『神符大戦 ──世界大会決勝で負けて底辺に堕ちた男、TCGの勝敗が全てを決める異世界で美少女達を調教しながら盤面制圧を目指す──』 作:シキセ
律也を呼んだ。仏頂面で来た。
「三神律也。命じる」
「……は、はい」
「早雲桔梗を娶れ」
律也の顔が固まった。
「……は?」
「第一戦でお前は桔梗を下した。勝者として、対価として桔梗を娶る。符侯の命令だ」
「っ——い、いや、それは……俺はその、桔梗とは別に……」
「文句はあるか」
律也が口ごもった。
「……もう一つある」
「……も、もう一つ」
「小鳥遊紬も娶れ」
今度は完全に固まった。
「な——」
「あの娘はお前を支えてきた。お前が更生したのは紬の目があったからだ。俺の麾下の符士が縁を宙ぶらりんにするのは符侯の体面に関わる。正式に娶って三神家の籍に入れろ」
「そ、そんな……紬が——」
「俺からも話す。拒否は許さない」
律也が長い沈黙の後、首を縦に振った。
「……わかりました」
「律也」
「はい」
「お前を三神家の当主にする」
今度は目を見開いた。
「……え」
「父・陣の遺した符叢を継ぎ、三神家を俺の直属符家として立て直せ。苑子はそのために引退させる」
「苑子が……それを」
「本人と話はつける」
律也がまだ呆然とした顔で立っていた。
「……俺が、三神家の当主」
「できないか」
「……できます」律也がゆっくりと頭を下げた。「やります」
「ああ」
──────
苑子を呼んだ。
「苑子、律也を三神家当主にする」
苑子はすぐには答えなかった。
「……律也を」
「ああ。お前はよくやった。しかし三神家に次の主が立つなら、先代が身を引くのが筋だ」
「……世一様がそうお決めになるのであれば」苑子は静かに言った。「三神苑子——律也に当主の座を譲ります」
「引退後の役割を与える。俺の奥殿の世話役だ」
苑子の目が、わずかに揺れた。
「……奥殿の」
「英稟、冬子、これから増える女たちの世話を束ねる。お前より信頼できる者はいない」
苑子が深く頭を下げた。目の端が少し赤かった。
「……身に余ります」
「余らないから頼む」
「……はい、世一様」
「もう一つある」
苑子が足を止めた。
「……はい」
「夜伽の件だ」
苑子の目が、わずかに動いた。表情は穏やかなまま。
「冬子と雪は、どちらも腹の子を優先させなければならない。当分、夜伽は控える」
「……はい」
「その分、お前に増えることになる」
苑子はしばらく黙った。
「……仰せのままに、世一様」
「嫌か」
「……嫌ではありません」苑子は静かに言った。「奥殿の世話役を仰せつかった時から——覚悟は、できています」
「では今夜から始める」
「……はい」
──────
苑子の着物の帯を解いた。
三十代後半の肢体が、月明かりに晒される。鍛えられた符士の体躯の下に、年月をかけて熟れた曲線がある。英稟の若さとも冬子の翳りとも違う——それは、長い年月の重みを湛えた、落ち着いた美しさだった。
「ぁ……」
乳房を両手で包み、胸の頂に触れると、苑子が小さく声を漏らした。それだけで、足元が揺れた。
「声を出していい」
「……は、い」
「陣が死んで、三年余りか」
「……はい」
「その三年——俺が手をつけるまで、誰にも許さなかったな」
苑子がわずかに目を閉じた。
「……はい」
片方の乳首を転がしながら、もう一方を指で摘まむ。苑子の唇から我慢しきれない声が漏れた。
「ぁっ……! 世一様——両方、同時には——っ」
「符士の体とは思えない濡れ方をしている」
「……律也のことが——心配で、その——女の部分を、忘れていたと思います……っ」
「三年分、溜まっているな」
「……っ♡」
指を下肢へ滑らせる。秘裂をなぞると、苑子の腰が引けた。すでにじんわりと熱く、蜜が滲んでいた。
「ぁ……っ——世一様——そこは——っ」
「律也に知られたら困る顔か」
「……困ります……っ♡——律也には——私はまだ——母親ですから……っ♡」
「俺の前では違う」
「……はい……っ♡」
指を一本、ゆっくりと沈める。三年の空白が、内壁に滲んでいた。もう一本加えると、苑子の腰が小さく揺れた。
「んっ……んっ……っ♡——世一様……奥まで……っ♡」
「声を堪えるな」
「……は、い……っ♡——あの……声が、大きくなってしまって……っ♡♡」
「大きくしろ」
「ぁあ……っ♡——そんな仰られても——っ——指が、奥を……っ♡♡」
三本目を加えながら、親指で秘核を擦る。苑子の膝がわずかに折れた。白い蜜が糸を引いた。
「ぁあああ……っ♡——!——世一様——っ——来ます——来ます——っ♡♡」
「達しろ」
「ぁあっ……!♡♡♡——!!」
苑子が静かに、しかし深く絶頂した。内壁が指を締め上げ、白い蜜が溢れた。長い黒髪がほどけて、肩に垂れた。
「……ぁ……っ♡——三年……ぶりに……っ♡」
俺の帯を解かせた。苑子の手が震えながら着物を落とした。怒張を見た目が、わずかに緊張した。
「……お世話を、させていただきます」
「ああ」
苑子が、丁寧に口を近づけた。
唇が先端を包む。舌先が裏筋を這い上がり、ゆっくりと含んでいく。
「んっ……っ♡——世一様の……っ♡」
「夫とも、これをしていたか」
「……はい……っ♡——でも——こんなに——大きくは……っ♡♡」
「比べるな」
「……比べ、ません……っ♡——比べることなど、できませんから……っ♡」
苑子の舌が、丁寧に動く。律義で誠実な奉仕だった。三年間眠っていた女の本能が、じわじわと目覚めていく気配があった。
「ふっ……んっ……っ♡——世一様が気持ちよくなってくださるなら——これが私の——お仕事……ですから……っ♡」
「俺の役に立つことを喜んでいるか」
「……はい♡——それだけが——今の私には……っ♡」
しばらく翻弄した後、俺は苑子を立たせ、後ろに回らせた。
「後背位だ。支えろ」
「……はい」
苑子が壁に手をついた。後ろから押し入ると、三年ぶりの充填に苑子が長く息を詰めた。
「ぁ……っ——あたたかい……世一様が……なかに……っ♡」
「動くぞ」
「……はい……っ♡——お願い、します……っ♡」
ゆっくりと腰を動かす。苑子の内壁が、使われていなかった年月を取り戻すように、俺を締め続けた。
「んっ……んっ……っ♡——世一様……深い……っ♡」
「きつい」
「……三年……ぶりで……っ♡——すみません……っ♡——でも——世一様のが——大きすぎて……っ♡♡」
「慣れろ」
「ぁあ……っ♡——はい……っ♡——慣れます……っ♡——世一様の形に——慣れます……っ♡♡」
律動を深くする。苑子の両手が壁を押さえ、腰が俺の動きに合わせて揺れ始めた。
「ぁっ……んっ……っ♡♡——世一様……奥が……弱いところに——当たって……っ♡♡♡」
「三年ぶりの場所だな」
「ぁあっ……!♡——そんな仰り方は——っ♡♡——でも——世一様に言われると——っ♡♡♡」
「苑子」
「……はい……っ♡」
「お前も、いずれ妾に加わるかもしれない」
苑子の体が、一瞬止まった。律動の中で。
「……っ♡——世一様……っ」
「冬子が正妻だ。雪が妾だ。お前がその列に加わることが——あるかもしれない」
「……私は——奥殿の世話役に——」
「世話役と妾は、兼ねてもいい」
苑子がしばらく黙った。律動は続いている。内壁が、じわりと締まりを増した。
「……世一様が——そう仰るなら——っ♡」
「嫌か」
「……嫌では、ありません……っ♡——ただ……律也の母親が、世一様の妾というのは……っ」
「律也は三神家当主だ。お前はもう苑子だ」
苑子が長く息を吐いた。
「……はい……っ♡——苑子として——世一様に——お仕えします……っ♡♡」
「達しろ」
「ぁあっ……!♡♡——世一様……来て……なかに——来て——っ♡♡♡——!!」
最奥で解き放った。苑子がぶるぶると震え、壁に手をついたまま深く絶頂した。
「……ぁ……っ♡——世一様の……なかに……いただきました……っ♡」
苑子がゆっくりと体を落ち着かせた。それから振り返り、俺の前に静かに膝をついた。
「……お掃除を」
「ああ」
丁寧に、余韻を舌先で拭い取っていく。律義で誠実な奉仕だった。
「……世一様」
「何だ」
「律也が——立派になりました」苑子は静かに言った。「陣のように、いつか命を落とすのではと、ずっと案じておりましたが——世一様の麾下にいれば、大丈夫だと思っています」
「そうか」
「……だから——私は、世一様のものになれます。それだけで、十分です」
(三年間、息子のために生きてきた女だ)
手駒に使う価値がある、と思った。
──────
雪を呼んだ。
「懐妊を確認したか」
雪の表情が、一瞬固まった。
「……はい。三日前に医師に診てもらいました。確かだと」
「そうか」
(確かめたかったことだろう。この世界の人間を孕ませられるか——答えが出た)
「守屋雪。お前を守屋家から召し上げる。妾として星宮邸に入れ」
「……」
「守屋家には相応の処遇をする。お前の家格に傷はつけない。しかし今後守屋家に戻ることはない」
雪が少し間を置いてから、答えた。
「……わかりました、世一様」
思ったより素直だった。
「英稟様にはご説明が」
「俺から話す」
「……はい」
──────
夕刻、執務室の窓から遠見市を見た。
符侯の座に就いてから、景色が変わった。正確には——見えているものが変わった。街の動線、人の流れ、各符家の向かう方向。聖教査察団が退いた後の空白。南溟道の結界が薄れていること。
(深淵海国が動く前に、次の布石が必要だ)
「世一様」
ルクシエルが後ろに来ていた。
「……今日も、たくさん動かされていますね♡」
「動かすのが仕事だ」
「はい♡——一つ、ご報告があります」
「言え」
「冬子様から連絡がありました。倉橋家の星読み記録の中に——白陽という名が、複数回記されていたと。符帝家の成立より前から、この大陸にいたと記録された名だそうです」
俺は手を止めた。
(白陽)
茶屋の女だ。
「……俺はその人物を知っている」
「え?」
「遠見市で、何度か会っている。名前も聞いた」
ルクシエルが目を丸くした。
「……どのような方ですか」
「銀白の髪。苗字を持たない。自分でそう言った——苗字が生まれる前から生きているから、と」
ルクシエルが静かになった。
「……それは」
「符帝家の成立より前、と記録にあるなら——つじつまが合う」
茶屋で白陽が言ったことを改めて並べた。符闘のルールが「遊びだった頃」の話を当事者の口調で語ったこと。現代には記録が残っていないカードの古い効果を「覚えている」と言ったこと。帝国の制度が整備される前の現場に「いた」と言ったこと。
一つひとつは奇妙な話だった。しかし倉橋の記録と重ねると、奇妙ではなくなる。
(あの女が、それだけの年月を実際に生きているとすれば——)
「倉橋の記録に、他には何が」
「符皇と共に遠呂智と戦ったという記述があるそうです。白陽という名は符皇が命名したとも」
「そうか」
(符皇と。遠呂智と。——深淵海国に今も潜む、その遠呂智と)
茶屋で欠伸をしていた顔を思い出した。「やる?」とだけ言ってカードを並べた顔を。
「世一様——その方と、どういうご関係ですか」
「ゲームをしている」
「……え?」
「対戦ゲームだ。定期的に茶屋で会って、カードを打っている」
ルクシエルがしばらく黙った。
「……遠呂智と戦った古符族の方と、世一様がゲームを」
「当事者かどうかは確かめていない。聞いても、ちゃんと答えない」
「……世一様は怖くないのですか」
「卓の上では——面白い相手だ」
ルクシエルが、なんとも言えない顔をした。それから小さく笑った。
「……世一様らしいです♡」
俺は窓から目を離し、執務机に向かった。
(次に茶屋に行けば——白陽は今日と変わらない顔でそこにいるだろう。欠伸をして、符束を出して、「やる?」とだけ言う)
倉橋の記録が白陽について何を言っていようと、あの女はそれを俺に話す気はない。少なくとも今は。聞けば「そうね」で終わる。
(——深淵海国が動いた時、白陽が最初に口を開くだろう。あの女はそういう間合いで動く)
それまで、ゲームを続ける。
次の手を、考え始めていた。
────────────────────
——第二部「三国干渉編」 了——