白濁のカンヴァスに、聖女を。 〜完璧なクラス委員長の机に射精したらバレた。恐怖の脅迫ゲームが始まると思ったら、彼女の歪んだ美学で飼い慣らされることになった男の末路〜 作:つる植物
「それで質問って何?」
水曜日の放課後、織原は自席に座り俺は茜ちゃんとやらの席に座る。
「いやぁ、最近流されてばっかりだけど一度キチンと話したいなと思っただけなんだけど……」
「ふーん」
織原は少し考えているようだ。
「じゃあゲームっぽく行こうか」
「いや、普通に話したいだけなんだが?」
織原のなんか変なスイッチが入ったっぽい。
「ルールは簡単、瀬田君の質問に対して私が回答する。嘘はなし、ただし答えたくない質問には無回答、答えられない質問は『パス』って言うね。無回答かパス、どちらかが3回目になったら終わりって感じで行こうか」
答えたくない質問は無回答で答えられない質問は『パス』をする……違いが分からんが織原の中では違うらしい。
もしかしたらそこを理解するのがこのゲームの攻略の糸口となるかもしれない。
「昨日のシャーペンで攻めた時は絶頂した?」
「したよ?だから辞めてって合図送ったんだよ」
普通に答えた、まぁ今までの性格的に答えると思ったけど。
「俺の事は去年から知ってた?」
「ふふ、知ってた……まぁ私は全校生徒の名前と顔覚えてるよ」
「マジか」
とんでもねぇ記憶力だ。
「俺の事を去年から意識してた?」
織原は急にニコニコしだした。
織原は口を開かない、『答えたくない』らしい。
まぁほぼ肯定しているようなものだ。
俺が織原を認知したのは2年生になった最初の日、その前から俺を意識していたという事になる。
「去年の文化祭、美術部の展示を見に来た?」
「それは行ったよ、って言うか出し物は一通り全部周った」
模範的なクラス委員長らしい質問だ。
少し切り口を変えてみるか。
「机への射精が悪意に基づくものだったら俺を排除した?」
「んー、どうだろう、多分してなかった思う」
してないんかい!
「俺以外の男だったら同じ事してた?」
「面白そうな人だったらしてたと思う、瀬田君なのは偶々の部分はある」
『偶々の部分はある』ねぇ、なんか変な言い方だな。
取り敢えず織原が『パス』と答える質問をしたい。
まぁ、何となくこのゲームの仕組みが見えて来た気もする。
このゲームは無回答と『パス』を引き出すゲームのような気がしてきた。
「俺とセックスしても良いと思ってる?」
織原はちょっと嬉しそうな感じだ。
「うーん、『パス』かな」
無回答は肯定、『パス』は恐らく否定なんじゃないかと思う。
織原が俺とセックスするメリットはない。
セックスすれば射精を餌に俺をコントロール出来なくなる。
まぁ、セックスを餌にすればある程度関係を維持出来るかもしれないがその先はマンネリだ。
今の関係は少なくともとも発展する余地は多分にある。
コントロールは容易だろう。
そして普通の回答は嘘じゃないのだろう、でも真実でもない可能性もある。
方針は決まった、質問はイエスかノーで答えられるやつで行くのがベストだな。
「俺の事、恋愛的に好き?」
「いや、全然」
ちょっと悲しい。
「今までに彼氏はいた事はある?」
「んー、『パス』かな」
『パス』も2回目、前の彼氏発言はやはりブラフか。
「俺が織原の机に射精するように誘導した?」
「それは流石に無理だよ」
ですよねー、俺もちょっと無理あるなと思った。
今思えばオナホで抜けば良かったと後悔している。
なんで机に出しちゃったんだろう。
「俺が織原の机に射精しているって知って嬉しかった?」
織原はニィっと笑う。
2回目の無回答だ。
後がない。
無回答でも『パス』でも終わってしまう。
考えろ、何か決定的な質問がほしい。
去年の俺と織原の接点ってなんだろうとふと思う。
マジで接点がないのだ。
俺はただ美術部でダラダラしていただけだ。
織原は他のクラスの委員長。
接点、接点。
「去年の文化祭で俺の絵を見た?」
「ふふ、これでゲームは終わりだね」
織原がパンパンと手を叩いた。
『去年から俺を意識していた』
『俺が織原劣情抱いていた事を肯定的に見ている』
『去年、文化祭で俺の絵を見ている』
何となく分かって来た。
織原の俺に対する執着の正体が……。
「瀬田君、ゲームは楽しめたかな?」
「あぁ、面白いゲームだったよ」
「ふふ?それは良かった」
確か去年文化祭用に書いた絵は天使の絵だったような気がする。
締切ギリギリまで描くものが決まらなかった。
2日間で勢いで描いた記憶がある。
高校から始めた美術だからそんなに上手く描けてなかったと思うんだけどなぁ。
そういえば俺の絵どこいったっけ?
返してもらってないような気がする。
文化祭の絵で思い出したけど土日に織原の絵を描いたんだっけ、ちょっとカマ掛けてみるか。
「そういえば先週の土日、フラストレーションを絵にぶつけたんだよな」
織原が急に真顔になる、初めて見る表情だ。
しかし直ぐにいつもの表情に戻った。
「それはちょっと興味あるかも」
「出来が悪くて捨てたよ」
「ふぅん、そうなんだ、それは残念だね」
立ち上がるち織原はドアの方へ向う。
ドアを開けて振り返らずに俺に言った。
「嘘つく時に左耳を触る癖は直した方が良いよ?」
「え、マジで?」
「ふふ、嘘だよ。瀬田君が私に嘘を付いたことなんてないでしょ」
そう言うと織原は出て行った。
俺が捨てた言ったのは嘘だと見抜き、逆にカマ掛けられて乗ってしまった。
「食えない女だ」
煮ても焼いても食えなさそうである。
でも性的には食えるか……。
「バカなこと言ってないで帰るか……」
織原のことを少し理解した放課後だった。