※この作品はR-18です。

鬼畜聖杯英雄王ランス   作:おっぱいだああああああああ

19 / 28
第十八話 騎士王の崩壊

ランスがセイバーを肩に担ぎ、公園の出口から大通りへと歩み出ると、街は異様な静けさに包まれていた。だが、その静寂は平和なものではない。ランスが放つ濃密な魔力と欲望の波動が、冬木市全域を塗り替えようとしていた。

 

大通りに出ると、そこには彼を待ち受けていたかのように、冷徹な表情で佇む一人の男がいた。言峰綺礼である。彼は教会の聖職者としての装束を身に纏いながら、その瞳には聖職者に相応しくない、黒々とした愉悦を湛えていた。

 

「……随分と豪快な夜の散歩だ、鬼畜王ランス」

 

言峰の言葉に、ランスは足を止め、肩に担いだままのセイバーをポンと叩く。

 

「おっ、教会か。丁度いいところにいたな」

 

セイバーは言峰の姿を認めると、わずかに身体を強張らせた。かつての戦友であり、同時に手強い敵であった男の前で、今の無様な姿を晒している事実は、彼女の魂をさらに追い詰めた。

 

言峰はゆっくりと歩み寄り、セイバーの頬に手を添える。その手つきは、聖職者の慈悲ではなく、獲物の弱さを確認する捕食者のそれだった。

 

「なるほど……。騎士王としての矜持が、ここまで無残に剥がれ落ちるとは。……ランスよ、貴殿のやり方は確かに愉悦だ。私の求める歪みなど、貴殿の圧倒的な欲望の前では児戯に等しい」

 

「がはは! お前みたいな聖職者には決して出来ないだろう!」

 

ランスの理不尽な誘いに、言峰は口元を歪めて笑った。

 

その言葉に、セイバーの心の中で最後の理性が悲鳴を上げる。ランスという支配者だけでなく、言峰という監視者が加わったことで、彼女の逃げ道は完全に塞がれた。

 

「……あ、あぁ……っ、嫌……そんな、目で見ないで……っ」

 

セイバーが掠れた声で拒絶するが、ランスはその抗議を心地よいBGMのように受け流し、再び歩き出す。

 

 

夜の闇がさらに深く、濃く、ランスの欲望を隠すように街を飲み込んでいく。セイバーの抵抗はもはや完全に消え、彼女の意識はただ、これから始まるさらなる蹂躙への恐怖と、不思議なほどの陶酔感との間を彷徨っていた。

 

衛宮士郎の視界が、怒りで赤く染まっていた。

 

「……離せッ!!」

 

士郎の叫びは、夜の静寂を切り裂く悲痛な咆哮だった。

目の前の路地裏、街灯の光の下に、あり得ない光景があった。かつて彼が命を懸けて守ろうとし、誇り高い騎士として尊敬していた存在――セイバーが、ボロボロの衣服を纏い、鬼畜王ランスの肩に無防備に担ぎ上げられていたからだ。

 

「がはは! なんだ、雑草が一本生えてきたな」

 

ランスは肩に担いだセイバーを放り出すと、士郎を見下ろして卑劣な笑みを浮かべた。セイバーは地面に転がり、虚ろな瞳で士郎を見つめる。その姿には、かつての王としての威厳は欠片もなく、ただ主人の帰還を待つペットのような空虚さがあった。

 

「お前……ッ、お前、何を……ッ!」

 

士郎の全身から魔力が噴き出す。投影開始――だが、その回路を繋ぐ前に、ランスが嘲るように指を鳴らした。

 

ランスの言葉に、セイバーは操り人形のように立ち上がった。彼女の瞳には、士郎を認識する理知の色はほとんど残っていなかった。

 

「……士郎。ランス様は……私の……ご主人様、です」

 

その言葉を聞いた瞬間、士郎の中で何かが弾けた。

「ふざけるな……ッ!!」

 

士郎は我を忘れ、投影した無銘の剣を手にランスへ突撃した。しかし、ランスは動じない。素手で剣をへし折り、士郎の腹部に強烈な蹴りを叩き込む。

 

「ぐはッ……!」

 

アスファルトに叩きつけられた士郎に、ランスは踏みつけながら冷酷に言い放つ。

 

ランスが背後からセイバーを抱き寄せ、その白い肌を公衆の面前で無遠慮に愛撫する。

「士郎!」

 

セイバーは羞恥に染まりながらも、ランスの支配に抗うことなく、士郎の目の前でその身体を委ねていく。

 

士郎は、地面に這いつくばりながら、自分の無力さに涙を流した。自分が守りたかったはずのものが、最も無残な形で蹂躙されていく。ランスの笑い声と、セイバーの甘く屈辱的な喘ぎが、夜の冬木にいつまでも木霊していた。

 

「……殺す。絶対に、殺してやる……!」

 

士郎の殺意は、もはや聖杯戦争のルールなど超越していた。ただ、この理不尽な暴君を、この手で地獄に引きずり下ろすことだけが、彼の唯一の存在理由となった瞬間だった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。