※この作品はR-18です。

【急募】悪徳領主募集。最低収入保証。寝取りやすい職場です。   作:よるのけだま

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任務としての寝取り

 113年7月24日 PM 4:40

 アロレア地方・ラルトマン領・第8管区東。地方領主館。

 

 ずっとステアリーはにこにこしている。

 とても機嫌がいい。

 

「ぜったい浮気するから、寝室はわけます。鍵かけないけど♡」とにこにこである。「だいたいまずポアンさんの調教終わったらどうするんですか? わけてないと気まずいでしょ」

「えー、ポアンとママーはいいじゃん。4Pで負担減らせば」

「えー、ママーもいやよお、ベランダの巣気持ちいいし、快適ぃ。だいたいそんな全身性欲みたいなのと同じ寝室なんてぇ」としれっと辛辣なことを言う。

「私も毎日は元気ないですけど……」

「じゃあ、順番ね?」と俺は妥協する。

「いや、3日に1回もしんどいかもしれない……」

「ママーは発情期以外はたまにでいい! 3日に1回死にそうになるのいやねぇ」

「おまえら……どんだけひどい目にあってきたんだ……」

「だいたい本気でやられるとき、明け方まともな状態だったことないですよね?」とステアリーは言った。「生理でもムラっとしたでやりますもんね?」

「まあ、ぶっちゃけ子どもできるまでずっとやると思うけど……? ちなみに、信じてもらえないだろうけど、俺自身は1日1射精でべつにだいじょうぶだから、言うほど過酷じゃない」

「それはあれですか、死ぬほど長いびゅるびゅるですか……♡」

「いや、それはそうでしょ。ある程度の射精感はいるじゃん。1回ですますなら」

「……ごくっ……いや、日替わりで担当を決めましょう。あとこのさい2、3人増やしましょう、性的同盟を」

「妻になったら変わるもんだなあ」と俺はしみじみしてしまう。

「まだ妻じゃないですけど、しあわせに長く暮らすために、持続可能な性交をしたいと申し上げているだけです」

「服着てるとほんと真面目」

「あとだれか妊娠したら崩壊するシステムはよくないです」

「なんか俺のこと害獣みたいに扱ってない?」

「……私、赤ちゃんほしいので」

「ママー発情期以外妊娠しないからぁ羨ましい気もするわぁ。毎日バチボコされんのは嫌だけどぉ、それが嫌で30年くらいできるだけ性的な感じにならないようにしてきたけどぉ、ちょっとだけねぇ」

「え、それで避けてきたの?」

「けーちゃん、ママーの処女奪ったときの非道なプレイ忘れたわけじゃないでしょお? 発情期でもないのにおまえ従属魔か。従属ってことは穴だな、って。3日3晩。まだ発育しきってなかったおっぱいを、いやー、でかいなーとかっておもちゃにして、危なく貸し出しまでされそうになったの忘れてないわぁ」

「貸す気はなかったよ、マジで。あとステアリー、ドン引きやめて?」

「けーちゃんはポアンちゃんやステアリーちゃんとえっちするまでただのクズ男だからねぇ、ママーは貞操はそこそこ大事にするの」

「いや、だから、働いてなくてヒモだったからね! 意図的に悪いことしたんじゃなくて、それしか生きる術がなかったの」

「真面目に働けばよかったのでは……」

「働いてるじゃん」と俺はステアリーをハグしてうなじの匂いを嗅ぐ。

「あへぇゃえぇ……♡ なにしてるんですかぁ♡」

「やっぱり、さっきのエッチから回復してねえな?」

「ねえな、じゃないんですよ。仕事に差し支えあるので。露頭に迷いますよ。だいたい全力でクズの感じ出てますけど。明日から朝のセックスは禁止です。私は家族を養うために仕事をします」

「あ、そう言えば、ステアリーさあ、いつ本邸行く?」と俺はごまかして言う。

 

 朝のセックスが禁じられれば、悪徳領主は務まらないと言える。

 

「本邸? あ、本邸……そうか、ラルトマンさまのところですもんね」

「あ! 結婚か。ママーも結婚してみたかったー」

「ママーは種族ちがうから領主の手続きは無理だけど、儀式的ななにかならべつにいつでも」

「えー、じゃあ、ママーはえっちなのがいいなあ。つぎの発情期でなにか考えてよ」

「覚えてる自信がねえ……」

「やっぱりクズねぇ」

「あ、でも、ポアンさんの調教が終わってから、ふたりでかなあと思ってましたが」

「それもそれで穏やかじゃねえなあ、ことばにすると」

「そうだ、ママーもステアリーちゃんとかポアンちゃんとおんなじの頂戴?」

「なに? なんかあった?」

「なにももらってないですよ、ちんちんと精子くらい」

「ステアリー、俺のことバカにしてない?」

「じゃあ、なにか用意してあるんです?」

「あるんですぅ?」とママーがからかう。

 

 用意などしているわけがない。

 まあ、指輪かこれ。いいか、それくらいで。1週間くらいあれば、あれ、俺いま金あるんだっけな、金銭問題以外はどうにかなるだろ。いや、金銭関連も寝取れば原材料くらいでなんとかなるか。魔導工具系の女子あんまりいないんだよなあ。

 

「さて。俺はそろそろ仕事するかなぁ」

「浮気ですね♡」とステアリーはにこやかに刺す。

「仕事」と俺は事実に目を背ける。「わりとすぐ堕ちると思うんだよねえ、リスリルだっけ?」

「やっぱり浮気だぁ」とステアリーはママーの真似をして笑った。

 

 新婚前だがいきなり信用ゼロである。

 まあ、しょうがない。生きていくには寝取るしかないのだ。そのぶん妻たちを深く愛せばよい。あれ、俺って器でかくない?

 

「悦に入ってるとこ悪いけどぉ、けーちゃんさっさとリスリルちゃん食べに行くわよぉ。殿下たってのお願いですもの。結婚するなら食い扶持稼がないとねぇ。ママーの教育責任を問われるわぁ。今回はポアンちゃんのためにあんまり時間ないんだから、ちゃっちゃとやらなきゃ」

「いや、べつにポアンが降参するだけだからいつでもいいだろ」

「は? お仕置きするわよぉ。タイムリミットは1週間以内なのねぇ」

「なんで?」

「嘘ぉ、これほんとに言ってるわぁ」とママーは呆れた素振りである。

 

 まあまあこういうパターンはあるが、思い出せたためしがないので、反論しないで教えを乞うておいた。

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