平和な日常でイングリッドとお隣生活~イチャイチャと寝取らせと~ 作:モブ好き
「ゴクッ、ゴクッ……ぷはぁ~っ!仕事終わりの酒は最高だぜぇ」
「先輩、あまり飲み過ぎるとまた奥さんに怒られるんじゃないですか?」
「んぁ?良いんだよ、仕事の疲れを癒す為なんだから必要な事、必要な事だっ!」
そう言ってこちらの話を聞く事なく、何杯目になるか分からない酒を飲む先輩を見て
俺は内心ため息をつく
居酒屋と言う場所を考えれば当たり前ではあるんだろうけど、後日奥さんに怒られた愚痴を
聞かされる事を考えるといつもの事とは言え憂鬱な気分にさせられる
「昔の知り合いは良い会社で高い給料貰ってるって言うのに
こっちは安い給料でコキ使われてさぁ、負け組はつらいよなぁ!」
そう嘆く先輩だけど、先輩は奥さんも居てお子さんも居る
奥さんに尻に敷かれてこうして愚痴も多いけど
30を過ぎて恋人はおろか女性の友人すら居ない童貞の俺からすれば
先輩は十分勝ち組だと思っている
(……結婚なんて、みんな普通にするものだと思ってたんだけどな)
すっかり酔い潰れた先輩をタクシーを使って家まで送り届けると夜の街を一人歩く
日頃は安アパートと会社を往復するだけなので、こういうのは良い運動にもなる
先輩の話には、自分も思う所はあった
例えば最近参加した同窓会で充実している同級生たちを見て場違いな気持ちになった事とか
男友達の結婚披露宴に参加して独り身なのを応援されたりとか
後輩に童貞なのを馬鹿にされたりとか
「……はぁ」
何だか最近はため息ばかりだ。と自嘲気味に笑っていると安アパートの前に居る人影に
気づき足を止める。年季の入った頼りない街灯の明かりに照らされ立っていたのは
まるでファンタジーの世界から出て来た様な格好の女騎士
(……飲みすぎたかな)
都会ではあるからコスプレをしている人くらいはいるだろうけど
こんな夜にコスプレをして出歩かないだろう。とりあえず言える事は
(あまり関わりたくないタイプだ)
少し待ってみてもアパートの前から動く気配もないため、またため息をついて歩き出す
「おい」
「え?」
鞄をこっそり盾にしつつ通り過ぎようとした際、女騎士に声をかけられて振り向けば
一歩、二歩とこちらへと歩み寄られ
「この男を探している」
そう言って押し付けるように紙を渡される。そこには男の写真と共にプロフィールが
書かれており
「えっと、これ俺ですけど……?」
「間違いないか?」
「は、はい……」
答えた後、恐る恐る女騎士の様子を伺う。褐色の肌を覆う黒い衣装は露出も多く
豊満な胸は下乳丸出しで覆いきれていない。にも関わらず女性は恥ずかしそうな様子もなく
涼しい顔でこちらを品定めするように見ている
(こうして見ると、女騎士要素って腰に身につけてる剣だけだな)
それ以外はただの痴女の様に感じた
「確かに写真も似ているな。手間をかけさせる」
「俺に何かご用でも……?」
高圧的な言葉に怖気づきつつ尋ねると『ふん』と不機嫌そうに鼻を鳴らし
「私はイングリッド。単刀直入に言おう、私に精液を提供しろ」
「……?」
「聞こえなかったか?私とセックスをしろと言っている」
とても頼みごとをする態度ではないと言うのは置いておいて
イングリッドと名乗る女性の言葉に後ずさる
(……怪しいセールスか?)
街灯に照らされた女性は整った顔立ちでそのメリハリのあるグラマーな体つきを見れば
『そう言う仕事』をして自分のような男を騙しているのだろうと思えた
「すみませんっ、インポなんで無理ですっ!!」
「は……?お、おいっ!?」
自分の部屋まで走ると、夢中で鍵を開けてすぐに閉める
距離としてはすぐ近くではあるけど、女性は追いかけて来るような事はなかった
(……居ないよな?)
出勤の為、恐る恐る外へ出てみると女騎士の姿はなく胸をなで下ろす
ここ数日はこうして警戒しているけど、どうやら諦めて帰ってくれたらしい
(昨日の外国人……それとも魔族?まぁどちらにしろ分からないけど。綺麗な人だったな)
だからこそ、ああやって男から金を巻き上げているのは残念に感じてしまう
(テレビでは連日、平和だってアピールしてるけどああ言うのを見るとなぁ)
餌にならないようにと気持ちを新たにしていると、アパートのドアが開く音にそちらを見る
(あれ、隣って空き部屋だったと思うけど誰か引っ越して来たのかな)
「……あ」
そしてそこから出て来た女性を見て思わず声を漏らした
褐色の肌に、濃いピンクの長髪。半袖の白いニットにジーンズ姿で
始めて出会った時とは服装は違うけど、間違いない
(イングリッドさん……だっけ)
「仕事か?」
「え?は、はい」
声をかけられて身構えるも、ただの雑談の様でそう返してみる
「戻りはいつだ?」
「定時には帰れるかなと……」
「分かった、気をつけて行ってこい」
それだけ言うと、イングリッドさんは再び部屋へと戻って行く
「……?」
そんな様子に安心したような、肩すかしをくらったような不思議な気持ちになりながら
会社へと向かう事にした
(給料は安いけど、定時に帰れるのは良い所だよな……まぁ、残業代を出したくないだけかも
しれないけど)
帰宅後、いつものようにスーツを脱いでパンツにシャツとラフな格好になると
カップ麺を食べるためにお湯を沸かす。隣人が引っ越してきても日常は変わらない
と、部屋に響くチャイムに持っていたカップ面をテーブルに置くとズボンを引っ張り出して
部屋のドアを開ける
「帰ってきていた様だな。カレーは食べられるか?」
ドアを開けて対面するなり、イングリッドさんはそう聞いてくる
「え?あ、はい。食べられますけど……?」
「なら良い、用意してあるから私の部屋に来い」
言うだけ言って帰って行くイングリッドさんに困惑させられるまま言われた通り
隣の部屋へと行ってみれば、イングリッドさんの部屋へと通される
(……女性の部屋って初めてなんだよな)
乱雑な俺の部屋と比べてイングリッドさんの部屋は質素だけど綺麗にしてあり、そんな所に
女性らしさを感じているとイングリッドさんはテーブルにカレーを用意していく
「これ、イングリッド……さんが作られたんですか?」
「意外か?」
「い、いえ。俺は料理しないので凄いなと」
「調査通りだな。ふっ、まぁ食べてみろ」
お互いにテーブルに腰を下ろし、自信ありげなイングリッドさんを見た後、カレーを一口
食べてみる
「……あ、おいしい」
俺の素直な言葉を聞いて、イングリッドさんは『そうだろう』と満足そうに頷いた
「その……カレーとても美味しかったです」
「ああ、ゆっくりくつろぐと良い」
「あっ、洗い物くらいはさせてくださいっ!」
食後、2人分の食器を下げようとしていたイングリッドさんを引きとめ
代わりに食器を洗っていく
(これくらいじゃ大したお礼にならないかもだけど……って言うかなぜ食事に……?)
流されるまま食事をしてしまったけど、疑問は多い
「食器洗いました……えっと、なぜ食事に誘ってくれたんですか?」
なので、再びテーブルで向き合い素直に聞いてみる
「お前と仲良くするためだ、前回は逃げられてしまったからな」
「えっと……すみません」
「いや、私も対魔忍に先を越されないよう焦っていたからな。その節はすまなかった」
イングリッドさんからは最初に出会った時の威圧感はなく、お互いに謝り合う
「お前は女対魔忍を強化する『特殊な対魔粒子』について何か知っているか?」
「たいまりゅうし……?いえ、初耳ですけど」
「ふむ……やはり分家はそんなものか」
はてなマークを浮かべる俺をよそに、イングリッドさんは何か考えるように呟く
「私も詳細に知っている訳ではないが、対魔粒子は精液に含まれていて
それを対魔忍に提供していた一族が昔居たらしい。ただどういう理由かは知らないが
その協力関係は終わり、存在を知る者も殆どいない有り様だ」
「そ、そうなんですね……」
俺の気のない相槌に
「調べた限りお前はその一族の分家筋だ。しかも独身で対魔粒子をたっぷり溜め込んでいる
あれは射精すればするほど放出され消費されてしまうらしいからな……そこでだ
今後は対魔粒子を回収するため私に相手をさせろ。お前にとっても良い条件だろう?」
そう真剣な様子で俺を見てくる
「そういう事情なんですね。分家とかそういうのは分からないですけど
……一応聞いておきたいんですけど、もし断ったりしたら……?」
「心配するな、手荒な真似をするつもりはない。気を許してくれるまでカレーを
用意するだけだ」
(出来ればカレー以外も食べたいけど……ってそうじゃなくて)
「それならその……良かったです」
「まったく、本来であればこんな『簡単な』任務はそうないんだぞ?お陰で隣に
住む事になった」
「そう言えばそうですね。安いボロアパートですから女性にはお勧めできませんけど」
「そうも言っていられん。手ぶらで帰れば女としてのプライドが傷つく。それに
対魔忍に横取りされないようにせねばな。それで、お前の返事は?」
イングリッドさんの提案に乗れば精液を提供する代わりにHな事をしてくれる……と
言う事だろう
「……えっと、俺童貞ですけど、そう言う男とするのって嫌じゃないんですか……?」
「その方が都合は良いと話したぞ?」
「も、モテないですし……」
「対魔粒子回収に容姿は関係ない。それよりインポと言っていたが」
「あ、それは嘘です」
「なら問題はないな」
こうして、イングリッドさんとのお隣生活はスタートした……