『神符大戦 ──世界大会決勝で負けて底辺に堕ちた男、TCGの勝敗が全てを決める異世界で美少女達を調教しながら盤面制圧を目指す──』 作:シキセ
燎との符闘から数日後。星宮家の別邸の一室に、重苦しい沈黙が満ちていた。
英稟は男装の軍服に身を包み、机を前にして緊張した面持ちで立っていた。俺はその正面のソファーに傲然と腰掛け、燎との符闘、そしてヨモツイクサに追われていた澪を保護した事実を告げた。
「あの燎と……直接刃を交えたというのですか、世一様。それに、ヨモツイクサに追われていた澪まで……」
英稟は喉を鳴らし、俺の身を案じるように胸元をギュッと押さえた。俺の無事を喜ぶと同時に、俺が彼女の預かり知らぬところで歴史の渦の中心に飛び込んでいることに、深い畏怖と情愛が入り混じった熱い感情を抱いているようだった。
「ああ。燎の炎のプレッシャーは想像以上だった。それとヨモツイクサの幹部どもは、鬼瀬が敗れた後も確実にこの遠見市で次の手を狙っている。これから押し寄せるのは、賭け符闘場の有象無象とは格が違う敵ばかりだ」
俺は冷淡に告げ、ソファーから立ち上がると英稟に歩み寄った。
その長い指先で英稟の端正な顎をすくい上げ、強制的に上向かせる。
「英稟、お前の『甕星流』は今のままでは、これから現れる強力な敵には到底通用しない。天津甕星の出力は高いが、お前自身の魔力上限が低すぎる。それに、符叢の構造が古いままだ」
顎を掴まれたまま、英稟の黒い瞳が揺れた。
「私自身の……魔力上限。戦力の強化、ですか」
「そうだ。お前が俺の駒として、より安全に戦うための調律が必要だ」
俺の声に、英稟の身体が小さく震えた。彼女の理性が、俺に従うことの悦楽を思い出して急速に融解していく。
「はい……世一様。あなたの望むままに……」
俺は彼女を寝室へと促した。防音と魔力遮断が施された、別邸の奥の一室だ。
俺はベッドの端に腰掛け、目の前に立つ英稟を見下ろした。
「軍服を脱げ、英稟。お前の魔力回路を、俺の陽の精気で上書きし、限界まで拡張する。相応の負荷がかかるが、強くなりたいのだろう?」
「は、はい……っ」
英稟は頬を林檎のように赤く染めながら、自らの意思で軍帽を取り去った。豊かで美しい黒髪がさらりと肩にこぼれ落ちる。
厳格な軍人の仮面はすでに剥がれ落ち、そこには主人の命令を待つ一人の従順な少女の姿しかなかった。
彼女は震える指先で軍服のボタンを一つずつ外し、外套とともに床へと滑り落とした。続いてシャツを脱ぎ去り、引き締まっていながらも女性らしい膨らみを帯びたしなやかな肉体が、部屋の薄暗い灯りの中に露わになる。
俺は彼女を引き寄せ、ベッドの上に横たわらせた。
ここからは、丁寧な調律の時間だ。
俺は焦らしを徹底し、急ぐことなく英稟の身体を隅々まで愛撫し始めた。
まず彼女の細い首筋からうなじにかけて唇を這わせ、その柔らかい肌を軽く吸い上げる。
「んぁ……っ♡ あ、世一様……っ♡」
英稟の口から、凛とした普段のトーンとはかけ離れた甘い喘ぎ声が漏れた。
俺の指先が、彼女の豊かな乳房へと伸びる。手のひらで全体を包み込み、形を崩すようにやさしく、しかし確実に力を込めて揉みほぐしていく。熱を帯びた指先が、尖り始めた乳頭を指先でつまみ、ピンと引き絞るように刺激した。
「ふぁっ……♡ 胸が、あつい……っ♡ 世一様の手、すごく、あたたかいです……ぅっ♡」
英稟は太ももをそわそわと擦り合わせながら、主人の愛撫に翻弄されていた。
俺の手はさらに下へと滑り、引き締まった下腹部を撫で、彼女の秘裂へと滑り込んでいく。
すでにそこは、主人の愛撫を待ちわびるように、熱く濡れた蜜液で濡れそぼっていた。
俺は人差し指と中指を使い、濡れた花びらを優しく割り広げ、その中心にある熱い蕾を指先で丁寧にこすり上げる。
「んんっ……! ぁ、あぁっ……♡ そこ、だめ、頭が……っ♡♡ ぁぃ……いいです、もっと……っ♡」
男装で抑え込んでいた英稟の淫らな本能が、俺の指の動きによって完全に解き放たれていた。
腰を自ら浮かせ、指にしがみつくようにして快楽を強請る。しかし俺はあえて挿入を焦らし、彼女の身体が極限まで温まり、陽の気を受け入れる準備が完了するまで、丹念に愛撫を繰り返した。
「世一様……おねがい、します……っ♡ もう、からだが、おかしくなりそう……っ♡ あなたの熱いのを、ください……っ♡」
英稟の秘部からどろりと溢れる蜜液が、ベッドのシーツに小さな染みを作っていく。
限界まで熟したのを見届け、俺は自身の怒張を彼女の秘裂の入り口へとあてがい、ゆっくりと、しかし容赦なく最奥まで沈め込んだ。
「あ、ぐ……ぅぅっ♡♡ はぁ、あぁっ……!! はいって、きた……世一様のが……っ♡」
隙間なく密着した肉体の境界から、英稟のきつい膣壁が俺の肉棒を締め上げる。
俺は腰を動かしながら、体内の「陽の精気」を意識的に彼女の奥へと注ぎ込んでいった。
精気が注ぎ込まれるたび、英稟の体内に眠る「陰の魔力回路」が激しく脈動し、再構成されていく。それは暴力的な快楽とともに、魔力のパスが強引に拡張される熱い痛みを伴っていた。
「んぅぅーっ! あ、あつい……魔力が、体の中を……っ♡♡ 世一様の、陽の気が……いっぱい、満ちていくぅ……っ♡」
「そうだ。俺の気を受け入れろ。お前の回路を全て俺の熱で満たしてやる」
「はい……っ♡ 世一様……っ♡ あなたの精気で、私を、もっとめちゃくちゃに……っ♡♡ ぁっ、はぁっ、いく、イっちゃうのぉぉ……っ♡♡」
英稟は何度も身体を大きく反らせて跳ね上げ、膣内を激しく収縮させながら深く達した。
その絶頂の瞬間、俺は彼女の最奥に向けて陽の精気を一気に解き放ち、彼女の魂の深くまで陽の刻印を焼き付けた。
交合の余韻が漂う寝室。
ベッドの上で、英稟は汗ばんだ白い肌を俺の胸に擦り寄せ、浅い呼吸を繰り返していた。その表情には、戦士としての厳格さはなく、完全に主人に屈服し、蕩けきった牝の甘えしかなかった。
俺は彼女の黒髪を指先で弄びながら、傍らに置いていた古い漆黒のカードを取り出し、彼女の眼前に提示した。
「これは……?」
英稟は濡れた瞳をしばたたかせ、そのカードを見つめた。
「大琉神朝由来の甕星流古伝から来たカードだ。星宮家の古い蔵に眠っていた符叢から引き抜いた、天津甕星のサポート式符——『落ち星の依代』」
俺はカードを英稟の指先に握らせ、その効果を冷徹に解説した。
「お前は家伝式符である『星宮七耀陣』を符帝家に預けられたままだ。そのため、天津甕星を実体化させるコンボの速度が致命的に遅い。だが、このカードがあればその欠陥を補填できる」
英稟はカードに描かれた「落ち星の依代」の能力を読み解き、その有用性に息を呑んだ。
「この式符が墓地に送られた時、輝星トークンを実体化させ、符叢から式符を1枚引く……。破壊されることを前提とした、驚異的なコンボの潤滑油」
「そうだ。落ち星の依代をコストや壁として能動的に墓地へ送り、輝星トークンを並べる。これで七耀陣が手元にない状態でも、天津甕星の降臨ルートを数テンポ早く構築できるようになる」
「墓地からの展開と手札補填を同時に……。これほどの秘蔵カードを、私に」
英稟の黒い瞳に、かつてない闘志と歓喜の光が宿った。
彼女はベッドから滑り落ちるように床へと降り、シーツを肩に羽織っただけの裸体で、俺の足元へと恭しく跪いた。
「はい……世一様。この拡張された魔力回路も、天津甕星の星力も、すべてはあなたの道を阻む敵を撃ち滅ぼすためのものです。この『落ち星の依代』を使いこなし、必ずやあなたの望む勝利を捧げましょう」
俺は足元に跪く英稟の頭を、やさしく撫でた。
「それと——学園には、もう行かなくていい」
英稟が顔を上げた。
「……え?」
「お前は今日から名実ともに星宮家の当主だ。学業は義務でも強制でもない。そこに通い続ける理由があるか?」
英稟はしばらく押し黙り、やがてゆっくりと首を横に振った。
「……ありません。もともと、あの場所には情報を集めるために入ったのです。今は——あなたがすべてをお決めになります」
「ならば届けを出せ。明日から、お前の時間はすべて俺のものだ」
英稟の黒い瞳が、かすかに潤んだ。
「……はい、世一様」
英稟の強化を終えた俺の意識は、すでに次の手を探っていた。視線は、遠見市の暗がりに潜むヨモツイクサの次なる一手へと向いていた。
俺は落ち星の依代を指でくるりと回しながら、ふと思考が止まった。
英稟。律也。苑子。
三枚の駒が、今や俺の手の中に収まっている。
英稟は拡張された魔力回路に「落ち星の依代」を得て、戦力として別格の水準に達した。律也は三神家の炎を日々自分のものにし、賭け符闘場での泥を洗い落として真の符士に近づいている。苑子は俺の耳として目として機能し、遠見市の情報網を着実に構築している。
そして何より——俺にはルクシエルがいる。
(神位の天使一体が傍らにいるだけで、俺はこの世界の大半の局面に勝てる)
その事実に、今夜初めて、ゆっくりと正面から向き合った。
燎との符闘でさえ、手札さえ引ければ完勝できた。鬼瀬の組織はあっさり制圧した。英稟と苑子は、二人とも俺に跪いている。
(俺は今、この遠見市で、何者にも止められない)
怖いとは思わなかった。
むしろ、この感触が——心地よかった。
調律の余韻が漂う別邸に、静寂が戻っていた。
英稟はベッドの上でゆっくりと寝返りを打ち、白いシーツに乱れた黒髪を広げながら浅い息を繰り返している。拡張された魔力回路が定着するまで、しばらく安静が必要だ。
俺は窓の外の、夜の遠見市を眺めていた。
(英稟はこれで戦力として使える。律也も、三神家の炎を少しずつ自分のものにしている。だが、足りない)
次の一手を頭の中で組み立てていたとき、扉の外から控えめなノックが届いた。
「世一様。苑子にございます。夜分、誠に恐れ入ります——急ぎお耳に入れたい報告が」
「入れ」
黒い符士装束を隙なく整えた苑子が、静かに部屋に入ってきた。英稟の状態にちらりと視線を走らせたが、余計な言葉は一切ない。何があったかを察する聡明さと、それを口にしない分を知ったたしなみ——この女の価値はそこにある。
「星宮家の東の境界に、早雲家の使者が参りました。これを」
差し出された書状の封蝋には、土を割り伸びる根の意匠が刻まれた紋章が押されていた。
俺は書状を開いた。
——星宮家へ。かねてより懸案となっている東境の帰属について、符闘をもって決着をつけることを申し込む。形式は三者一組の組み符闘。勝者が当該所領を得る。応じられたし。 早雲 冬子
「……冬子か」
英稟がいつの間にか目を開けていた。シーツを胸元まで引き上げながら半身を起こした彼女の顔に、主人のもとで溶けきっていたはずの、かつての符士としての鋭い眼光が戻っている。
「早雲家の長女。兄二人を廃嫡に追いやり、あの家を実質的に掌握した女です。堅牢土公の名で知られる、名門の中でも指折りの堅守型の使い手——東境を巡って、星宮とは長年の因縁がある家です」
最後の一言は、不快というより警戒を促すような、静かに研ぎ澄まされた色を帯びていた。
「知っている」
俺は書状をたたみ、苑子に向き直った。
「受けると返答しろ。三者一組、異論はない」
「……よろしいのですか、世一様。東境は星宮家の重要な収入源です。万が一にも——」
「万が一はない」
俺は静かに遮り、書状を苑子に戻した。
「律也と英稟の実力を試す機会が、向こうから転がり込んできた。断る理由がどこにある」
苑子は一瞬だけ目を細め、深々と頭を下げた。
「……畏まりました。即刻、返書を」
「それと、苑子」
部屋を出ようとする背中に言葉を投げた。
「律也に伝えろ。明日から調整を始める、と」
「はい、世一様」
苑子が去り、静寂が戻った。
英稟はシーツの中から俺を見上げ、静かに口を開いた。
「冬子は……強い符士です。土偶による堅守は、奥義を封じられた私には過去に崩せなかった相手でした」
「今のお前と、かつてのお前は別物だ」
英稟の黒い瞳が、わずかに揺れた。
「……はい。世一様」
俺は窓の外へと視線を戻した。
遠見市の夜景の向こう、北東の方角に早雲家の領地がある。組み符闘の盤面が、そこで待っている。
(面白い。ちょうど良い舞台だ)
やがて、部屋に再び静寂が戻った。
英稟は話し疲れたのか、いつの間にか眠りについている。
俺は窓際に立った。遠見市の夜景が黒と金に広がっている。
英稟を強化した。苑子を動かした。早雲の挑戦を受けた。次の盤面が見えている。
そのとき、扉の外に人の気配があった。苑子のものではない。もっと若く、もっと迷いのある足音だった。
ノックはなかなか来なかった。誰かが、扉の前で何度も踏みとどまっているような間があった。
やがて、小さく叩く音がした。
「……誰だ」
「……私よ」
聞き覚えのある声だった。
「開けて。お願い、少しだけ」
扉を開けると、そこに立っていたのは澪だった。学院の外套を頭から被り、顔を隠すようにして俯いている。
「……お前、燎はどうした」
「知らない。というか、黙って抜けてきた」
澪は顔を上げた。頬が異様に赤く、目の焦点がどこか定まっていない。
「……あの時から、ずっとおかしいの。身体の奥が、疼いて、熱くて……夜になると、余計にひどくなる」
「あの時、というのは」
「あなたに、腕を掴まれた時。それだけのはずなのに……頭から離れない」
澪は自分でも信じられないという顔で、俺を睨むように見た。
「燎にも、誰にも言えなかった。おかしくなったと思われる。でも……あなたなら、何か知ってるんじゃないかって」
俺は少しの間、彼女を見た。
(あの時のあれが、まだ抜けていないのか)
介抱のつもりで触れただけだったが、澪の魔力回路は、あの一晩でどうやら深いところまで作り替えられていたらしい。
「ルクシエル」
呼ぶと、白金の光が凝集し、彼女が現れた。
「お呼びですか、世一様」
ルクシエルは澪を見た瞬間、嬉しそうに目を細めた。
「……ふふ、なるほど。あの日の陽の気が、まだ抜けきっていないのですね」
「分かるのか」
「はい。魔力回路の芯まで、世一様の気配が染み込んでいます。中途半端に触れて、中途半端に離してしまったのが、こうなった原因かと♡」
澪が警戒するようにルクシエルを見た。
「……何なの、それ」
「あなたの身体は、もう世一様の陽の気を覚えてしまったということです。半端に灯した火は、最後まで焚べてさしあげないと消えません」
「そんな……」
「怖がらなくて大丈夫ですよ♡ 世一様の陽気は、あなたの中の火を正しく満たしてくれるだけですから」
澪は後ずさろうとしたが、その足はどこか力が入っていなかった。
「入れ」
俺はそれだけ言った。
澪はしばらく扉の前で立ち尽くしていたが、やがて、観念したように部屋の中へと足を踏み入れた。
「……ここに来たこと自体が、もう、答えなんだと思う」
小さな声だった。
「燎には……絶対に言わないで」
「言う理由がない」
俺はベッドへ澪を促した。ルクシエルが彼女の外套に手をかけ、そっと肩から外す。
「ん……っ」
外套の下、澪の身体は既に汗ばんでいた。制服の上からでも分かるほど、呼吸が浅く速い。
「怖くないですよ」ルクシエルが澪の背に手を添え、優しく囁いた。「世一様に委ねれば、全部楽になりますから」
「委ねる、って……」
「はい。あなたの身体が、もうそれを望んでいます」
俺は澪の制服のボタンに手をかけた。
「……っ、待って……本当に、こんな……」
「嫌なら止める。今のうちに言え」
澪は唇を噛み、それから小さく首を振った。
「……止めないで。もう、無理」
一つずつ、ボタンを外していく。ルクシエルが背後から澪を支え、肩に唇を寄せた。
制服の下から現れたのは、無駄な肉を一切残さない、引き締まった体だった。腹には薄く割れた筋が浮き、二の腕から肩にかけても符士としての鍛錬の跡がしなやかに刻まれている。柔らかさよりも、動くために作られた肉体だという印象が先に立つ。それでいて腰から太ももに続く線は隠しようもなく女のもので、鍛えられた身体の芯に眠る柔さが、かえって際立って見えた。
「あ……っ、二人がかりなんて……っ」
「世一様が、あなたを正しく満たしてくださいます。私はそのお手伝いをするだけです♡」
露わになった素肌に、俺は掌を這わせた。触れた瞬間、澪の背中が大きく撓る。引き締まった腹の筋が、びくんと波打つように収縮した。
「んんぅっ……! あつ……い……っ」
「あの時よりも、深く触れるぞ」
「ま、待って……私、初めてで……っ」
「知っている」
俺はその言葉に、内心で小さく笑った。
(アニメのヒロインが、俺の前で処女を差し出すのか)
画面の向こうでしか見たことのなかった女が、今、この手の中で震えている。燎の相棒として何度も窮地を切り抜けた、あの澪が。
ルクシエルの選んだ男の前で。
その事実が、じわりと胸の奥に暗い喜びとして広がっていく。ルクシエルという、誰も手にできなかった幻のURが、数多の符士の中から選んだのは俺だ。その俺の前に、アニメの中でさえ手の届かなかった女が、自ら膝を折ってやってくる。
(俺を選んだのが正しかったと、世界そのものが証明しているようなものだ)
俺は彼女の胸へと手を這わせた。小ぶりだが、形の良い膨らみだった。慎ましい大きさに反して、張りは強い。掌全体で包み込み、揉みしだくと、澪の口から堪えきれない声が漏れた。
「あ……っ、ん……っ、そこ……っ」
先端はすでに硬く尖っていた。指先で摘み、押し潰すように転がすと、澪の腰が跳ねる。
「んぁっ……! あ……っ、強い……っ」
顔を寄せ、その尖りを口に含んだ。舌先で押し潰し、軽く歯を立てる。
「ひぁあっ……!! 噛ま……っ、噛まれ……っ♡」
甘い痛みに、澪の背が浮いた。構わず舌で転がし、時折強く吸い上げる。もう片方の胸は掌で揉みながら、先端を指の腹でこね回した。
「あ……っ、あ……っ、両方……なんで……こんな……っ♡」
ルクシエルが背後から澪の耳朶に唇を寄せ、囁いた。
「気持ちよくなっていいのですよ。胸だけで、達してしまっても」
「そんな、こと……胸だけで、なんて……っ」
否定の言葉とは裏腹に、澪の呼吸はもう乱れきっていた。尖りを甘く噛んだまま舌先で小刻みに弾き、同時にもう一方の先端を指できつく摘み上げる。
「んぁあっ……!! だめ……それ、だめ……っ♡」
「達していい」
「んんんっ……!!! ぁ、あぁーっ……!!♡♡」
澪の全身が大きく跳ね、引き締まった腹が波打つように収縮した。胸だけを責められて、あっけなく最初の絶頂へと押し上げられていく。
「はぁ……っ、はぁ……っ、胸だけで……いっちゃった……っ」
澪は信じられないという顔で、荒い息を繰り返した。頬も耳も、燃えるように赤い。
澪の声から、警戒の色が少しずつ溶けていく。
ルクシエルが澪の耳元で、さらに何かを囁いた。澪の目が、とろりと潤み始める。
「ひぁ……っ、あ……っ♡ からだが……勝手に……」
俺は彼女の脚を開き、ゆっくりと指先を沈めた。
「あぁっ……!! そこ……っ」
「痛いか」
「痛く……ない……っ、熱い……っ♡」
丁寧に、時間をかけて慣らしていく。指が動くたびに、鍛えられた太ももの筋が細かく震え、引き締まった腰がびくびくと逃げるように浮いては、すぐにルクシエルの手に押さえ戻された。ルクシエルが澪の胸に唇を寄せ、俺の指の動きに合わせて彼女の呼吸を整えていった。
「んぁ……っ♡ ふたり、とも……優し……っ」
「初めてだ。乱暴にする理由がない」
十分に潤ったのを確かめ、俺は自身をあてがった。
「……来て……っ」
澪が小さく頷く。
「うぅ……っ! あ、ぁあっ……!!」
ゆっくりと、しかし確実に進めた。澪の背筋が大きく反り、引き締まった腹が波打つように収縮する。細く鍛えられた太ももがぶるりと震え、爪がシーツに食い込んだ。
「痛むか」
「痛……っ、けど……平気……っ、続けて……」
最奥まで満たすと、澪の内側が細かく痙攣した。無駄のない引き締まった肢体の芯まで、震えが駆け抜けていくのが分かる。処女の証が、じわりとシーツに滲む。
俺は動かず、彼女の呼吸が落ち着くのを待った。焦る必要はない。
「……あなた、こういうところは、律儀なのね」
澪が荒い息の合間に、そう呟いた。
「無駄に苦しめる趣味はない」
「ふふ……変な人」
ルクシエルが澪の頬を撫でながら微笑んだ。
「世一様は、いつもそうですよ。奪うことに容赦はありませんが、決して雑には扱いません」
やがて澪が小さく頷き、俺は動き始めた。
「んっ……あ……っ♡ 入って……くる……っ」
腰を送るたびに、小ぶりだが形のいい胸が、その動きに合わせて小さくリズミカルに揺れた。慎ましいはずのその揺れが、かえって劣情を煽る。俺は視線を逸らさず、その揺れを見ながら腰を送り続けた。
律動を続けながら、その胸へと手を伸ばした。掌で包み込み、揉みしだきながら、先端を指で摘み上げる。
「んぁっ……! あ……っ、そこ、また……っ♡」
「小さいのが、嫌なのか」
澪の腰が、一瞬だけ止まった。
「……っ、なんで、それ……」
「顔に出てる」
澪はしばらく黙り、それから消え入りそうな声で言った。
「……昔から、コンプレックスだった。同年代の子より、全然育たなくて……燎にも、からかわれたことがあって……っ」
「くだらないな」
摘んでいた指に、少しだけ力を込めた。
「形が良い。無駄がなくて、綺麗な形をしている。大きさだけで語る奴の目が半端なだけだ」
澪が目を見開いた。
「……そんな、こと……」
「世辞じゃない」
その頂を口に含み、舌先で軽く舐め上げた。
「んぅっ……! あ……っ」
澪の目に、じわりと涙が浮かんだ。快感だけではない、何か別のものが混ざった涙だった。
「……嬉しい……っ、そんな風に、言われたの……初めて……っ」
「これから覚えておけ」
「んっ……はい……っ、あぁっ……♡」
胸を摘みながら律動を強めると、澪の声がさらに甘く上ずった。
「陽の気を注ぐぞ」
「ぁ……っ、また……あの熱……っ♡」
回路に流し込むたびに、澪の声が甘さを帯びていく。介抱のつもりで触れた一夜から、彼女の中に育っていた飢えが、今夜ようやく満たされていく。
「あぁっ……! なんか……頭が、真っ白に……っ♡」
「いいぞ、そのまま持っていかれろ」
「んぁあっ……!! いく……っ、いっちゃ……っ♡♡」
澪の全身が大きく波打った。引き締まった腹から太ももにかけて、鍛えられた筋が幾度も収縮を繰り返し、その度に細く長い脚がびくびくと跳ねる。無駄のない肢体が、快楽だけでここまで乱れるのかというほど、余さず震えていた。糸が切れたように、俺の腕の中へ崩れ落ちる。
俺はその最奥へ、精気を解き放った。
「……っ、あったかい……」
澪が、蕩けた声でそう漏らした。
しばらくして、澪はぐったりと横たわったまま、俺を見上げた。
「……燎には、絶対言わないで」
「言わない」
「……あなたが何者かなんて、もう、どうでもよくなってきた」
そう言った直後、澪は自分の言葉に驚いたように口を噤んだ。それから、もう一度、今度はもっと小さな声で続けた。
「……もう一回、いい……?」
「随分と欲張りだな」
「……知らない。身体が、勝手に」
俺は答える代わりに、澪の身体をうつ伏せにさせ、腰を引き寄せた。
「んっ……この体勢……っ」
膝立ちにさせ、引き締まった腰を両手で掴む。後ろから見る背中は、汗ばんで薄く光っていた。
「後ろから犯すぞ」
「……っ、はい……っ」
一気に沈め込む。
「あぁあっ……!! 深い……っ、さっきより……っ♡」
ルクシエルが澪の顔を覗き込むように横に腰を下ろし、その頬に手を添えた。
「澪様。世一様に後ろから犯していただくのは、初めてですね♡」
「んっ……そんな、こと……いちいち……っ♡」
「素直に感じていいのですよ。世一様の陽の気を、もっと奥まで届けていただけますから」
腰を打ちつけながら、澪の細い腰骨を強く掴んだ。
「んぁっ……! あ……っ、奥、当たって……っ♡」
数度、深く突き入れたところで、俺はふと動きを止めた。
「そういえば、燎はどうしてる」
「……っ、な、なんで、今……」
「気になっただけだ。心配してるんじゃないか、お前がいなくて」
澪の身体が、びくっと強張った。
「……それは、関係ない、から」
「関係ある。お前は今、あいつに嘘をついてここにいる」
「……っ、それは……」
「燎に何も言うなと俺に頼んだのは、お前だ」
俺は動きを完全に止めた。埋め込んだまま、微動だにしない。
「……っ、な、なんで止まるの……」
「動いてほしいか」
「……っ、動いて……ほしい……」
「なら、燎に謝れ」
澪が振り返った。涙目で、意味が分からないという顔をしていた。
「……なんで、そんなこと……」
「お前は今、あいつを裏切ってる。分かってて、ここにいる。だったら、その分の礼儀くらい払え。謝れば、奥まで突いてやる」
「そんな……できない……っ」
「なら、このままだ」
俺は微動だにせず、彼女の中に留まり続けた。
「あ……っ、や……っ、そんな……焦らさないで……っ」
「謝れば終わる」
「……っ、言えない……燎に、そんなこと……」
俺は片手を上げ、彼女の尻を軽く打った。
パンッ、と乾いた音が響く。
「ひゃんっ……!?」
「口が重いなら、身体に聞くしかないな」
もう一度、少し強めに打った。快感になる強さを見極めながら。
「んぁあっ……! あ……っ、それ、なんか……っ」
「痛いか」
「痛……くない……っ、なんか……変な、感じ……っ」
尻を軽く撫でては、また打つ。そのたびに、澪の中がきゅうっと締まるのが分かった。
「んっ……あ……っ、また……っ、してほしい、かも……っ」
「素直になったな」
「……っ、違う……これは、違うから……っ」
もう一度打つと、澪の声が高く跳ねた。
「あぁんっ……!! ごめ……ごめんなさい……燎……っ! 勝手に、抜け出して……ごめんなさい……っ」
「よくできた」
俺は再び腰を送り始めた。
「あぁあっ……!! 動いて……っ、やっと……っ♡」
「もっとはっきり言え。何を謝る」
「……っ、あなたを裏切って……こんな、こと、してるのに……謝りもせず……っ、ごめんなさい……っ」
謝罪を口にするたび、澪の中がひくつくように締まった。裏切りへの罪悪感と、目の前の快楽が同時に彼女を追い詰めているのが分かる。
「んんっ……! なのに……なんで……こんなに、気持ちいいの……っ」
「俺のが、そんなに良いか」
「い、いい……っ、良すぎて……頭、おかしくなりそう……っ、燎に謝ってるのに……こんな、感じるなんて……っ♡」
律動を強めるたび、澪の声から罪悪感の色が溶けて、快楽だけが濃くなっていく。
「んああっ……!! また……くる……っ、さっきより……深くて……っ♡」
「出すぞ」
「……っ、待って……っ」
澪が、掠れた声で言った。
「……ちゃんと、ください……っ、中に……世一様の、ください……っ♡」
その懇願に、俺は小さく笑った。
「言われなくても、そのつもりだ」
「んああっ……!! いく……っ、また、いっちゃ……っ♡♡」
澪の全身が痙攣するように震え、腰が逃げようとするのを、俺は掴んだまま引き戻した。
「んんんんっ……!!!」
俺はその最奥に、二度目の精気を注ぎ込んだ。
澪はそのまま、うつ伏せに崩れ落ちた。
「……もう、無理……」
「随分と満足したみたいだな」
「……うるさい」
俺はまだ埋め込んだままの自身を、ゆっくりと中でぐりぐりと動かした。
「んんっ……!? あ……っ、まだ……入って……っ」
「反抗的な口には、まだ躾が足りないらしい」
片手で彼女の尻を撫で、それから軽く叩いた。
パンッ。
「ひゃぅんっ……!」
「素直になったか」
「……っ、なって、ない……」
もう一度、撫でては叩く。中に埋まったままの自身を、小さく揺すりながら。
「んっ……あ……っ、なか、動いてる……っ、それ、だめ……っ」
「口ではそう言って、身体は締め付けてくるな」
「ち、違……っ」
叩くたびに、澪の中がきゅうっと収縮するのが分かった。快感の芯に、尻への刺激がそのまま繋がっているらしい。
しばらくそれを繰り返してから、俺はようやく自身を引き抜いた。
「はぁ……っ、はぁ……っ」
澪はぐったりと横たわったまま、荒い息を繰り返していた。
(これで十分だ)
これから先、この女は尻を軽く叩かれるだけで、身体の奥が疼くようになる。そういう風に、今夜、作り替えた。
ルクシエルが澪の髪を優しく撫でながら、俺に向かって微笑んだ。
「また一つ、世一様の色に染まりましたね♡」
俺は答えず、澪の乱れた水色の髪を指先で梳いた。
(アニメの世界のヒロインすら、俺のものになる)
その事実が、静かに、しかし確かに、俺の中の何かを満たしていった。
——この夜のことを、燎はまだ何も知らない。