※この作品はR-18です。

【急募】悪徳領主募集。最低収入保証。寝取りやすい職場です。   作:よるのけだま

11 / 39
おまえの人妻はいただいた

 113年6月17日 PM 05:15

 

 アロレア地方・ラルトマン領・第9管区南。地方領主館。

 

 結局あのあと5回くらい射精して、終わったころにはびくりびくりと痙攣してポアンはろくにしゃべれなかった。ベッドの上で全裸でお見送りしてくれたときも、ちんこをぺろりと舐めて、いってらっしゃいのちゅーです、とだけ言って、そのままベッドに伏せた。領主館を出たのは昼過ぎだった。

 ママーはあくびしながら起きて、長かったわねえ、と出かける支度を始めてすぐに終えた。悪魔は身軽らしい。

 第9管区は同じティンダール殿下の管轄のため、それほど遠くはない。やりたいとは思わないが、第8管区から通うこともできただろう。新幹線で東京静岡間を通うくらいの感じだ。

 

 ほかの領主に会うのは初めてだが、第9管区南の領主はわかりやすい無能だった。

 このおっさんは、たぶん魔力がほぼない。太っているし、剣もかなりまずそうな気配はある。あと5ヶ月後に成敗返しされたときには助かりそうもない。

 

「あらー、そいえばあんまり女の子以外の品定めスキル慣れてないわねえ、そういうのもけーちゃんにはあるはずなんだけどぉ」とママーがとなりでつぶやいた。

 

 たしかに、女の子だったらもう寝取れるかどうかがぼんやりわかっている。このおっさんは、無能そうなおっさんだとしかわからない。

 

「ずいぶんお強いとお聞きしています」とおっさんは言った。

「いえ、30年なにもしてませんので、さして」と俺は言っておいた。

 

 あー、そうか。そもそもここでなんか相手のステータス確認しなきゃいけないんだろうな、などと異世界初心者みたいなことを思う。

 まあでも、ステータス確認はしてないが、ほぼ負けることはないだろう。相手のステータスって魔法だっけな? 寝取れるかどうか判定はスキルなので、このへんのテクニックが俺はぬるいのだろう、たぶん。

 ただ空気が一変したのはそこからだった。

 

「手を出すのも早いようで」とにたついたおっさんは言った。

 

 こいつがこれを言ってくるのはなかなかだ。

 まだ1ヶ月しかたってないし、ポアンとステアリーにしか手を出してない。つまみぐわない寝取り男をしています。もはや誠実な寝取りですらある。

 なぜ()()()()()()()()のか。

 

「え、どこ情報ですか?」

「午前にやってきた行政官、あれ、あなたの女でしょ」

「なにを根拠におっしゃっているのやら」と俺は嫌な空気を感じる。

「そりゃ、散々抱きましたからな。いやだいやだ、とずっとあなたのお名前呼ばれてましてね。()()()()()()。しかしね、彼女には旦那がいるらしいじゃないですか」

「ご冗談を。穏やかじゃないお話だ」と俺は答える。「彼女はまだ調査中ですか?」

 

 ちらりと横を見たが、ママーの表情はとくに変わっていない。

 どんとしていろということかもしれないが、これがスタンダードな対外姿勢なのだとすると、なかなかだ。

 

「いや、我々の調査は膣の中まで終わってますな。郊外に調教部屋があるんですけどね、いまそこで縛ってますよ。もう領民にもいきわたってるんじゃないかな」

「なるほど」と俺は思わず自分の魔力の残量を確認した。

 

 ママーはすっと俺の腕をとったが、おそらく制止しているのだろう、これは。

 あれこれなに、なんか思いがけない展開なんだけど。

 

「ああ、いやね、お怒りもわかりますけど、待ってくださいよ。これティンダールさまのご命令でして」

「ティンダール殿下の? ここに来たのも殿下のご指示なのですが」

「そのようですね。ただあなたの行政官に最初に手を付けられたのはティンダールさまでしたよ。あなたに悪いので尻穴で我慢しておこうとおっしゃってましてね。忠実な部下だからね、と笑っておいででした。おやさしい方ですな。まあ我々は存分にどちらの穴も愉しみましたがね」

「ご冗談をおっしゃっているわけではないようですね?」と俺は確認する。

「私、こう見えて領主3期目なんですよ。気づいたんですね、成敗返しって領民を共犯にして、領民じゃないのに手を出せばまずされない」

「それをいま私に伝えることの意味がいまいちわかりませんな」と俺は言った。

「穴のご提供に感謝します」

 

 ママーはやはりぐっと腕を掴んでいる。抑えろ、ということかもしれないし、ママーも苛ついていて強く握っているのかもしれない。

 しかし、この管区ごと焼けるのだろうか。厳しい気はする。もっと修行しておけばこのゴミどもをすべて処理できたのだろうか、と考えはじめている。

 こいつは確実に殺せる。

 ただ領民ぜんぶを焼いたら、さすがにティンダールのクソ野郎がキレるだろう。

 ラルトマン家と戦うか? 領民1万くらいの弱小領土ではあるが、さすがに30年ニートをしていただけの戦闘経験のないニートでチートに滅ぼされることはないだろう。ないかな? ないよな? きっとできないよな? でも、チートだし、ワンチャンあっても。

 とりあえずステアリーの様子を確認してからだな、と思う。

 

「提供した覚えはないが、会えますかね」と俺はイッサイガッサイ飲み込んで言った。

「お気になさらないんですか?」

「殿下のご指示ならばやむを得ません。もともと私のものでもありませんしね」と極めて冷静に言い放った。

「いえいえ、あの見事な調教はあなたの手腕でしょう。できればあしたの朝まで貸しておいてもらえませんかねえ」

「それは構いませんが、5分でよいので。業務確認だけしたく」と俺は言った。

 

 これ以上しゃべらせるなよ。

 戯言だと切り捨てたい気持ちが大きいが、しかし、さっきから会話にはステアリーを実際に見ているし抱いているだろうと思われる情報が入ってしまっている。行政官の性行為の具合まで知ることは通常ないからだ。

 ステアリーが非常にマズい状態だと決められる要素もないが、完全に無事だと思うのは楽観的すぎる。

 

「いえね、業務連絡ですか。まあ、あの女、朝ここについた瞬間からいきなりさらったので。もう朝から精液かちんこしか見てないんですわ」と言ってガッハッハと笑う。「調査もクソもない」

「もしかして、依頼自体がフェイクですか?」

「いいえ、依頼は本当です。ちょっとモンスターがわくようにはなってましてな。今日あなたの行政官が回されてるのも、調教部屋にしてはおるんですが、本来は見張り小屋なんですよ。みんな男衆はぴりぴりしてましてなあ。それもあって慰みものになってもらってます」

「では、見張り小屋をご案内ください。ステアリーとは今後のことは詰めますから。そのあとは好きになさったらいい」

「よろしいんですか!?」

「殿下のご意思ならば」と俺は最大限のリスクヘッジをする。

「いい忠誠心。さすがにどこの馬の骨ともわからぬのに拾い上げてもらっただけはありますな。恩義をとても感じられているご様子」

 

 ただどのみち、こいつはステアリーやティンダール殿下と話したあとで殺す。

 最長で寿命あと1日くらいだ。

 場合によっては、というか、逃げ切れる算段がたてば、ティンダールも殺す。

 ただポアンは領地にいるので、いま手を出すのは賢明ではない。

 待て。

 領地のポアンも危ねえなこれ、クソみたいなピンチ。やっぱ引きこもってたほうがよかったわ。

 世界は胸糞が悪い。

 

「殿下はどこにいらっしゃいますか?」

「朝、見張り小屋にはいらっしゃいましたよ。私は昼前にはあちらを出たので、いまの正確な場所は」

「いやあ、いるよー」とティンダールの声がした。

「殿下、第8管区東の領主・ケージー=ティンダー、ご命により参りました」と俺は膝をつく。

 

 ただ、声はするがいっこうにティンダールは現れない。

 魔法か。

 

「俺もおまえに殺されるわけにはいかんのでね。声だけで失礼する。おまえの行政官が小屋にいるのはそうだよ。まあ、おまえがいま想像している姿とはだいぶ異なるだろうけど」

「かなり悪い想像してますけどね」

「ま、いい尻穴だったよ。ずいぶんとカンタンにクソをしたのには驚いたが、いい穴だった。あれはおまえが?」

「そうですね。かわいがっておりましたが、殿下がご所望とあれば」

「じつに殊勝だな。おまえなら、屋敷ごと焼き払えるだろ? 俺は知ってるぜー」とティンダールは気だるそうに言うが、おっさんは青ざめて言っている。

「ま、待ってください、ティンダールさま! お話がちがうじゃないですか!? あの、ケージーさま、じつはこれは誤解で——」

「俺がケージーより先に殺すぞ、黙ってろ」とティンダールが暗い声で言った。「怖いなら逃げてろ。どうせ今期で領主は解くつもりだった」

「そんな……いや、お許しを。ほかでお使いください。お役目果たしたく」と唐突に失職しそうになったおっさんは粘る。

「じゃあ、語ってやれよ。どれだけ激しく行政官やったか。泣いてたし、ずいぶんひどい傷つけ方をしただろ? おまえらのやり口で、回復できないようにバイタルステータスが動くまで縛り付ける」

「いや、歯だけです! 歯だけですよ。フェラさせたときに気持ちいいので。いや、ほんとうにだいじょうぶですか、ティンダールさま」

「知らん。おまえのやったことだろ。俺は尻穴掘ってうんこさせただけだ。まあ、うんこしたのはあの行政官であって、俺の望みじゃなかったが」

 

 俺は椅子に足を組んで座る。

 いいだろう、やってやるよ、ティンダール。

 

「つづきをどうぞ、領主どの?」と俺はつづきを促す。

 

 おっさんはたどたどしく、汗をかきながら説明をつづけた。

 

 おっさんは自分がいた段階では10人弱で、村で若くて性欲を有り余らせているやつを全員呼んだ、と言った。

 全領民が100人超しかいないことを考えるとほぼ村の若者が総出で犯したことになる、と算数の問題みたいなことを俺は考えた。

 ぜんぶ中出しだったのは申し訳なかったが、喜んでいた。

 尿もかけたり、ちょっと乳首も強く刺激したので怪我があるかもしれない、とぼそぼそしゃべった。

 

「まだあるだろ?」とティンダールがさらに促す。

「む、村で用意してます、その……他人の子を夫の子として申告した女に……その突っ込むとても大きなおもちゃがありまして……それもあの……かなり痛そうにしておりましたが、奥まで……」

「ずいぶんですな。バイタルステータスに影響は? 回復魔法は使ってもらえたんでしょうな?」と俺は尋ねる。

「そろそろ4、5時間たちますので、もしかすると回復魔法では修復できない可能性も……?」

「私の行政官を壊した、ということでよろしいですか?」

「いえ、そのあとも出してますので、使っております! 遊びで壊したわけではその……」

 

 なんのフォローになっているというのか。

 ただ、ティンダール殿下、この演出はやりすぎですね。

 

「バカだな、過剰すぎる。無能だなあ」とティンダールの声がした。「日和ってんじゃないよ、バレたぞいま」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。