※この作品はR-18です。

鬼畜聖杯英雄王ランス   作:おっぱいだああああああああ

25 / 28
第二十四話 傲慢死亡

「――目覚めよ、天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)!!」

 

ギルガメッシュが乖離剣エアを振り下ろすと同時に、三つの円柱状の刃が逆方向に超高速回転を始め、空間そのものを断裂させる赤黒い「世界の終わりの風」が凝縮されて解き放たれた。それは大気を、大地を、そして世界の概念そのものを噛み砕きながら、ランスを目がけて一直線に突き進む。

 

「お嬢さん、全員を私の後ろへ!!」

アーチャーが絶叫し、残された魔力のすべてを注ぎ込んで『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』の残る花弁を最大展開する。セイバーも士郎とイリヤを組み伏せるようにして地面へ伏せ、バーサーカーがその前に肉体の壁となって立ち塞がった。

 

だが、その全方位消滅の光の渦を正面から見据えながら、鬼畜王はただひたすらに、獰猛に笑っていた。

 

「がははは! 世界を壊す風だと? 上等だ! なら俺様は、その壊れた世界ごと、お前を力ずくで寝取ってやるわァァァッ!!」

 

ランスの全身から溢れ出る黄金の気力塊(オーラ)が、アインツベルンの霊脈を限界まで酷使し、真っ黒な魔剣カオスの呪いと完全に融合した。それは理不尽なまでの質量を持った「暴力的エネルギーの嵐」となり、彼の周囲の空間を強引に固定化していく。

 

「喰らいやがれ、金ピカ野郎! これぞ俺様の最高、最強、最悪の一撃――!!」

 

「『ハイパー鬼畜・ワールド・クラッシャー』!!!」

 

ドッパーーーーーーーン!!!!!

 

天地を裂く赤黒い終末の暴風と、すべてを力ずくでねじ伏せる黒金の鬼畜オーラが、アインツベルン城の庭園で真っ向から大激突した。

 

その瞬間、音が消えた。

あまりのエネルギーの質量に空間が耐えきれず、一瞬だけ世界が白黒に反転する。

次の刹那、アインツベルンの広大な森を丸ごと揺るがす、前代未聞の大爆発が巻き起こった。

 

ズガガガガガガガガガガガガァァァァァン!!!!!

 

「くっ……ああああああっ!!」

アーチャーの『ロー・アイアス』が全ての盾を瞬時に粉砕され、その衝撃波だけで彼自身が霊体化寸前まで吹き飛ばされる。バーサーカーの強靭な肉体も一瞬で数回分の命を消し飛ばされ、キャスターの神代の結界など紙クズのように引き裂かれた。

 

爆煙と光の奔流が収まり、激しい静寂が戻った戦場。

 

白亜のアインツベルン城の半分は文字通り跡形もなく消滅し、庭園は宇宙のクレーターのような不毛の荒野と化していた。

 

その中心で、両者ともに立っていた。

 

ギルガメッシュは、手にしたエアの回転を止め、信じられないというように自身の胸元を見つめていた。彼の誇り高き黄金の甲冑は完全に叩き割られ、そこから鮮血が止めどなく溢れ出ている。

「……馬、鹿な……。我が、乖離剣の出力を……生身の、それもただの欲の塊のような雑種が……相殺、しただと……!?」

 

一方のランスもまた、立ってはいるものの、その肉体はボロボロだった。全身の皮膚が裂け、黄金の気力が激しく明滅している。しかし、その手にあるカオスだけは、未だにどす黒い輝きを失っていなかった。

 

「ハァ……ハァ……がは、は……。どうだ、金ピカ……。世界を壊すオモチャよりも、俺様の、欲望のパワーの方が……一枚、上手だったなぁ……!」

 

『おいおい心の友よ、流石に儂の刀身もガタガタだわい……。だが、あの成金男の、心が完全に折れかかっておるぞ!』

 

「おのれ……おのれ、おのれぇぇぇっ!!」

ギルガメッシュは激しい屈辱のあまり、血を吐きながら『王の財宝』を開こうとするが、身体に受けたカオスの呪いが魔力回路を激しく阻害し、空間の歪みが維持できずに霧散していく。

 

「英雄王、ここまでだ。これ以上の戦闘は、貴方の現界そのものを危うくする」

影から現れた言峰綺礼が、珍しく険しい表情でギルガメッシュの肩を抱え、強制的に霊体化の術式を起動した。

「……キャスター、貴女も退きなさい。この異物の戦闘能力は、もはや聖杯戦争の枠組みで測れるものではない」

 

「え、ええ……。あんな化け物、付き合っていられないわ……!」

キャスターもまた、恐怖に顔を歪めながら、言峰と共に空間の歪みの中へと消え去っていった。

 

最悪の強敵たちが、ついに完全な敗北の味を占めて撤退していく。

 

「ハァ……終わった、の……?」

瓦礫の中から這い出てきた凛が、信じられないものを見る目で、クレーターの中心に立つランスを見つめた。

セイバーに守られて無傷だった士郎も、言葉を失ったまま、手元に残った「奇跡の土鍋」をぽろりと地面に落とした。

 

「がははは! 見たかお前ら! あの成金野郎を、ついに完全撃破してやったぞ!」

ランスはボロボロになりながらも、フンと胸を張り、勝利の雄叫びを上げた。そして、その不気味な目を、城のバルコニーで呆然としているイリヤ、そしてセラとリーゼリットへと向けた。

 

「よし! 邪魔者はいなくなった! 約束通り、今日からこの城のメイドも幼女も、全員俺様のハーレムの――」

 

「「「(魔力最大出力のガンド / 風王結界の鉄拳 / 投影・偽・螺旋剣の鈍器殴打)」」」

 

ドガァァァァァン!!!!!

 

「痛っていぃぃぃ魔女どもめらぁぁぁっ!!」

 

世界を救ったはずの鬼畜王は、次の瞬間、自分を庇ってくれたはずの味方(と、あきれ果てたアーチャー)の手によって、今度こそ半分崩壊したアインツベルン城の瓦礫の奥深くへと、派手に叩き込まれるのだった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。