満員電車で私を触っていたのはカレシのはずだったのに 作:かめのこたろう
それから彼との電車通学が始まった。
毎朝、駅前で待ち合わせして一緒に電車に乗る。
もちろん、彼はそのままどこかに行くわけではない、私を送ったらそのまま反対方向の電車に乗って戻っていく。
そして部屋に帰ってごろごろしたり、たまにある大学の授業とかに行ったり。
だから純粋に私を送るためだけに一緒に乗ってくれてるんだ。
まずその事実だけで私はうれしくなってしまって、テンションが上がってしまう。
駅前の待ち合わせ場所に彼の姿が見えるたびにぴょんぴょん跳ねて、近づいて抱きつきたくなっちゃう。
そしてそんな単純さを見透かされるのがヤダから、がんばって何でもなさそうにツンと澄ました顔を作る。
まあ、当然でしょ?
こんな可愛いJKの彼女なんだから。
って感じ。
でもどうがんばっても、頬が火照ったり、急に恥ずかしくなって視線を逸らしちゃったりする仕草でわかっちゃってるんだろうなぁ。
ちょっと悔しい。
私、これでもけっこう大人の女なの。
子供じゃないの。
アナタ以外の男達なんて、良い感じで手玉にとったりできるのよ?
なーんて心の中で嘯きつつも、私を女の子扱いしてくれる彼の頼りがいがある大人なところにあらためて惚れ直しているのが真実だ。
そんな風にいろいろ考えている間にも一緒に改札を抜けて電車に乗り込む。
溢れる人並みを避けて二人で端の方を陣取って。
最初はいろいろな場所を試してみたけど、何度か乗るうちに自然と壁際にポジショニングするようになっていった。
それ以外の場所だと駅に停車して乗り降りが発生するたびに、流されてしまって離れ離れになる可能性が高いからだ。
今日もその例に漏れず、ちゃんと壁際をゲットできた。
二人で並んで向かい合い、それぞれの肩を壁に押し当てるように立つ。
周囲は完全に人で埋められてぎゅうぎゅう詰め。
その中で互いに身体を押し付けあうようにぴったりと密着している。
もうなんの遠慮会釈も無し。
だって周りの圧力が凄まじいから、せめて大好きなカレの方に行こうとするのはしょうがない。
傍目には抱き合っているように見えるかも知れない。
私は両手の平を彼の胸に当てて、彼は私の腰に手を回している。
この頃BからCにブラのサイズを変えたばかりの胸がセーラー服の下でむにゅーって変形している、その感覚がはっきりとわかる。
押し付けられているカレもその感触をちゃあんと認識しているだろう。
他の人ならこんな風にはできないけど、前にいるのが好きな人なんだから全然平気。
すでに私の身体中を見知っていてどんなところだって触って弄って舐められてるんだから。
むしろ幸せ。
人いきれと蒸し暑さは相変わらずだけど、それすら我慢できるほど、この状態は安心感があった。
現にあれから痴漢を受けることは一度もない。
まぁ、こうも露骨にカレシと一緒にいるところを見せ付けているんだから、当然と言えば当然だろう。
これでもなお触ってくるヤツがいたら、それはもう何か頭がおかしいとしか思えない。
だからこの頃になると段々、痴漢対策が目的だったことすら忘れつつあった。
単に大好きな恋人と一緒の電車通学を楽しんでいる感覚になっていた。
そんな私の心情はカレも一緒だったんだと思う。
もう痴漢の脅威が無いことを理解してしまったら、後は私という彼女と身体を密着させて電車通学を満喫しているという事実だけが残っちゃう。
そこでちょっとした悪戯心が出てきちゃうのは、しょうがないことなんだろう。
人前でイチャつきたい願望があるのは男の人だけじゃなくて女の子もそうだもん。
もちろん私にだってある。
だから、腰にまわっていた掌がゆっくりと下がって包み込むようにスカート越しにお尻を触り始めたときも、あんまり焦りも驚きもなかったんだ。
それでも睨むことはした。
小声で「ちょっと!」って責めてはみた。
でも隣り合う人は背中を向けていて、完全に死角になっていそうなこと。
私のそれなりに怖いつもりでした顔に対して返された、無邪気なカレの笑顔。
この二つが『こんな人前でダメだよ!』っていう私の言葉を飲み込ませてしまった。
何より。
ゆっくりと形を確かめるように、私のお尻を這い始めたその感触。
ぶるっと震えるような快感が襲ってくる。
いつも部屋で抱き合いながらする愛撫そのものの動きだった。
ちゃんときっちり気持ちよくなってヤリたくなって我慢できなくなっちゃうようにされるときの触り方そのものだった。
だから感じちゃうのは当然なんだろう。
好きな人にいつもセックスするときと同じ触られ方をされているんだから。
唯一違うのは場所だけ。
何時もは二人だけの部屋だけど、ここは周りを知らない人間にみっちり囲まれた電車の車内だということだけ。
その違いは果てしなく巨大で絶対的なものの筈だった。
普通ならこんなところでやっちゃいけない、見られたらもう終わりって筈だった。
でも実際に始まってしまった今はっきりとわかる。
その「見られちゃったらどうしよう、気がつかれたらどうしよう」っていう気持ちが。
それこそが私を熱く焦がし始めてる。
好きな人と一緒にいる安心感と他人に見られるかもしれないスリル。
それこそがこうしてスカート越しのお尻への愛撫を普段以上に感じさせているんだと確信する。
……すっごく気持ちイイ。
ヤバいくらい。
両手でゆっくりと互い違いに回転するように撫でることでお尻のお肉が上に引っ張られて下に押し下げられて変形を繰り返す。
割れ目の近くとか、足の付け根のところとか敏感な場所が摺られるたびにぴくっぴくって反応をしちゃう。
もう自分がその気になり始めてるのがわかった。
堪らなくなって、顔を思い切りカレの胸に押し付けて何も見えないようにした。
そんな私を笑うように。
スカート越しに撫でていた手が、とうとう中に入ってくる。
淡いピンクのショーツ、ナイロンの薄い生地は好きな人のいやらしい手つきで触られてしまうと、むしろ何も履いていないときよりも強い快感をお尻に伝えてくるようだった。
すべすべの感触と肉体の柔らかな部分を変形される感覚。
スカート越しよりもはっきりと感じる快感。
もう完全に感じていた。
むにゅむにゅと両手でこねくり回される感触に恥ずかしさと好きなように弄られているという被虐的な想いがさらに自分を襲う。
こんな……っ。
こういう種類のプレイがあるのは知ってた。
友達の体験談とか、読んでるファッション雑誌のエッチ特集みたいなので、何処で人が見てるかわからないような公園とかビルの陰とか、そういうところでエッチすると気持ちいいなんて話がいっぱいあるらしいことくらい。
でもまさか自分がこうしてするなんて。
そして明らかにいつもよりも感じちゃってるなんて。
もうカレの標的はお尻だけじゃなくなっていた。
片手は前の方に移って、アソコの毛が生えている下腹辺りをショーツ越しにゆっくりと指先でくるくる円を描くように弄ってる。
これもされるのが好きな愛撫の一つ。
やがてその下にあるもっとはっきりと快感を伝えてくる一番気持ち良い場所への責めを否応も無く想像させるその愛撫に私はヨワイ。
焦らされる感じがスゴイ。
それをこんな状況でやられてるんだから堪らない。
何時しか後ろ側の手はお尻の穴を下着越しに弄り始めてるし。
私はカレの胸の中に突っ伏したまま、声を殺して体の反応が出ないようにひたすら努力することしかできなかった。
ぴくっぴくっと震える身体を必死で抑えて、声がでそうになるのを何とか鼻から空気を出して堪えた。
このままもう少し続けられたら行き着くところははっきりしていた。
間違いなくイク。
こんな人ごみの中で女の子が性的なピークを迎えちゃうなんて、いくら好きな人にされていることでも抵抗がある。
さすがにもうヤバイよ。
ここまではいいけど、こんなところで最後までイッちゃうのはヤダ。
その最後の一線は越えたくないっていう切実な思いが私の顔を上げさせた。
そして『もうやめて、これ以上は駄目!』っていう思いをカレに伝えようとしたその時。
電車が目的地に着いたことを告げるアナウンスが流れ始めた。
それにあわせて私の身体を弄っていた動きも止まった。
なんとも言いようが無い顔でカレを見る。
バツが悪いような、恨むような、それでいて恥ずかしいような顔。
対照的にどうともないような飄々とした表情のカレは扉が開いて二人一緒に降りる少し前。
私のおでこにやさしくキスをした。
その後、駅で別れてすぐにトイレに入る。
確認するまでもなく、はっきりと楕円形のシミが出来ているピンクのショーツ。
私は膝まで下ろして、糸を引いて濡れているそこをティッシュで拭ったあと、再び履きなおした。
ちょっと湿ったひんやりとした感触は二時間目くらいまで気になった。