【急募】悪徳領主募集。最低収入保証。寝取りやすい職場です。 作:よるのけだま
113年7月18日 PM 9:06
ティンダール殿下の魔法が消えて、沈黙が訪れた。
この空気をなんと形容していいのかはわからない。
ポアンはいまにも泣き出しそうな顔をしているが、同時に吹っ切れているようでもある。残念なことに、交渉というか、結果論としては最悪のルートを選んでしまっている。
いや、選んでしまったというよりも、もう基本はおしまいだ。
そもそもすでにティンダール殿下の管理からはポアンは表向きは外れている。ティンダール殿下はこちらで
ポアンはいま、ただのみじめで、なぜそうなったかすら理解できていない女の子だ。
「ちょっとあの、まずい立場なのはわかるんだけど」とポアンは言った。
褐色の健康的な肌に似合わぬ顔色の悪さだ。
立場がまずいことをことばよりはるかに顔が語っている。
「わかるんだけど?」
「あ、いや、わかりますが、昔話などしてみてもいいでしょうか?」
「同情されて減刑されたいって話?」
「もちろんそうです」と清々しいほどにポアンは言い切った。
「さきにいくつか。なんで名乗り出た?」
「ステアリーさんに同情しました。あとちょっと殿下を信じていたので余裕がなかったわけではない」
今回実情としてはステアリーではないのはわかっている(ステアリーが持ちかけた話なので)のだが、かりに俺がスパイがいることしかわかってない状態であっても、苛烈にステアリーを責め続けることがあるのか、が疑問だ。
ポアンはバカではない。
余裕はあったにせよ、なぜ名乗り出てしまったのか。
「わからんなあ。シンプルにだれがスパイだろうが、ステアリーにすること同じだけどな。おあずけされてるだけで、結局我慢のぶんだけ気持ちいいわけで」
「あんた、堕ちてる女があれだけ苦しんでるのに平気なの?」
「こういうのはエスカレートしやすいからね。過激になりすぎないようには注意してるけど、たまには刺激の上限くらいをついておかないとダレるだろ」
「鬼畜すぎる」
「ちがうよ、ポアンがわかってないだけ。自分が手加減されてるのわかんなかったんだろ、要するに」
「なんでよ」
「若いし、経験そんなにないだろ。調教はされてたにしても、セックスとはまたべつで、堕ちてないけど、開発もぜんぜんされきってない。
「……セックス気持ちいいし、しあわせじゃん。あんなに苦しそうなのはおかしいと思う」
「それは俺が処女卒業したばかりのザコまんこに配慮してやってただけ。まあ、これからは容赦しなくていいというか……。ステアリーには愛があって当然のようになんのラインも越えないようにやったけど、
「それはわかってるけど……」
「まあ、脱げよ。しゃべるにしても。四つん這いで生きろ。足で立つなよ」と俺は言った。
「脱ぐ……脱ぐから」とポアンはまずストッキングに手をかける。
褐色の肌には黒いストッキング。わかってる。こいつはわかってる。
ゆっくり鑑賞しようと思う。
「なにかしゃべって。あ、いや、しゃべってください」とポアンは言った。「ねえ、これまでこんな……え、待ってここからなの? こういうところから優しくされてた……?」
「慣れてない女をケアすんのは当然だろ。愛しかったわけで。寝取ってるだけで奴隷じゃねえんだから」と俺は至極正論を吐く。
「……えっ……いや、そう……そうだけど……過去形……」とポアンは泣きそうになりながら、ヘッドドレスを外す。
俺はだまって見ている。
ポアンはやさしくされるのをあきらめたように、エプロンを解き始める。
ぱさり、とエプロンは床に落ちた。
黒に近い紺のワンピースと白いカフスだけになる。
「あの……ドロワーズとワンピースはどちらを先に?」とポアンは訊いた。
「領主にそう教えられたのか?」
「いえ、バビロアさまもティンダールさまも脱ぐところには興味がないからわからなくて……あなたは見てるから……」
「下着から脱げ」と俺は言った。
まったく。どうせ調教されているなら、そういう基礎から学んでおいてほしいものである。
ドロワーズもエプロンと同じ場所にぱさりと落とされる。
白い。
同じく白い、パンツが続く。
いやー、パンツは履かせておくべきだったんじゃないですかね、どうですか、解説のKGさん、みたいなアナウンスが一瞬脳内を駆け巡るが、履かせておくべきでした。俺はミスを認められる。今度ステアリーでリベンジしよう。
「ファスナーを……おろして」とポアンはうしろを向く。
そばに寄って、ファスナーを下まで降ろす。
褐色でキズひとつないキレイな背中に、あいらしい肩甲骨が控えめな主張をしている。成長しきったのにちいさな背中を強く抱きしめたい。このまま服脱がせて天国に連れてっていっしょに連れて行って、と言わせてみたい気持ちをぐっとこらえる。
そう、俺は領主なので。
領主は悪いことをしてライジングしなくてはいけない。裏切ったメイドを簡単に許しては悪徳領主の名が泣く。
ニートを30年やっていただけで、もともと出世は得意だ。悪いことをしたほうがいい場合に抵抗などそもそもない。
ポアンは今日、ここで絶望させなくてはいけない。
スパイなので、その結果どう処分するかは重要なトピックではあるが、どのルートにたどり着くとしても、ここで折る。
ファスナーを思い切りおろして、肩からワンピースを引き裂いた。
「え……破くんですか……」と俺にびりと割かれたメイド服のワンピースは床になげうたれる。「ああ……そうか……もうこれ着ないのか……」
「これからおまえが話すって言ってる事情がなんであれ、裏切ったのは事実だからな。許されはしない」
「……ですよね……あ、いや、そりゃそうですよね。どんなによくても売られるんでしょうね、たぶん。このままなんてこと……あるわけないか……」
ブラジャーを外して、小ぶりで平板な胸がさらされる。
俺の好みで120万点くらいつけたい白めのうすピンクの乳首はおそらく立っている。
すぐにやさしく愛撫してやりたい気持ち4億パーセントを押さえて、床を指さす。
慣れた様子で素直にポアンは四つん這いになった。
「まあ、いけるか微妙だけど、いいよ。身の上話でもしてみろ」と俺はふたたび椅子に座り直して言った。
「わたしはもともと、第1管区の東の比較的豊かな家庭で育ちました」とポアンは語り始めた。
もちろん、這って椅子の近くに来て、俺の足のあいだから見上げる体勢になってからだ。
悪徳領主に好き放題されるメス犬というのは、そのようにしてしゃべり、場合によってはすぐにしゃぶらなくてはならない。
1年ちょっと前まではふつうに結婚相手を探していて、恋もいくつかした。15歳くらいのときに幼なじみとはじめてキスをした話をとても恥ずかしそうにした。
ちなみにここではじめてのフェラチオをしたらしいが、臭かったし、小さかった、とポアンは言った。
この幼なじみにだけはなりたくないと俺は思った。
これが、ポアンの実家が没落する前までのあたりさわりのない話だ。
キスもフェラもした、みたいなところのどこに甘酸っぱさを感じるべきかはわからない。
19歳になる1ヶ月ほど前、村が終わった、とポアンは言った。
「父が死んだんです。というよりもおそらく暗殺で、すぐにラルトマン家がやってきました。これ自体は問題ありません。父はわたし以外に子どもがいませんでしたので、当然の流れです。しかし、わたしはそこでラルトマン家のご兄弟になぜか捕らえられました」