『神符大戦 ──世界大会決勝で負けて底辺に堕ちた男、TCGの勝敗が全てを決める異世界で美少女達を調教しながら盤面制圧を目指す──』 作:シキセ
その日の夜、俺は一人で符叢の整理をしていた。
ルクシエルは英稟の様子を見に行っている。アルギメルは符叢の奥で霊体化している。静かな夜だった。
卓の上に符叢を広げ、一枚ずつ確認していく。
天軍の御旗。帰天。天裁。禁鎖。
指先が、天使の剣兵の式符に触れた。
「——」
その瞬間、微かな温もりを感じた。
符士と式符の間に流れる陽の精気が、指先から式符の中へと静かに染み込んでいく。符闘の場ではない。ただの接触なのに、式符が——応えていた。
(面白い)
俺は剣兵の式符を手の中に包んだ。
陽の精気を、少しだけ強く流してみる。
式符がほのかに光り、手のひらの中で温度を上げた。
白い光が凝集し、空間の中に何かが形を結び始めた。
「あっ……あれ? 実体化……してる?」
軽い声がした。
光が散ると、そこに一人の少女が立っていた。引き締まった、無駄のない体つき。赤い髪をセミロングに流し、片側の前髪が目元まで長く垂れて、片目を隠していた。小さな白翼が背中に畳まれている。腰には細身の剣。白いドレスアーマーは、ルクシエルやアルギメルのものより随分とシンプルで、装飾が少ない。
天使の剣兵——下級天使の一体が、俺の前に立っていた。
「符闘してないのに呼ばれた……?」
きょろきょろと辺りを見回してから、俺と目が合った。
「あっ。使役主様♡」
表情が、ぱっと明るくなった。
「こんなところで実体化するの、初めてです♡ 使役主様が呼んでくださったんですか?」
「呼んだというより、試してみた」
「それでも嬉しいです♡」
俺はその剣兵を見た。ルクシエルとは似て非なる存在だ。同じ天使の種族だが、霊格がまるで違う。知性も言語も持っているが——どこか、ずっと素直だ。策略も計算も、たぶんない。
「使役主様、あの——他のコたちも、呼んでいいですか?」
「コたち?」
「私のほかにもいますよ。同じ符叢の中に、剣兵三人と弓兵のコが何人か。みんな使役主様の陽の気を感じてたみたいで、さっきからずっとそわそわしてたんです♡」
俺は残りの式符に目を落とした。
確かに——手のひらから距離が近い式符たちが、わずかに光を帯びていた。
「好きにしろ」
「やったぁ♡」
剣兵が翼を広げると、白い光が四方に散った。
光の中から、次々と姿が現れる。
一人、二人、三人——最初の剣兵と同じ、引き締まった体つきに、片目を隠すほど長い前髪、セミロングの髪をした少女たちが並んで立っていた。髪の色は、赤い子もいれば金髪の子もいる。そして少し遅れて、もう少しだけ背の高い、弓を背負った二人が現れた。弓兵だ。体つきも前髪の長さも剣兵と同じだが、髪型はショートボブ。一人は青い髪、もう一人は緑の髪をしていた。剣兵より翼の幅がわずかに広く、目が少し鋭い。
「使役主様だ♡」
「会えた♡」
「陽の気、あったかい……♡」
「符闘の外で会えるの初めて!」
一斉に声が上がった。
六人の天使たちが、俺の周りに集まってくる。大きな目で見上げながら、思い思いに口を開く。
「あの、使役主様、私たちに何かできることありますか?♡」
「符闘以外でも、役に立ちたいです♡」
「そのために来たんですよね♡ 呼んでくれたってことは♡」
俺は少し考えた。
ルクシエルとアルギメルは、それぞれ固有の人格と意志を持っている。だがこの小さな天使たちは——もっとシンプルに、俺の陽の気に引き寄せられている。符叢の中で長い時間を共にした、その蓄積がある。
「役に立ちたいなら、一つ聞くぞ」
「はい♡」
「六人全員でか」
天使たちが、顔を見合わせた。
それから——全員が、少し頬を染めた。
「……符叢の中で、使役主様のことはみんなで見てましたから」
最初に実体化した剣兵が、少しだけ声を落として言った。
「ルクシエル様やアルギメル様が、使役主様と一緒にいるところも——みんなで、見てました」
「見ていたのか」
「見えちゃうんです……符叢の中からは……♡」
「なので、私たちも……って、みんなで話してて……♡」
別の剣兵が付け加えた。耳まで赤い。
「一緒に、してほしいです♡ 使役主様に……奉仕、したいです♡」
俺はしばらく六人を見渡した。
大小さまざまの翼。幼さの残る顔に、真剣な目。下級天使たちの素直な願いが、部屋の空気を少し温めていた。
「来い」
「「はい♡♡♡」」
————
「んっ……♡」
「使役主様……あったかい……♡」
「陽の気が……全身に……♡」
六人の小さな天使たちが、俺を取り囲んだ。
ルクシエルやアルギメルのような技巧はない。ただ、使役主の身体に触れることそのものが嬉しくて仕方ないという、そういう無邪気さで——それぞれの手が、俺の身体に重なっていく。
「ここ触っていいですか♡」
「こっちは私が♡」
「使役主様の陽の気、すごく……気持ちいいです……♡」
弓兵の一人が、背後から俺の肩に手を置いた。剣兵たちがそれぞれ俺の腕、膝、腿へと寄り添う。小さな翼が、ふわりふわりと広がっている。
「使役主様……私たち、下手かもしれないですけど……っ♡」
「一生懸命します♡」
「うん♡ 使役主様に、気持ちよくなってほしい♡」
俺はその全部を、黙って受け取った。
一番最初に現れた剣兵が、俺の前に跪いた。
「あの……符叢の中で、アルギメル様がしてるのを見てたので……私も、したいんですけど」
「やってみろ」
「は、はいっ♡」
俺のズボンを自分でおそるおそる下げ、怒張と向き合って——少し固まった。
「……大きい」
「びっくりする♡」
後ろから別の剣兵が覗き込んで言った。
「でも、アルギメル様は全部くわえてたよね」
「そうだった……でも私小さいから……」
「いっしょにやろ♡」
もう一人の剣兵が、隣に跪いた。二人で顔を寄せ、恐る恐る舌を伸ばした。
れろ……れろ……。
「んっ……♡ あつい……♡」
「ほんとだ……なんか、おいしい気がする……♡」
「それ陽の気だよ♡ みんな言ってた♡」
ぢゅ……ちゅ……れろ……。
「ふぅ……っ♡ 舌、絡めるんだっけ……こう?♡」
「もっと奥まで……できる?♡」
剣兵二人が交互に舌を這わせるのを、弓兵の一人が後ろから俺の首筋に唇を寄せながら見ていた。
「私も……♡」
別の弓兵が俺の手を取り、自分の胸に当てた。
「使役主様の手、あったかい……っ♡ ここ、触ってほしかったです♡」
「符叢の中でずっと思ってた♡」
五人目の剣兵が俺の耳元に口を寄せ、吐息をかけた。
「使役主様……気持ちいいですか……♡」
「ああ」
「やったっ♡」
小さな歓声が上がった。
「気持ちいいって♡」
「私の番♡」
「ちゃんとできてるってこと♡」
天使たちがそれぞれ嬉しそうに俺の身体のあちこちに手を添えながら、代わる代わる奉仕を続けた。
跪いていた剣兵の一人が、思い切ったように口を大きく開けて怒張を咥えた。
「んむっ……っ♡ ……ごぷ……っ♡」
「すごい……入った♡」
「上手だよ♡」
「んっ……くふっ……♡ ちゅ……れろ……んっ♡」
「私も……♡」
隣の剣兵が側面から舌を這わせる。
二人の舌と唇が同時に動く。
「んっ……♡♡ ……あ、これ……良い……っ♡」
跪いた剣兵が、目をとろんとさせながら呟いた。
「なんで私が気持ちよくなってるの……っ♡」
「それ陽の気だよ♡ 使役主様からもらってるんだよ♡」
「そっか……♡ なんか、頭がふわふわする……っ♡♡」
ぢゅ……ぢゅるる……じゅぽっ……♡
「んっ……くぅ……っ♡ もっと……♡ 使役主様の陽の気……もっと感じたい……っ♡♡」
「私もしたい♡ 代わって♡」
「もう少し……♡ もう少しだけ……っ♡」
後ろから抱きついていた弓兵が、俺の首筋から耳へ唇を動かしながら言った。
「使役主様……出しそうですか……?♡」
「ああ」
「全部……もらっていいですか……♡」
「全部あげる♡」
別の剣兵が答えた。
「みんなでもらう♡」
跪いていた剣兵が、一度だけ深く咥え込んだ。
「んっ……!♡♡」
ドビュルルルっ……。
「んむぅっ……!♡♡♡ ——ぁ……っ♡♡」
「溢れてる♡」
「すごい……♡」
「あったかい……♡」
六人の天使たちが、それぞれ感嘆の声を上げた。
しばらくの静寂。
俺は天使たちを見渡した。頬を赤くして、翼を少し乱して、それでも全員が嬉しそうな顔をしている。
「……また呼んでいいですか♡」
最初の剣兵が聞いた。
「ああ」
「やったっ♡」
また一斉に声が上がった。
「次はもっと上手にします♡」
「私、練習しておきます♡」
「何を練習する?」
「分かんないけど♡ 使役主様に気持ちよくなってほしいから♡」
「私も次は弓兵と一緒にしたい♡」
「あ、私もそれ思ってた♡」
賑やかな声が重なって、部屋を満たした。
俺は符叢に目を落とした。
卓の上に並んだ式符たちが、まだかすかに温もっている。
「帰れ」
「はーい♡」
「また呼んでください♡」
「絶対呼んでくださいね♡」
「呼ばなかったら出てきます♡」
「……そうか」
「怒りますか?」
「……好きにしろ」
六人が声を合わせて笑い、白い光の中へと消えていった。
部屋が、また静かになった。
式符が一枚、卓から落ちた。
拾い上げると——天使の剣兵。
まだ、ほんの少しだけ温かかった。
————
扉が開き、ルクシエルが戻ってきた。
「世一様♡ お待たせしました——」
俺の手の中の式符を見て、ルクシエルが少し目を細めた。
「……世一様。式符が、なんだか艶っぽくなっていますね♡」
「気のせいだ」
「そうですか♡」
ルクシエルはにっこりと笑い、俺の隣に腰を下ろした。
「……符叢の整理は、はかどりましたか♡」
「まあな」
「よかったですね♡」