※この作品はR-18です。

異世界で舞うはハーレム、奏でるはヤンデレの災禍   作:ka-主

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どうも皆さん、ka-主です
性懲りも無く最新話を投稿して直ぐに執筆しております。今回は前回の続きです。本話含めて残り4話、気を引き締めてお送りします!
それでは…どうぞ!


9話

「大魔王様、見えて参りました」

 

『馬車竜』に乗って国を出てから……検問を通過して林道を越えて、然程時間を掛けずにヒドゥンが目の前に微かに見えるコテージを目にして座席に座っている妾にそう声を掛けてきた。

 

「久しいな…『新年懇会』以来か。娘達は元気にしているだろうか……」

 

娘達とは、毎年元旦に城で行われてる『新年懇会』前夜に出会っている。毎年成長してる娘達の姿をつまみに親子水入らず…とまでは行かないが、酒を娘達と飲みながら会話を楽しんでいる。

しかし…それだけだ。理由は…娘達が14になった頃に妾が課した計らいによって、城─故郷を旅立たせ、目的を果たすまで『新年懇会』除いて帰省せぬ様に仕向けたからだ。

 

─回想。

 

「ふむ、集まったな3人とも」

 

「お呼びでしょうか母上?」

 

「母様、どうかなさいましたか?」

 

「どうかしたの?母様…」

 

『ミラ城』謁見の間に妾は愛しの娘達を呼んだ。

 

「ふむ…本題に入る前に、改めて─ボレア、バルカ、ルーツよ。『魔王の試練』の完遂…我が子ながら大義であった。よって此処に3人に【S】の名を与え、『魔王』としての証を得た事を『大魔王・グラオス・S・ミラ』が此処に証する」

 

『ありがとうございます、大魔王様』

 

妾の一言に、娘達は今し方自分達が『魔王』となったことを自覚してか─妾にドレスの裾を摘んでそう返礼をした。

 

『魔王の試練』……詳しい詳細は省くが、『ミラ一族』の子孫達が『魔王』になる為に行う儀式であり─完遂した暁には『S(シュレイド)』の名を『大魔王』から与えられ、晴れて『魔王』として生きて行く事が許されるのだ。

そしてこの名を与えられている事で……同じく『ミラ一族』代々伝わる敷たりに関わることが出来る。それが、今回妾が娘達に話す本題だ。

 

「世界は広い。読み聞きしただけでは到底理解し得ぬと言うものだ……よって魔王となった我が娘達に命ずる。母国を旅立ち─この世界の各地の真実を、自分達の目で確かめ各々の未来を……妾に見せてくれ」

 

『仰せのままに、大魔王様』

 

─回想終わり。

 

こうして娘達は故郷を離れ…この先にあるコテージを拠点とし、世界各地を周り課せられた使命を真っ当した。あれから何年もの時が流れ、『新年懇会』の時以外娘達が帰省する事は無かった。…別に、妾の娘達に会えなくて寂しいなどでは無いからな!

 

「そんな娘達が、妾が知らぬ間に帰省していたとは…」

 

「大魔王様に余計な心配を掛けたく無かったのでしょう。お嬢様達がお決めになられた事ですので…そこは、母親として汲み取るべきかと……」

 

「無論そのつもりだ…だが……理由はそれだけ(・・・・・・・)なのだろうか?」

 

「……と、言いますと?」

 

つい最近、彼女達を王都内で見たと言う知らせを受けた。その知らせを寄越してくれたのは羅生龍。ヒドゥンの言う様に、妾に余計な心配を掛けたくなかったのなら納得がいく。しかし……何処か、何か引っかかる─それだけが理由だとは思えない程に。だから此処最近、娘達のいるコテージのある方角を見る事が増えた。

 

「それを…今回己の目で確かめるのだ」

 

「成程…」とヒドゥンはそれだけを言って馬車竜を操るのに専念した。

妾のただの思い過ごしならそれで良い。しかし…自分で言うのもあれだが、妾の勘は良くも悪くも当たり易い。3人とも今年で26歳(人間の年齢と足並みを揃えた場合)、きっとなら俗に言う女の悩み─恋の悩みは流石にベタかも知れないが…歳相応のそれを抱え込んで妾に打ち明けれずにいるのだろう。

 

(!!アレは……)

 

(『人間』?しかも……)

 

恐らくヒドゥンも同じ反応をしているだろう。目の前で微かにだが…4人(・・)の姿が見えて来た。その内3人は妾の愛する娘達、12年の歳月を得ても─もっとも『新年懇会』で出会ってる為見間違える事は無いのだが。

それよりも……最後の1人─種族は魔族の敵…と言われている『人間』で男。背丈はボレアと同じくらい、細身だがこの距離だけでも分かるくらい引き締まった身体付きをしている。服装は…人間独自の服装と言うものだろう、黒を統一した上着、無地の服、ズボン、アンクルブーツとグローブ。

そして何より─妾とヒドゥンが驚いている理由の大きな理由、その人間が『色彩』であると言う事だ。

妾の予想を、妾にとって良くも悪くも…大きく裏切ったのだった。

 


 

「『新年懇会』以来だな…妾の愛しの娘達、妾が認めた『魔王』達よ」

 

「お久しぶりです。元気そうで何よりです、『魔王様』…いえ、お嬢様達」

 

「お久しぶりです母上、ヒドゥン様もお変わり無いようで何よりです」

 

「母様、わざわざ此処まで来て下さりありがとうございます。ヒドゥン様も毎日お疲れ様でございます」

 

「母様…お久しぶり。先生も…相変わらず凛とされていて美しいです」

 

俺達の前に一台の馬車…否。確か、この世界では『馬車竜』と呼ばれてる乗り物で長距離の移動をするんだっけ?その黒い馬車竜─メイド姿をした女性が操っているそれが俺達の前で止まり、メイドさん(?)が降りると後ろの座席にいる人物の手を取り…その女性を座席から下ろした。先の3人の反応から推測するに─メイド姿の女性がヒドゥンと呼ばれてるルーツの師匠。そして……その隣に居る─恐らく、俺を気絶寸前まで覇気で意識を刈り取った張本人であり彼女達の母親であるグラオスと呼ばれてる『大魔王』だろう。そんな事を考えて居ると…2人が俺の目の前に来た。

 

「初めまして、妾は『"大魔王"グラオス・S・ミラ』。此処から南にある王都『ドラズエン』の現国王であり龍魔族の長でもある。そして…其方の隣に居る3人の母親だ」

 

「お初にお目にかかります。大魔王様専属のメイドをしております【黒龍将軍隊】『メイド将軍』でありメイド長の『ヒドゥン・クルガ』と申します…以後お見知りおきを」

 

グラオス様は…今の所(・・・)ボレア達から聞かされた通りの人物だ。隣にいるヒドゥンさんも…ルーツから話を聞いた通りだ。

 

─といけない。俺も自己紹介をしないとだな。

 

「初めまして、『オオエ・カグラ』と言います。見ての通り…人間です、お二人の事はボレア達から予々聞いておりました。宜しくお願いします…ボレア大魔王様、ヒドゥンさん」

 

(ほう、ボレア達から……)

 

(呼び捨てをする辺り、それなりに仲を深めてると言うこと…そして、間違いない。彼は─『色彩』ですね)

 

自己紹介を終えたと同時に…2人は俺をまじまじと見た。俺…上手く自己紹介出来た─よな?

その様子を見ていたボレアが口を開いた。

 

「母上、ヒドゥン様。立ち話も何ですので…コテージに入られては如何でしょうか?僭越ながらおもてなしさせて頂きます」

 

「─ふむ、そうだな。ヒドゥンよ、ボレア達の手伝いを」

 

「畏まりました、大魔王様」

 

こうして俺達は2人をコテージへと案内したのだった…。

 

****

 

流石に4人用のコテージに6人が入ると子狭く感じますね。一応、私は今回客人…ですが、大魔王様の命でお嬢様達と協力して…テーブルに紅茶とクッキーを並べました。

そして今現在…私達6人は大魔王様が会話の中心となり小さなお茶会たるものを開いています。家族団欒─と迄は行かないが、大魔王様もお嬢様達も久しぶりの母娘との会話に花を咲かせております。そんな中─大魔王様が彼、カグラ"殿"に視線を向け話し始めた。

 

「それで…カグラと言ったか?娘達とどの様な敬意があってこのコテージで日常を過ごしているのかな?」

 

「はい、それは……─」

 

大魔王様の問い掛けに、カグラ殿は今に至るまでのことの成り行きを語り始めた。

 

『…………』

 

カグラ殿の話が終わり…私と大魔王様は黙り込み下を俯いてしまった。それだけ……彼のルーツが壮絶極まり無かったからです。

 

(これ程…同族だと言うのに─何処まで下衆な種族なのだ…)

 

(成程─お嬢様達がカグラ()をあれだけ慕うのにも納得がいきますね…)

 

話の節々で感じたお嬢様達とカグラ君との距離─恋人同士かと思う位です。お嬢様達が…控え目に、しかし何処か熱心にカグラ君の話に補足をしているお姿を見たら尚更だ。

 

「つまり…カグラは自らが課した条件を達成した暁に自分をあらゆる意味で救ってくれた娘達と恩返しとして旅にでて─娘達を幸せにしたいと?」

 

「はい。巻き込まれて気を失った俺を助けてくれて…恐らく魔族にとって敵である俺に、この世界の事や自分達の事─その他色んな事を教えて貰って…兎に角貰ってばかりでは駄目だと思って。何時しか好意を抱いてくれて─そんな彼女達に恩返しして、愛して…護れる存在に成りたいんです」

 

成程……カグラ君の目は本気。そしてカグラ君をその気にさせたお嬢様達。それは、互いにそう思って無ければ成立は困難。

 

(愛し…護れる存在─ですか……)

 

「成程な……カグラの言いたい事はよく分かった。気持ちも、充分に伝わった……だがな?既に知ってるであろうが娘達は唯の『ミラ家の娘』では無い。娘達は、妾が認めた"S"の名を持つ『魔王』だ……妾がそう簡単に其方を認めると思うなよ?」

 

「母上!?」

 

「母様、どうして…!」

 

「カグラと私達が決めた事…何故…!」

 

「(成程…そう言う事ですか)─お嬢様達、落ち着いて下さい。大魔王様の仰る事も一理あります。お嬢様達は大魔王様が認められた『魔王様』…そんな御方を愛し護れる存在になると言うのは、並大抵の覚悟や実力ではなし得ない事なのです」

 

『………………ッ』

 

大魔王様の一言に猛抗議をしたお嬢様達を…大魔王様の言葉の"真意"に気付いた私は、そう言って彼女達を落ち着かせました。ただ…少し納得してないご様子ですが。

 

「そう言う事だ。お前達がカグラと決めた目標とそれに対する取り組みは認めよう…だが、カグラの実力に自分達の実力を合わせるのは如何だと思うぞ?ましてや……一部のカグラの特訓でカグラの実力を認めた上で辞退し他の特訓の時間に費やしたり、ある日からカグラの急成長に拍車をかかされより高難度な特訓を始めるのは……正直カグラの為にもならぬし、お前達自身の『驕り』になる。違うか?」

 

『………………』

 

反論無しの無言─恐らくは心当たりがあるのでしょう。大切な者を想う気持ちに『驕り』は時に、己の身を……強いては想い人を失い壊しかねない。私は大魔王様の次に言う言葉を察し、紅茶を飲み干し席を立ち大魔王様の後にたった。そして程なくして大魔王様がお嬢様達に、カグラ君にこう告げた。

 

それは……4人の未来・絆・想いを各々に『再鍛』させる─大魔王様直々の試練(・・)と紐付けても過言ではない命だった。

 

「大魔王グラオス・S・ミラが『ドラズエン』現国王として、三児の母上として……魔王ボレア、バルカ、ルーツ。そして─我が『勇者』、全魔族の『希望』となるカグラに命ずる。

……本日より其方達4人の接触その他諸々の関わりを禁ずる。1週間後、妾が課した試練を達成し此処に4人全員揃った暁には─其方達4人の旅の許可並びに交際を認めよう

 

『!!!!????』

 

大魔王様が告げた命は、カグラ君とお嬢様達を驚愕させるのには充分過ぎるものだった。

 

「そしてヒドゥンに命ずる。このコテージにてカグラの特訓の任を其方に任せる……手段は其方に任せる」

 

「畏まりました、大魔王様」

 

大魔王様の命を受けた私は…カグラ君の方を向いて妖しく(・・・)微笑みながらそう答えたのだった……。

 

 

 

 

〜END〜




如何でしたか?物語は遂にクライマックス。大魔王ことグラオスが4人に課した試練とは一体……カグラ達は無事に乗り越えられるだろうか?
次回もお楽しみに!
感想・高評価等お待ちしております!
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