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喜多川さんと分かれた後、俺も電車に乗って帰宅している。
(あと、たった2週間で完成させないといけないのか……。雛人形の服ならまだしも人用となるとどれくらい時間がかかるかわからない)
原作ではじいちゃんのお見舞いとテスト勉強、さらには工房見学の案内までしたうえで完成させた新菜凄すぎないか?
まあ、そのぶん追い詰められてはいたから洗い物と洗濯物は溜まっていたし、ごみ捨ても滞っていたのだが。
それで、俺に同じことができるかと言われるとわからない。
あれは技術というより作り上げるという精神が成していた部分もあるから、同じ状況でこなせるかどうかはわからないのだ。
帰宅
「ただいま」
「おう、おかえり」
俺は買い物袋を右側、壁側に置いて靴を脱いでいた。
学校のカバンと俺の間に置いているため倒れる心配はないと思う。
「今日は随分遅かったじゃねえか」
「あっ、ごめん…電話するの忘れてた。友達とちょっと買い物行ってて」
「友達と? そっかそっか~で、何買って来たんだ? CDか? それとも本か?」
高校生になって友達との話題がなかったから、いることに安心したのかじいちゃんの声色が明るかった。
「本…といっても漫画だけど。友達がゲームとかそういうのが好きな娘で、おすすめしてもらったんだ」
左側、原作で新菜が買い物した袋を置いていた位置に漫画の入った袋を置いていた。
そこから俺が興味のあった漫画を取り出してじいちゃんに見せた。
「よかったなあ。前みてえに家に連れて来てもいいからな」
「うん、友達の予定が合えばそうさせてもらうよ」
その
今日買い物をした袋をもって二階へと上がっていった。
「ふう……これで大丈夫だと思うけど」
袋から
じいちゃんに言った友だちにお勧めしてもらったというのは“嘘だ”。
喜多川さんとの買い物中は衣装のことばっかり考えていたし、コスイベの日を伝えると喜多川さんはすぐ帰ってしまったからおすすめを聞く時間はなかった。
そして漫画やアニメを原作とは違ってもともと興味を持っているから、特におすすめを聞く必要がなかった。
ただ、じいちゃんが転んで腰を痛めてしまうことを思い出したから、急遽帰り際に買ってきていたのだ。
それによって原作のようにじいちゃんを転ばさせずに済んだが、まだ不安はある。
喜多川さんとの出会いまでは原作で過去の記憶として描写があっただけだからなかっただけかもしれないが、もし修正力とやらがあれば意味を為さない。
そんな不安を持ちつつ衣装作成のために型紙を起こす準備をした。
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何事もなく二日後
「ごじょー君、カットしたウィッグとか持ってきたよ。」
「ありがとうございます」
「そだ、ついでに連絡先も交換しとこうよ。やり取りできた方が何かといいっしょ!」
「そうですね」
喜多川さんにLIMEのQRコードを読み込んでもらった。
「あぁっ…もう来週中間じゃん。ふつーにダルいよね~」
俺は一番後ろの席なこともあってか、後ろの黒板に張り付けられていた中間テストの時間割が目についたみたいだ。
「ゆーてあたし、いつも基本一夜漬けの人なんだけどさー、ごじょー君ちゃんと勉強する派?」
「そうですね、普段から授業でしたことは理解できるようにしてるのと、一週間前から勉強するようにはしてます」
「うっわマジ!? めっちゃちゃんとしてんじゃん! あたしも今日から勉強するか~」
まあそういうタイプには見えるし、たぶん今回も一夜漬けになるだろうな。
ちなみに俺は中学の時から授業で習ったことはその日に理解するようにしている。
基本授業を受ければ理解できるのだが、そうでないときは家で自習をしたり のんちゃんと一緒に勉強して理解している。
すればすんなり頭に入って来るし、次週はさっきも言った通りに理解できないときにするくらいだし、のんちゃんと一緒にする勉強は俺が教える側になることもあって楽しいため苦ではない。
ただ、今回は衣装づくりとテスト勉強を並行してしなければならないので大変だ。
初めての人用衣装づくりに、衣装を二週間後に間に合わせる速度で作りつつテストの点を落とさないために勉強するという慣れない日々が続くだろうから少し心配ではある。
でも、原作とは違ってじいちゃんの見舞いをしないからその分の時間があるし、心配による心の余裕がなくなることも現状起きていないから何とかなると思いたい。
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のんちゃんとのテスト前勉強をしていたある日
「よし、今日はこのくらいにしとこうか」
切りのいいところまでやると勉強道具を片づけて帰る用意をする。
「わっちゃんもう帰るの?」
「うん、ちょっとやることがあって」
「ふーん……」
「えっと…どうしたの?」
「いつもはテスト勉強おわったらすぐにシてたのに昨日も一昨日もしてくれないからなんでかなーって」
「えーっと…ほら! あれだよ、友達とも勉強する時間を作りたいなっておもって! 俺、高校に入ってから友達出来てなかったからさ」
「…そっか、それなら仕方ないね」
「うん、ごめんね。テスト終わったら3人ともかわいがってあげるから」
「もうっ! 私も我慢してるんだからそういうこと言わないで!」
「あはは、ごめんごめん。それじゃまた明日」
「うん」
(ふう…なんとか誤魔化せたか)
少し冷や汗をかきながら のんちゃんの部屋から出ていった。
「なーんか隠してそうだよね~」
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テスト最終日
キーンコーンカーンコーン
「はぁい、そこまで~」
「終わった~! やった~!」×n人
最後のテスト終了のチャイムが鳴った。
花岡先生のテスト終了の宣言を受けてクラスのほとんどの人が緊張の糸が解けたようになっていた。
「くうう…終わった~!」
一夜漬けしたであろう喜多川海夢も伸びをしていた。
喜多川海夢がふと、五条新菜の方へ向けると何やら独り言をつぶやいていた。
「もう全体的にはできてるから後は仕上げを――…」
その様子が気になった海夢が新菜に近づこうと席を立った時
「海夢、できた~?」
親友である菅谷乃羽がテストの手ごたえを聞きに来ていた。
「え? ん~まあまあ?」
それに応えているうちに新菜は教室を出て行ってしまった。
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のばらと帰宅途中
「テストやっと終わったね~」
「そうだね、中学の時と違って科目も多くて大変だったね」
「うん、テスト勉強の時間も中学の頃より多くしないと出しで大変だったよ~。それに誰かさんはすぐ帰っちゃうし」
「うっ…ごめん」
中学のテスト勉強期間は勉強が終わるとセックスをしたり一緒に遊んだりしていた。
だから俺もできていなくて欲求不満ではあるのだが、喜多川さんとの距離が近づいて、乾姉妹と出会うきっかけになるこの衣装作成だけは間に合わせてコスイベに参加しなければならない。
「だからその分今日からは期待していいんだよね?」
「それなんだけど、夕方の美織姉ちゃんたちが帰って来る時にしようか」
「えー! なんで?」
「家事とか家ですることがあるし、帰ってからすぐにシ始めると多分 のんちゃん俺と美織姉ちゃんたちがシてる間眠ることになると思うよ?」
「それはちょっとヤダな……」
彼女たちは関係が近しいおかげか4Pなどに抵抗がない。というかなんなら向こうから誘ってくる。
でもやっぱり一対一でシたいときはあるみたい。
それで、のんちゃんは小学生の時に俺と ほのちゃんがシていたことを隠していたせいか、できない事情を除いて3Pしているところに参加できないことを嫌がる。
「俺も我慢するから…ね?」
「う~わかったぁ」
のんちゃんの頭をよしよしと撫でる。
そして のんちゃんを家まで一緒に帰ると、誘惑に抗いながら俺もじいちゃんの家に帰った。
……――
…――
帰宅後
すぐに自分の部屋へと駆けていった。
「なんとか時間は作った。この間に完成させないと」
原作と違って期限が金曜日の夕方までしかない。
でも、原作と違ってじいちゃんの見舞いとかで忙しくもないし、その分時間はあった。
それでも、テスト勉強に当てていたこともあってたくさん時間があったわけではない。
制限時間は今日の夕方まで、正確には5時までだろうか。
とにかくなんとしてでも完成させる!
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翌朝の午前6:20
なんとか衣装を完成させた俺は彼女たちと4Pを一晩中楽しんだ。
ただ、ここ数日衣装づくりのために睡眠時間を削っていたからすごく眠かった。
3人はイき疲れてもう寝ている。気絶に近いかもしれない。
いつもは勉強後に のんちゃんと発散していたところをため込んでいたわけだから、当然反動があるわけで……。
ひたすら肉欲をぶつけてしまった。
「そうだ…喜多川さんにライン…しないと…」
眠い頭でスマホを操作して[できました。]と[寝ます。]のメッセージを送った。
限界が来た俺は電池切れになったかのように意識が深く沈んでいった。
……――
…――
LIMEを見た喜多川さんがじいちゃんの家に来るため、ほのちゃんたちに申し訳ないと思いつつ名残惜しんで土曜の朝にじいちゃんの家に帰ってきた。
「ウソ……」
カバンが手から滑り落ちるほど驚いている喜多川さんの目の前には壁にかかった雫たんの衣装があった。
「ギリギリでしたけど間に合いました。これでイベントに出られますね…」
「ハッ……ごじょー君もしかして、あたしが今日のイベントに出ると思ったの?」
「違うんですか?」
「あたし…服作るのにどれくらい時間かかるか分かんなくて…コスプレイベントって探せば結構いつでもやってるし…。ごじょー君が完成させるまで全然待つつもりだったてゆーか…っ」
その言葉を聞き終わると、足からフッと力が抜けたかのように尻もちをついた。
原作では安心によるものだったが、俺の場合はおそらく寝不足と体力の限界だと思う。もちろん間に合った安心等もあるが。
「ごめん! あたしがちゃんと言わなかったから、勘違いさせちゃったよね…っ」
「……なんだ…よかった~」
「え?」
「間に合わなかったらどうしようって、ずっと不安で…」
これは本音だ。
勉強等の合間に進めてはいたが不安はあった。
「あ~よかった、本当に…」
「あたし…ごじょー君がテスト中すぐ帰ってたの勉強するためなんだって思ってて…」
原作と違うからか喜多川さんは泣いてはいなかったが今にも泣きそうな顔をしていた。
喜多川さんへの納期に余裕があるのをわかってて無理に早く作ったわけだから、申しわけなくなってくる。
「ごじょー…君、ごめんね…ごめん」
目尻に溜まった涙が流れ始めている。
「…何も言わずに進めてごめん。もっと相談するべきだった」
喜多川さんの頭に手を伸ばした。
滑らかで触り心地のいい金色の髪を撫でる。
「だから泣かないで、連絡先貰ってたのに使わなかった俺がわるいんだし」
「ううん…あたしが、ちゃんと…言ってたら…ホントごめん」
本当に俺が悪いから気にしなくていいんだけどな……。
それに原作ではこの勘違いがあったからこそ乾姉妹と出会えたようなものだし。
とりあえず状況を変えないと。
「えっと…袖、通してみない? せっかくだし」
「え?」
「着てもらって、詰めないといけない箇所がないか確認したいし……そうだ! どうせなら全体のバランスも見たいからウィッグと化粧もしてみよう」
「でも…」
「喜多川さん」
「ん?」
「喜多川さんは雫たんになりたいんだよね?」
「めっちゃなりたい゛」
「それなら着ようよ。俺は完成してうれしいし、喜んでもらえたらよかったんだけど………嬉しく、なかった?」
「うれしいに決まってんじゃん~…嬉しい…ありがとぉ…ありがとうごじょー君…」
「うん」
「ありがと……めっちゃ着る…ホントありがとごじょー君」
喜多川さんが落ち着いた後
さらさらの髪を櫛でといて、ウイッグを被れるように団子のように丸く巻いてヘアピンで留めた。
「化粧は落とせましたか?」
「うん」
「では」
買い物の時に見せた三面図と細かい情報を書き出した紙を床において二人で確認する。
「眉は下げてタレ目に、アイシャドーは赤、頬紅はすぐ下で、目の赤色に印象を持たせるために口紅は発色を抑えて、とはいえ全体的には衣装に負けないようかなり濃くしないと」
「病みメイクって感じだよね」
「病み?」
雛人形の衣装は作ってるから裁縫系に通じるものはあっても、おしゃれなメイクを雛人形にはしないし、人相手となるとさらに勝手が変わる。
つまるところメイクには詳しくないのだ。
[アイテープを先に伸ばしてから~、二重を作りたいところにテープを…――]
「なるほど、二重瞼の形も変えられるんですね」
アイテープ、人体に貼る用に作られたテープを使うことで瞼の形も変えられるのか…面白いな。
そういえばジュジュさんが新菜にテープで目の形を変える指導をしていたシーンがあったような。
「あたしアイテープなら持ってるよ」
「本当ですか!?」
「うん、ムダに欲しくて買ったけど結局使わなくて」
「あっ、つけまつ毛もいいですね!」
動画を見ているとテープではなくつけまつ毛によってタレ目を作っていた。
「目尻が長めのタイプを使えばタレ目の雰囲気が出ますし、雫たんにグッっと近づけますよ」
「あたし、つけまは持ってないんだけど! 一回やって無理だったから…」
「俺が持ってるんで大丈夫です」
「えっ?」
「何種類かあるんですが……ちょうどありますね目尻長め」
「あァ……」
「喜多川さん?」
「…これ彼女のとか?」
「違います」
“この”つけまつ毛は彼女のモノではなく俺が買ったものだ。
まあ彼女のがないかと言われればあるんだけどね。
じいちゃんの家に泊まりに来れる美織姉ちゃんと のんちゃんのものだ。
ただ、使っているところは見たことがない。
喜多川さんと同じく買ってからそれ以降……みたいなのかもしれない。
「今は雛人形にもまつ毛が付いているものがあるので試しに買ったんです」
スマホのライブラリからつけまつ毛をつけた雛人形の写真を探す。
「あった、この子なんですけど」
「ヤバッ可愛い~~~っ! 今こんななの⁈ 買ってもらったらガチでうれしいやつじゃん! ってか着物柄バラだし♪」
「今の雛人形は口紅の色をピンクやオレンジにしたり頬紅を入れたり、髪も茶色がかった黒や金髪の人形もあるんですよ」
「へえ~~可愛いっ! つかギャルじゃん」
「ですね。俺にはまだわからないんですが、じいちゃん達は雛人形の眉を見れば誰が描いたものか分かるそうです」
「えっすごっ!」
「でも、これらの雛人形はひと目で誰が作ったのかわかりますよね」
「うん」
「俺も…」
「ん?」
「俺も将来そんな雛人形を作れるようになれたらなって………ハッ、ごめん余計な話を…」
寝不足のせいか意図せず口から漏れてしまった。
少し頭の周りが鈍い気がする。
「なれるよ」
「え?」
「なれるよ、ごじょー君なら。絶対なれるよ」
「ありがとうございます」
やはり人に「なれる」と言ってもらえると嬉しい。
それが特別な人、のんちゃん達や喜多川さんならなおさらだ。
だから自然と笑みが零れた。
「あっ…………ごじょー君てそんな風に笑うんだね」
「え?」
「ちゃんと見るの何気に初かも」
「え、あれっ?そうでしたっけ…?」
「うん」
かわいい顔で面と向かって言われるとなんだか照れくさい。
「っと…眉はどうしますか? 喜多川さんのと形が違うので消すことになるんですが」
「“困り眉”だよね。うーん…どうせ生えるし全剃りでいっか。シェーバーあるし」
そういうと目の前で剃りだした。
相変わらず行動力がすごい。
眉と言っても全部剃るのは普通は躊躇しそうだけど……。
剃り終わったら俺の番だ。
つけまつ毛付け、アイシャドーを入れるなどメイクを施していった。
「終わりました。じゃあ俺は廊下にいるので着替え終わったら呼んでください」
「うん」
数分後
「あの、ごじょー君…着たんだけど…」
着替え終えたようなので襖を開けて部屋の中に入った。
「わぁ………」
そこにはまぎれもない雫たんがいた。
まるでゲームから飛び出してきたような姿がそこにあった。
思わず見とれてしまうくらいに……
「ごじょー君……あたし…ちゃんと
「はい!喜多川さんは立派な
ん? いま文字がおかしかったような……気のせいか。
「だよね! だよねだよねだよね! ごじょー君すごいっ! これっマジで…っ、マジで雫たんすぎない!?」
「はい! マジで! 雫たんすぎてます!!」
「エへへッ」
天野 千歳(あまねさん)の性別をどうするか
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原作通り男
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女体化
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身体は女、精神は男