満員電車で私を触っていたのはカレシのはずだったのに 作:かめのこたろう
………
その日、学校に行ってからずっとイライラして過ごした私は、授業が終わり放課後になったらすぐにカレのマンションに直行した。
大学生とやらはとてもヒマなものらしく、いつもこの時間帯から大概部屋にいる。
鍵がかかっているかどうかを確認するつもりも無くいきなりドアノブをまわすと予想通り呆気なく開く。
そして無言でローファーを脱いでそのまま上がると、リビングの長ソファーにカレは何時もの格好何時もの姿勢でだらだらとテレビを見ているところだった。
躊躇無く入ってきた私を訝しがることもなく、視線を向けてくる。
それを真っ向から見つめたまま、歩く勢いをとめることなくそのまま胸に飛び込んだ。
このアタックにはさすがにちょっとびっくりしたみたいだけど。
私の方は今、そんなのを気にしている余裕は無い。
横にスクールバックを放り出して顔を寄せると。
おもいっきりキスをする。
舌だって最初から入れちゃう。
朝、痴漢にしてやられた腹立たしさとイライラを解消するにはこれしかないって。
一日中机に座りながら考えてたんだ。
そんな私の気持ちなんて全然わからないだろうけど。
激しくヤリたがってるってことは十分に伝わったんだろう。
すぐに応えてくれた。
四つんばいで覆いかぶさるようにしている私とディープキスをしながらゆっくりと両手をお尻に廻したら。
スカートを割ってぴったりとやわらかくフィットしている白いコットンのショーツ越しに握るとやさしくもみはじめる。
そう、それでいいの、早く触って。
さっさとあの感覚を上書きしたいの。
痴漢じゃなくてアナタの愛撫で感じたいの。
すべすべした下着の生地の肌触りとむにゅむにゅと適度な力を加えられる感覚にどんどん身体は熱く反応していく。
気持ち良い。
もちろんディープキスはしたまま。
涎がこぼれようとかまわない。
やがてお尻をもみ続けていた手が少し下がり、太股の裏側から股関節近くをゆっくりなでたり、ショーツの上からお尻の割れ目にそって指でツーっと伝ったりさせる。
どんどん神経が集中している敏感な場所へと責めるところが移っていく。
はっきりとした性感帯を弄られて快感を高められていく。
そのたびに私は素直な反応を返した。
くぐもった声を挙げてビクッと身体を震わせた。
とっくに溢れたものが下着を濡らしているのはわかっている。
それでも一番肝心なところにはまだ触れない。
触れてくれない。
もどかしくて悔しい。
そうして苛めるんだ。
情けないほどあられもなく感じている癖にそれでも強がっている私を堪能してからじゃないとアナタは次に移ってくれないんだ。
でもそれがいい。
こうして自分よりも成熟した経験豊かな男に包み込まれるように責められるのはとても心地良い。
適度な反発と抵抗が私の中の女をさらに燃え上がらせるんだ。
そうしてじれったい快感に震えながら腰をくねらせて挑むようにキスを続けるセーラー服のJKを楽しんだカレはやっと次へと移る気になってくれたようだった。
身体を起こすと、私を後ろに倒して横たえる。
今度は体勢が逆になった。
私が見上げて彼が覆いかぶさるように見下ろしている。
すると今度は何もしようとしない。
じっくりと舐めるように足元から視線を上げていき、やがて瞳をじっと見つめてくる。
夏のセーラー服と短いスカートなんて散々みているくせに。
ああ、また。
これも何時ものテクニック。
私をじらして何か自分からしてくるか期待して待ってみるんだ。
そうわかってはいても思わず切ない表情を浮かべてしまう顔をそらしてスカートから出してる膝をもどかしそうにこすり合わせてしまう。
いわゆる「もじもじ」してるようにでも見えてしまってるのだろうか?
そして何時もは私からまたキスをしてみたり、カレの腕や胸を誘うようにいやらしく撫でたりするとやっと続きをしてくれたんだけど。
このときは痴漢に対する腹立たしさとか、今自分の頭を占めているエッチな気分が溢れてはじけていろいろごちゃごちゃになっていた。
だから自分でも信じられないようなことをしてしまった。
顔はそらしたままで瞳をカレに向けてじっと注がれてる視線を真っ向から受け止める。
そしてゆっくりと脚を広げながら膝に手を伸ばしていく。
膝上二十センチのスカートが広がってみるみる下着が出てきても止まらない。
遂に膝を抱えてM字に脚を大きく開いた状態になる。
下着一枚以外には何も覆うものが無い、心もとない感覚が下半身全体から湧き上がる。
ちょっとした空気の流れすら丸出しになった太股に感じるような気がするくらい。
するとカレの視線が私の顔からすっと降りていき、抱えた足の真ん中、下着が覆っている私のアソコで止まったのがわかった。
見なくてもわかるほど、もうびしょびしょに濡れてるのがはっきりわかるその場所。
水気の多い感触に、ショーツの布越しでも形と色が露になってるのは間違いない。
そこを見られてる。
自分から脚を開いて。
そうよ、アナタにいいようにされて何時までも恥ずかしがってる私じゃないの。
むしろ我慢できないのはそっちでしょ?
こんな可愛い女の子がいやらしく濡らしたアソコを自分から見せ付けてるの。
ほら、さっさと自分に正直になりなさいよ。
その敵愾心と反抗心が私を支えると同時にさらに欲情を齎す。
じんじんと身体の奥から疼きが絶え間なく湧き出てくる。
しばらくカレはそのままじっくりと広げた足とその真ん中を観察してから、また私の顔へと視線を戻した。
その時にははっきりと視線を合わせて、「どう? 何時までもいいようにされてる私じゃないの」って思いをぶつけてやろうと思っていたんだけど。
カレの茶色い瞳が私の目を見つめようとしたそのとき。
衝動的に視線を横にそらしてしまった。
なんだこれは。
まるで恥ずかしがってるみたいじゃない。
自分からやっておいて。
カッコワルイ。
その情けなさと悔しさ、恥ずかしさと気持ちよさが混じってはじけそうになった瞬間。
ずぬぅぅぅぅっ!
(っ!!)
カレは何の前触れも無く、まったくの無防備に思い切り晒している私の一番気持ちいいところを指先で突いた。
人差し指を音がしそうなほどの勢いで濡れたショーツ越しに突っ込んできた。
さんざんに焦らされて辱められて意地悪な間を置いた上で自分から恥ずかしい格好をした上でのピンポイントの攻撃。
すっかりヌルヌルに溢れさせてる内壁を痛いほどに刺激をしながら、下着の布を巻き込んでなお半ばまで入ってきた容赦ない蹂躙行為に。
あ゛ーーーーーーーっ!!
一瞬で絶頂に至った。
頭の中は真っ白、強く閉じた瞼の裏にいくつも煌く火花の光がなんども見えて。
声を上げて腰を跳ね上げてしまった。
がくがくと震える膝を力いっぱい握り締めてその衝撃に耐えることしかできなかった。
失神するかと思うほど、強烈な快感だった。
………
その最初のオーガズムを迎えた後、本格的に始まったセックスに只管没頭し続けた。
触りあって。
舐めあって。
弄りあって。
イカされて。
イカされて。
イカされて。
やっとイってくれて。
その繰り返しを数回して私が限界を迎えたときにやっと終わった。
脱ぎ散らかしたセーラー服と下着が散らばる部屋の中。
生殖の本能をたっぷりと満たした私の身体は気だるい快感の余韻に浸ったまま脱力している。
もう話すのもだるい。
まだびちゃびちゃに濡れてるアソコを拭くことすらしないで、ベッドの上でうつ伏せでボーっとすることしかできない。
危険日だからゴムはしてくれているし、そっちの心配は無いというのもある。
裸の背中とお尻、力なく開いた足を布団もかけずに全て晒している格好はどれだけはしたないものだろうか。
カレ以外には誰にも見せたことがない姿。
親だってこんな風にイキ疲れてだらしない格好を晒している自分なんて知らない。
ふとそんな想いがよぎるも、それもすぐに倦怠感が押し流していった。
ゆっくりと髪を撫でられる。
そして少し落ち着いてきた私の様子に心地良い抑揚の声でポツリポツリと話しかけてくる。
「うーん」とか「うん」とか。
そんな明らかにやる気の無い声で反応してるうちにやっと普通にしゃべれるようになってくる。
この時間が一番好き。
大好きな人と激しいセックスをした後に持つ、ゆっくりと囁きあう時間。
確か「ピロートーク」とか「睦言」って言うんでしょ?
それまでの行為と快感が強く激しかったほど、静かで穏やかなこの時間の気持ちよさも高まる。
今日のは格別だ。
今まででも一番感じてイッたからだと思う。
元々セックスは嫌いじゃないけど、こんなに乱れるなんて初めて。
それもこれも原因は明らかにあの痴漢にあったことなんだろうけど。
あのイライラと悶々があったからこそ、今日はこんなに我を忘れたんだ。
そう、髪や背中を撫でながら語りかけてくるカレの言葉に頷きつつ思い出した。
そして気がついたら口をついてその出来事を語っていた。
カレはそれまでと全く変わらない抑揚で「ふーん」って感じで聞いていたんだけど。
でもちゃんと意識を向けて真剣に聞いてくれているのがわかる。
穏やかな無表情、撫でている私の背中から視線を動かさないそこには確かな心配と憂い、そして私に対する愛情があるのがわかり。
うれしくて幸せな気持ちになる。
そうして全てを語ってしまった。
二年前、最初に痴漢にあった時は怖くて怯えたこと、見知らぬサラリーマンが助けてくれたこと。
つい最近、二度目の痴漢に遭ったこと、でも全然怖くなくて突き出してやろうと思ったけど我慢したこと。
そして今日はとうとうお尻を握られて我慢の限界が来たけど、タイミングが悪くて対応できなかったこと。
もしかしたら「最後に握られたときはちょっと感じた、それでさらに腹が立った」というのは余計だったかも知れない。
でもそんな私の話をずっと静かに相槌を打ちながら聴いてくれて。
うつらうつらし始めた私をやさしく抱きしめてくれた。
そんなサイコーに気持ちよくてすっきりして幸せな時間の最後。
カレはポツリと言ったんだ。
「しばらく一緒に電車に乗るか」って。