※この作品はR-18です。

鬼畜聖杯英雄王ランス   作:おっぱいだああああああああ

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第二十一話 強奪作戦

夜明け前の深山町、鬱蒼と生い茂るアインツベルンの森。

人跡未踏の霊地であり、幾重もの魔術結界が侵入者の精神を狂わせるはずのその聖域を、今、最悪の足音が蹂躙していた。

 

「がははは! なんだこの森は! 歩きにくいこと極まりないぞ! おい凛、道が悪いから俺様のハイパー馬『4号』を呼び出したいところだが、この世界の魔力(マナ)では少々燃費が悪くてな。代わりにそこの鎧のねーちゃん、今度こそおんぶしろ!」

 

「貴殿のその不遜な口、森の肥やしにして差し上げましょうか」

私服の上からいつでも不可視の剣を抜けるよう、セイバーの全身から鋭い風圧が吹き荒れ、周囲の結界の糸を物理的にブチブチと引きちぎっていく。

 

「二人とも、声を落としなさいって言ってるでしょ! これじゃ夜襲(強盗)の意味がないじゃない!」

凛は魔術刻印を光らせ、結界の探知を試みようとしていたが、すでにランスの放つ圧倒的な黄金の気力塊(オーラ)と、カオスの発する「不浄な呪い」が周囲の空間そのものを汚染・破壊しているため、魔術的な索敵が全く意味を成していなかった。

 

「……お嬢さん、諦めるんだ。彼が歩くだけで、アインツベルン自慢の多重結界がまるで自動ドアのようにパリンパリンと開いて(壊れて)いっている。隠密行動など最初から不可能さ」

アーチャーは完全に達観した目で、いつでも狙撃できるよう弓を構えつつ、最後尾を歩く士郎に視線を向けた。

 

士郎は、手元に唯一残った「奇跡の土鍋」を大切そうに抱えながら、ボロボロの私服のまま、夜明け前の白い息を吐き出していた。

「なぁ、遠坂……俺たち、本当に今からお城を乗っ取るのか? 相手は昨日知り合ったばかりの、あの小さい女の子(イリヤ)なんだぞ……?」

 

「何言ってるのよ衛宮くん! あの子は昨日、私たちの家を(主に金ピカのせいだけど)更地にした張本人よ! 因果応報、自業自得! それに、私たちにはもう寝る場所もご飯を炊くキッチンもないのよ!?」

凛の背後に潜む「家なき子の執念」は、ある意味で英霊以上の迫力があった。

 

その時、森の奥の視界が突如として開け、月光と朝靄の中に、中世ヨーロッパの古城を思わせる、壮麗にして冷徹な白亜の「アインツベルン城」が姿を現した。

 

「おおお! なかなかに立派な城ではないか! リーザス城には及ばんが、俺様の『ランス城・冬木支部』としては合格点だ!」

ランスがカオスをジャキッと構え、大満足で鼻を鳴らす。

 

しかし、その城の巨大な正門の前には、すでに侵入者を迎撃すべく、二人の影が冷然と佇んでいた。

一人は、アインツベルンの最高傑作たるホムンクルスにしてメイド長、リーゼリット。その手には、巨大なハルバードが握られている。

もう一人は、同じく感情を削ぎ落とした冷徹な双眸を持つメイド、セラ。

 

「――不法侵入者を確認。これより排除を開始します」

セラの冷たい声が響くと同時に、城の周囲の空間から、アインツベルン自慢の錬金術による自動迎撃魔術兵器(ワルキューレ)が数十体、一斉に起動して浮遊した。

 

「がははは! 喋る魔剣(カオス)の言う通り、本当にピチピチのメイドがいたぞ! しかも二人ともなかなかの巨乳ではないか! よし、お前たち今日から俺様の奴隷な!」

 

「変質者と断定。即座に、徹底的に、塵に帰しなさい、バーサーカー!!」

セラの怒りの号令と共に、城の奥から地響きのような咆哮が轟いた。

 

「――――グルァァァァァッ!!!」

 

漆黒の巨躯、ヘラクレスが、昨日のダメージなど微塵も感じさせない圧倒的な威圧感で、正面玄関を突き破って突進してくる。その巨大な斧剣が、朝靄を切り裂いてランスの脳門へと真っ直ぐに振り下ろされた。

 

「おらぁッ! 挨拶代わりの一撃だァッ!!」

ランスはカオスを両手で握り締め、正面からその斧剣を受け止めた。

 

ドガァァァァァン!!!

 

冬木の霊脈の奥深く、アインツベルンの広大な森が、二つの「理不尽な怪力」の衝突によって激しく震動する。

 

「がははは! 流石にこの城のデカブツは、その辺の道端で会うときより馬力が上がってやがるな! だがな、城の主(になる男)の気合を舐めるなよ!!」

 

ギギギギギ……と、魔剣カオスとヘラクレスの斧剣が噛み合い、凄まじい火花が夜明け前の薄闇を白く照らし出す。アインツベルンの本拠地という「極上の霊地」において、バーサーカーのバックアップは最大出力。だが、ランスの身体から噴き出す黄金の気力塊(オーラ)もまた、メイド二人への下劣な野望を燃料にして、限界突破の出力を叩き出していた。

 

「――っ、突撃するわよ! アーチャー、セイバー、あの二人のメイドを無力化して、城の防衛システムを乗っ取るのよ!」

凛が即座に前線へ躍り出て、指先から容赦のないガンド撃ちの豪雨をセラへと放つ。

 

「了解だ、お嬢さん。――投影、開始(トレース・オン)」

アーチャーが干将・莫邪を手に、凄まじい踏み込みでリーゼリットのハルバードの一撃を受け止め、その死角へと回り込む。

 

「アインツベルンの騎士たちよ、不本意な戦いではありますが……我がマスターの今夜の寝床(と兵糧)のため、そこを通らせていただきます!」

セイバーもまた、不可視の剣『風王結界』の暴風を吹き荒れさせ、浮遊する自動迎撃兵器(ワルキューレ)を次々と一刀両断にしていく。その大義名分(?)のせいで、彼女の剣の冴えはいつも以上に凄まじい。

 

「な、何なのよこの強盗集団は……!? 聖杯戦争の気品のカケラもない……!」

セラが凛のガンドを魔術障壁で防ぎながら、あまりの理不尽さに顔を青くして絶叫した。

 

「はァッ!!」

その隙を、ランスは見逃さない。バーサーカーの斧剣を力ずくで斜め上に弾き飛ばすと、カオスの刀身をどす黒い呪いの輝きで満たした。

 

「超スーパー鬼畜・武烈斬(ぶれつざん)!!!」

 

ドガァァァァァン!!!

 

「グルァァァァッ!?」

バーサーカーの巨躯が、カオスの「あらゆる防御概念を無効化する呪い」によって、今度こそ正面から一刀両断に引き裂かれ、大量の魔力の血飛沫を上げて崩れ落ちた。これで『十二の試練(ゴッド・ハンド)』のストックがまた一つ削り取られる。

 

「やったか!?」

士郎が「奇跡の土鍋」を抱えたまま声を上げたその時――。

 

「――おのれ、おのれ、おのれ……!! 私のお城で、よくもまあそんなに好き勝手やってくれたわね、泥棒猫(遠坂)に、そこの最低の緑サーヴァント!!」

 

城の二階のバルコニーから、怒髪天を突く勢いでイリヤスフィールが姿を現した。その周囲には、彼女の魔力によって編まれた無数の「魔術の髪の毛(テアター・プペ)」が、命を持った白鳥のように妖しく狂い咲いている。

 

「バーサーカー、生き返りなさい! そして、あいつらを一人残らず、一番残酷な方法でミンチにしちゃえ!!」

 

イリヤの絶叫に応じるように、地面に倒れていたヘラクレスの肉体が、どす黒い魔力を噴出しながら恐るべき速度で超再生を始める。一度受けた「武烈斬」への耐性をその身に宿しながら、狂戦士が三度、その赤い目を血走らせて立ち上がった。

 

「がははは! 何度でも来いデカブツ! お前をあと十回くらいブチのめして、その後にそこの生意気なロリ幼女をお仕置き(意味深)してやるわ!」

 

『おい心の友よ、あのロリの魔力供給は底なしだぞ! だが、この城の奥にある『宝物庫』と『厨房』の匂いは本物だ! 儂の刃が早くあのメイドどもをひん剥けと騒いでおるわい!』

 

「応ともさ、カオス! いくぞおおおッ!!」

 

「がははは! 耐性がついたなら、それを上回る力で叩き潰すのみよ!」

 

立ち上がったバーサーカーの猛打に対し、ランスはさらに出力を上げる。カオスの呪いとヘラクレスの『十二の試練(ゴッド・ハンド)』が真っ向から火花を散らす中、アインツベルン城の前庭は瞬く間にクレーターだらけになっていく。

 

「セラ、リーゼリット! 何をしてるの、早くその不審者を排除しなさい!」

イリヤの怒声が響くが、メイド二人もすでに手一杯だった。

 

「くっ……この白い弓兵、手数が多すぎます……!」

セラが魔術で応戦するも、アーチャーの正確無比な投影による双剣と射撃が、彼女たちの行動を完璧に制限している。

 

「そこを、通らせて、いただきます……!」

セイバーは『風王結界』を解放し、凄まじい風圧と共にリーゼリットのハルバードを弾き飛ばした。もはや「今夜の夕食と布団の確保」という実利に突き動かされた騎士王の突破力は、アインツベルンの最新鋭ホムンクルスを完全に凌駕していた。

 

「な、なんなのよこの執念は!? 聖杯戦争の誇りはどこへ行ったのよ!」

セラが悲鳴を上げる。

 

「がははは! 誇りなどというもので腹は膨らまんのだよ、巨乳メイドちゃん! おいデカブツ、そろそろそこをどけ!」

ランスはバーサーカーの斧剣の連撃を強引にすり抜け、その懐へと飛び込んだ。カオスの刀身が、さらに禍々しい黄金と黒の光を放つ。

 

「超スーパー鬼畜・烈風(れっぷう)の構えからの――脳天唐竹割りィィッ!!」

 

ドガァァァァァン!!!

 

カオスの無効化の呪いが、バーサーカーの超再生直後の肉体を再び両断する。ヘラクレスの巨躯が、凄まじい質量を伴って地響きを立てて崩れ落ちた。これでまた一つ、ストックが消し飛ぶ。

 

「バーサーカー!?」

イリヤが驚愕の声を上げたその隙に、凛がバルコニーの直下へと滑り込んだ。

「そこまでよ、イリヤスフィール! これ以上やったら、アンタの大事なお城のインテリアが全部ランスの肥やしになるわよ!」

 

「なっ……!」

イリヤが周囲を見渡すと、美しい白亜の城の正面玄関はすでに木っ端微塵、庭園はただの荒地と化し、頼みのメイド二人もセイバーとアーチャーに完全に武器を抑えられていた。

 

『おい心の友よ、今だ! あのロリの魔力供給のパスを一時的に遮断して、城の所有権の書き換え(物理)を要求するのだ!』

カオスが魔法ボックスの中でゲラゲラと笑う。

 

「よし、この城はたった今から『ランス城・冬木別邸』とする! がははは!」

ランスがカオスを地面に突き立て、勝利の雄叫びを上げた。

 

「ううう……信じられない……。私のお城が、こんな野蛮な泥棒たちに……」

イリヤは悔しさに唇を噛み締めながらも、これ以上の抗戦は城の完全消滅を意味すると悟り、渋々バーサーカーを霊体化させた。

 

「……勝った、のか?」

士郎が、未だに無傷の「奇跡の土鍋」を抱えたまま、呆然と燃え盛る(元)正面玄関を見つめる。

 

「ええ、私たちの勝ちよ。これでとりあえず、今夜の屋根と、広いキッチンは確保できたわね」

凛はふぅと大きくため息をつき、焦げたツインテールを直しながら、城の奥へと進む号令をかけた。

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