『神符大戦 ──世界大会決勝で負けて底辺に堕ちた男、TCGの勝敗が全てを決める異世界で美少女達を調教しながら盤面制圧を目指す──』 作:シキセ
早雲家との決着から、三週間が経過した。
符帝家への届け出が完了し、遠海領・雲嶺領の二国を束ねる「符侯」という古い称号が、正式に俺の名で刻まれた。
星宮邸が、俺の本拠になった。
英稟が邸の管理を担い、冬子が情報を持ち込み、苑子が内部の調整を回す。ルクシエルが傍にいる。エーデルガルトは符叢の中で静かに待っている。
盤面は整いつつあった。しかし整った盤面には、必ず次の手が必要になる。
──────
冬子が執務室に来たのは、朝のことだった。
「……報告があります」
「言え」
「懐妊しました」
書類から目を上げた。冬子は静かな表情のまま立っている。星読みの女が先を読んでいたような、落ち着いた告知だった。
「倉橋の星読みが告げたか」
「……はい。十日ほど前から感じていました。医師に診てもらいましたが——確かだと」
(予定通りだ)
「雲嶺領に戻るか」
「……お指示に従います」
「戻さない。こちらに留め置く」
冬子が静かに目を細めた。
「……雲嶺領の管理は」
「浅葱に任せる。お前は俺の相談役として星宮邸にいろ。体に触る仕事はするな」
「……わかりました」
「浅葱には今日中に命令書を出せ。俺の印で」
「はい」
浅葱への命令は三行で済んだ。「冬子が懐妊した。雲嶺領の管理を一任する。冬子の指示は俺の指示として受け取れ」——符侯の印が押されれば、それで動く。
──────
「英稟」
呼んだ。英稟が来た。軍帽と軍服、いつも通りの格好で。
「お前に婚姻を正式に宣告する」
英稟が少し固まった。
「……婚姻、ですか」
「符侯が二国を束ねる。支配権の正統性を担保するため、星宮家当主と正式に婚姻する。お前に選択肢はない」
英稟はしばらく黙っていた。軍帽の影で表情がわずかに動いた。
「……はい、世一様。星宮英稟は、符侯・式世一の婚儀を受諾します」
「手続きを符帝家に提出しろ」
「……了解しました」
次に冬子を呼んだ。
「早雲冬子。お前とも正式に婚姻する」
冬子は驚かなかった。
「……三年前から、世一様が来ることは見えていました。その先も、少しだけ」
「見えていたか」
「……可能性の一つとして。倉橋の星読みは、確信ではありませんから」
「好都合だ。英稟と合わせて届け出る」
「はい、世一様」
──────
翌日。執務室に英稟と浅葱を同時に呼んだ。
組み符闘第二戦の処理をしなければならなかった。
「組み符闘の第二戦——星宮英稟と早雲浅葱の個人戦の処理を行う」
英稟が静かに顎を引いた。浅葱は無表情で正面を見ている。
「組み符闘の総合決着は、東境領土問題として完了している。しかし個人戦の勝敗は、それとは独立して符闘法上記録される。浅葱——お前は第二戦で英稟を下した」
「はい」
「通常の符闘法則では、勝者は敗者への対価を請求する権利を持つ。しかし英稟は符侯たる俺の麾下の女であり、浅葱、お前もまた俺の支配下に置かれた雲嶺領の符士だ。符侯の裁量権により、お前の対価請求権は俺が転換する」
浅葱が一拍置いてから頭を下げた。
「……仰る意味は理解しました」
「お前には雲嶺領管理の正式な委任権を与える。符侯の名代としての権限だ。英稟を下した腕前を認めた上での任命だ——異存はあるか」
「ありません」
俺は英稟に向いた。
「英稟。符侯として裁定する——浅葱に向かって、第二戦の結果を正式に認めろ」
英稟がわずかに唇を結んだ。
それから浅葱に正対し、頭を下げた。
「早雲浅葱殿。第二戦——正当に敗れました。この事実を、符侯の御前にて認めます」
浅葱が短く答えた。
「……星宮英稟殿。お相手いただいた。手応えがありました」
「下がれ、浅葱」
「はい」
浅葱が退室した。英稟だけが残った。
「……世一様」
「何だ」
「次は——負けません」
「当然だ。次に俺の前で負けたら、もっと面倒な裁定になる」
英稟の目が、わずかに細くなった。
「……肝に銘じます」
「待て」
退こうとした英稟の腕を掴んだ。
「……世一様?」
「一つ聞く」
英稟が振り返った。俺は椅子から立ち上がり、英稟に近づいた。
「浅葱に負けた時——どうだった」
「……符闘の結果は、先ほど申し上げた通りです」
「そういうことを聞いているんじゃない」
英稟の表情が、わずかに動いた。
「……なんでしょうか」
「浅葱がその気になれば、負けたお前を好きにできた——そう思った時、お前は何を感じたか、と聞いている」
「っ……!」
英稟の顔が、瞬時に赤くなった。
「そのような——そのようなことは——」
「この世界の符闘法則では、勝者が敗者を好きにできる。だが、その権利を浅葱に行使させなかったのは——俺だ」近づく。英稟が一歩下がる。「しかしお前が何を感じたかまでは、俺にも変えられない」
「な……にを——」
「浅葱に抱かれたかったか、と聞いている」
英稟の顔が深く赤くなった。
「……そのようなことは——!」
「ないのか」
「あるわけが——!」
「では——俺が浅葱のかわりにやってやる」
英稟が声を上げる間もなかった。
腰を引き寄せ、そのまま執務机に押し倒した。
「っ——!! せ、世一様——!」
「今日のお前は浅葱に負けた敗者だ」
「そっ——それは——裁定で終わった話では——!」
「書類の上ではな」
英稟の軍帽が床に落ちた。黒髪がほどける。軍服の帯に手をかける。
「ぁっ……! 世一様——こんな場所で——っ」
「お前の符侯の執務室だが、問題があるか」
「問題が——ぁあっ……!♡——」
胸元を開き、乳房を包む。鍛え抜かれた肢体の下に、男装で隠し続けてきた柔らかさが白く晒される。先端に指を当てると、英稟の肩が跳ねた。
「ひぅっ……!♡——よ、世一様——業務の時間では——っ」
「業務は終わった」
「ぁっ……ぁっ……っ♡——両方同時に……っ——それは……っ♡」
片方の乳首を転がしながら、もう一方の手を下肢へ滑らせる。英稟の足が一瞬強張り、しかし秘裂に触れた途端、力が抜けた。
「ぁあ……っ♡——そこは——っ」
「もう濡れているな」
「……っ♡——それは——さっきから——世一様が——っ」
「浅葱の話をしていたからか」
英稟が息を詰めた。
「——違います——!」
「では何のためだ」
「……世一様が、近くにいるから——っ♡——それだけで——っ」
「そうか」指を沈める。英稟の腰が浮いた。「では浅葱の話を続ける」
「っ——やめてください——っ♡」
「嫌か」
「……嫌です——!♡——そんな話を、こんな状態で——っ♡♡」
「第二戦、どこで読み負けた」
「ぁあっ……!♡——て、手札を——浅葱の狐を、霊体化の——循環タイミングが——っ♡」
指を二本に増やしながら奥を抉る。英稟が机の端を掴んだ。
「浅葱の狐に手数を吸われた、と」
「……そう——です——っ♡——あの狐は——何度でも戻ってきて——符叢が先に——っ♡」
「そのまま決着がついた」
「……はい——っ♡——わかっています——っ——負けました——っ♡♡」
内壁がひくひくと指を締める。秘裂から蜜が溢れた。英稟の息が乱れていく。
「お前が浅葱に負けた時、俺がいなければ——お前は浅葱のものになっていた」
「っ——そんなことは——っ♡——世一様が符侯だから——私は——っ」
「符侯がいなければ」
「……いなければ——っ♡♡——考えたくも——っ」
「考えろ」
「ぁあっ♡——!——浅葱は——浅葱は私には——手を出さない——そう、思い——ます——っ♡」
「確信はあるか」
英稟が一瞬黙った。
それがすべてを語っていた。
「——ない……っ♡——確信は——っ」
「ないのか」
「世一様がいるから——っ♡——世一様がいるから、考えなくて——よかった——っ♡♡」
指を引き抜き、代わりに怒張を宛がった。
「ぁっ——!♡——世一様——っ」
「浅葱に感謝しろ」
「——え——っ♡?」
「あいつが俺の麾下にいるから、お前は安全だった」
そのまま、押し込んだ。
「ぁあああっ♡——!!——世一様——奥に——っ♡♡」
「これが浅葱に勝った符侯に抱かれる味だ」
「ぁっ……んっ……っ♡——やっ——その言い方は——っ♡♡——でも——世一様の方が——浅葱よりも——ずっと——!♡♡」
腰を動かす。英稟の腰が、それに合わせて揺れる。黒髪が机の上に広がった。
「比べるのか」
「比べ、ません——っ♡——世一様以外には——私を——こんなふうに——できないから——っ♡♡♡」
「浅葱だったら嫌だったか」
英稟が律動の中で、はっきりと答えた。
「——嫌です——っ♡——世一様でなければ——嫌です——っ♡♡——世一様だから——こんなに——!♡♡♡」
奥を抉ると、英稟の膝が折れかけた。机に押しつけながら腰を叩き込む。じゅぷじゅぷと音が響いた。
「ぁあ……んっ……っ♡——世一様——奥——甕星の力が——符叢が——揺れて——っ♡♡」
「陽気が回っているな」
「っ……はい……っ♡——世一様の精気が——符叢に響いて——甕星が——従順に——っ♡♡」
「天津甕星も俺のものだ」
「——はいっ♡♡——全部——全部、世一様の——英稟も——甕星も——星宮家も——全部——っ♡♡♡——あっ——いきそ——っ!」
臀部を平手で叩いた。
「ひゃぁっ……!♡♡——ぁあああっ♡——来て——世一様——来て——!♡♡♡」
最奥に押しつけ、解き放った。
「ぁあっ——!♡♡♡——世一様の——なかに——満ちる——っ♡♡♡——英稟の奥に——っ♡」
英稟がぶるぶると震えながら、机に突っ伏した。長い黒髪の向こうで、息を整えている。
「……世一様」
「何だ」
「……浅葱にも、他の誰にも——渡したくありません。世一様だけの、私でいたいのです」
「あいつは符闘で勝った。だが、お前の体を取れるのは俺だけだ。そこを間違えるな」
英稟が顔だけを上げた。目が潤んでいる。
「……はい♡——世一様だけです」
「掃除しろ」
「……はい♡」
英稟がゆっくりと体を起こし、俺の前に膝をついた。丁寧に、余韻を舌先で拭い取っていく。
「んっ……ふっ……っ♡——世一様の……まだ熱い……っ♡」
「全部飲め」
「……はい♡——全部、いただきます……っ♡」
(お前が誰かに敗れるたびに、こうしてやる——それでいい)
そういう女の使い方もある、と思った。