TSうすほそ転生魔族ちゃんが人間の男に救われて一緒に暮らす話。 作:ソイレント・グリーン
まだ続くガラ&クォーツ編なのだった…
これ需要ある?(当然の疑問)
あたくしたちが人界に来てから、そこそこの時間が経った。
その間あたくしは難民の人たちの介抱をしたり、悩み相談をしたり、一緒に雪かきをしたり…その結果。
「おはようございます!ガラナ様…!」
「ガラナ様…!今日もお美しい…!」
「ガラナおねぇちゃん!見て見てわたしの宝物!」
めちゃくちゃ人心集めるの成功してましたわー!
へっへっへっ…チョレーですわっ!
悩み相談なんて嫌な記憶を秘匿したりしてるだけで、それらしいことはほどんど言えてないのに、やっぱり難民たちは心が弱っているみたいですわね。
先日一度帰ってきたクォーツさんは、流石ガラちゃんだね、と褒めてくださいました!あたくしだってやればできるんだいっですわぜ!!
「おばあさま、先日言ってたブランケットできましたわ、ぜひ使ってくださいまし」
「本当に作ってくれたのかい…!ありがとう…ありがとう…」
老若男女虜にしてしまうなんて…あたくしってばホント罪作りーィ!!
そんなふうに調子に乗っていた頃だった。
ある夜、難民のご夫婦が慌てた様子で駆け込んできた。
「あの子が、あの子がいないんですっ…!!」
「ど、どこを探しても見つからなくて…!今皆にも協力してもらっているのですが…!」
は、はぁ…?こんな夜中に子どもがいなくなるなんて…もっとちゃんと見てなさい!心のなかでそう悪態をつきながらも、あたくしはカンテラを持って外に出た。
難民は弱者であることを自覚しているからか、皆が協力的だ。だが弱者だからこそ、夜の森などには入ることができない。だからあたくしが森に入るのだ。
「ミラちゃ〜ん、何処に隠れているのかしら〜」
声を大きくして子どもを探す。人界の魔獣程度なら敵じゃないから、こうして大きな声を出しても大丈夫ですわ。ていうか今のあたくしのセリフ、隠れてる人を探すサイコキラーみたいでしたわ!
すると、声に反応したのか、後ろの木から大きな音がした。あら、すぐに出てくるなんて聞き分けのいい子じゃない、でも木が軋むほどおデブちゃんでしたっけ?そう思い後ろを振り向く。
「グァウ」
そこには白い鱗の巨大トカゲがいた。びっ………くりしましたわ!心臓飛び出るかと思いましたわ〜!
「ただの魔獣ではありませんの…ぬか喜びさせないでくださいまし…」
あたくしはそう言って爪を伸ばした。だが、思っていたような結果にはならなかった。
カキンッという呆気ない音と共に爪が弾かれ。
「いったっ!…………はぇ?」
「ギィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ!!!!」
魔獣は耳をつんざく金切り声を上げた。
「ひっ…!」
な、なんですのこの魔獣は…!この程度なら、この程度なら膾斬りにできますのにっ…!?あたくしは逃げるために駆け出した。
ガラリェールは知る由もないが、このアルバスケイルはタピスの死体をたまたま見つけて喰らった個体であった。通常のアルバスケイルよりも遥かに強く、魔界の魔獣に匹敵する力を持っている。
「っぇちゃ…んっ…!おねぇちゃっ…!」
っえ?追いかけてくる魔獣の背中からか細い声が聞こえた。必死に走りながら振り返り、よく目を凝らすと背中に乗っている!行方不明の子どもが!なんでそんなとこいるんですのよっ!!バカっ!!
この魔獣を撒くにも、まずは背中の子供を確保してからですわっ!
あたくしは走る速度を上げて、目の前の大木に猛ダッシュした、だが決してぶつかろうとしたわけではない。
「ほっ!」
大木の幹に足をかけ、そのまま駆け登り空中で一回転。魔獣はそのまま大木に激突した。衝撃で浮き上がる子どもを華麗にキャッチ!さすがあたくし!
でもそこで気を抜いたのが良くなかった。
着地しか瞬間、ごきり、と足を挫いた。
「あ痛ァ!?」
ひーん!間抜けすぎてはっずいですわー!
「お、おねぇちゃんっ!大丈夫っ!?」
まさか助けた子ども、それも人なんかに心配されるとは一生の不覚ですわ…とりあえず…。
「さっ…先にお逃げなさい!このまま真っすぐ走れば拠点に着きますわ!」
全力で魔力を放出するにはこの子どもは邪魔ですわ!この子供が離脱した瞬間に魔力を解放してクォーツさんを呼ぶ!あっでもそれしたら末の妹にもバレちゃうのかしら…?ど、どうしたらいいの〜!?
瞬間───。黒い閃光が光った。
サクッ、気持ちの良い音とともにその閃光は魔獣の首を真っ二つに落とす。
「えっ…えっ?」
な、なに…?クォーツさん…じゃないですわね…あの子ではあたくしを連れて逃げるくらいしかできないはずですし…。
魔獣の切断された首、その断面の隙間から彼女は出てきた。
「マジ間に合ってよかったー!」
橙色の長髪を1つに結わえ、黒い大鎌を肩に担ぐ彼女は、どこか…輝いているように見えて…何よりその瞳が、見たことないくらいの意志力に溢れていて。
「はわ…はわわわ…」
め、めちゃくちゃかっこいいですわ〜〜〜っ!!!何この方!?人間なのかしら!ちょっとルティモお姉様にも似ているような…。
「あっ!その子行方不明になってた子じゃん!君は…確かちょっと前にやってきた、ガラナちゃん…であってる?」
「あっ…えっあっ…そ、そうですわ…」
くおお…!話しかけられましたわ!まじどもる!
「あーしリリス!たまたまだったけど、見つけられてホントに良かったよ〜」
リリス…リリス様と仰られるのですわね…。その響きにジーンとしていると、足元をくいっと引っ張られた。
「ガラナおねぇちゃん…ごめんなさい…」
そうでしたわ、この子を探しにあたくし出てたんですわ。まったく謝るくらいならこんなところ来なければいいのに…。
「まずあなたは、お父さんお母さんのところに行き、無事を伝えなくてはいけません」
女の子はしょぼんと俯く…この子、実が沢山入ったバケットを持っているけど、多分これを探している間に夜になってしまったんでしょうね。
「怒るのはあたくしの役目ではありませんわ、だからあたくしからは無事でいてくれてありがとう、と、感謝の言葉を贈ります」
あたくしはそう言って女の子を抱きしめた。号泣する彼女だったが、ここで死なれたら信用ガタ落ちですものね…悪いけど自分のための感謝ですわ〜!
その様子を見てリリス様は微笑んでいた。これっ…役得ですわ!ナイス子ども!!
そうしてあたくしはリリス様に肩を貸してもらい、無事に拠点へ帰ることができましたわ。
親御さんたちは子どもの姿を見てすぐに駆けつけて、抱きしめていた。うーん、魔界ではあんまり見ることができない光景ですわね…。
「ありがとうございます…ありがとうございます…」
「このご恩は絶対に忘れません…!」
「あ、あたくしは何も…それよりリリス様のほうが…」
「え〜?ガラにゃんが見つけてなかったらあーしだって間にあんなかったっしょ?」
ガラにゃん!?…ってめちゃくちゃ囲まれて褒められまくってますわ!流石にこれじゃあ自己肯定感は上がりませんわよっ!
それよりもリリスさまですわっ!彼女と知り合えたことが今回一の報酬!
「その…リリス様」
「なにー?」
「リリス様は、何時もはどちらにいらっしゃるのでしょうか…?」
「あー…大抵任務に出ててここら辺に帰ってくるのは稀なんよね…でもこっちにいるときは拠点の中だし…」
彼女はちょっと申し訳なさそうな顔で答えた。くそっ!拠点内の奴らはリリス様と暮らしているってことですの!?許せませんわ!?リリス様独占反対!!!
「でもでも!あーしこっちのほうが落ち着くしー、たまにガラにゃんのとこ、ヌン茶しに来たりしてもいい…?」
えまじですの!!きたこれぇ!!
「ぜひっ!是非お越しになられてくださいましっ!!あたくし大歓迎ですのっ!!」
「えっほんと!良かった〜!あーしももっとガラにゃんとお話したいから嬉しいぜ〜!」
しゃあっ!!人界マジ最高ですわ〜!!あいふぁうんどまい運命の人ですわ〜!!!
あたくしは心のなかで大はしゃぎしたのであった。
◇◇(↓クォーツ目線)
生きていて楽しいことなんて一度もなかった。
ぼくは生まれついて弱い。枝のような手足は、お姉ちゃんたちのように弱者を蹂躙することはできず、骸骨のような容姿は誰を魅了することも無い。
だからぼくはずっと出来損ないだった。お母さんからも見られたことはない。でも、そういうものだと思っていた、しょうがないことだと半ば受け入れていた。生きるのは辛いこと、そういうもの。
だけど発現した技能は、他人になることができるもので、ぼくはこの技能がすぐに大好きになった。これさえあれば、嫌いな自分を見なくて済む、それにこれのおかげでぼくにも存在価値ができた。
ぼくは諜報員としてたくさんの情報を集めた。頭はあまり足りなかったけど、それでも集めた情報をうまく使ってくれる人がいる。それだけで良い。それだけで自己肯定感は上がる。だからぼくは他人になって嘘をつき、争わせ、誰かに抱かれ、誰かを抱いた。
でもそんなときに新しい妹ができた。その妹は何歳になっても技能を発現せず、名前すら与えられていなかったらしい。何とも哀れだ。名前すらないなんて、ぼくよりひどい。ぼくは彼女を遠目に見ながら、優越感を感じていた。
だが、彼女は選ばれた者だった。
彼女は嵐の技能を発現した。遅咲き…でもまさかその技能とは思わなかった。お母さんが執着している、嵐の精霊と同じ力。そんなもの、そんなものを持ったならば、当然…お母さんに目をつけられる。
うらやましい…うらやましい…それが嫉妬だろうが、殺意だろうが、今のお母さんの目にはあの子しか映ってない。ずっと、ずっとだ、この200年間ずっとお母さんはあの子を殺すことしか考えてない。うらやましい…。
だからぼくはあの子を殺したい。殺したあとにぼくがあの子になって、お母さんに見てほしい。
ぼくは1番仲が良いガラちゃんを誘って、あの子を殺すために人界に向かった。
ガラちゃんの技能は結構便利で、多分本人は気づいていないんだろうけど、頑張ればもっといろんなことができるはず。でも、ガラちゃんに期待してるのは彼女の求心力だ、実際、たった数週間くらいで人間達の中心的人物になっている。このまま、ガラちゃんには人を集めてほしい。
ぼくの方はフキお姉ちゃんに変身して、あの子の捜索を開始した。フキお姉ちゃんの技能は魔獣を使役する力だ、でも力は弱くなってるから小動物とかしか使役できないんだけど…それでも手足にはなってくれた。
そしてついにぼくはあの子を見つけた。雪原の丘の上に建つ家、彼女はそこに住んでいた。だけど一人じゃなかった。人間の男…なんだかあまりぱっとしない男と一緒に住んでいる。
ぼくは気配を限界まで消し、様子をうかがった。
ふ~ん……な、なんか結構平和にすごしてる…。
窓からちらっと中を見ると、あの子と男はぴったりくっつきながら一冊の本を読んでいた。
…………読みにくく、ない?別に一冊を2人で読む必要…無い、と思うんだけど…。
というか……距離がす、すごく、近くて…も、もしかして…恋人なのかな…?
あの男は人質にできるな、とか、でもそれやったら一瞬で殺されるかなぁ…とか考えながらジロジロ見ていたら、突然だった。
「……んっ♥、ぁ……んんっ……♥」
………キス、し始めた…。やっぱり恋人なんだ…。
すごく熱っぽいキスだ…この距離から見ても舌を絡めまくってるのがわかる…あ、糸引いてる。
「はぁ……っ♥♥、んぐ……っ♥、あ……ん♥、んっ……!♥♥」
え……も、もしかしてあの子…キスだけでイった………?
い、意外すぎる…あの子、こんな一面があったんだ…。て、ていうか…もしかしてあの男…凄く上手いのかな…?キ、キスだけで女の子をイかせるなんて…ぼくがした男の人でもそんな人はいなかった。
なんか…なんかちょっとむらむらしてきたかも…。最近ご無沙汰だったし…。
「…………んっ……♡」
思わず、自分の秘部に触れてしまった。……妹の情事を見ながら…結構終わってる、かも…。
あの子達もちょっとずつ熱が上がってきたのか、行為が激しくなっている。
「あっ…♥ まっ…待てっ…♥♥ 乳首はっ…♥♥ んっ…んむっ…♥♥」
男は足の間にあの子を座らせて、後ろから乳首をかりかりして…それだけじゃなくて、上からキスしてる…。
ぼ、ぼくおなじで…おっぱい無いのに…あ、あんなに乳首を入念に…へ、へんたいだ…。
でも、ぼくはあの子のされていることを自分に置き換えて考えてしまった。乳首が…勃ち始めて、服に擦れてちょっと…まずいかも…。
「…………ふっ………ん……♡」
あの子は身を捩らせて抵抗しようとしているようだったけど、男は逃さなかった。ビクビクと身体が跳ねている。あ、あの子…太ももの間、ぐっちょぐちょ…。
「はっ……♡、はっ………♡」
ぼくの指もどんどん早くなっていて、ヤバいのに、バレちゃいけないのに、この行為に没頭してしまっていた。
「キョウ…き…だ…」
「!……だっ、だから♥…それっ♥♥ やめっ…♥♥♥」
あの子の耳元で、男は何かをささやいている…。あの子はその言葉を聞いて、顔を真っ赤にした。それと同時に男は乳首をぎゅっ♥と掴む。う、うわ…あ、あんなことしちゃうんだ…あ、足ピーン…ってなってるし…潮大量に吹いちゃってる……気持ちよさそ……。
でも、アレなんて言ったんだろ…、ここからでは聞き取れなかった。フキお姉ちゃんの耳だったら、聞こえたのかな…。
はあはあと呼吸が荒くなっているあの子。ぼくはさっきまでオナニーしてたのに、なぜだか男が囁いた言葉が気になってしまって、いつの間にかに指を止めてしまっていた。いつもなら…いつもなら気になったりなんかしないのに…。
って……こんなことしてる場合じゃないや……。場所と、あの男のこと…報告して…あと監視の動物も続ける……。
ぼくは気配を消したまま、小屋に背を向けガラちゃんの所に戻っていった。
申し訳程度のエッチシーン…。
クォーツは実はラスボスだったりします。