彼らの話を聞いていると、なんだか心臓がドキドキしてしまうのも事実だった。こんなに熱心に想われている自分を想像すると、赤面しつつも、どこかくすぐったい気持ちが湧き上がってくる。いや、やっぱり怖いんだけどね。でも、嫌悪感だけじゃない、複雑な感情が渦巻いているのだった。
机に伏せたまま、わたしはまた聞こえてくる男子たちの声に耳をそばだてていた。もう聞き慣れたはずなのに、今回の話題は特に恥ずかしい。
「ココアのおっぱいってさ、触ったらどんな感触するんだろうな?」
ひゃっ! わたしは思わず胸の前で腕を組んだ。おっぱいの話なんて、やめてほしい。顔が熱くなって、心臓がドキドキしてくる。
「そればっかりは触ってみねぇとわかんねぇよ」
「女の子のおっぱいって、よくモチとかマシュマロとかにたとえられるじゃん。でもココアの膨らんだおっぱいはそんなんじゃ済まない気がする」
「空想なら何度も揉んでるけど、一回ぐらいはじかに揉んでみてぇよな、ココアのおっぱい」
やめてやめて! 空想上のわたしだけで我慢して! わたしは心の中で必死に叫んだ。空想の中で何度も揉んでるって、そんなこと聞きたくなかったよ。ますます胸のあたりがムズムズしてきて、意識が集中してしまう。
「ココアがテーブルの上で仰向けになって、『好きにしていいよ』っていうポーズを取ってくれるのが俺の夢なんだ」
そんな夢持たないで! 別の夢を持ってよ! テーブルの上で仰向けになって「好きにしていいよ」なんて、絶対に言わないからね。そんなポーズ、想像しただけで恥ずかしすぎるよ。
「クラスの男子全員の精神をとりこにするとは、ココアはなんて罪深い存在なのだろう」
男子たちは一斉に憂鬱なため息をつく。そのため息が教室中に響いて、わたしは一瞬申し訳なく思ってしまった。みんながこんなに悩んでるのは、わたしのせいなのかな……。
でも、やっぱりダメなものはダメ! わたしは心の中でそう叫んで、顔を上げなかった。いくら申し訳なくても、彼らの元へ行くことはできない。だって、行ったら最後、本当に捕まって好き放題されちゃうに決まってるから。
それにしても、わたしのおっぱいの感触をそんなに知りたいなんて……。男の子って、本当にそういうことばかり考えてるんだなぁ。でも、そこまで熱心に想われると、悪い気はしない自分もいて、それがまた複雑な気持ちにさせるのだった。
机に伏せたまま、わたしはまた聞こえてくる男子たちの声に耳をそばだてていた。もう、どうしてこんな話ばかりするんだろう。
「ココアの生足、絶対領域にも触りてぇよな」
ひゃっ! わたしはビクッとして、すぐさま両脚を合わせて縮こまる。生足とか絶対領域とか、そんなこと言われたら、脚を隠したくなっちゃうじゃない。
「わかる。ココアを見てから、痴漢する男の気持ちが理解できるようになってしまったからな」
えー!? わ、わたしのせいで痴漢の気持ちが理解できるようになっちゃったの!? それってすごく困るよ! わたしはただ普通に学校に通ってるだけなのに、どうしてそんなことに……。
「生まれ故郷の大自然の山を駆けて瑞々しく発達させた美味しそうな生足、絶対領域。しゃぶりつきてぇなぁ」
こ、怖い! 怖いよ、その言い方! 完全にハンターが山で獲物を狙う言い方だよ! わたしの脚は食べ物じゃないんだからね。しゃぶりつきたいなんて、そんなこと言われたら、もう脚を机の下でぎゅっと隠すしかないじゃない。
「黒のハイソックスが、ココアの脚の肌色を際立たせている。そう考えると、誰か知らないけど、ウチの学校の制服のデザインを決めた人も罪深いな。女子をスカート無しワンピースの服装にして、男たちのリビドーを絶えず刺激して、三年間もムラムラに耐えろという試練を与えているんだから。ココアみたいなヤバイ奴が着た場合を想定していなかったのかよ」
わ、わたしはこの制服、単純に可愛いと思っているだけなんだけど、男子たちからすれば苦悶の源なの? そんな風に言われると、なんだか制服を着ている自分がすごくいやらしいものに思えてきちゃうよ。
「やっぱり、俺たちの心を浄化するには、ココアが男子たちに囲まれたテーブルの上に載ることだな。じゃないと抑制が効かなくなった男子が、いつココアを襲うかわかったもんじゃない」
え、えー!? わたし、テーブルの上で男子たちの捧げものになるか、急に襲われるかのどっちかなの? どっちもイヤだよ、怖いよ! テーブルの上に載せられて囲まれるなんて、まるで生贄じゃない。
「ああ、ココア。おまえの生足、絶対領域を触らせて、俺の邪念を鎮めてくれ」
いや、そんな祈られても……。というか、仮にわたしが体を捧げたところで邪念は鎮まるの? むしろもっと邪念が増幅して、わたしの貞操が奪われる未来しか想像できないんだけど。触るだけで終わるわけないよね、どうせ……。
「卒業まで、あと二年と十一ヶ月。それまでの間、俺はココアを襲わずにいられるのか、全く自信が持てない」
いや、自信持ってよ! じゃないと、わたしが危ういじゃない! あなたたちに食べられるためにこの学校に通っているわけじゃないんだからね! 卒業まであと二年と十一ヶ月もあって、そんなに長い間耐えられないなんて言われたら、わたしの身がもたないよ。
「ココア……せめてちょっとだけでも……」
そんな切なる声で言われても、わたし怖いんだからね! リアルのわたしじゃどうしようもないから、盗撮映像とかフィギュアとか、とにかく空想上のわたしだけで我慢して! あと二年と十一ヶ月、とてつもなく長い気がするけど、どうにか頑張ってよ!
わたしは心の中でそう叫びながら、ぎゅっと脚を閉じ続けた。ハイソックスの感触がやけに気になって、絶対領域と呼ばれる太もものあたりがムズムズする。こんな風に意識させられるの、本当に恥ずかしい。
でも、ここまで切実に想われていると思うと、やっぱりちょっとだけ胸がドキドキしてしまう。いや、絶対に触らせないし、テーブルの上にも載らないけどね。でも、彼らの必死さには、なんだか申し訳ないような、くすぐったいような気持ちが湧いてくるのだった。
机に伏せたまま、わたしはまた聞こえてくる男子たちの声に耳をそばだてていた。もう、次から次へと怖い話ばかり……。
「ココアってさ、ロープで縛りたくなるよな」
ひいいっ!? また怖い話が始まるの!? ロープで縛るって、そんな物騒なこと言わないでよ。
「わかる。まずは典型的だけど、ココアの胸の下からおへそのあたりまでロープを巻き付けて後ろ手で縛って、おっぱいを強調させたいよな」
う~、怖いし恥ずかしい縛り方だよ、それ。おっぱいを強調させるなんて、そんなのイヤすぎる。わたしは思わず胸の前で腕をぎゅっと組んだ。
「俺はそうだな。ココアの両腕を太い木の枝に縛り上げたいな。それで逃げられないココアの体を好き勝手にするんだ。レイプする時は、ココアの太ももを持ち上げてちんちんを入れるんだ」
どうあってもわたしの体で弄んでからレイプしたいんだね……。木の枝に縛り上げられる自分を想像して、背筋がゾクッとする。そんなことされたら、本当に逃げられないじゃない。
「俺はココアの両腕だけじゃなくて、片足も太い木の枝に縛りたいな。ココアがいつでもオチンコをどうぞっていう姿勢に見えるからね。片足立ちのココアが赤面して、体がプルプル震えている姿も萌えるじゃないか」
そ、そんな恥ずかしいわたしの姿を見て、男子は萌えるって言っちゃうわけ!? 縛られてるわたしを助けてよ! 片足立ちでプルプル震えるなんて、羞恥で死にそうだよ。
「俺はそうだな。ココアの両腕を天井に向けて縛り上げると同時に、ココアが両膝を曲げて御開帳している時にココアの両膝を縛って、常に御開帳状態を保ちたいな。こうすれば、おっぱいも揉み放題、生足も触り放題、もちろんおちんちんも入れ放題だ」
結局わたしの恥ずかしいところを全部好き勝手にしたいんだ……。常に御開帳状態だなんて、そんなの恥ずかしすぎて泣いちゃうよ。
「俺はそうだな。まずココアを御開帳の状態にして、両脚をテーブルの脚に縛りつける。それから、テーブルの面積次第だけど、両腕もテーブルの脚に縛りたいな。この体勢なら、おっぱいも生足も触り放題、オマンコにもちんちんを入れ放題。テーブルの面積次第では、ココアの首を上げてフェラもできるぞ」
うぅ……。なんか単なるテーブルも、わたしをイヤらしく載せて拘束するための家具に見えてくるよ。テーブルの上で縛られて、そんなことされるなんて、悪夢でしかない。
「俺はやっぱり、ココアに首輪をはめてリードで繫ぎたいな。ココアのリードを引っ張って、四つん這いで歩かせて、『ニャーニャー』鳴かせてみたい」
わ、わたしネコ扱い!? そんな恥ずかしい目には耐えられそうもないよ! 四つん這いで「ニャーニャー」だなんて、考えただけで顔から火が出そう。
「俺はそうだな、一分だけでいいから、ココアの足を縛り上げて木の枝に逆さまに吊したい。ココアの髪もワンピースの裾もみんなひっくり返って、パンティ丸出しの状態になって萌えるから」
いや、わたしの頭に血が上って、かなり危ない束縛だと思うんだけど、それ。恥ずかしいのは言うまでもないし。逆さまに吊されてパンティ丸出しなんて、もう羞恥で気絶しちゃいそう。
「みんな、アイディア豊富だなぁ」
しみじみと言わないでよ。空想上のわたしがどれだけロープで辱められてると思ってるの。もう何十回も縛られてる気分だよ。
「緊縛プレイは男のロマンだからな。特にココアはなんかロープで縛りたくなるような雰囲気を醸し出してるし」
え、えー!? そ、それってどんな雰囲気!? ぜひとも消したいよ、それ! わたしはただ普通にしてるだけなのに、縛りたくなる雰囲気ってなんなの!?
もー! 男子たちって本当に怖い! 彼らの家に行ったら、わたし、ロープや首輪で好き勝手に拘束されて絶対帰れなくなるよ! そう思うと、ますます男子たちから距離を取りたくなるのだった。
でも……。こんなにいろんな縛り方を想像できるなんて、ある意味すごい執念だなとも思う。わたしを縛りたい一心で、こんなにバリエーション豊かな緊縛プレイを考えつくなんて。歪んでるし、怖いし、絶対にされたくないけど、それでもここまで想われてると思うと、なんだか胸の奥がくすぐったくなるような、複雑な気持ちが湧いてくるのだった。
机に伏せたまま、わたしはまた聞こえてくる男子たちの声に耳をそばだてていた。今度は何の話だろう、と思っていたら……。
「ココアをネタにした十八禁の成人向け同人誌をAIに書かせようかな」
え? えー!? わたしまだ十五歳だよ! それなのに十八禁の同人誌って……。心の中で叫びながらも、男子たちの会話はどんどん進んでいく。止めるどころか、賛同する者ばかりだった。
「いいんじゃないか? ココアを綺麗に描ければ、超売れると思うし」
そ、それって誉められてるって言えばいいのかな? わたしの絵が売れるってなんか複雑だよ。嬉しいような、でも十八禁だし……と頭が混乱する。
「そこんとこはAIだから大丈夫。問題はどういうストーリー展開にするかだな」
「そりゃ簡単だよ。例えば、ココアが街を歩いている最中に若い男たちからナンパされてホイホイ付いていったら、倉庫で捕まって監禁されて輪姦される」
わたしは、やっぱりそういう扱いなんだ、とため息をつく。男子たちにとってわたしは、「捕まってレイプされること」が当たり前のようだ。もう何度目かわからないけれど、彼らの中でのわたしの役割は完全に固定されている。
「または、ココアにワゴン車の運転手が窓を開けて道を尋ねている最中に、ワゴン車の後部座席が開いて男二人が出て来てココアは眠り薬の染み込んだハンカチで眠らされて、人身売買のオークションにかけられて暴力団に買われて、その手の遊び道具が整っているオリの中で暴力団員たちから慰安婦として弄ばれる」
さっきよりひどいよー! 眠らされて拉致されて人身売買のオークションにかけられて、暴力団の慰安婦になるなんて! 想像しただけで背筋が凍る。どうしてそんなに詳しく想像できるの? 怖すぎるよ。
「あとは、クラスメイトの男子たちにテスト前に勉強しようと誘われたココアは、ワナとも知らずに男子たちの家にノコノコと行って、生物兼保健体育の実技の勉強をさせられる」
……それは、あなたたちのやりたいことじゃないの? というか、なんでわたしってそんな悪意のある男の人にホイホイ付いていくって思われてるんだろう? わたしが心に浮かべた疑問に、男子たちはすぐに答えた。
「ココアは田舎者だし、都会に出て来たばっかりだし。それに胸にばっか栄養が行ってて頭に栄養が行ってないから、ホイホイ騙されて付いていく展開がよく似合う」
な、なにそれー!? わたしはカッと頭に血が上った。「田舎者」とか「胸にばっか栄養が行ってて頭に栄養が行ってない」とかあんまりじゃない!? 酷い侮辱に、机の下で拳を握りしめながらプルプルと震える。
「まあ、だからこそめちゃくちゃ可愛いんだけどな。同人誌のネタになるぐらいには」
「めちゃくちゃ可愛い」と言われて、わたしは思わず赤面してしまう。その後の「同人誌のネタ」になることも、なんだか名誉なことのような気がしてきて、頬が緩みそうになる。でも、こんなんだから「胸に栄養が取られて頭に栄養が行ってない」と思われそうなんだとすぐに首を振った。ダメダメ、流されちゃダメ!
「ココアは田舎者の純真無垢。だからたくさんの男を惹きつけるんだよなー」
男子の言葉に、わたしは思わず頬が緩みっぱなしとなる。まあ、惹きつけている男子は、わたしを「捕まえてレイプしたい」と考えている連中だけれど。それでも、純真無垢って言われるのは悪い気がしない。
「よし。やっぱり人身売買のオークションって珍しいから、これでいこうかな」
「ならココアが暴力団員から弄ばれるシーンはちゃんと詳細に描くんだぞ。やっぱ十八禁の同人誌は、セックスの出来が九割だからな。キスもフェラも胸揉みもまんぐり返しもマンコ舐めもアナル責めもオマンコ挿入も、フルコースでみんな描くんだぞ」
ひいいっ! そんなにたくさん専門用語がスラスラ出てくるの!? わたしはこの昼休みで学ばされた言葉の数々に戸惑いながらも、男子たちがやけに詳しいことに驚く。十五歳か十六歳なのに、よく知ってるなぁ……。
「う~ん、薄い本が厚くなるなぁ」
男子たちはその後も、人さらいの男たちがわたしを売る前に全身を洗浄するシーンを描くか描かないかとか、人身売買のオークション会場の様子はどうかとか、わたしはいくらで売れることにするかとか、そんなことを熱心に議論していた。値段の話になると、「高級品だから最低でも数千万は下らない」とか「いや、億は行く」とか真剣に話し合っていて、わたしは複雑な気持ちになる。
でも、ふと思う。わたしの存在が、クラスの男子全員を繋げているんだな、と。もっとも彼らの絆は、「わたしが拉致されて、人身売買のオークションにかけられて、暴力団事務所のオリの中でレイプされる同人誌を描くこと」で形成されている点は、やっぱり不健全だと思えたけど。
それにしても……。こんなに熱心に、わたしを題材にした同人誌の内容を議論するなんて、ある意味すごいことだよね。それだけ想われているんだと思うと、怒っていいのか、呆れていいのか、それともちょっとだけ嬉しいのか、自分でもよくわからなくなるわたしだった。やっぱりわたし、胸に栄養が取られて頭に栄養が行ってないのかな。
机に伏せたまま、わたしはまた聞こえてくる男子たちの声に耳をそばだてていた。今度はどんな怖い話が始まるんだろう、と身構えていると……。
「ココアが妊娠してポテ腹になったら、これまた可愛いだろうな」
え……。わたしは、今まで考えたこともない恥ずかしい姿を想像させられて、顔が熱くなる。妊娠? ポテ腹? そんなの、考えたこともなかったよ。思わず自分のお腹をさすってしまう。今はぺったんこなのに、ここが大きくなるなんて……。
「昔はなぁ、ココアぐらいの年齢の時には、もう嫁に出されて子どもを産むのが普通だったんだぜ」
え、えー! そうなの!? 初耳だよ! わたし十五歳だよ? 昔の人ってそんなに早く結婚してたんだ。そう考えると、今の自分が子どもを産む姿も、昔なら普通だったのかな……なんて、つい想像しちゃう。
「……そうか、ココアがあんなに可愛らしいのは男を惹きつけるためか。ココアという満開の花に男が群がるのも道理だ」
え、え。わたしって今そういう状態!? 男子たちが夢中になって当たり前なの!? ……それでもわたしはあなたたちのことが怖いんだけど。でも、満開の花って言われると、なんだかちょっとだけくすぐったい気持ちになる。
「まあそれはともかく、ポテ腹になったココアのお腹もさすりてぇよな」
……結局そこに行きつくんだね。でも男の人が妊婦さんのお腹に触るのは見たことあるし、これはセクハラじゃないのかな? いや、やっぱり怖いかも。でも、優しくさすられるなら、ちょっとだけ気持ちいいのかなぁ……。なんて、何考えてるのわたし!
「妊娠中のココアをレイプしたらどうなるかな? やってみたいんだけど」
だ、ダメだよ! よく知らないけど、お腹の赤ちゃんに悪影響が出そうだもん。それに、妊娠中にそんなことするなんて、怖すぎるよ。
「ポテ腹ココアちゃんとセックスか……。そそられるものがあるなぁ……」
わたしがどういう状態のときでも、わたしの体を求める執着心には本当に驚かされるよ。もう、お腹が大きくなってもなお、そんなことを考えられるなんて。
「ココアの母乳も飲みたい」
な、何言ってるの!? 母乳は赤ちゃんのものでしょ! 男の人のためじゃないんだからね! ……たぶん。よく知らないけど。それにしても、わたしが考えたこともないわたしの妊娠の姿までよく思い描けるものだね。今はスレンダーなわたしのお腹も、男子たちの頭の中では膨らんでいるんだろうなぁ。その、ポ、ポテ腹に……。さらにぼ、母乳まで出ていて……。恥ずかしいことこの上ないよ……。
まあそれはそれとして、わたしはわたしが好きになった男の人との赤ちゃんが良いんだけど……彼らは許してくれるんだろうか。やっぱりあれこれ強引に干渉してきそうで怖いんだけど。わたしが好きになった人と一緒にいても、きっと男子たちは「そんな男ダメだ」とか言って邪魔しそうだし……。
でも、こんなにわたしの妊娠した姿を想像して、可愛いって言ってくれるなんて、なんだか複雑だよ。怖いけど、でもそれだけ想われてるんだと思うと、やっぱりちょっとだけドキドキしてしまう。いや、絶対に許しちゃダメなんだけどね。わたしは首を振って、熱くなった頬を机に押しつけた。
この辺でネタ切れです。ひょっとしたら続くかもしれません。