【急募】悪徳領主募集。最低収入保証。寝取りやすい職場です。 作:よるのけだま
113年5月9日 PM 11:38
「すておー」と俺が言うと、中空にステータスが出てくる。
ケージー(愛称:KG) レベル12 男 33歳
所属 無職(33年目)
体力 440/440
魔力 346/346
攻撃力 221
防御力 222
魔法力 226
スキル:
魔法結界の名手
魔力タンク
魔法の真髄
隠密の剣技
フルバースト
隠密の真髄
アンダーマネジメント
人身掌握
チャームポイント
チャームストライカー
チャームスレイヤー
必殺必中
(中略 →詳細)
イカれた体力
ラッキースケベ
未知との遭遇・既知とも遭遇
糸を解き達人
ステルス恋愛偽装
友情のかたち・人間のかたち
寝取り体質(レベル9)
魔法: →詳細
魔法適性: →詳細
保持アイテム:ママー(使役魔・無属性)
何十行かあるので1回では覚えられない。というか、見てどうすんだ、俺自分のスキルの数とか覚えてねえわ。
だいたい「詳細」じゃねえんだよ、といつも思う。中空をタップしないといけない段階でステータスとして終わっている。
言ってもしょうがないので、なんか領地運用に使えそうなスキルないかな、と一覧から適当に見ていく。
「もぉ、けーちゃんってば。ちゃんと発音しなさぁい」とママーが言う。
ママーはmy motherの意ではない。この従属魔とか使役魔と呼ばれている魔族の名前だ。
「出るからいいだろ。掃除しててよ」と俺は言う。
前領主の臭いとか白い液体とか赤い液体とかが部屋に残っていたからだ。
ママーは世話が好きなのでやってくれる。というか、身の回りの世話以外は俺が求めていない。
「魔族だけどぉ、ママーのこと食べてもいいのよぉ」とママーは言う。「あなたとっても強いらしいからぁ、魔族とでも子作りできるみたぁい」
「いや、異種姦興味ねえんだよな」
「やーだぁ♡ じゃあ、今度襲っちゃお。新しい扉開いちゃお♡」
「まあ、それはそれでいいけど。ただ寝てるときね。起きてるときは忙しいから」
「まぁたお仕事なのぉ?」
「領主って忙しいらしいンだわ」と俺は言ったが、仕事内容はわかっていない。
そこでノック。
「邪魔するぞー」とティンダール殿下が入ってくる。「じゃあ、ちょっと早いけど、任命するからそこ立て」
「はっ、殿下」と俺はソファから起き上がって言う。
ママーはこういうときには邪魔にならないようただ微笑んでいるだけだ。
ちなみにティンダール殿下は妾腹なのであまり殿下と呼ばれることはない。
昨日寝た本邸の屋敷のメイドが、領主の雑な仕組みとともに教えてくれた。
異種姦じゃないのは興味があるので、無責任中出ししたけど領主になるんだし平気だろ。任期半年のあいだは可能な限り養ってあげよう。
たぶんこの世界でも半年じゃ生まれないと思うから、俺がつぎの任地に行ったらお別れだけど。
「ケージー、苗字をくれてやる。ケージー=ティンダーと今日から名乗るがいい」とティンダール殿下。
「はっありがたきしあわせ」
「なかなかないからな、おまえみたいなどこのウマの骨かわからんやつに。まあ、俺くらいになれば、おまえがなんか異常に強いことはわかるんだがな。せいぜい俺をライジングさせてくれよ?」
「粉骨砕身がんばります」
「あ。あとおまえに訊いとくことがあるんだが」とティンダールは言った。「親父が目をかけてたメイドがいんだけど、今朝この領主館に行きたいって言ってな? なんか身に覚えあるか?」
「いや、ないですねえ」と俺は言った。「なにか事情があるのでは?」
「身寄りないメイドらしいんだけどなあ。まあ、さすがに親父と離れすぎてるし、あのひとすぐ子ども増やすからな。おまえがあれなら融通してやってもいいぞ。俺に忠誠を見せるなら、さきに女をやる」
おっと、中出しが有責になる可能性を危惧している。
意外とよかったから、今日はその子呼びつけてんだよなあ、ここに。
「どんなメイドかわかりませんが、大領主さまのお気に入りとあれば、お怒りを買うかと」
「平気平気。すぐ忘れる。ただ今晩あたりやっちまうつもりだったけど、肩に触れただけで泣かれたって機嫌わりいんだよ」
「意外にお優しい」
「いや、やさしかねえよ。ヘキだよな。淫乱なのがいいんだってよ。泣かれると萎えるから殺したくなるんだって」
「……穏やかじゃない」
「まあ、ラルトマン家の当主だからな。まともじゃないさ、そりゃ。伊達に広大な領地持ってない。よし、任命終わり」とティンダール殿下は言った。
促されてステータスを開ける。
ケージー=ティンダー(愛称:KG) レベル12 男 33歳
所属 ラルトマン領・第8管区東側 領主
とステータスは更新されている。前世で働きすぎたので、のんびりしすぎた33年間、異世界でのさいしょの職が領主だったということになる。