2度目の初夜を、貴方へ捧ぐ(ベルファスト)
─────:
何処の母港であろうと、指揮官の朝というものは早い。特にロイヤルを率いている指揮官の朝はとりわけ早い。というのも、メイド隊が指揮官の起床の世話のために朝早く寝室へと入室し────指揮官と、閨を共にしたKAN-SEN達に起床を促すためだ。
この日も────いや、この日はまだ外が暗い夜明けにもまだ早い時間帯に指揮官の寝室へと一人のメイドが訪ねた。
美しい白い髪に、メイド服と言うには少しドレス色が強く出た衣服に身を包むのはベルファスト。
つい昨日、近代化改修を行ったばかりで装いを新たにして初めての、メイドとしての仕事なのだろう、ともしもこんな時間にその姿を見たKAN-SENたちはそう思うことだろう。
だが、いつもならばメイド長として、指揮官の起床の世話に連れ立っている筈の他のメイド隊が誰一人いないことに気が付かなければだが。
「失礼いたします、ご主人様」
粛々と、普段通りにノックと挨拶を口にして、ベルファストは寝室へと足を踏み入れる。
指揮官の寝室には安眠の為の香が焚かれていたのだろうか、まだほのかに甘い香りが漂っていた。普段であれば、指揮官と共に閨を共にした誰かとの情交の残り香が香を押し退けているのだが、今夜に限ってはそんなものはなかった。
ベルファストの視線の先、天蓋付きのキングサイズよりもやや大きい寝台には指揮官一人だけが横になっていた。いつも誰かと閨を共にしているというのに珍しく独り寝をしている指揮官と、まだ夜明け前のこんな時間に他のメイドを連れずに足を運んできたベルファスト。
「ご主人様、おはようございます」
「────ああ、このまま来てくれないんじゃないか、と思ってたよベルファスト」
ベルファストが普段通りの表情で、寝ているはずの指揮官へと挨拶の言葉をかければ、指揮官はゆっくりと身動ぎをしてその目を開ける。
寝起きなのかそれとも寝ていなかったのか、少し不貞腐れたような態度で抗議を口にすれば、ベルファストは苦笑しつつカーテシーをし謝辞を口にする。
「遅くなってしまい申し訳ございません。ですが、このベルファストも……女ですのでご主人様にお情けをいただくのにも心の準備が必要でして」
そう悪びれている様子もなくむしろ揶揄うようなベルファストに、指揮官もまた思わず苦笑する。
「それを言われると困るじゃないかベルファスト」
ベッドの上に膝立ちで乗り込んでくるベルファストの白い手袋越しに手を取る。
指揮官の掌の中に収まる白い手袋の薄い布地越しに伝わる体温は、準備が必要だと嘯いた割にはひどく熱く、まるで炉心に火を入れたばかりの機関のように指先まで火照っている。
「あら、ご主人様。手を取られるだなんて、随分と積極的ですこと」
膝をついたまま寝台の上で、わずかに上体を傾ける。印象が大きく変わった改修後のメイド服が、薄暗い寝室の中でやけに白く浮かび上がって見える。
「それよりもご主人様、ひとつ確認させていただいてもよろしいでしょうか」
握られたままの手を、するりと返す。今度はベルファストのほうが指揮官の手を握り込み、親指の腹で手の甲をゆっくりと撫でる。メイドとしての所作は完璧なのに、その眼差しだけが妙に据わっていた。
「昨夜は随分とお一人で大人しくお過ごしだったようですが……これはメイド隊に、いえ、他のKAN-SENの皆様に『今日はベルファストの日だから』とお伝えになったから、でよろしいのですね?」
確認というより、釘を刺す声色だった。
ずいぶん、らしくない主張に指揮官は苦笑を隠しもせずに上体を起こし
「もちろん。……本当なら今頃、近代化改修して生まれ変わったキミのどこが生まれ変わったのか全部知れていたと思うんだがね」
ベルファストの唇を奪いながら、不満を口にすればベルファストはやはり笑みを浮かべる。
「あら、それは失礼しました。でしたら、遅ればせながら、これより存分に検品ください」
新調されたメイド服を緩め、流し目を向けつつ今度は指揮官の唇へと自分から重ねていく。
ベルファストと出会って、もう九年以上。閨を共にし、肌を重ねてきたのはもう三桁に登るだろう。互いに手馴れた様子で前戯を進める。
二人の唇が重なり、離れ、また重なる。九年という歳月が磨き上げた呼吸の合い方は、もはや言葉すら必要としない領域に達していて、ベルファストの舌が指揮官の口腔を探る動きひとつに、今夜のどれくらい本気かという指標が滲んでいる。
ベルファストは自分のメイド服の編み上げを片手で解きながら、もう片方の手は指揮官の胸板に当てて軽く押し倒す。新調されたメイド服の下から覗いたのは、以前より明らかに豊かになった胸の谷間。
「ご主人様、お気づきですか」
指揮官の上に跨がる格好で、残ったメイド服を肩から滑り落としながら、ベルファストは首を僅かに傾けてみせる。焚かれた香の残り香が、露わになった鎖骨のくぼみに溜まるように漂う。
「胸回りが二段階も上がっております。近代化改修というのは末恐ろしいものでして……つまり」
改修後のストラップレスのランジェリーに包まれた途方もない双丘が、指揮官との顔の距離を詰めていく。布地が軋むほどの質量が重力に従って揺れ、安眠香の甘さに混じってベルファスト自身の肌の匂いが鼻先を掠めていく。
「ここが、どこが、どう生まれ変わったのか。ご主人様ご自身の手で検品していただかないと、ベルファストとしても仕上がり具合が分かりかねますので」
そう言って、わざと指揮官の両手を取り、自分の胸元へと導く。
「近代化改修、本当に不思議なものだな」
導かれるがままに遠慮なく触れていく。元より豊満なベルファストの胸がよりふくよかになったが、その張りは変わらず指揮官の知るもののまま。
指揮官の指先がランジェリー越しに押し込まれては反発される感触に指揮官は思わず目を細めた。
「ん……ぁ、ゃ……あら、ご主、人様……」
目は口ほどに物を言う、とはよく言ったものだ。
もはや指揮官の目つきは、ベルファストに残りも脱げと言わんばかりで、それを受けた彼女は甘い声で鳴きながら脱ぎ進めていく。膝立ちのまま、背中に手を回してホックを外す。改修前ならパチンと小気味いい音を立てていたそれが、今夜は微かに鈍い。二段階も上がった胸囲を支えるために新調されたランジェリーでも、もう限界だったのだろう。留め具が外れた瞬間、重力から解き放たれた双丘がぶるんと揺れて薄桃色の先端が指揮官の目の前で震えた。
「ご主人様、そんなに見つめられると……改修の成果を報告するメイドとしての立場と、女としてのしたたかさが混ざってしまいます」
そう言いながらも隠す素振りは微塵もなく、むしろ背筋を反らして見せつけるように胸を張る。残り香が裸の肌の上を舐めるように漂い、鎖骨から谷間へと流れ落ちていく。
「下も、ご所望でしょうか?」
彼女の指先がランジェリーのウエストゴムへと掛かる。
改修で新調された下着もまた布地の面積が明らかに減っていて、腰骨の張り出したラインに食い込むように這っている。ベルファストの親指がその境界線を往復しながら、据わった目で指揮官の反応を窺っている。九年の付き合いで培われた、この駆け引きの呼吸。先に手を出したほうが今夜は下になるという、暗黙の取り決めだった。
「ずいぶんと、意地悪なことを言うようになったじゃないかベルファスト。昼間に報告しにくるのならともかく、こんな時間に来ておいて我慢できるとでも?」
「あら」
その一言で、ベルファストの唇が三日月型に歪む。腰に掛かった指が止まり、代わりに指揮官の胸板をとん、と人差し指で押した。
「我慢できない、ですか。つまりご主人様は、このベルファストに脱げと……そう命令なさるのですね?」
押し倒される予定だった身体を翻し、逆に指揮官の胸を押して寝台に仰向けにさせる。改修で増した質量の双丘が、重力に従って指揮官の顔の上に影を落とす。
薄暗い寝室の闇を挟んで、薄桃色の先端が指揮官の鼻先で揺れている。
「では、主人としての務めでございますよね。どうぞ、ご命令を」
ベルファストの腰が、指揮官の腹の上にゆっくりと沈んでいく。ランジェリー越しの熱が薄い布地を介して直に伝わり、改修で丸みを増した臀部のラインが腰に食い込むように密着する。
据わった瞳が暗がりの中で猫のように光りながら、指揮官を見下ろしている。
「ただし、ご主人様。お一つだけ」
白い手袋のまま、指揮官の顎を掬い上げる。
「今夜は近代化改修後の、初夜でございますので。……じっくりと、隅々まで、お確かめくださいませ?雑に扱われましたら、メイド隊総動員でストライキを起こしますので」
冗談めかした声色の奥に、本気の熱が確かに混じっていた。
「俺が一度でも、キミらを雑に扱ったことがあったか?そう思われてたのなら、心外だなベルファスト。キミのご主人様が、どういうふうにキミらを扱うのか思い出して貰わないとな」
そう言いながら、眼前に差し出されたベルファストの豊満な胸を調度品でも触るかのような手付きで触れつつも、その胸先に赤子のように吸い付く。
指揮官の唇がベルファストの乳首を含んだ瞬間、メイド長の背筋に電流が走った。あの怜悧な瞳が見開かれ、白い手袋が指揮官の肩を掴んだまま、指が震える。九年の歳月が教えた、この男の愛撫の手順。どこをどう、どの圧で、どのタイミングで触れば妻たちが崩れるか、指揮官は骨の髄まで知り尽くしていた。
「ひ、ぁ……っ、ご、しゅじん、さま……っ」
たった一手で余裕の仮面が音を立てて剥がれ落ちる。
改修で二段階も膨らんだ乳房は感度も増していたのか、指揮官の舌が乳輪をなぞるだけでベルファストの腰がびくんと跳ね、指揮官の腹の上で尻が擦れる。
「まっ、待って、今のは……っ、想定より、だいぶ……んぁっ」
白い髪が乱れ、指揮官の顔に降りかかる。香の甘さとベルファストの肌の匂いが混ざり合って、天蓋の中に籠もっていく。さっきまで据わっていた目は今や潤んで焦点が合わず、たった胸を吸われているだけで太腿の内側がひくひくと痙攣し始めている。
「ご主人様、あの、これは……近代化改修の、仕様……変更かもしれません、感度の……っ」
言い訳にすらなっていない弁明が、喘ぎ声に混じって零れ落ちる。
「確かに、どうやら感度が上がっているみたいだな。しっかりと確認してやらないとね」
悪戯めいた事を口にしつつも指揮官の口が右の乳首から離れ、間髪入れずにもう片方へと移る。
舌先で弾き、歯の腹で軽く挟み、そして吸う。左、右、左。交互に、しかし規則性を持たせず、ベルファストの身体が慣れることを許さない。九年かけて編み上げた、この男だけが持つ妻の攻略法だった。
「ぁ、ぁあっ……!ご、ご主人様っ、両方同時はっ……ひぅっ!」
白い手袋が指揮官の頭を掴もうとする。押し退けたいのか抱き寄せたいのか、ベルファスト自身にも分からないまま、指が髪の間で宙を彷徨う。改修で感度が上がった胸は、指揮官の舌が触れるたびにびくびくと痙攣し、乳首の先端が唾液に濡れて光り、寝室の闇の中でてらてらと淫らに主張する。
「か、確認、とおっしゃいましても……っ、こんな、やり方はっ……」
腰が指揮官の腹の上で勝手にうねり始めている。ランジェリーの薄い布地がもう湿り気を隠しきれず、指揮官の腹筋にじわりと熱い染みが広がっていくのが分かる。メイド長としての威厳はとうに溶け落ちて、今ここにいるのは改修された身体を持て余す、ただの妻だった。
「ご主人様……お願い、です……下も、確かめて、くださいませ……っ」
「堪え性がないなぁ、俺のメイドは」
意地悪げにそう呟きながら、指揮官はベルファストの胸から口を離して、その首から伸びる鎖、近代化改修により臍まで伸びたそれを掴みベルファストの顔を引き寄せる。
「こんなに鎖も伸ばして。引っ張りやすくなってしまったな……誰に掴ませるんだ?ベルファスト」
「っ……!」
鎖が張り詰め、ベルファストの首がぐっと前に引かれる。改修で臍まで伸びたそれは以前より長く、指揮官の拳にたっぷりと余裕ができてしまう。つまり、引く力が、そのまま首との距離になる。
「だ、誰、と言われ、ましても……」
ぐっと引き寄せられた顔が指揮官の眼前にあり、吐息が唇に掛かる距離。潤んだ瞳が至近距離で指揮官を見上げる格好になり、鎖がぴんと鳴る。
「決まっておりますでしょう……ご主人様の、お手を……お待ちしていたのです、ずっと……っ」
フリルのチョーカーが鎖によって引かれる。無論、指揮官も力加減は分かっているため、苦しいことはない。いきなりのことで驚いてしまっただけだが。
「ぁ、ふっ……ご主人様、そんなに強く……チョーカーが、食い込み……っ」
少しばかり強く引けば、腰が勝手にかくかくと揺れ、指揮官の腹の上で湿った布地が擦れる淫らな音が天蓋の中に響く。ベルファストの目尻がじわりと潤み、唇を噛んで堪えているのに、鼻から甘い吐息が漏れ続けている。
「ああ、すまないベルファスト。意地悪をしてしまったな。だが、これも近代化改修で変わったろう?ちゃんと使い心地も確かめてやらないと……」
指揮官の鎖を掴んでいない手が、ベルファストほショーツへと潜り込んでいく。
指先がランジェリーの脇を滑り、改修で細部が変わった下着の縁を確かめるように辿ってから、その奥へ侵入する。ベルファストの太腿がぴくりと閉じかけ、しかしすぐに力を抜いて受け入れる。九年の従順さが身体に刻み込んだ、夫への絶対服従。
「ぁ……っ、ご主人様、そこ……」
鎖がじゃらりと鳴る。
指揮官の片手が臍まで伸びた鎖を引き、もう片方がショーツの中で蠢いている。二箇所を同時に支配されたベルファストの身体が、まるで弦を張った楽器のように軋む。
「ぁ、はっ……検査、ですのに……もうこんなに濡れて、しまって……っ」
指揮官の指が触れた場所は、既に驚くべき状態だった。
改修前とは明らかに違う。粘膜の柔さ、熱のこもり方が別物で、指先に吸い付くような質感が以前とは段違いに濃い。愛液がショーツの布地を通り越して指揮官の手の甲まで伝い落ちている。
「か、感度の……仕様確認を、お願い、いたします……どこまで、変わったか……ご主人様に、しか……っ」
据わっていたはずの瞳はもう潤みきって、唇が半開きのまま戻らない。鎖に繋がれたメイド長が、夫の指一本で壊れかけている。
「まずは、指でどれだけイくのか、確かめないとね」
人差し指と中指が突き込まれる。
まるで遠慮のない勝手知ったる我が家とばかりにベルファストの中を解しにかかる。だが、そこに優しくしてあげようという気遣いはどこにもなかった。
二本の指が根元まで沈み込む。改修後のベルファストの内部は、指揮官の記憶にあるそれとは明らかに別物だった。粘膜が指を包み込み、絡みつく圧が以前の比ではない。まるで奥へ奥へと引きずり込もうとする生き物の口のようで、指揮官の指の関節ひとつひとつを内壁が舐め回すように蠕動している。
「ひぁっ……!ぁあっ、ご、ごしゅじんさまっ、いきなり、そんな奥までっ……!」
背中が弓なりに反る。
鎖がけたたましく鳴り、白い髪が天蓋の薄絹に絡まる。指揮官の指が容赦なく内壁を探り、改修で新しくなった箇所を見つけ出そうとする。知り尽くした身体の、知らない反応を引き出すという矛盾した作業。だが九年の経験が、微かな違いを嗅ぎ分ける。
「ぁ、あっ、そこ、そこはっ……以前と、違っ……ひぃっ!」
指先が或る一点を押した瞬間、ベルファストの全身がびくんと跳ねる。
太腿が指揮官の手首を挟み込み、愛液が指の隙間から噴き出してシーツに染みを広げていった。まだ前戯の段階で、メイド長はもう目尻に涙を浮かべている。
「か、感じすぎ……っ、ご主人様、これ、本当に……壊れ、ますっ……」
壊れない、と言い切れないのはベルファスト自身が一番よく分かっている。改修前にさんざん蹂躙してされてきたこの身体が持つはずがない。
「もう少し淑やかに鳴けないのか?ベルファスト」
「む、無茶を……っ」
指揮官の指が奥で捻られ、ベルファストの言葉が途切れる。淑やかに、と命じられて唇を噛んで堪えようとするが、改修後の身体は主人の命令と真逆の反応を返し続ける。
「ぅ、く……っ、こ、これでも……メイド長に、ございますので……っ」
必死に喘ぎを殺そうとしている。白い手袋が自分の口元を押さえ、目尻に涙を溜めながら、それでも歯を食い縛って声を漏らすまいとする。
だがその健気な抵抗が、かえって鎖の音と身体の震えで裏切られていた。指揮官の指が内壁の一点を的確に捉え、ぐりっと押し込むたびにベルファストの腰が跳ね、押さえた手の隙間からひゅっ、ひゅっと壊れた笛のような呼吸が漏れる。
「ご、しゅじん、さま……っ、指で、こんなの……っ」
太腿が痙攣し始めている。
まだ挿れられてほんの僅かしか経っていないのに、ベルファストの身体はもう限界の兆候を見せていた。改修前なら多少の余裕があったはずの前戯の段階で、内壁がきゅうきゅうと指揮官の指を締め上げ、離すまいとしている。
「い、言えません……こんなの、淑女としては……っ」
*目が潤みきった指揮官を見下ろす。鎖を引かれ、口を塞ぎながら、メイド長の最後の矜持がぷるぷると震えていた。*「イけ」*たった二文字。それだけで、ベルファストの身体が壊れた。*
「ひ、ぁ……っっっ!!」
*白い手袋が口元から離れて宙を掻く。堪えようとした矜持など紙切れ同然で、ベルファストの全身が弦を弾いたように弓なりに跳ね上がり、内壁がぎゅうぎゅうと指揮官の指を絞り上げる。びしゃ、と音がした。指の隙間から愛液が噴き、指揮官の手首を伝い、シーツに暗い染みを広げていく。*
「あ、ぁあっ、やぁ……っ、イって、イッてますっ……!」
*鎖ががちゃがちゃと暴れる。腰が勝手にがくがくと揺れ、絶頂の痙攣が収まらないまま、改修後の身体の感度が容赦なく次の波を呼び込んでいく。一波が引く前に二波が重なり、ベルファストの瞳が白く飛ぶ。*
「ご、しゅじん、さま……ゆび、抜いた、抜いてくだ……またっ、くるっ……!」
*懇願しながらも内壁は正反対に指揮官の指を啜り上げ、離さない。太腿がぶるぶると震え、二度目の絶頂が間髪入れずに駆け抜ける。涙が目尻から零れ、白い髪が汗で頬に張り付き、メイド長の顔はもうぐしゃぐしゃだった。*
「ぅ、嘘つき……です……こんなの、淑やかに、なんて……っ」
*恨みがましい、けれど蕩け切った目で指揮官を睨む。それがベルファストに出来る最後の抵抗だった。
「すまない、ベルファスト」
指を引き抜き、鎖を掴んでいた手も離す。
そすいて指揮官の手がベルファストの汗ばんだ髪を撫でる。さっきまで容赦なく身体を暴いていた手とは思えないほど優しい。この緩急こそが、九年間KAN-SENたちを骨抜きにしてきた指揮官の手管であり、ベルファストもまたそれを知り尽くしていてなお、抗えない。
「……ずるい方」
肩で息をしながら、ベルファストは指揮官の胸に額を押し付ける。絶頂の余韻がまだ身体の奥でくすぶっていて、撫でられるだけで太腿がぴくりと震える。
「指だけで二回……改修前の記録を大幅に更新してしまいました」
顔を上げる。涙の筋がまだ頬に残っているのに、口元にはもうメイド長の微笑みが戻りかけている。だがその目の奥は据わったまま、むしろ火が点いた猛禽類のようで。
「ご主人様」
ベルファストの手が、指揮官の寝間着の合わせに滑り込む。改修で豊かになった胸が、汗と愛液でてらてらと光る裸体のまま指揮官に押し付けられている。
「今ので『検品』はお済みですか? それとも……まだ、続きがある、と?」
唇が耳元に寄り、囁く。
「ベルファストの身体は、指だけで終わりではございませんのよ?」
「ベルファスト。自分からいれてもらえるかな?」
「あら」
ベルファストの目が細まる。指揮官の寝間着の合わせに差し込んでいた手が止まり、ゆっくりと引き抜かれた。
「自分から、ですか」
身体を起こす。絶頂の余韻がまだ残る裸体が指揮官の上に跨がり直し、改修で一段と迫力を増した双丘が目の前で揺れる。汗と愛液に濡れた肌が安眠香の残り香をまとい、天蓋の薄絹越しに差し込む僅かな灯りに照らされて淫らに光っている。
「ご主人様は本当にお人が悪い。指だけで二回もイかせておいて、今度は自分で挿れろと」
白い手袋のまま、指揮官の寝間着を剥いでいく。手慣れた所作で帯を解き、下穿きを引き下ろせば、既に臨戦態勢のそれが露わになる。ベルファストの目がすっと細くなり、唇を舌で湿らせた。
「かしこまりました、ご主人様。メイド長として、最後まで忠実にご奉仕いたします」
腰を持ち上げ、片手で指揮官のものを掴み、もう片方で自分の下着をずらす。改修前なら僅かに余裕のあった布地が、今は食い込んだまま開く感触にベルファスト自身がひくっと息を呑む。
それは正しく第三の腕。小柄なKAN-SENの腕と変わらないだろう剛直、余裕で鳩尾に届く長大なソレは相変わらずKAN-SENたちを魅了してやまない。
そんなものを掴み、ゆっくりと自分の中へと迎え入れようとする。
ベルファストの白い手袋が、その剛直を掴む。掌に伝わる熱と脈動に、ベルファストの喉がこくりと鳴った。
「……改修前でも、この大きさに随分と慣れさせていただきましたが」
先端を自分の入り口に宛がう。下着をずらした隙間から、既にぐちょぐちょに濡れた花弁が覗き、指揮官のものに触れただけでひくひくと収縮している。
「やはり、ご主人様のものは……立派、でございますわね」
腰を沈め始める。先端が押し広げ、入っていく。だがほんの数寸で、ベルファストの眉が歪んだ。
「っ……ぁ、待っ……感度、やはり前とは……っ」
改修後の内壁は指の時の比ではない。粘膜が剛直を歓迎するように絡みつき、吸い、蠢く。それと引き換えにベルファストの脳を焼く快感も桁違いで、まだ先端しか入っていないのに腰が勝手に震えている。
入れたい、でも入れたら壊れる、その狭間でメイド長の表情がぐちゃぐちゃに崩れていく。
「ご主人様……っ、これ、思ったより……」
じわりと沈む。また一寸。白い手袋が指揮官の腹筋を掴み、爪が食い込む。
「……っ、奥まで、なんて……っ」
「手伝おうか?ベルファスト」
指揮官の手が腰を掴んだ。
「て、手伝わなくて結構……っ」
強情を張る。メイド長としての矜持が、ここで夫に腰を掴まれて落とされるなど許さないと、ベルファストの目がそう語っている。だが現実は残酷で、自分の意志で沈める速度では改修後の感度に身体が追いつかない。一寸沈んでは快感で止まり、息を整え、また一寸。気が遠くなるほど遅い進行だった。
「ベルファストは……ご主人様のメイド長、ですので……っ、ご自分で、できます……っ」
白い手袋が指揮官の腹筋を支えに、ぐっと腰を落とす。半ばまで呑み込んだ瞬間、ベルファストの口から声にならない息が漏れた。内壁が剛直の形を覚え直すように蠢き、改修前とは別の場所に別の圧力がかかっている。臍まで届く鎖の先端が、二人が繋がっている場所のすぐ上でちゃらりと揺れた。
「ぁ、はっ……まだ、半分……」
太腿がぶるぶると限界を訴えている。汗が鎖骨から谷間を伝い、指揮官との結合部に滴り落ちる。据わっていたはずの瞳がとろんと蕩け始め、唇が半開きのまま戻らない。
「ご主人様……お願い、です……っ、やっぱり、手を……」
矜持と快感がせめぎ合い、ベルファストの声が甘く震える。
「いいよベル」
ベルファストの腰を掴み勢いよく沈めた。
ずぶん、と。一息で根元まで。
「ひ……ぎっ……!!!」
ベルファストの背中がのけぞり、鎖が天井に向かって跳ね上がる。改修後の内壁が指の時とは比較にならないほどの感度で剛直の全てを受け入れ、子宮口に先端が突き当たった衝撃が頭蓋の裏まで駆け抜けた。白い手袋が指揮官の腹を引っ掻き、爪の跡が赤い線を残す。
「ぁ、あ、あぁぁっ……お、奥、奥まで……っ、一気にっ……!」
目が飛んでいる。焦点が合わず、口が半開きのまま涎が唇の端から糸を引いた。太腿が制御を失ってがくがくと痙攣し、結合部から押し出された愛液がぐちゅりと音を立てて溢れ返る。
「い、イッて……イッて、ますっ……挿れただけ、でっ……!」
寸止めだった絶頂が、挿入の衝撃で決壊する。内壁が剛直を万力のように締め上げ、びくびくと痙攣する膣壁が勝手に搾り取ろうとうねる。
ベルファストの目から涙がぼろぼろと零れ、白い髪が汗で頬に張り付いたまま、指揮官を見下ろす顔は快楽で完全に壊れていた。
「ご、しゅじん、さま……っ、手伝うって、そういう意味じゃ……っ」
抗議すら喘ぎに溶けて消える。
「んんん……こっちは、変わらないな。大好きなベルのままだな」
ギチギチと締め付けつつも、ご主人様への奉仕精神の表れと言わんばかりに指揮官の剛直を気持ちよくしようと絶妙な快楽を与えていく。
ベルファストの内壁は絶頂の痙攣を続けながらも、その奥底にある奉仕の本能が剛直を包み込んでいく。絶頂で締め上げながら、襞のひとつひとつが独立して指揮官の形を記憶し、最も敏感な箇所を探り当てては吸い付くように蠢く。
改修前でも指揮官を狂わせるのに十分だったそれが、今は更に精度を増していた。
「ぁ、はっ……変わらない、なんて……っ」
涙と汗でぐしゃぐしゃの顔のまま、それでもベルファストの唇が笑みの形を作ろうとする。メイド長としての矜持は粉々に砕けているのに、夫を悦ばせたいという欲だけが折れずに燃えている。
「ベルファストは、ご主人様のベルファストですから……っ、ご主人様の気持ちいいところ、全部……身体が、覚えて……ん、ぅっ」
腰をゆっくりと持ち上げようとする。だが内壁が剛直を離すまいと吸い付き、引き抜くだけでずちゅ、ずちゅと淫猥な水音が天蓋の中に響く。
改修後の感度が引き上げる快楽の波に次の絶頂が迫っているのに、ベルファストの奉仕は止まらない。
「ご主人様、気持ち、よろしいですか……っ?もっと、奥まで、搾って差し上げましょうか……っ」
腰を落とした瞬間、子宮口に先端が押し当たり、ベルファスト自身がひぅっと声を漏らす。それでも腰を止めない。壊れかけの笑みを浮かべながら。
「少し無理矢理入れたからな、ベルに任せるよ」
締め付けてくる感覚に身を委ねつつ、ベルファストに主導権をまかせる。
「お任せいただけるのですね。では……ご主人様、どうかお楽しみくださいませ」
涙を拭う素振りすら見せず、ベルファストの腰がゆるゆると動き出す。
根元まで呑み込んだまま、小刻みに前後に揺する。改修で増した臀部の重みが、指揮官の腰骨にのしかかる度にぐちゅ、ぐちゅと結合部から粘液が泡立つ音がする。
「ん、ぁ……っ、ここ、ですわね……ご主人様の、お好きなのは……」
角度を変える。腰を回すように傾け、内壁の特定の箇所で剛直を擦り始める。九年の奉仕で培った、夫の身体の地図。改修後の感度がベルファスト自身にも牙を剥いているのに、奉仕の精度だけは狂わない。むしろ改修で敏感になった分だけ、指揮官の反応をより鋭敏に読み取れるようになっていた。
「ご主人様……顔、見せてくださいませ」
白い手袋が指揮官の頬を包む。汗と涙で濡れた指先が、優しく顔を正面に向けさせる。据わった目が、蕩けた目が、至近距離で指揮官の表情を観察している。
「私の身体で、気持ちよくなってくださっているご主人様のお顔を……もっと見たいのです」
腰を落とす深さが増していく。子宮口に押し当てるように、自ら最奥へ。
「っ、ぁ……っ、これで……何回目か、数えていてくださいね、ご主人様……っ」
慣れている、とはいえ指揮官のモノはあまりにも大きい剛直。イかないように加減をしようとしても少し動かすだけでゴリゴリとベルファストの内壁がこそぎ取られていく
ベルファストが腰を揺する。ほんの僅か、指一本分の動き。それだけで改修後の内壁が剛直の隆起を余すことなく拾い上げ、粘膜が削り取られるような摩擦がベルファストの脊椎を駆け上がる。加減している。加減しようとしている。だがこの身体は、加減という概念を許してくれなかった。
「ぅ、くっ……ん、んんっ……」
腰を前に倒した瞬間、剛直の段差が入り口付近の敏感な箇所をごりっと抉る。ベルファストの指がシーツを掴み、背筋が一瞬硬直する。
内壁が反射的にきゅうっと締まり、それがまた剛直の形を粘膜に焼き付ける悪循環。
「ご主人様の、この……っ、規格外でいらっしゃるところ……本当に……っ」
声を殺そうと唇を噛むが、腰を動かすたびにひゅっと息が漏れる。奉仕のペースを刻もうとする意志と、改修後の身体が暴走しようとする快楽が真正面から衝突して、ベルファストの表情がめまぐるしく変わる。
メイド長が、女になり、妻が、雌になり、またメイドに戻ろうとして失敗している。
「は、ぁっ……ご主人様、申し訳ございません……っ、もう少し、ゆっくり……」
ゆっくりにしたい。したいのに身体が許さない。内壁が勝手に蠕動して剛直を搾り始め、腰が小刻みにかくかくと震える。
「また、イっ……ちゃ……っ」
がくん、と腰が落ちる。また絶頂。内壁が暴力的に収縮し、ベルファストの目が白く裏返りかける。
「ベル、気にせず動いてくれていいんだよ?」
気にせず動け、と。指揮官がそう言った。
ベルファストの指程度の気遣いは無用だと、あっさりと。それがどういう意味か、ベルファストは九年の経験で理解している。つまり、身体の制御を手放せという許可だ。
「……ご主人様が、そうおっしゃるなら」
ベルファストの目が変わる。蕩けていた瞳の奥に、戦場で敵を見据えるあの鋭さが一瞬だけ宿る。白い手袋がシーツを掴み直し、背筋を正した。
「では、遠慮なく」
腰が持ち上がる。
先端だけが残るところまで、一気に。
そして落とす。
「っ、ぁああっ!」
ずん、と子宮口を叩く衝撃。自分で自分を打ち付けている。
改修後の内壁が全長を余すところなく味わい、粘膜が剛直の凹凸をひとつ残らず刻み込んでいく。二度目、三度目、腰の上下が段々速くなる。ぐちゅ、ずちゅ、ぱん、と結合部の水音と臀部が指揮官の腰を叩く音が天蓋の中に反響し、安眠香の甘さを塗り潰すほどの雌の匂いが充満していく。
「ぁっ、あっ、あっ、ごしゅじん、さまっ……おなか、おなかの奥、ぐちゃぐちゃに、されてっ……!」
白い髪が乱れ飛び、鎖が暴れるように跳ねている。メイド長の仮面はもう無い。妻は、夫の身体に貪りつく獣になっていた。
「おっと、鎖が危ないな」
鎖が暴れないように掴んでおく。
臍まで届く長い鎖がぴんと張り、引っ張られる感覚でベルファストの身体が一瞬だけ強張った。へそ周りの素肌に金属の冷たさが擦れ、改修で敏感になった腹の皮膚がひくっと震える。
「ぁ、鎖を……っ、掴むのは……っ」
腰を振り下ろしながら鎖を掴まれる。上と下から同時に繋がれた状態。
ベルファストのスイッチが入りかけているのに、鎖という手綱を握られたことで、指揮官に下半身の主導権まで明け渡してしまった形になる。
「ご主人様、鎖はお優しく……改修で、お腹まで伸びておりますので……っ」
臍の窪みに垂れた鎖の先を指揮官が握っている。つまり鎖を引けばベルファストの上体が引き寄せられ、緩めれば沈む。まるで馬の手綱だ。
そしてその例えは、あながち的外れでもなかった。ベルファストは馬になぞらえて指揮官の剛直に跨がる自分の姿を自覚したのだろう、蕩けた顔にかすかな羞恥の赤みが差す。
「ご主人様……まさかとは思いますけれど、それを、手綱がわりにお使いになるおつもりで……?」
問いかけは震えている。怯えているのではない。期待で。
「それはまた今度、と言いたいが…………どうした、ベル。腰が止まってるぞ?」
そう言いながら、ベルファストを急かすように腰を跳ねて、その奥へと突き入れてみせる。
「ひぁっ……!」
下から突き上げられる。
ベルファストの身体が跳ねて、鎖がじゃらんと鳴った。自分で動いていた時とは角度が違う。指揮官の腰が下から突き上げるぶん、剛直が子宮口を下から抉り上げる形になり、ベルファストの視界が白く明滅した
「ぁ、あぁっ……ご主人様が、動いてっ……」
腰が再び動き出せない。自分の奉仕で精一杯だった身体に、下から突き上げる振動が加わる。二重の刺激に内壁が混乱し、きゅうきゅうと締まっては緩み、締まっては緩みを繰り返す。
「こ、腰が止まっているのは……ご主人様が、下からっ……突き上げるからっ……」
言い訳にもならない弁明を並べながら、白い手袋で指揮官の胸板を支えにしようとする。だが鎖を握られたままでは踏ん張りが効かない。指揮官が手綱を操る限り、ベルファストはただの騎手ではなく、騎乗させられているか弱い雌でしかない。
「ご主人様、お願い……鎖を、緩めっ……」
懇願しながらも、内壁が剛直をぐちゅりと搾り上げる。口と身体の言うことがまるで合っていない。
「ベルファスト」
指揮官の手が鎖を少し強めに引いた。
「ご主人様のせいにするのか?」
ぐ、と鎖が引かれる。身体を下へ引っ張られる感覚がベルファストの腹腔を圧迫し、内臓が下に、剛直が更に深く突き上げる方向へと押し出される。
「っ……!」
息が詰まる。鎖に引かれた姿勢で背筋が反り、騎乗の姿勢が強制的に変えられていく。指揮官の目が下から真っ直ぐベルファストを射抜いている。
優しい夫の目ではない、主人の目だ。
ベルファストの喉がこくりと鳴る。九年の従属が身体の奥底に刻んでいる、この目をされた時の作法。メイド長としての理性が一拍だけ抵抗を試み、そしてあっさり白旗を上げた。
「……申し、訳ございません、ご主人様」
声色が切り替わる。蕩けきっていた甘さが消え、従順なメイドの声が戻っている。だが身体はがくがく震えたままで、結合部からは止めどなく愛液が溢れて指揮官の腰を濡らし続けている。
「ベルファストの腰が止まっていたのは……ご主人様のせいでは、ございません」
鎖に繋がれたまま、白い手袋で指揮官の胸板を撫でる。
「ただ……気持ちよすぎて、動けなかっただけ、です」
白状した瞬間、耳の先まで真っ赤に染まった。
「ほら、早く」
しかし、指揮官は気にすることはない。その声に込められた圧は、戦場でベルファストが聞いたどんな命令よりも重い。
「かしこまりました」
白い手袋が指揮官の腹筋を掴み直す。鎖に繋がれたまま、腰を持ち上げる。
改修後の内壁が剛直をずるりと擦り上げ、それだけで腹の奥がきゅんと疼く。だが止まらない。メイド長の命令遂行能力が、壊れかけの身体を無理やり動かしている。
「ん、っ……ぁ、はっ……」
上げて、落とす。ぐちゅ。上げて、落とす。ずちゅ。規則正しいリズムを刻み始めた腰が、徐々に速度を増していく。鎖がぱらぱらと音を立て、指揮官の胸板を掴む手袋が汗で滑る。
メイドとして切り替わったというのにすぐに甘い蕩けた声が漏れていく。
「こ、これで……っ、ご満足、いただけま……ひぅっ!」
自分で打ち下ろした角度が、改修後の弱点を直撃してしまった。内壁が剛直の最も太い箇所で押し広げられ、子宮口を小突き上げる振動が骨盤を揺らす。リズムが崩れかけ、ベルファストの太腿がぷるぷると限界を訴えていく。
「ご主人様っ、鎖、鎖をもう少し緩めてくださらないと……このままですと、ベルファストは……っ」
腰を打ち下ろすたびに胸が盛大に跳ね、汗の雫が指揮官の顔に降りかかっている。
「仕方ないな」
名残惜しくも鎖を手放した。
鎖が手放された瞬間、ベルファストの身体に自由が戻る。臍まで垂れた鎖が重力に従ってちゃらりと垂れ下がり、結合部のすぐ上に冷たく触れる。
「緩めていただけましたか、ありがとうございま……っ」
言い終わる前に、腰が動く。解放された獣のように、ベルファストの腰が一気に加速した。ぱん、ぱん、ぱん。臀部が指揮官の腰を叩く音が破裂音のように天蓋に反響し、Rカップの乳房が暴力的な勢いで上下に弾む。
「ぁっ、あっ、あぁっ……!ご主人様っ、ベルファストは、止まりませんっ……!」
鎖という制約が外れた分、ベルファストの本能が剥き出しになっていく。腰を回すように落とし、引き上げ、捻り、叩き込む。内壁が改修後の感度で剛直を丸ごと搾りながら、それでもメイド長の奉仕の精度は崩れない。むしろ枷を失った分、動きが大胆になり、指揮官の弱い箇所を狙い撃ちにする腰使いへと化している
「鎖をお放しになったのが、間違いです……っ」
据わった目。
戦場で敵を追い詰める時と同じ、あの鋭い眼光が蕩けた顔の中に混在している。鎖が腹の上でちゃりちゃりと跳ね、汗に濡れた金属が灯りを弾く。
「もう止められません……ご主人様、覚悟してくださいませ?」
甘い声音でベルファストの腰が猛威を振るう。解放されたメイド長の騎乗は、もはや奉仕というより蹂躙に近い。ぐちゅぐちゅと淫猥な水音が途切れることなく天蓋に反響し、安眠香の甘さは二人の体液と汗の臭いにとうに塗り潰されている。
「ご主人様っ、いかがです?ベルファストは、ちゃんとご主人様をっ、気持ちよくできておりますかっ?」
腰を叩きつけながら問いかける声が、既に甘く掠れている。自分で動いておきながら、改修後の感度がベルファスト自身を犯し続けている。内壁が剛直を締め上げるたびに脳が痺れ、それでも腰を止めない。止められない。鎖を外されたメイドは、こんなにも貪欲なのか。
「っ、ぁ……また、イきそ……っ、でもっ、止まりません……っ!」
がくんと腰が落ち、絶頂の痙攣が走る。内壁が締まり切り、だがベルファストは歯を食いしばって腰を持ち上げ直す。白目を剥きかけたまま、また落とす。連続絶頂しながら腰を振り続けるメイド長の姿は、狂気と献身の境界線を完全に飛び越えていた。
「ご主人様もっ、ベルファストでっ、気持ちよくなってくださいませっ……」
汗が飛び散り、Rカップの双丘が狂ったように揺れている。
「ッ、そろそろ出すぞ!」
「はいっ、出してくださいませっ、ご主人様っ……すべてッ、ベルファストの中にっ……!」
ベルファストの内壁が応えるように蠢く。奉仕の本能が絶頂の痙攣すら利用して剛直を搾り上げ、子宮口が先端に唇づけるように吸い付いた。九年間磨き上げた、夫の精を一滴も逃さない雌の身体が全力で稼働する。
「ベルファストのここにっ、ご主人様のをっ、全部っ……!」
腰を最奥まで落とし切る。
ずん、と子宮口に剛直が押し当たり、ベルファストの背筋がびくんと弓なりに反った。白い手袋が指揮官の胸板を掴み、爪が食い込み、蕩けきった顔が指揮官を見下ろす。
「ご主人様っ、お願いいたし、ます……っ、このベルファストを見てっ……私だけをっ……」
据わった瞳の奥に、妻としての独占欲がぎらりと光る。内壁が剛直の根元から先端まで波打つように搾り上げ、ぎゅうぎゅうと締め付けながら指揮官の解放を促していく。
「くださいませっ、ご主人様っ、ベルファストにっ……!」
腰を押し付け、密着し、一ミリの隙間も許さない。
「ッッ!!」
指揮官の喉が唸る。
一番奥に食い込むように突き入れられ、そして指揮官の腰が震えた。
どぶっ、どぶぶっ、とそんな音を響かせるようにベルファストの中へと吐き出していき、指揮官の腰が跳ね上がり、剛直が最奥に突き刺さったまま脈動する。
子宮口が先端に押し付けられた状態で吐き出される精液が、逃げ場のない子宮の中へ直接流し込まれていく。
「ぁ、あぁぁぁっっ……!きひぇ、きひぇますっ……ご主人様の、お腹の中にっ……!」
ベルファストの全身が痙攣する。内壁が精液の一滴も逃すまいと狂ったように蠕動し、剛直を根元まで咥え込んだまま搾り続けていく。白い手袋が指揮官の胸板を掻きむしり、背中が大きく仰け反る。
「あついっ……あつい、ですっ……おなかの奥が、ご主人様でいっぱいに……っ」
涙が止まらない。精液が注がれるたびに子宮が収縮する感覚が脳を焼き、連鎖的に絶頂が止まらなくなっていく。太腿が震えて結合部から溢れ出す白濁と愛液が混ざった液体が、指揮官の腰を伝ってシーツに染みを広げていく。
「ご主人様の……全部、受け止めますから……っ」
がくがく、と崩れそうな身体を手で必死に支えながら、腰を落として密着する。子宮が精液を吸い上げるように、きゅうきゅうと奥が蠢きつづけていた。
射精の余韻が引いていく。指揮官の腰は微かに震え続け、剛直はまだベルファストの最奥に埋まったまま脈打っているが、子宮に注がれた精液の重みと熱が彼女の下腹部をじんわりと満たしている。
「……ご主人様」
がくりと力が抜け、ベルファストの身体が指揮官の胸の上に崩れ落ちた。Rカップの双丘が指揮官の胸板に潰れて広がり、汗と体液で肌同士がぴたりと吸い付いた。白い髪が二人の間に散らばり、安眠香の残り香と情交の匂いが入り混じった甘い空気が天蓋の下に充満している。
「ご主人様、お腹の中……すごく、あたたかいです」
耳元で囁かれる。まだ内壁が余韻でひくひくと収縮しており、繋がった部分から白濁が僅かに漏れ出して二人の肌を汚していた。
「ねぇ、ご主人様」
顔を上げる。涙の跡が残る頬、蕩けた瞳、噛み締めすぎて赤くなった唇。その全てが柔らかく綻んで、メイド長でも戦士でもない、ただの妻の顔がそこにあった。
「改修後の初夜のご感想、まだ伺っておりませんけれど?」
くすっと笑う。鎖が二人の身体の間でちゃりと小さく鳴った。
「そうだな……まだ、分からないかな。1回じゃあダメかもしれない」
そう言って、ベルファストを抱きしめながら、上下を逆転させる。
ぐるん、と世界が反転する。ベルファストの背中がシーツに沈み、汗と愛液で濡れた布地がメイド服の裾を受け止める。指揮官が覆いかぶさり、まだ繋がったままの剛直が角度を変えてぐりっと内壁を擦り、ベルファストの喉から短い悲鳴が漏れた。
「ぁ、ん……っ」
見上げる形になる。指揮官の影がベルファストの顔に落ち、天蓋の薄絹越しの僅かな灯りが背中から後光のように差している。さっきまで自分が上で蹂躙していた体勢から一転、完全に組み敷かれた格好。Rカップの双丘が重力で左右に流れ、汗と精液で光る肌が無防備に晒される。
「1回では分からない、と」
蕩けた目が、すっと細まる。唇の端が持ち上がり、戦場で敵の布陣を読む時と同じ鋭さが一瞬だけ宿った。
「つまりご主人様、近代化改修後のベルファストを……徹底的に、検証なさると?」
白い手袋が指揮官の頬に触れる。汗に濡れた指先が顎を撫で、親指で唇の輪郭をなぞっていく。
「私は構いません。何度でも、ご主人様がお気が済むまで……ただし」
脚がゆるりと指揮官の腰に絡みつく。まだ精液で満たされた内壁が、きゅうっと剛直を締め上げた。
「改修後の初夜は一度だけではございませんので。夜明けまで、たっぷりとお相手いたしますわ。ロイヤルメイド長の名にかけて」
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