『神符大戦 ──世界大会決勝で負けて底辺に堕ちた男、TCGの勝敗が全てを決める異世界で美少女達を調教しながら盤面制圧を目指す──』 作:シキセ
神符大戦 符闘律令(作中ルールブック)
1. 神符大戦とは
神符大戦は、式符を用いる符士たちが、名誉、財産、地位、信仰、政治的権利を賭けて行う符闘制度である。
式符は単なる札ではない。異界の存在、古い神との約定、武具、結界、術式を封じた資産であり、符士の家名と社会的信用を証明する財産でもある。強い式符を持つ者は強いだけでなく、豊かで、教育を受け、家門や後援者を持つ者として扱われる。
この符闘を管理する法体系を「符闘律令」という。公式符闘では裁判や財産争いに匹敵する効力を持ち、私闘では敗北時のペナルティ(呪縛)による超常的な強制力によって実効性を持つ。
2. 基本用語
【符士(ぶし)】 / 英語風呼称:グリモアテイマー
式符を扱う符闘者。符家の当主から独立符士まで身分は様々。
【式符(しきふ)】 / 英語風呼称:グリモア
異界の存在や術式を封じた札。場に出された使役符は使役式(しえきしき)となり、霊体または実体として戦場に現れる。
【神符(じんぶ)】 / 英語風呼称:テスタメント
神との約定を定めた最上位の式符。符皇、符帝、符家の権威と深く結びつく。通常の符士が一生に一枚持てるかどうかの格を持つ。
【符叢(ぶそう)】 / 英語風呼称:デッキ
符闘に持ち込む40枚の式符の束。同名式符は4枚まで。符叢の質は家柄、財力、教育水準を示す。作中では符士の命運、霊的防壁、未来の選択肢として扱う。
【作中での戦場の呼び換え】
手札:『手札』
山札:『符叢(ぶそう)』
墓地:『墓地』
戦場:『戦場』または『符場(ふじょう)』
3. カード種別・基本ステータス
・カード種別
【使役符(しえきふ)】
異界の存在を呼び出す式符。場に出ると使役式(しえきしき)となる。妖狐、小鬼、土人形、奇械式、蛇、猫、天使、騎士などが該当する。
【約定符(やくじょうふ)】
場に継続する法や契約を定める式符。約定の中でも神符格のものは別格の権威を持つ。
【早業符(はやわざふ)】
瞬間的に放つ術式。攻撃、召喚、破壊、実体化に割り込む札として描きやすい。
【布石符(ふせきふ)】
裏向きに伏せる札。罠、封印、待ち伏せ、返し技。
【宝具符(ほうぐふ)】
使役式に装備される武具、または場に残る道具。
・基本ステータス
使役式はそれぞれ戦力(せんりょく)と霊力(れいりょく)の二値を持つ。
戦力:戦闘での強さ。相手の使役式と正面からぶつかる時に比較する値。
霊力:霊体したときの強さを示す値。霊体の状態で戦闘する際に比較する値。
4. 属性と流派
属性は式符の性質であり、使う符士の出自・信仰・文化的背景とも結びつく。
【木属性】
象徴:狐・豊穣・成長・横展開・霊体化支援
傾向:土着信仰の符士、狐神を祀る地域の符家に多い。使役式を量産して盤面を作る。
【火属性】
象徴:鬼・炎・破壊・直接攻撃・墓地肥やし
傾向:短気で攻撃的な符士、賭符闘の荒事に向く。直接ダメージが多い。
【土属性】
象徴:土偶・要塞・防御・盤面維持・代償再利用
傾向:堅実な家門、守備に重きを置く家風の符士。長期戦で輝く。
【金属性】
象徴:奇械・武具・装備・工房・墓地再利用
傾向:技術者気質、近代化を重視する勢力。ヴァンダリア系の式符に多い。
【水属性】
象徴:蛇・流転・占い・手札/山札操作・バウンス
傾向:策略家・商人・間者に向く。場の式符を手札に戻す動きが特徴。
【陰属性】
象徴:猫・夜・墓地・不吉・低コストの小回り
傾向:表と裏を使い分ける符士、月影の神秘と結びつく流派。
【陽属性】
象徴:天使・騎士・聖教・秩序・山札回復
傾向:聖教系、騎士団系の符士と結びつく。帝国内でも太陽神を奉じる流派が存在する。
【無属性】
象徴:汎用符・白紙式・機関・符砲・混成支援
傾向:属性を絞らない混成符叢の土台になる。使い込んだ低級札から構成されることが多い。
5. 符闘の準備
・符叢の確認
符士は40枚の符叢を提出し、審判または証人に確認させる。公式戦では記録官が同名枚数、禁符の有無、偽造の疑いを確認する。
・先手・後手の決定
先手と後手を決める。先手は一度目の手番では戦闘局面を行えない。
・初期手札
符闘開始時、符士は符叢から6枚を手札として引く。
・初期指定式符
符闘開始時、各符士は初期指定式符を一枚公開し、それを初期手札に加える。これにより初期手札は計7枚となる。これは単なるルール上の補助ではなく、「名刺」である。貧しい符士は使い込んだ低級札を、符家の子弟は家伝の高額札を、聖堂騎士は聖約符を掲げる。
・引き直し(マリガン)
手札を確認した後、符叢の引き直しができる。ただし引き直した場合には最初に引く手札が1枚少なくなる(初期指定式符の1枚は変わらない)。
6. 勝利条件
相手の符叢を尽きさせた者が勝利する。
符叢が削られることは、肉体の傷ではなく、未来の選択肢・霊的な守り・世界との約定可能性を削られることである。観客は残り枚数を数え、符士は次に引けたはずの札を失う恐怖を味わう。
7. ターンの流れ
一つの手番は五つの局面で構成される。重要な場面だけ局面名を出し、それ以外は「札を伏せた」「終了の鈴が鳴る前に霊体へ戻した」のように描写で流す。
① 準備局面
霊体化している使役式を実体化できる。実体化には代償が必要であり、符士は手札の式符を支払い、それを使役式の下に重ねる。重ねた札は、失うかもしれない資産である。
実体化は「勝負に財産を前へ出す」行為である。霊体のままなら安全だが、符士へ直接攻撃できない。実体化すれば攻撃できるが、破壊されれば重ねた代償ごと墓地に落ちる。
② 第一行動局面
好きな数の式符を使って行動を行える。
使役符:使役式を召喚して戦場に置く。召喚の代償として支払った式符は墓地に置く。また、召喚と同時に実体化するか選択でき、実体化に使った式符は使役符の下に重ねて置く。
約定符:式符によって場に残るものとそのまま捨て札になるものがある。
布石符:裏向きに場に置いておき、次の相手の手番からいつでも使用できる。
早業符:いつでも使用できる。
宝具符:使役式の武器や道具として装備する。基本的に場に残り続ける。 したい行動がなくなったら、行動終了を宣言して戦闘に移行する。作劇上は戦闘前の駆け引きであり、符士の性格が出る局面である。
③ 戦闘局面
先手は一度目の手番では戦闘を行えない。
戦闘に参加する使役式を宣言し、各使役式が攻撃する対象を選ぶ。対象は符士か相手の使役式のいずれか一つ。霊体化している使役式は符士を攻撃対象に選べない。
攻撃を受けた側は、符士への攻撃を自分の使役式に守らせることができる。ただし、攻撃を受けている使役式は符士を守れない。
戦闘判定:実体化した使役式は「戦力」を、霊体化した使役式は「霊力」をそれぞれ比較し、高い側が勝利する。敗北した使役式は破壊されて墓地に置かれる。実体化していた使役式が破壊された場合、代償として重ねていた式符も捨て札として墓地に置く。
符士への直接攻撃:符士が攻撃対象となって使役式が守らなかった場合、攻撃した実体化使役式の戦闘力分の式符を相手の符叢の上から捨て札にする。
④ 第二行動局面
戦闘後に再び行動できる。勝った側は優位を固め、負けた側は次の逆転へ布石を打つ。
⑤ 終了局面
任意の使役式を霊体化できる。霊体化すると、実体化のために重ねていた式符が手札に戻る。その後、手札が七枚になるまで符叢から札を引く(すでに七枚以上ある場合でも一枚は引く)。攻めに出した資産を回収できるかどうかの呼吸である。
8. 公式戦と特殊符闘
・公式符闘:符闘律令に基づく正式な符闘。審判、記録官、証人が立ち会い、勝敗に法的効力がある。財産争い、家督争い、政治的代理戦争に使われる。
・私闘:非公式の符闘。法的効力は弱いが、決闘の結界がもたらす魔力的な『敗北ペナルティ』が敗者の身体を一時的に、あるいは永続的に呪縛するため、裏社会においても超常的な強制力を持って結果が通る。
・賭符闘:式符そのものを賭ける符闘。勝者は敗者の指定式符を奪えるため、階級上昇と没落を描きやすい。
・代闘:本人の代わりに符士が戦う符闘。貴族、商人、政治家がよく使う。
組み符闘(チーム戦):複数の符士が代表を出し合い、順番に一対一で戦う形式。符家同士の領地争いや格付け争いに用いられる。
9. 大符闘祭(だいぶとうさい)
年一回、帝都・皇京にて開催される帝国最大の公式符闘大会。起源は初代符皇の遺言「帝国は最強の者が継承せよ」。各符家の格付けはここで変動する。
・競技形式
四グループに分かれた個人戦。団体戦はなく、各符家から代表一名が出場する。
親符家グループ(8枠):試合形式は総当たり戦。
名門符家グループ(16枠):試合形式はトーナメント。
中堅符家グループ(32枠):試合形式はトーナメント(一次予選あり)。
独立符士グループ(64枠):試合形式はトーナメント(一次予選あり)。
決勝トーナメント:各グループの1位・2位(計8名)がノックダウン方式で争う。優勝者は符帝と直接符闘する権利を得る。符帝はグループ戦には参加しない。
符侯(ぶこう)の扱い:古式の格に従い、名門符家の上・親符家に准じる位置として、親符家グループに参加する。
・大会の法的位置づけ
大会中の符闘の結果は、あくまで各符家の「家格(ランキング)」の変動のみに影響を及ぼし、領地や財産の強制移転といった直接的な不利益は発生しない。なお、敗者への陵辱などが帝国慣習として黙認されるのは、大符闘祭以外の個人的な符闘(私闘や賭符闘など)のみに適用される。
・格付け制度
一定以下の成績が続くと家格が降格し、最悪の場合は家の解体(領地・式符の接収)が行われる。欠場は最下位と同扱い。
10. 反則と禁忌
偽造式符:重罪。式符の資産価値と家名を破壊する行為だからである。
汚染式符:呪いや異界汚染を混ぜた札であり、使用者自身にも危険が及ぶ。
禁神符:符皇または符帝が使用を禁じた神符。古代の危険な約定を含む。
符叢すり替え:公式戦では極刑級の犯罪。符士の命運そのものを偽る行為だからである。
生贄代償:人命や魂を式符の代償にする禁術。物語上の大きな禁忌。
聖約干渉:聖教の聖約符によって帝国式の契約を歪める行為で、国際問題になりうる。
11. 神符帝国と聖教の違い
・神符帝国:多神的な約定を資産として継承する制度。式符は家名、土地、神社、荘園、符家の歴史と結びつく。符士は「自分の札をどう賭けるか」を重んじる。
・聖教の聖約符闘:唯一神との契約を秩序として遂行する制度。聖約符は所有者の財産というより、信仰共同体から託された使命として扱われる。聖堂騎士は「契約に照らして正しいか」を重んじる。
※帝国側は聖約符を「まがい物」と呼びがちだが、陽属性の天使・騎士・帰天・天軍の御旗は実戦で強力であり、帝国内でも密輸と模倣が絶えない。
12. 主要舞台
・遠見市(とおみし)
遠海領の中心都市。星宮家の本拠地である星宮邸がここにある。
公式符闘場:帝国法に基づく正式な符闘が行われる区画。家督争いや政治的符闘はここで裁かれる。
遠海学園:符士育成を担う学院。公式戦、教練、属性混成の実験が行われる。
裏符闘場・賭け符闘場:旧市街の下町に点在する非公式の符闘場。
符商(ふしょう):式符の売買を行う専門商。レア式符の流通拠点であり、各方面の情報が集まる。
・帝都・皇京(こうきょう)
神符帝国の政治的中枢。遠見市の三倍の規模を持ち、符士の装いをした者が至る所に行き交う。大符闘祭の期間中は帝国中の実力者が集結する。
大符闘会場:大符闘祭の主要試合が行われる大規模符闘場。各グループの待機室、観覧席、符帝家の貴賓席を備える。
帝国神廟:帝国の起源を祀る建物。符皇の御霊を奉るとされ、最奥には特別な封印が存在するという。関係者以外は立入不可。
名門符家の定宿:大符闘祭の期間、各符家は帝都の格式ある宿に滞在する。