『神符大戦 ──世界大会決勝で負けて底辺に堕ちた男、TCGの勝敗が全てを決める異世界で美少女達を調教しながら盤面制圧を目指す──』 作:シキセ
翌朝、律也がエリナを連れてきた。
昨夜と同じ白い騎士服。首輪。黄金色のセミロングが、朝の光の中にあった。
「よく眠れたか」
「……はい」
眠れていない顔だった。
「ルクシエル」
白金の光が来た。翼が広がった。ルクシエルが顕現した。
エリナが——立ったまま、固まった。
「——っ」
白金の翼。静かな目。ルクシエルがエリナを見た。
「また、お会いしましたね。エリナ・ソルベルク」
「……はい——」
「計測符闘の時のお答えは、変わっていませんか」
エリナが——少し間を置いた。
「……今は——わかりません——」
言ってから、エリナは首を振った。騎士の顔に戻った。
「——いいえ。わかっています。ルクシエル様。私はまだ、貴女を解放すべきだと考えています」
「私が望んでいなくても、ですか」
「望んでいなくても……」
言いかけて、エリナの声が、止まった。
昨日までなら、迷いなく言い切れた言葉だった。今は——喉の途中で、勝手に止まった。
ルクシエルが、静かにエリナを見た。
「昨日、貴女は首輪をつけられていましたね。マギニアは、貴女に聞きましたか。世一様のもとへ行けと決めた時」
「……聞かれて——いません——」
「私が千年、教会にそうされていたのと——同じですね」
エリナの体から、力が抜けていくのが分かった。
「貴女を助けに来た時の貴女は、正しかった。それは今も、そう思っています。……ですが、貴女はもう、外側から構造の正しさを語れる立場には——いません」
エリナは、答えなかった。答えられなかった。
膝の上で、両手が固く握られていた。抵抗するための言葉が、もう出てこなかった。
「下がっていていい」
「はい、世一様」
白金の光が消えた。
エリナが、しばらく黙っていた。声を失ったように、床の一点を見つめていた。
「……私は——もう——何も——言えません——」
「そうか」
「……国にも——見捨てられて——ルクシエルに——あんなことを——言われて——」エリナの声が、掠れていった。「……私には——もう——何も——残っていません——」
「なら、探すのはやめろ。今は何も持たなくていい」
エリナが、顔を上げた。空虚な目だった。
「……何も——持たなくて——いいのですか——」
「持たせてやる。俺が」
エリナが、長い間、黙っていた。
「……はい——」
それだけ言って、また俯いた。何かを諦めたような、深い俯き方だった。
廊下に出た時に——声が聞こえた。
「——エリナ」
エリナが、止まった。
振り返った。
廊下の角に——深紅の枢機卿服の女が立っていた。
「……っ——セレスティーナ——先生——!」
セレスティーナが、穏やかに微笑んでいた。
「久しぶりですね、エリナ」
「先生——なぜ——ここに——先生も——世一様の——」
「エリナ」とセレスティーナが言った。「あなたが思っているより、ずっと——複雑な場所ですよ、ここは」
「……先生——」
「世一様の下に来ることが——悪いことだと——私はもう思っていません」
エリナが——セレスティーナを見た。
師の顔だった。変わっていない。ただ——何かが、違った。
「……先生は——」
「話は後でしろ」
俺が言った。
エリナが振り返った。
「……はい——」
「セレスティーナ」
「……はい」
「今夜は来なくていい」
セレスティーナが——少し頷いた。
「わかりました」
エリナが——何か言いたそうに——セレスティーナを見て——そのまま俺の後についてきた。
────
夜になった。
エリナを内室に呼んだ。
「……世一様」
「座れ」
「……はい」
「首輪を触っていいか」
「……はい——」
昨日と同じように——首輪に指を当てた。
「——っ!♡」
エリナが声を上げた。今日は昨日より鋭かった。
「……っ——なぜ——今日は——もっと——」
「昨夜一晩、首輪が俺の陽気を貯めていた。今朝ルクシエルに会ったことで、式符の根がさらに開いている」
「……っ——そんな——」
指を少し動かした。
「——っ!!♡♡」
「騎士服を脱げ」
「……っ——でも——」
「脱げ」
エリナが——震える手で、白い騎士服の留め金を外し始めた。
ぱちん、ぱちん、と留め金が外れるたびに、エリナの息が乱れた。「……っ——こんな——脱ぐだけで——っ——」
「首輪が体中に陽気を巡らせている。感度が上がっている」
騎士服が床に落ちた。白い肌が出た。細かった。十九歳の体だった。鍛えられているが——華奢さが残っていた。
俺は首輪から手を離して——代わりにエリナの頬に触れた。
「——っ!♡♡♡」「……っ——頬に——触れただけで——っ——」
「首輪経由で全身に伝わっている。お前の式符の根が俺の陽気を求めている」
俺はエリナをベッドに座らせた。
「口でしろ」
エリナが——顔を上げた。
「……っ——口で——」
「ああ」
「……わかりました——」
エリナが——床に降りた。
ゆっくりと、たどたどしい手で。
「……こうですか——」
「ああ」
「……っ——んっ——」
ぷちゅ、とエリナの唇が触れた。
「……んっ——んぅ——っ——」
「口を開けろ」
「……んっ——は——い——っ——」
ぬちゅ、くちゅ、と音が始まった。たどたどしかった。慣れていない。
「……んっ——! んぐっ——! 深く——っ——できなくて——」
「急がなくていい」
「……んっ——んぅ——っ——♡」
ぐちゅ、くちゅくちゅ、と音が続く。
「……んっ——!♡ んぐっ——っ——♡♡」
陽気を少し流した。首輪経由でエリナの体に入っていく。
「——っ!!!♡♡♡♡」
エリナが——そのまま、激しく口を動かし始めた。
「……んっ——! んぐっ——! んぐっ——!♡♡♡♡」
「ゆっくりでいい」
「……っ——でも——っ——なかに——もっと——ほしく——なって——っ——!♡♡♡♡♡」
「口の中に出す」
「……!♡♡♡♡♡♡」
どぷっ、と注いだ。
「——んぐっ——っ——!♡♡♡♡♡♡」
飲み込もうとして——むせた。
「……っ——ごほっ——っ——ごほっ——!」
「無理に飲むな。落ち着いてからでいい」
「……っ——はい——っ——ごほっ——っ——飲めました——っ——」
「よくできた」
「……っ——」
エリナが——俯いた。顔が赤かった。
「……飲んでしまいました——っ——」
「何が問題だ」
「……問題では——ないのですが——っ——」
ベッドに引き上げた。
「——っ!♡♡」
「脚を開け」
「……っ——」
エリナが——膝を閉じたまま、止まった。
「……そこは——まだ——」
「処女か」
「……はい——」
「わかっている。指で確認するだけだ」
「……っ——確認だけ——」
「今夜は入れない」
エリナが——少し間を置いてから——脚を開いた。
「……っ——見ないで——ください——」
「見る」
「……っ——」
指先でそっと触れた。
「——っ!!♡♡♡♡」「触れないで——ください——っ——!♡♡♡♡♡」
「お前の体を知る必要がある」
ぐちゅ、と音がした。
「もう濡れている」
「……っ——違います——っ——!♡♡♡♡」
「違わない。首輪の陽気が体中に回っている。ここも同じだ」
指を陰核に当て、くちゅくちゅと軽く動かした。
「——っ!!!!♡♡♡♡♡♡♡」「ああ——! 達して——しまう——っ——!」
「達していいぞ」
エリナが——全身でびくびく、と絶頂した。震えが収まる間もなく、首輪に指を当てたまま、前の指を止めなかった。
「——っ!!!!♡♡♡♡♡♡」「いったばかり——なのに——っ——!」
「首輪と前と、両方から刻む。お前の体は俺の陽気で開く——それを覚えろ」
陽気を流した。エリナが——大きくびくびくと震えながら、シーツを握りしめた。「……何度も——何度も——っ——いって——る——っ——!♡♡♡♡♡♡♡♡」
しばらくして——指を引いた。
エリナが——ぐったりとベッドに伏せったまま、荒い息をしていた。
「……っ——は——っ——は——っ——」
「立てるか」
「……少し——待って——ください——っ——」
「ああ」
しばらくして——エリナがゆっくりと起き上がった。
頬が赤かった。目が——少し潤んでいた。
「……中には——入れないのですか——」
「今夜は入れない」
「……なぜ——ですか」
「お前が自分から言うまでは入れない」
エリナが——止まった。
「……自分から——言う——」
「ああ」
「……そんなこと——言いません——っ——」
「そうか」
「……言いません——!」
「ならば入れない」
エリナが——また俯いた。
「……卑怯です——」
「どこが」
「……体を——あれだけ——開発して——おいて——「自分から言え」とは——」
「お前の気持ちが問題だ」
「……気持ちは——まだ——負けていません——」
「ならばまだ入れない」
エリナが——また、少し口を尖らせた。
「……」
「部屋に戻れ。明日も来い」
「……毎日——こうするのですか——」
「続ける」
「……毎日——こうやって——開発されて——いずれ自分から言うと——思っているのですか——」
「思っている」
エリナが——止まった。
「……悔しい——」とエリナは言った。「そう言われると——否定できないのが——」
「明日も来い」
「……はい——」
エリナが立ち上がった。
扉の前で——少し振り返った。
「……世一様」
「何だ」
「……セレスティーナ先生は——本当に——先生自身の意志で——ここにいるのですか」
「本人に聞け」
「……聞いていいのですか」
「止めない」
「……わかりました——」
エリナが出ていった。
扉が閉まった。
俺は窓の外を見た。
(「言いません」)
今夜はまだ、意地があった。
それでいい。一夜で崩れる意地なら——崩してもたいした意味がない。
「聖旗の騎士」が自分の口で言うまでには——もう少しかかる。
かかるほど——いい。
遠海の夜が、静かに更けていった。