「っ!
プロデューサーには!大変失礼を・・・!」
「い、いいよもう大丈夫、大丈夫・・・」
ワシワシと泡立てたタオルで胸を洗われる。
そんな恐縮することないのに。
たかが鼻水。
しかし力強いな。
「すみませんでしたっ!」
美しい90度のお辞儀。
「も、もういいから・・・」
「流しますね!」
茜が俺の胸にシャワーを当て、
手でゆっくり洗い流す。
あ、これ気持ちいい。
・・・茜が近い。
・・・視線が吸い寄せられる。
上記した肌が水滴を弾き。
かたちのいい胸の・・・桜色の先端に。
雫が光り。肌をつたって流れていく。
茜は、あまりにも無防備な姿で俺に触れている。
唾を飲みこむ音が、聞こえなかっただろうか。
・・・さっきこの体に、触れたんだよな・・・
しまった、と自分の記憶力を呪った。
腰のあたりに血が集中していくのを感じる。
まずい。
出なければ。
もう出よう。
すぐ出よう。
「あ、茜もうそろそろ」
「プロデューサー!」
真剣な瞳。真っ直ぐに俺を見据えて。
・・・怒られる、のか。
見すぎてたか。
「もう一回お願いします!!」
・・・なんて?
え、なに、何の話?
「その・・・もう一回、どうですか・・・」
・・・力強い瞳が。見る間に伏せられて。
消え入りそうな声でうつむいてしまう。
うわっ。照れてる。
照れてる?
えっ
あ、そういうもう一回
「ええっ!?」
馬鹿でかい声が出た。
「な、なんで!」
だってあんな風に・・・してしまったのに。
「男の人は、
だ、出さないと終われないって聞きました!!」
「誰に?!!!!!」
まるで悲鳴みたいな俺の質問。
「高垣先輩です!!」
うおおおおうちのアイドルどもは何教えてんだ茜に!!
変に耳年増にしてんじゃねえもう!!!
「それに・・・その、苦しそうなので・・・」
あああああ!!
俺のはまた硬さを取り戻そうとしている。
いま、今じゃないよ
もっとこうお前は・・・お前は本当にさあ
何で俺股間と会話してんだ
「あの!
おしり・・・さわっていいですから!!」
えっ
すっ、と茜が背を向ける。
髪のかかった肩甲骨の下、きりりと絞られた確かな背筋。
その先に、真っ白な双丘。
「な、なんで?!」
何で知ってる!!??
「いつも・・・見てるからです・・・」
嘘だろーーーー!?
ああクソバカ
天を仰ぎたくなるっていうかいま仰いだ。
そうだよなあ俺の視線に気づいてないわけないよなあでもずっと気づかないふりしてくれた方がさあ
だってこんな
こんなの見るなって方が無理
筋肉ではりつめた・・・ようには見えない
柔らかそうな、しかし張りのある肌。
真っ白なふたつのふくらみのあいだ、
薄茶色のすぼまりが。
ひくひくと動いて。
肩越しに振り返りながら。
真っ赤な顔で茜が。
「いいですよ・・・」
まずい
もう
もう耐えられない。
しかし今ここで──
ズパァ━━ン!!
「プロデューサーっ!みんな探してるよーっ!」
静寂を引き裂いて、
ブチ開けた脱衣所の扉から顔を出して叫んだのは。
宮本フレデリカだった。