激しい処置が終わり、男たちが部屋から立ち去った後も、彼はしばらくの間、冷たい台の上で放心していた。
やがて僅かに戻ってきた理性をかき集め、ふらつく足取りで部屋の出入り口へと向かう。
重たい鉄の扉のノブに手をかけ、力を込めた。しかし、ノブは固定されたままピクリとも動かない。
外から施錠されている。自分が完全に監禁されているのだという事実が、冷水のように彼の背筋を伝い、得体の知れない不安となって胸を締め付けた。
◇◇◇ ◇◇◇
ふいに、鍵が回る鈍い音が響き、扉が開かれた。
現れた助手に無言で促され、彼は別の部屋へと連れ出される。そこは先ほどの冷徹な処置室とは打って変わって、暖かな照明が灯る小奇麗な食堂だった。
テーブルには彼の疲労を労うかのような豪華で湯気の立つ食事が並べられている。
空腹に耐えかねてそれに手を伸ばした彼は食事が終わる頃、抗いがたいひどい眠気に襲われた。
視界がぐにゃりと歪み、意識が朦朧とする中、誰かの腕に支えられながらどこかのベッドへと運ばれていく感覚だけが微かに記憶に残った。
翌朝。重たいまぶたをこじ開けた彼を待っていたのは、暖かなベッドではなく、再びあの冷たいコンクリートの部屋の検診台だった。
起き上がろうと力を込めるが身体は全く動かない。
首には冷たい金属の鎖が付いた首輪が嵌められ、その鎖は検診台に固く繋がれていた。
さらに、全身を幾重にも巻かれた黒い粘着テープによって、台に縫い付けられるように拘束されているのだ。
そして何より彼の羞恥を煽ったのは、その身を包む衣服だった。
なぜか、学生が運動の時に着るような白い体操着と、下半身には女性用の濃紺のブルマを着せられていたのである。
「朝食を」
傍らに立つ中年男性が静かにつぶやくと、助手は身動きのとれない彼の顎を掴み、無理やり口をこじ開けた。そこに、温かいスープが容赦なく流し込まれる。
気管に入りそうになり、彼は激しくむせ返ったが、男たちの冷徹な視線の下で、どうにかそれを飲み込むことしかできなかった。
続いて、助手の男が銀色のボウルを取り出した。中にはポテトサラダが入っており、そこに透明な液体を手際よく混ぜ合わせると、太い注射器のような筒の中へとそれを詰め込んでいく。
検診台の上で仰向けのまま拘束されている彼の、ブルマと下着が容赦なくずり下げられた。
冷たい空気に曝け出された無防備な入り口に、太い筒の先端がぴたりとあてがわれる。
ピストンが押し込まれ、ペースト状になったポテトサラダが、ゆっくりと、しかし確実に腸内へと注入されていった。異物が直接内臓を押し広げていく奇妙で重苦しい感覚に、彼はたまらず
注入がすべて終わると、ずり下げられていたブルマが元に戻された。しかし、今度は両足の太ももから足首にかけて、黒いテープがぐるぐると巻きつけられ、両足までもが完全に固定されてしまった。
「スープには利尿剤、ポテサラにはグリセリンを混ぜておいた。この意味がわかるかね?」
中年男性は、まるで教え子を諭す教師のような、どこまでも穏やかで優しい声でそう問いかけた。
その言葉の意味を頭で理解するよりも早く、彼の下腹部に走った鋭い鈍痛が、絶望的な答えを叩きつけてきた。
どうしていいか分からず、テープで縛られた両足を必死に捩る。しかし、無情にも猛烈な尿意と腹痛が同時に彼を襲い始めた。
薬効によって腸内で膨張したポテトサラダと、抑えきれない水分が、彼の限界をあっさりと決壊させる。
「あ……っ、だ、だめ……っ!」
懇願する間もなく、生暖かい排泄物が勢いよく放たれ始めた。そのすべては彼が穿かされている女性用のブルマの中へと溢れ出し、布地を重たく湿らせていく。
大の大人が為す術もなく衣服の中に排泄させられている。その究極の羞恥と屈辱に、彼は目をきつく閉じ、台の上でガタガタと震え続けた。
すべてが出尽くすと、助手によって汚れたブルマが剥ぎ取られ、下半身が丁寧に洗浄されていく。
「中も洗浄しろ」
中年男性の静かな指示が下ると、動けないままの彼の身体に、昨日以上の苛烈な処置が始まった。
塩化マグネシウムの溶液、高濃度のグリセリン溶液、そして大量のぬるま湯。
性質の違う様々な液体が、入れられては出され、出されては入れられる。
その終わりのない反復作業は彼の腸内を徹底的に洗い清めると同時に、括約筋の抵抗力を完全に奪い去っていった。
度重なる浣腸によって、すっかり緩み、だらしなく開いたままになった肛門。そこに、黒くて巨大な異物があてがわれた。
中年男性の手に握られていたのは、男性器の形をリアルに模した、直径五センチはあろうかという極太のはり型だった。
「大丈夫だから、力を抜いて」
中年男性は彼を安心させるように優しく声をかけながら、その巨大なはり型をゆっくりと押し込んでいく。
じわじわと腸壁を押し広げてくる圧倒的な質量と違和感に、彼は顔を歪めて
身動き一つとれない彼は、ただそれを受け入れたまま硬直していた。少しでも身をよじれば、内部が裂けるような鋭い痛みが走る。
「……さあ、息を大きく吸って。吐いて。少し息んでごらん」
中年男性は愛しい者に触れるような慈愛に満ちた声で、彼の呼吸を丁寧に誘導し始めた。
痛みを避けるため、彼は言われるがままに大きく息を吸い、吐き、そして小さく息む。その動きに合わせて、はり型がミリ単位で奥へと進んでいく。男の優しい声に導かれるまま、彼の身体は自身の限界を超え、その極太の異物をゆっくりと、根元まで完全に飲み込んでしまった。
やがて、中年男性はひどく満足したようにうなずき、はり型をゆっくりと引き抜いた。
「ローション」
指示を受けた助手が、彼の中に大量の高粘度ローションを注入する。
内部がぬるぬるとした温かい液体で満たされた直後、中年男性の太い指が、滑り込むように挿入された。
最初は一本。腸壁のひだを確かめるように、ゆっくりとした出し入れが繰り返される。やがてそれが二本になり、三本になり、最後には四本もの指が彼の最奥をかき回し始めた。
はじめは異物感と屈辱しかなかったはずだ。しかし、男の巧みな指使いと、ローションの摩擦が腸壁の敏感な部分を正確に擦り上げるうち、彼の中で何かが決定的に壊れ始めた。
苦痛の向こう側から、じんわりとした痺れのような熱が湧き上がり、それが強烈な快感へと変わっていく。
「ああっ……! ぁ……あっ!」
気がつけば、彼は声を上げ始めていた。それは痛みに耐える声ではなく、明らかに快楽に溺れた喘ぎ声だった。発情したメスのように、与えられる刺激に呼応して甲高い鳴き声を上げている自分自身に、彼は気づいていた。
四本の指が激しく抜き差しされる度、空気を巻き込んでおならのような卑猥な音が鳴り響き、中身が漏れ出していくような感覚が、彼の脳裏に強烈な羞恥を呼び起こす。
しかし、その羞恥すらもが新たな刺激のスパイスとなり、抗いがたい快感が理性を完全に押し流し、彼の脳を真っ白に埋め尽くしていった。
「記録だ」
中年男性が優しく声をかけると、助手の男がカメラを構え、無機質なシャッター音を響かせ始めた。
四本の指に蹂躙され、だらしなく開いたままの入り口。滑稽な体操服とブルマ姿。そして何より、羞恥を忘れ、快感に放心してよだれを垂らしながら喘ぐ、彼自身の痴態。
彼がこれまで生きてきた日常が完全に破壊され、男の望む「非日常」へと書き換えられていく瞬間が、鮮明な映像として記録されていった。
やがて処置が終わり、全身を縛っていた拘束が解かれた。
しかし、激しい快感と疲労によって、まるで自分のものではなくなってしまったかのような身体は、一日目と同じように、しばらくの間ぴくりとも動かすことができなかった。
こうして、彼の心と体を徹底的に作り変えるための、二日目の治療は終了した。