木漏れ日が、静かな狂気を祝福するように瞬いていた。
のどかな海風が吹き抜けるフーシャ村の小高い丘、その片隅にある二人だけの秘密の聖域。
青草の上に大の字で横たわり、無防備な寝息を立てる少年の胸元で、少女の白魚のような指先が、汗で湿るシャツのボタンを一つ、また一つと外していく。
かちり、かちりと鳴る微かな音は、未だ染まらぬ無垢の魂を、ウタという底無しの泥濘へと引き摺り込むためのカウントダウンであった。
「......可愛い。私の、ルフィ......」
開かれたシャツの隙間から露わになった、太陽の匂いが染み付いた健康的な褐色の肌。その奥で、トクトクと無垢な生命のリズムを刻む心臓の鼓動。
うつらうつらと微睡みの淵を漂っていたルフィが、胸元を撫でる冷たい外気と、それ以上に熱を帯びた太腿の体温を感じ取って、とろんとした瞳を僅かに開いた。幼い少年の無防備な視線が、自身を上から覗き込むウタの顔を捉える。
「......ウタ......? なに、して......?」
「しーっ......動かないで、ルフィ。これはね、ルフィが立派な海賊になるための、特別なおまじない」
極上の甘蜜を垂らしたような蕩ける笑顔で囁き、細い人差し指をルフィの唇にそっと押し当てた。
その指先から、甘く、どこか退廃的な香りが漂ってくる。それは幼い少女から発せられるべきではない、成熟した夜の華のような、猛毒を含んだ芳香だった。ルフィの動物的な本能が、ほんの僅かに「危険」を警鐘として鳴らしたが、大好きな幼馴染に対する絶対的な安心感が、その警鐘を即座に押し潰してしまう。
ウタは、焦点の定まらない昏い瞳でそれを見つめながら、熱を持った吐息を漏らした。
まるで壊れ物を扱うかのように、あるいは極上の供物を祭壇に捧げるかのように、両手でルフィの小さな胸を包み込んだ。
「ルフィはね、お日様みたいだから。きっとこれから先、海に出たら、いろんな人たちがルフィの周りに集まってくるわ。男の人も......ううん、きっと、数え切れないくらいの『女のひと』たちもね」
まだ筋肉の薄い少年の胸板に、美しい顔がゆっくりと近づいていく。彼女の白皙の肌が、ルフィの夏の熱を帯びた肌に触れた瞬間、ウタの全身を這い回る細胞の全てが、狂おしいほどの歓喜に打ち震えた。
「なんか......怖ェ、よ...ウタ」
ウタは、ルフィの左胸、心臓の真上へと自身の桜色の唇を強く押し当てた。
「大丈夫よ、ルフィ。ただの、二人だけの秘密の『おまじない』だから。......ずっと、私だけのものになるための、大切な儀式なの。......じっとしてて」
至近距離から注がれる熱い吐息が、少年の幼い皮膚をじりじりと灼く。
肺腑の奥まで吸い込んだルフィの匂いは、草の香りと、ほんのりとした汗の塩気、そして彼固有の、眩しいほどの生命の皮脂組織の香りが混ざり合っていた。それだけで、ウタの脳内は極上の麻薬を打たれたかのように歓喜の色彩で染まる。
「......ぁ♡」
我慢が、できなかった。
誰にも渡したくない。海にも、シャンクスにも、将来現れるかもしれない有象無象の雌狐どもにも。この光を、この心臓を、この肉のすべてを、自分だけの檻の中に永遠に幽閉しておきたかった。
ちゅっ、じゅちゅ......。
水気を帯びた淫靡な音が、二人の間に落ちる。ウタは唇を吸盤のように密着させ、ルフィの心臓の鼓動を直接舌先で味わうように、ひたすらに、強く、強く、その肌を吸い上げた。
傷付けぬよう優しく、しかし確実に肉を噛み締め、驚くほどの力でその皮膚を犯す。
「っ......! あ、う......」
ルフィの喉から、微かな、掠れた吐息が漏れた。痛覚と快覚の境界線が融解したような、幼い拒絶の身動ぎ。だが、ウタの両腕は、蜘蛛の糸のようにしなやかに、そして強力にルフィの小さな身体を抱きしめ、決して逃がさない。
一心不乱に、その細い首筋の肉を吸い続けた。
口内に広がる、少年の体温。皮膚の裏側で毛細血管が弾け、鮮血が皮下組織へと滲み出していく肉体の変容を、唇の粘膜越しに克明に感知する。吸って、吸って、自身の肺が潰れるほどに強く、ルフィという存在そのものを吸い尽くそうとする。
その瞬間、ウタの胎の奥は、未だかつてないほど激しく、ドロドロとした熱い質量を持って狂い咲くように昂っていた。快感のあまり、背筋を粟立つような戦慄が駆け抜ける。
己の太腿で強く身体を挟み込み固定し、さらに深く、貪欲にその首筋を吸い続けた。ルフィの体温、その肌に染み込んだ土と潮の匂い、そして生そのものの拍動が、ウタの口腔を満たしていく。
ちゅる、ちゅぱっ......
吸い上げること、数十秒。ウタがゆっくりと唇を離すと、そこには痛々しいほどに赤黒く変色した、円形の鬱血――鮮烈な吸痕が浮かび上がっていた。
無地のキャンバスに、極彩色の塗料をぶちまけたかのような、圧倒的な背徳の美。
ウタは、その赫い烙印を見つめながら、自身の割れんばかりに脈打つ胸を押さえた。脳内では、快楽物質がどくどくと分泌され、視界がチカチカと明滅する。
自身の最奥が、どろりと熱い粘液で満たされていくのを感じていた。
下腹部の奥深く、少女という器には収まりきらない、悍ましくも早熟な「女」の領域が、じゅわりと疼きを上げて拍動している。それは法も倫理も、人間としての理性のすべてを焼き尽くす暗黒の焔だった。
「綺麗......ふふっ、えへへ......私だけの、印......」
だが、彼女の渇きはこれだけでは癒えない。
小さな口から、唾液がぬらぬらと陽を照り返す、真っ赤な長い舌先を覗かせた。
そして、その湿った舌頭を、いま穿ったばかりの赤黒い鬱血の真上に、容赦なく滑らせていく。
「――っは、あ」
口から、小さく、熱い吐息が漏れる。
ルフィの首筋を、下から上へと、這い上がるようにぞろり、ぞろりと撫で上げていく。
蛞蝓が這ったようなぬめった銀の軌跡を残しつつ、弾力のあるざらつく皮膚、表面に浮き出た微かな汗の塩気、そして皮脂の組織が、舌上の味蕾を容赦なく刺激する。それは、世界のいかなる山海の珍味をも凌駕する、ウタにとっての「至高の蜜」だった。
「......っ! ウ、ウタっ? なんだか、くすぐった......」
「動いちゃダメって、言ったでしょ?」
舌先でルフィの脈動を感じるたび、ウタの胎の奥、下腹部の中心が、きりきりと締め付けられるような、耐え難い激しい昂りを迎えた。内臓がひっくり返るような、強烈な歓喜の戦慄。身体の芯から湧き上がる熱が、彼女の全身の毛穴からじっとりとした甘い汗を噴き出させる。
(ああ、熱い。お腹の奥が、どろどろに溶けちゃいそう。ルフィを全部食べたい。私の血と肉に混ぜて、一生私のお腹の中から出られないようにしてしまいたい。......ううん、ダメ。ルフィは海に出るの。そして王様になる。私はその隣で、ルフィがどこに行こうと、誰と出会おうと、絶対に逃れられない首輪をかけて、永遠に飼い慣らしてあげるんだから)
女としての本能と、魔性としての支配欲が、胎内でどろどろに混ざり合い、抗い難い猛毒となって充満する。
同時に、ウタの喉の奥から、美しくも恐ろしい旋律が紡ぎ出され始める。
『――♪―――♪――』
悪魔の実、【ウタウタの実】の能力の行使。
対象の意識を
「あ...れ......? ウ、タ......おれ、なんだか......頭が、ふわふわして......」
「気持ちいいでしょ、ルフィ。もっと、ウタの声を聞いて。ウタの体温を感じて。ウタの匂いを覚えて。ルフィの身体の全部に、私を染み込ませて」
声は、もはや人間のそれというよりも、意識の裏側に直接響く甘い耳鳴りに近かった。
ウタは顔を上げ、焦点の定まらなくなったルフィの虚ろな瞳を真っ直ぐに見つめ返した。その表情は、天使の仮面を脱ぎ捨てた、愛欲と執着の化身たる魔性の女である。
「ねえ、ルフィ。約束して。これから先、どんなに沢山の女の人がルフィを好きになっても......ルフィが一番好きなのは、ウタだって。ウタがいないと、ルフィは生きていけないって。......約束して?」
呪縛の言葉が、歌声に乗ってルフィの潜在意識の最深部へと楔を打ち込んでいく。
抵抗などできるはずがなかった。幼き日のルフィの無垢な魂は、ウタのどす黒く重厚な愛情の海に、もはや首まで沈められていたのだから。
「お......れは......ウタが、一番......ウタが、いねェと......だめ、だ......」
夢現の状態で、ルフィが機械的に呟く。
その言葉を聞いた瞬間、ウタの全身を、背筋が焼き切れるほどの強烈な歓喜が駆け巡った。
「ああっ......! ルフィ、ルフィ、私のルフィ......ッ!」
彼女はルフィの首に両腕を回し、彼を下敷きにするようにして強く、痛いほどに抱きしめた。その体温を、汗を、匂いを、すべて自身の胎内へと取り込むかのように。彼女の瞳からは恍惚の涙が溢れ出し、白く可憐な頬を伝ってルフィの胸元へと滴り落ちた。
ルフィの精神に刻まれた見えない呪縛の痕。それは、少年の精神の根底にある「自由」という大地の杭を一本ずつ抜き去り、代わりに「ウタがいなければ息もできない」という、甘く重い依存の苗床を植え付ける為の精神調教の最初の一歩、
「......んあ......ウタ...おれ、なんだか......すごく、眠い......」
「うん、いいよ、ルフィ。そのまま、私の腕の中で、ずっと夢を見ていて......」
―――すべてが終わったとき、ウタはルフィの胸元に顔を埋めたまま、しばらく動くことができなかった。
身体は歓喜の余韻でぴくぴくと小刻みに震え、その股ぐらは、凡そ肉体の限界を超えた極度の興奮と一気に抜ける虚脱によって、ほんのりとした湿り気を帯び、下着をじっとりと濡らしていた。それは、九歳の少女の肉体には到底不釣り合いな、あまりにも濃厚で、苛烈な愛欲の証左であった。
◆◆◆
空は、世界の終わりを予感させるような、血の滴るような残照に染まっていた。
燃えるような斜陽の放つ赤と橙の眩しさから、禍々しい紫色へと移り変わるグラデーションの中を、二人の影が長く、地面に引き摺られるようにして伸びている。
フーシャ村へと続くあぜ道を、ルフィとウタは手を繋いで歩いていた。
だが、その歩調は、数時間前までのものとは決定的に異なっていた。いつもなら、ウタの手を振り切って、虫を追いかけたり、道の先へと徒競走を挑んだりするはずのルフィが、今はどこか、魂の半分を置き忘れてきたかのように大人しい。
ルフィの視線は、前を向いているようでいて、その焦点は定まっていなかった。
繋がれた手から伝わる微かな温もり。それが、今のルフィにとっての世界のすべてを繋ぎ止める絶対的な命綱であるかのように、少年の小さな指は、ウタの手を不自然なほど強く握りしめていた。
「ルフィ、歩きづらい? おんぶしてあげようか?」
ウタが優しく、慈愛に満ちた声で問いかける。
その横顔は、夕日に照らされて神々しいほどに美しいが、その瞳の奥には、一切の光が通らない漆黒の沼が潜んでいる。
「ううん......だいじょうぶ。だけど、なんだか、頭がふわふわするんだ......。ウタの声が、ずっと耳の中で響いてるみたいで......」
ルフィは戸惑うように、空いた方の手で自身の頭を軽く叩いた。
幼い彼には言語化できない変化。魂の深層心理において、ウタという存在が「最優先事項」として強烈に書き換えられつつあるという事実。これまでは「大好きな幼馴染の姉貴分」だった存在が、彼の精神の王座へと君臨し、不可逆的な変質を始めていた。
「それはね、ルフィが私のことを、それだけ大好きだからよ。心と心が、一つになろうとしてるの。だから、何も怖がらなくていいの」
ウタは甘く、耳触りの良い言葉の毒を、ルフィの耳元で紡ぎ続ける。
ルフィは「そっか......」と小さく呟き、それ以上の思考を放棄するように、ウタの身体に寄り添った。
彼を包む世界の認識が、ほんの少しずつ、しかし確実に、隣を歩く少女の望む通りの形へと歪められ、染め上げられていく帰り道だった。
◆◆◆
カラン、コロン。
木製のドアに取り付けられた真鍮のベルが、夕闇の迫るフーシャ村の片隅に、うら寂しい音を響かせた。
【パーティーズ・バー】の店内は、すっかり入り浸っている赤髪海賊団のクルーたちの豪快な笑い声と、木樽から溢れる酒の匂いで満ちていた。
「マキノ、 腹減ったー! 肉食わせてくれー!」
いつものように、元気いっぱいの声を上げながら店の扉を開け放ったルフィ。
その後ろには、いつものように可愛らしいワンピースを揺らして微笑む、天使のようなウタの姿があった。
カウンターでグラスを拭いていたマキノは、二人の姿を見て、ふと手を止めた。
「いらっしゃい、ルフィ、ウタちゃん。......今日は随分と遅かったのね」
マキノが優しく微笑みかけて、店内に足を踏み入れた二人の姿を見た瞬間、ふいに静止した。
「......?」
おかしい。
言葉にしようとしても、適切な単語が見つからない。だが、何かが決定的に奇妙だった。
ルフィの様子が、ほんの僅かだが、いつもと違うのだ。普段なら一人で勝手にカウンターの椅子によじ登るルフィが、今日はウタの手に自分の手をしっかりと握りしめられ、まるで先導されるかのように歩いている。
ルフィ自身の目に陰りはない。
言葉にできない、違和感。
二人の距離感が、ほんの数時間前と比べて、決定的に変質している。いつもなら、ルフィが前を走り、ウタがそれを追いかけるような、微笑ましい姉弟の構図。しかし今の二人は、まるで、分かち難い陰と陽のように、ぴったりと肉体を密着させ、大気の隙間さえ許さないような、息苦しい閉塞感を纏っていた。
「ルフィ、お腹空いたでしょ? マキノさん、お肉!」
「おー、きょうもいっぱい食うぞー」
「......あら、今日は一段と仲良しね。何かいい事でもあったの?」
マキノが努めて平静を装いながら声をかけると、ルフィはへへっと笑いながら首元を掻いた。
「いや、なんだか今日はすっげェ眠くてよ。ウタの歌、すっげー気持ちよかったからかなァ......ん?」
ルフィが首を傾け、シャツの襟元がわずかに開いた、その一瞬の間隙。
マキノの視力が、ルフィの首筋から鎖骨にかけて、何か赤黒い、不自然な染みのようなものを捉えた。
カウンターの灯りの下、首を振った拍子にはだけた其処には、痛々しいほどに赤黒く、紫色に鬱血した、人間の口の形をした鮮烈な痕跡が、夜の毒花のように咲いていた。
「―――えっ!」
マキノの息が止まった。
そこにあったのは、痣などという生易しいものではなかった。痛々しいほどに赤黒く、周囲の皮膚が盛り上がるほどに強く、執拗に吸い上げられたことが一目でわかる、吸引性皮下出血。
それが何を意味するのか、若くとも成熟した女性であるマキノが知らないはずがなかった。しかし、それを施された相手は、わずか七歳の、まだ何も知らない純粋無垢なルフィなのだ。
それは、子供の泥遊びや、ただの擦り傷などでできるような代物ではない。あきらかに、強烈な情念を持って、肉を引き千切らんばかりに吸引されたことでしか生じ得ない、生々しい「痕」だった。
「ルフィ、その首、どうしたの......!? 誰かに、酷いことをされたんじゃ......」
マキノが、恐怖を堪えきれずにカウンターから身を乗り出し、ルフィの首元に手を伸ばそうとした、その時。
「あ、それね、マキノさん」
鈴を転がすような、しかし一切の感情の抑揚を排した、ガラス細工のように冷徹な声が、マキノの鼓膜を刺した。
ウタが、ルフィの前に一歩踏み出し、マキノの視線を遮るようにして、完璧な、あまりにも美しい「天使の微笑み」を浮かべた。
「丘の上の大きな木の裏にね、すっごく大きな毒虫がいたの。ルフィ、夢中で遊んでたから、首のところを思いっきり刺されちゃって。......ねえ、ルフィ、すっごく痛がってたわよね?」
「え? あ、うん......? なんか、ちくっとした気がするぞ」
ルフィは、ウタの放った言葉に、自身の曖昧な記憶(実際にはウタに吸われていた時の微かな痛み)を誘導され、言われるがままに頷いた。
「だからね、私が急いで、お口でその毒を吸い出してあげたの。シャンクスが言ってたわ、毒虫に刺されたら、すぐに傷口を吸って、毒を吐き出さなきゃいけないって。......でも、強く吸い過ぎちゃって、ちょっと跡になっちゃったみたい。マキノさん、私、間違ったことしちゃったかしら?」
ウタは、少しだけ首を傾げ、大きな宝石のような瞳を潤ませてマキノを見上げた。
その表情は、年下の幼馴染を必死に救おうとした、健気で聡明な少女そのものだった。
周囲の海賊たちも、その言葉を聞いて「おお、ウタは賢いなぁ!」「ルフィ、いい姉貴を持ったな!」と、豪快に笑い声を上げている。
しかし、マキノだけは騙されなかった。
ウタの潤んだ瞳の奥底。そこには、言葉の通じない狂おしい捕食者が、こちらの出方を冷酷に窺っているような、絶対零度の暗い炎が揺らめいていた。
毒を吸い出した、という尤もらしい大義名分。しかし、その痕跡の生々しさは、ウタのルフィに対する「所有権の誇示」そのものであった。
「そ、そう...。ウタちゃんが、助けてくれたのね......」
マキノは、カウンターの下で、自身の震える両手をエプロンの生地ごと固く握りしめた。
背筋を、ぬらぬらとした冷たい蛇が這い上がっていくような恐怖。
マキノには分かってしまった。ウタは、周囲の大人たちの心理を完全に掌握し、自分たちにとって最も都合の良い「物語」を即座に捏造して立ち回っているのだ。そして、その狡猾な罠に、無垢なるルフィは、魂の檻へと一歩ずつ、自ら進んで囚われようとしている。
「うん。だからマキノさん、心配しないで。ルフィのことは、いつだって私が、一番近くで『お世話』してあげる」
ウタは微笑むと、再びルフィの首元の襟を、その赤黒い烙印を隠すように、優しく、しかし二度と外れない錠前をかけ、丁寧に整えてあげるのだった。
パーティーズ・バーの喧騒の中で、ウタは満足そうにルフィの髪を撫でながら、次の「調教」の算段を、その頭脳の中でじっくりと組み立て始めていた。