※この作品はR-18です。

その転生者はハーレムをつくる   作:小説を見るよう

15 / 16
 ついに原作時間突入しました!
 原作との違いなどを少しでも楽しんでもらえたらなと思います。

 r18はありません。今後はr18じゃない話が増えるかも?


自分では関わることのできない世界に生きていた人(前編)

 

『気持ち悪い!』

 

『えっ……』

 

『なんで、わっちゃん男の子のくせに女の子のお人形好きなのよ!』

 

『………』

 

『わっちゃんなんて大嫌い!』

……――

…――

 

 

ピピピピッ

 

「はッ………!」

 

 スマホに設定していたアラーム音で目を覚ました。

 画面を押して、アラームを止めるとのっそりと上体を起こした。

 

 

「今のは………」

 

 先ほどまで見ていた夢。あれは記憶にはあるが体験していない出来事。

 

 

 原作の五条新菜が体験したことであり、冒頭で見ていた夢だ。

 

 

(なんでこの夢を……?)

 

 体験したのは原作の五条新菜であって俺ではない。

 

 原作ではすれ違いや幼子であるが故の罵倒によって絶交してしまった幼馴染の青柳のばらはこの世界では絶交せず幼馴染のままだ。

 いや、幼馴染のままではない。恋人関係になっている。

 

 だからこそなぜあの夢を見たのかがわからない。

 まあ印象が強くないかと言われれば、印象の強い場面ではあるし、似たような状況でこの世界が【その着せ替え人形は恋をする】であるとわかったのだから記憶にも強く残るか。

 

 そう自己完結して納得すると、隣でスヤスヤと寝ている のんちゃんの額にキスをした。

 

 

「んんっ……ぅ……わっちゃん…?」

 

 額にキスをしたせいか のんちゃんを起こしてしまった。

 

「ごめん、起こしちゃった?」

 

「ううん、大丈夫」

 

 大丈夫とは言っているが眠そうだ。

 

「まだ寝ててもいいよ?」

 

「準備も手伝いたいし私も起きるよ」

 

 これから朝ごはんを準備するからその間は寝かせて上げようと思ったがどうやら不要なようだ。

 

 手伝いたいという言葉を嬉しく思いながら布団から出る。

 

 

「おはよう、のんちゃん」

 

「うん。おはよう、わっちゃん」

 

 

 

 のんちゃんは目を擦りながら、俺は欠伸をしながら階段を降りていった。

 

 一階に降りるとじいちゃんが伸びをしていた。

 

「おはよう、じいちゃん」

 

「おはよう、薫おじいちゃん」

 

「おう。おはよう、新菜。のばらちゃんもおはよう」

 

 朝の挨拶を済ませると両親とばあちゃんの仏壇の前に座り線香を立てて手を合わせた。

 

 その後に朝食の準備をするのがじいちゃん家での朝の習慣になっている。

 

 

「新菜、おめぇ昨夜も遅くまでやってただろ。ちゃんと寝てるのか?」

 

 味噌汁の味見をしているとじいちゃんにそう聞かれた。

 

「ん~…なんか調子よかったからつい……。筆が走って何個もやちゃったんだよね」

 

 寝不足の原因は頭師の練習をしていたからだ。決して のんちゃんとシていたせいではない。

………まあ全くシなかったかと言われればちゃんとシたのだが。

 けどじいちゃんがいない間にもシていたからそんな長時間していないからやはり寝不足の原因は遅くまで練習をしたことだ。

 

 ちなみに防音シートを張っていたので音は漏れていないはずだ。

 

 

「わりいなぁ、のばらちゃん。新菜に付き合わせちまって」

 

「ううん、わっちゃんが練習してるところ見るのは嫌いじゃないし、結局先に寝ちゃったから」

 

 のんちゃんは上手く話を合わせてくれたようだ。

 俺が練習しているところをじっと見ていることがあったから発言は嘘ではないけど、本当は昨日の晩にシたあとに疲れた のんちゃんは先に寝てしまい俺が筆を使っているところを見てはいなかった。

 

 

「けど……まだじいちゃんみたいに上手くいかなくてさー……」

 

「じいちゃん何年やってると思ってんだ」

 

「ん~…47?」

 

48(フォーティーエイト)!」

 

 

 

 そうこうしているうちに朝食の用意ができた。

 

「「「いただきます」」」

 

「“顔”はまだでも衣装は作れんだから上等じゃねーか」

 

「それしかだよ……まだできないことも多いし…」

 

 そう、原作の五条新菜と違う道のりを行っている。原作では友達ができないほど雛人形に関わり練習していたが、俺はそうではない。

 同級生との、友達との時間も大切にしたかったし ほのちゃん達との時間も過ごしたかった。だから雛人形にかける時間が違うのだがいい刺激あってのことなのか、衣装技術は同じか少し上だ。

 

 それでも原作と違う道のりに心配はあるのだ。

 

 

「んな焦んなくっても、ボチボチやりゃあいい。まだ学生なんだから。それにおめえの上達速度は大したもんだ」

 

「うん…」

 

 前にも言われたことがある。

 上達速度がとても速い……これは原作と違う世界だからなのか、それともこれが“外からいい刺激を受けた五条新菜”の上達速度なのか。

 

 

「それよりおめえ、高校に上がって友達出来たのか?」

 

「ブッ…ゲホッゴホッ×n」

 

「おい、大丈夫か?」

 

「けほっ…大丈夫…。えっ…? 何、急に…」

 

「いや、おめえ小学校んときはよく友達と遊びにいってただろ? 中学ん時は回数は少なくなってたけど友達と遊びに行ってたおめえが高校に入ってからまったく行ってねぇから友達できてねえんじゃねーかと思ってよぉ」

 

「い、いるよ…いるいる! みんな家が遠いし部活もやってるから時間合わないんだよ。ただそれだけ!ほんとに…!」

 

 それだけ、だからそんな目でみないで のんちゃん!

 

「私も わっちゃんが話してるの見たことあるから大丈夫だと思うよ」

 

 天使じゃったか…。(トリコパロ)

 

 話を合わせてくれる のんちゃんが天使すぎてあの人の口調になってしまった。

 

「のばらちゃんがそういうならじいちゃん安心だわ わははっ。そーかそーか」

 

「あはは……」

 

 

 

 のんちゃんの協力の下、誤魔化せた俺と協力者の のんちゃんは制服に着替えて家を出た。

 

「「いってきまーす」」

 

「おう、気ィ付けて行けよ」

 

 

 

 2人で朝のことなどを話しながら駅まで歩いていった。

 交通系ICカードで改札を通り、電車では扉付近に立って学校へと向かった。

 

 原作と違い、のんちゃんは俺と同じ高校に通っている。

 

 そう、あの原作の舞台かつ喜多川さんたちが通う高校だ。

 

 

 だから最初、俺と同じ高校に行くと言い出した時はびっくりした。原作ではあり得ない展開で、予想をしていなかったから余計にだった。

 

 原作では五条新菜には友達がおらず、喜多川海夢と出会うまでは一人で過ごしていた。

 その展開を変えてしまって大丈夫なのかという心配はあった。

 でも、原作の後半に分かることとはいえ既に変えてしまっている。それにそもそも原作と少し違う世界なのだから何とかなるだろうと考えた。

 

 なにより同じ高校に行きたいと言ってくれて嬉しかった。

 

 だから俺は のんちゃんと一緒に受験勉強を頑張った。

 その結果こうして俺たちは受かり、一緒に登校している。

 

 

「わっちゃんさ、そろそろ友達作ったら?」

 

「ゔっ……い、いるよ?」

 

「嘘だね。だって わっちゃんが友達と話してるところ見たことないもん」

 

「た、偶々だよ、たまたま…」

 

「私が見るときだけたまたま一人で居たって? 他の人は話してるのに?」

 

「えーっと……」

 

 今の会話からわかるように俺は高校で友達ができていない。

 

 原作で出てきた気のいい彼らと友達になれていないのだ。

 

 俺は原作の新菜とちがって小学校、中学校ともに友達がいた。

 だから高校でいきなり友達が作れない道理はないのだ。

 

 きっと作品への転生物でよくある修正力とやらにに違いない。

 今まではあくまで原作前だったから修正力が弱かったかそもそもなかった。だが、おそらく原作の高校生という称号を得たことで修正力が働きだしたのだ。

 

 それに考えてみてほしい。二次元にいた人物が目の前にいて同じクラスってなったら緊張するだろう?

 原作で少なくとも名前付きのクラスメイトはいいやつだって知ってるから、もし原作と行動を変えて不仲になるのは最悪だ。

 それなら原作通りに進めて仲良くなる機会を待った方がいいんじゃないか。そんな考えがよぎってしまう。

 

 だから決して小学校からの友達が多くいたから中学での新しい友達があまり増えず、さらに3人の彼女との爛れた性活を送っていたせいで友達の作り方を忘れたとかでは断じてない!(早口)

 

 

「まあいいや、じゃあ私こっちだから」

 

「うん」

 

 のんちゃんは俺と同じクラスではなく隣のクラスだ。

 クラスが違うとわかった時はとても残念そうにしていた。

 

 

「のばらおはよ~」

 

「おはよう」

 

「なになに彼氏と痴話げんか?笑」

 

「だから幼馴染だってば!」

 

 ちょうどのんちゃんの友達が登校してきたようで話しながら教室へと入っていった。

 

 

 俺たちは基本毎日一緒に登校している。

 通学路はほとんど同じだからというのもあるし、なんなら小学校からの習慣とも言えるかもしれない。

 

 それで一緒に登校してたら“付き合っているんじゃないか”という話題を同級生から出されるだろう。

 そこは「幼馴染だから」で通している。

 

 理由は のんちゃんと恋人関係であると認めたうえで美織姉ちゃんとも恋人関係であると周りにバレた場合が厄介だからだ。

 大人になった時ならまだしも高校生という原作突入時期にいきなり厄介ごとで困りたくないからというのが理由だ。

 

 そうでなくとも複数の彼女がいると周りに知られてしまうと色々面倒ごとが起こるかもしれないということを4人で相談した。

 そうして のんちゃんだけでなく美織姉ちゃんにも俺が彼氏であることを言わないということに決めた。

 

 ただ、美織姉ちゃんは彼氏がいると言ってしまっているので俺のことを明言しないということで落ち着いた。

 

 ちなみに学校では のんちゃんとはあまり話さない。

 学校じゃなくても話せる機会がよくあるからという理由もあるが、のんちゃんに「私と話してるとずっと友達作らなそう」とのことで、のんちゃんから友達を作るまでは学校で会話をしてくれない。

 

 

 

 のんちゃんと分かれた後は自分の席に座ってどうしようかと外を見ながら悩んでいた。

 

 

「うわっ、ちょ……」

 

ガチャンッ

 

 音と声が聞こえたほうを向くと……………人が飛んできていた。

 

 

「!? 危ないっ」

 

 咄嗟に頭の落下地点に手を差し込んだ。

 

 

ダンッ

 

「いっっ――たくない?」

 

「いつッ……大丈夫?!…ですか?」

 

「え?………!! ごめんっ! 手、痛いよね?!」

 

 手をクッションにしたことに気づいたようで逆に心配されてしまった。

 

「大丈夫ですよ。それより喜多川さんも怪我はないですか?」

 

「うん、大丈夫。っと……ごじょー君のおかげでね、ありがと!」

 

 やばい、あの喜多川 海夢(きたがわ まりん)が目の前に……! つい丁寧語になってしまう……

 

 

「ごめん海夢!」

 

「あちゃ~」

 

「平気?」

 

「ごめ~ん」

 

「大丈夫?」

 

 学校で喜多川さんとよく集まっている菅谷 乃羽(すがや のわ)八尋 大空(やひろ だいあ)山内 瑠音(やまうち るね)が喜多川さんを心配して寄ってきた。

 

 原作でネームドだった娘たちが四人も…!

 さらに緊張するよ……

 

 

「うん大丈夫。ごじょー君が手で庇ってくれたおかげで」

 

「ごめん ごじょー君!」

 

「ごめんな」

 

「い、いえ大丈夫ですよ」

 

 流石にこんなに謝られると申し訳ない。

 確かに少し痛いが、この程度で申し訳なさそうな顔をさせたくはなかった。

 

 

「ほんとに手、大丈夫?」

 

「え、ええ平気です」

 

「そっか………ん? それ…何かついてるよ?」

 

「いっ……」

 

 そう言うと俺の腕を喜多川さんは触り始めた。

 

「なんだろ、これ。ケガ…じゃないっぽいけど」

 

 さすさすと触られているのもそうだが、前傾姿勢になっていて胸が!

 喜多川さんの谷間が目の前で視線がそこにしか行かない!

と思ったら次は上目遣いを…!

 

 

「え、えっと…たぶんなにかいんくがついっちゃってたみたいです」

 

 エロいし可愛いし輝いてるしで供給過多になった頭を沸騰させながらなんとか言葉を返した

 

 

「ならハンカチつかう?」

 

「い、いえっ自分のがあるので大丈夫です!」

 

「そっ? ならいいけどっ」

 

 ニコッと笑う喜多川さん。

 

 その笑顔におれは数秒…見惚れてしまった。

 

 

 喜多川さんたちは教壇の方へ移動していった。

 

(墨……付いたままだったのか)

 

 昨日のどこかで墨が着いた左手に気づかないまま触ってしまっていたのだろう。

 

 

 ふと歩く喜多川さんの後ろ姿を見ると、スカートの隙間から時折、形のいい臀部がチラッと見えた。

 エッッと思ったが凝視してるところを気づかれたらまずいので目を逸らした。

 

 

(びっくりした……)

 

 初めて話してしまった……。

 

 可愛くて、意思が強くて、エロくて、元の世界でも人気があって……本来は同じ世界にすらいることができなかった人。

 まさしく“住む世界が違う人”だ。

 

 

 

「顔とかどうでもいいよ。ああいう男無理。てかジャラ付けしてる時点で好きだって分かんだしさ、人の好きなものバカにすんなよってなるでしょ」

 

「!」

 

 知っている会話だ。

 何気ない日常の会話から新菜がとても反応を示していたから覚えている。

 

 たしか今日は俺も当番に選ばれていて、原作の新菜がパシリとして使われていたシーンだ。

 

 ちなみに俺はパシリにはなっていない。多少は聞いてあげることもあるが、掃除に時間を取られて雛人形の練習や彼女たちと過ごす時間を奪われたくないからだ。

 

 

 

あれから数日後の夜

 

「痛っ!」

 

「おい、なんだ大丈夫か!?」

 

 声を聞いたじいちゃんが駆け足で部屋に入って来た。

 

「あ……ごめん、指 少し切っちゃって……」

 

「おめえが切っちまうなんて珍しいな。絆創膏取ってくっから少し待ってろ!」

 

「ありがとう…」

 

 原作の新菜と違ってトラウマはないし、喜多川さんに言葉をもらったわけでもない。

 

 でも、あれから何日も経ってるのに喜多川さんのことが頭から離れない。

 

 多分…これは高揚しているんだ。ついに原作時間が来たと。

 紙や画面越しでしか見られなかったあの娘たちと出会えるのだと。

 

 

「ふぅ………ん?あれ?」

 

 少し心を落ち着けて練習に戻ろうとしたらミシンが動かなくなった。

 

(あー……そういえばここらのタイミングでミシンが壊れたんだった)

 

 原作の新菜は喜多川さんに言われたことを考えていたせいで何度か指を切ってしまっていた。

 だが、俺は指を切ってしまったのは一回目だし原作よりも傷が浅い。

 だからまだ先の出来事だと思っていた。

 

 

「ほれ、これ貼っとけ」

 

 絆創膏を持ったじいちゃんが戻ってきた。

 

「ありがとう。じいちゃん、ミシンが動かない」

 

「え?」

 

 俺は絆創膏を受け取りミシンから離れた。

 絆創膏を貼っている間にじいちゃんがミシンを軽く操作したり診ていた。

 

「年代物だからなあ……寿命だろ」

 

「そっか……」

 

「新しいの買うか」

 

「そうだね」

 

 原作通りなら明日だ。明日が運命の日となる。

 少なくとも原作の新菜にとっては自分の人生に大きく影響をあたえることとなる出来事の起点となった日だ。

 

 今のところ概ね原作通りだからこのままであって欲しいが、どうなるか……。

 

 




 長くなりそうなので分けました。今回は前編と後編で行けると思います。
 評価やコメントを頂けるとやる気につながるのでよろしければ感想などお願いします。

 ただ、今週は忙しくなりそうなのでどこかで更新が遅くなると思います。

青柳のばら(のんちゃん)は何処の高校に通うか

  • 五条新菜と同じ高校
  • 別の高校
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。