TSした転生女児、毒親のコネで違法なJr.アイドルになる・連載版 作:東口ゆゆ
「ふわあああ〜♡」
「気に入ってくれたかね? るりちゃんが来ると聞いて、大急ぎで準備させたものだよ」
東京の一等地、某所の豪華なオフィスの応接室にて、俺は八雲重役と向き合ってマカロンを頬張っていた。
ニコニコと人好きする笑みを浮かべ、恰幅の良いオジサンはパッと見、とても良い人そうに見えるが目の奥は笑っていなかった。
「あ、ありがとうございます。こんなによくしていただいて……」
「ははは、そんな他人行儀じゃなくても大丈夫だよ。おじさんはるりちゃんの大ファンだからね……いつでも来てくれていいんだ」
ニッコリと擬音がつきそうなほど完璧な人を安心させる笑顔。
大手芸能事務所の重役というだけあって、相当な権力者らしい。
金平社長のビルとは比べ物にならないほどに洗練されたビルの受付に名刺を渡してアポイントを取っていると伝えたら、一分と経たずスムーズにここまで通され、まるでお姫様を扱うかのように丁重に扱われて現在に至る。
「それで、るりちゃんの用件はなんだい? マカロンを食べに来ただけでも構わないけれど、きっと何か大事な話があるんだろう?」
用意されていたマカロンの美味しさに至っていたが、八雲重役に水を向けられて本題を思い出す。
そう、俺はここにお菓子を食べに来たのではない。
営業に来たのだ。俺という商品を。
「……あ、あの。おねがいがあるんですが……」
「ふむ。とりあえず聞いてみようかな」
普通にやっていたら、営業をかけるどころか普通に話すことさえ難しい相手だ。
ここは彼の望む、女児らしく。かつちょっと世間知らず感を出して好感度を上げていくのがいいだろう。
「わたしを、八雲さんの事務所所属にしてもらえませんか……っ!」
バッ、とソファーに座ったまま勢いよく頭を下げる。
こういう手合いは無駄に引き延ばすより、単刀直入にお願いした方が助かるだろう。時間が有限だと知っているからだ。
「……驚いたな。金平くんのところはどうしたんだい? 彼は君を売り出そうとあんなに頑張っていたじゃないか」
「じ、実は……さっき、クビを宣告されまして……」
頭を上げろとは言われないので、顔を伏せたまま事情を説明する。
流石に射精勝負の件は伏せるが、新しいジュニアアイドルが事務所に入ってきたこと。
人気の奪い合いになるので、一方的にクビを言い渡されたこと。
お金がないこと。
そして、可能なら金平の事務所を見返してやりたいこと。
全て話した。辿々しく、子供らしく説明が下手なフリを装って金平側が九割悪い風になるよう。
真実を若干盛ったが、概ね嘘は吐いていない。
「そうか……ふーむ」
名刺を頼りに八雲重役に電話を掛けた経緯までを話すと、彼は唸るように考えていた。
頭はまだ、下げたままだった。
「…………るりちゃん。ウチ所属の事務所になるということは、金平くんの事務所より数段厳しいものになってくるのはわかるかい?」
「は、はい……。かくごしてます」
大手ともなってくると、当然同じような子も多く、事務所内での競い合いになる。
振り落とされればその時点で終わりだろう。けれど、何もしないよりずっと可能性はある。
「……るりちゃんは、どこまでやれるんだい? それ次第でわたしの返答は大きく変わってくる」
どこまでやれるか。
それは、金平社長にも言われた言葉だった。
試されている。覚悟のほどを。
「所属事務所のいうことは絶対。無理無茶な要求にも応えられる子をウチは求めている」
それが、恐らく八雲重役が求める最低限のハードルなのだろう。
どんな撮影にも、要求にも二つ返事で応えて、かつ笑顔でこなせるほどのポテンシャルの女の子。
彼が求めるのは、そういう人材だった。
「なんでも、やります。……やらせてください。おねがいします!」
ソファーから立ち上がった俺は、今度はふかふかの絨毯に膝をつく。
俺がとった行動は、土下座だった。
頭を下げるだけじゃあ、足りない。
これから先、ジュニアアイドルとしてやっていくためには。
お金を稼ぐためには、プライドなんて捨ててしまえ。
「…………わかった。そこまでするのなら、わたしもるりちゃんに投資しよう」
「…………!」
そして。
熱意が伝わったのか、八雲重役は深く、重々しい威厳と共に沙汰を下した。
俺は、今度こそ賭けに勝ったのだ。
「ただし、すぐ現場に出すには心もとないからね。しばらくわたしの付き人として研修してもらう。お試し期間というやつだ」
「は、はいっ!」
涙が出そうだった。
競争はきっと厳しいものになるかもしれないが、もし生き抜けば一生安泰かもしれない。
しかも、このまま八雲重役に重宝されれば権力を握ることだって不可能じゃない。
そうなればこっちのものだった。
「じゃあ早速、今日からるりちゃんの研修期間を始める……構わないね?」
「い、いつでも大丈夫ですっ!」
意気揚々と頭を上げ、八雲重役に笑顔を向ける。
そんな俺を見て、朗らかに笑う彼はとんでもない言葉を口にした。
「それじゃあ、服を脱いでくれ」
「へっ」
一瞬、思考がフリーズした俺を責められる者はいないだろう。
「どうした? 早く。もうさっき言ったことを忘れたのかね?」
「う……っ!」
理由も何もない。
とにかく脱げと。何も考えず、与えられた指示をこなせと言ってくる。
ここで躊躇したら、きっと金平社長の時と同じ結末を迎えるだろう。
「は、はい!」
慌てて俺は立ち上がり、ブラウスのボタンを外し、下に着けていた小さめのブラを外す。
ここに来る途中で履いてきた、Tバックの黒ショーツ、スカート、靴下まで脱いで置くと、八雲重役の目の前に姿勢正しく立つ。
「言わずとも下着まで脱ぐのは評価が高い。頭の良い子だ」
下着を脱ぐべきか悩んだが、正解だったらしい。
八雲重役や機嫌良さそうに頷いて俺の肢体を舐めるように眺めていた。
「撮影にお邪魔した時から思っていたが、やはり素晴らしいな。シミが一つもなく、肌も日本人離れした白さ……オマケに、この下品な乳輪だ」
「んひんっ♡」
ぴんっ♡ と乳首を雑に指で押し潰されて、思わず声を上げてしまう。
「並外れたビジュアルとは不釣り合いなこの乳輪が、るりちゃんを人間らしい可愛らしさとして引き立てている」
「あ、あの……っ♡」
ぐりぐり♡ ぐりぐり♡
手加減なく、指先で乳首を押し潰してくる八雲重役。
だが、俺はそれを拒否する立場にない。
これはきっと、研修の一環なのだろう。八雲重役の値踏みを、ただ立ってやり過ごす他なかった。
「……それだけに、惜しいな。るりちゃんは【裏】のジュニアアイドルとしてなら覇権さえも握れた可能性もあるのに」
「っふっ♡ う、うら……ですか……?」
俺の情け無く勃起した乳首を、今度は摘みながら八雲重役は惜しそうに眉を顰める。
「あぁ、そうだ。ジュニアアイドルには表と裏があってね……表は健全さをウリに出して、慎ましく活動するのに対して……【裏】は、もうなんでもありさ」
初めて聞いたが、どことなく腑に落ちた。
金平社長達と共に撮影していた、明らかに世にお見せできないようなあられもない写真はきっと、【裏】のジュニアアイドルとして活動させるつもりだったのだ。
……きっと、これからターニャもその業界に参入するのだろう。
「興味あるかね? ……表のジュニアアイドルは完全に下火でね。規制が厳しくなったのもあって、予算もドンドン減らされていく。だが【裏】は違う。表が下火だからこそ、今は【裏】のジュニアアイドルに注目が集められている」
「っきゃん!?♡」
ぐりっ♡ ぐりぐり♡
八雲重役の言葉を聞き逃さないようにと、集中して聞いていたのが仇になった。
不意に爪を立てて乳首の根元をつねられて、犬のような鳴き声をあげてしまう。
「表の客層とは違って、【裏】は富裕層が多い。個人的なファンを増やせば、スポンサーとしてついてくれる機会も増えてくるんだよ、るりちゃん」
「は、はいぃ……っ♡」
俺の鳴き声なんて、気にする様子もなくつねられた乳首が真っ赤になっても構わず、八雲重役は淡々と説明を続けていた。
「表でもやり方次第で軌道に乗せることは可能だろうが、るりちゃんは【裏】でこそ真価を発揮できると見ている……もちろん、やれるね?」
「……ぅっ♡」
【裏】のジュニアアイドル。
それは、今までより更に苛烈な撮影をするということだ。
俺のポテンシャルを引き出すには【裏】として活動するのが一番良いと言われては、揺らいでしまう。
だが、考える時間を八雲重役は与えてくれなかった。
「返事が遅い。やれるな?」
ぎゅっっ♡♡
「んお゛っ゛♡ はっ、はい゛っ゛♡♡♡」
今度はもう片方の乳首だった。
まるで母乳でも出そうと力の限り摘まれて、引っ張られると下品なまでに伸びる突起が、ジンジンと痛む。
「よし、それでは契約成立だ。これからるりちゃんは、わたしのプロデュースで【裏】のジュニアアイドルとして活動していく。……そうだな、わたしも忙しい身だがしばらく付きっきりでノウハウを教えてあげよう」
「あ、ありがとうございます……」
金平やその事務所連中を見返すため、俺はプライドを捧げた。
これからは、八雲重役に従ってプロデュースされれば成功が約束されているのだ。
「とりあえずこれを着てくれ。わたしの側にいる時は必ず着用するように」
「……こ、これ、って……」
ようやく乳首を解放されて、安堵のしたのも束の間だった。
八雲重役に渡されたのは、ランジェリー。
当然、ただのランジェリーではなかった。
布面積が小さい。……いや、そんな上品なものではない。
まず、三角型になったブラ。乳首を守るはずの布はなく、ご丁寧にその部分だけ切り取られている。
次に、ショーツ。これもショーツの役割なんてなかった。
紐のような形状なのに、一番大事なおまんこを覆う生地がすっぽりと開いているのだ。
つまり、俺は八雲重役の側にいる時は常にこの痴女のような格好をしないといけないらしい。
「服の着用は認めるが、スカートかワンピースのみ。スカート丈も膝上以上だ。トップスも、薄手のもの以外は認めない。返事は?」
「わ、わかりました……」
返事をしただけなのが気に入らなかったのか、ギロリと睨まれた。
わかったのなら即行動に移せと言いたいのが、徐々に八雲重役とのやり取りから理解してきた。
「い、今すぐ着替えます……っ」
「それでいい」
更衣室なんて上等なものは、きっと使わせてもらえないだろう。
そもそも、現在進行形で裸を晒している俺が今更隠せるものもないので、その場で手渡された卑猥なランジェリーを着用していく。
「……まあまあだな。替えの下着は用意させておくから、今日はひとまずこのままわたしの側で控えていなさい。誰が来ても常に立っているように」
「へっ……は、はい。わかりました……」
ランジェリーを着けると、卑猥さがより増した気がする。
乳首とおまんこを隠すものはなく、つねられて真っ赤に勃起する乳首と、こんな状況下にも関わらずぬらぬらと洪水のように溢れてくるおまんこ汁に塗れた割れ目が、切り抜かれたランジェリーから丸見えだった。
「ぅ……♡」
せめて、服を着ようと自分が着てきたモノを手に取ると、トップスは布地が厚みがあり、八雲重役に気に入られようと着替えてきたのもあって丈が足首まである自信のあった清楚な黒いスカートだった。
これを着たいが、着たらきっと怒られるだろう。
俺は、服を持ったまま八雲重役を見た。
「着れる服がないのなら仕方ないな。そのままわたしの側で立っていなさい」
こちらを見もせず、書類に目を落としながら無情にもこのまま痴女の格好でいろという。
けれど、拒否することはできなかった。迷うことも。
「は、はいっ」
八雲重役の傍らに向かい、ただ立つ。
それだけのことなのに、自分のビジュアルを自負する俺がただの置き物のように扱われていることに、尊厳を奪われている気分にすらなってくる。
⭐︎
「ふっ♡ ふっ♡ ふーっ♡」
三十分。
たった、三十分。
直立不動で立って八雲重役の仕事を眺めていただけなのに、気付けば俺は興奮を抑えるような息遣いで必死に自分の欲情を堪えていた。
さっきまでは必死で、頭の中がいっぱいだったが、三十分間ただ突っ立っていると嫌でも頭が冷える。
すなわち、思考に余地が生まれるのだ。
そうなってくると、急に自分の今の格好や、もし八雲重役に誰か尋ねてきたらと考えてしまって、緊張が増すのだ。
まるで俺の存在ごと忘れているのではないかと思うほどに、八雲重役は仕事に励んでいる。
その横で、ほぼ裸同然で……裸より恥ずかしい、人が見れば馬鹿のような格好をしている女児。
何とも思うなという方が無理だった。
「八雲さん、そろそろ打ち合わせの時間ですが……うおっ!?」
「っひゃ!?♡♡♡」
そんなことをツラツラと考えていたのがいけなかった。
突然部屋の扉がノックもなし開かれたと思えば、秘書らしい中年男性が書類片手に入室してきたのだ。
最初は書類に目を向けていたからか、俺の存在に気付くことなく八雲重役の前にまでやってきて、目を上げると俺とバッチリ目が合い、次いで格好を見て驚いていた。
「あ、あの……八雲さん、後ろの子は……?」
「ん? ……あぁ、忘れていた。今日付けでわたしの管轄になったジュニアアイドルだよ。【裏】の方のな」
顔を上げたらほぼ裸の女児が変態みたいな格好で立っているのだ。
彼の驚きは相当なモノだろう。
だが、すぐに平静を取り戻したかと思ったら、八雲重役に事情を説明されて「なるほど」と呟いた。
「そうでしたか、失礼しました。……では、これから会議ですが如何いたしますか?」
「無論、出る。今日の会議は重要なモノだからな」
俺の身体や顔を遠慮なく、舐め回すように視線を這わせながら秘書らしきオジサンは八雲重役にスケジュールの調整をしていく。
こういったことに慣れているのか、彼も俺を置き物のように扱い始めた気がする。
「…………何をしている、るりちゃん。君も来るんだ、わたしの付き人だと言ったろう」
「えっ……えっ!? あ、あの……この格好では外には……っ」
書類をまとめて秘書と部屋を出る八雲重役。
扉を開けたところで、その場から動かない俺に声をかけてきた。
そんなことを言われても、と言う他ない。
こんな格好で部屋の外に出ろというのか。
「当然だ。ちょうどいい、他の役員たちに君を紹介する。良い挨拶を考えておけ」
「急いでいただけると助かります。会議まで時間がありませんので」
八雲重役とその秘書は、当然のように同行を促してくるが、少なくとも着替える時間なんて与えてくれそうにない。
そもそも、普通に服を着ることさえ許してくれないだろう。
「……ハァ。君の覚悟はそんなものだったか。それならいい、さっさと家に帰りたまえ。この先喜んでできないことを強要するつもりはないからな」
厳しい視線が俺を貫く。
一線を超えろというのだ、今ここで。
それができなければ野垂れ死ぬか、低賃金で身体を売るくらいしかできることがなくなってしまう。
「……っ」
それだけは嫌だった。
「や、やり、ます……」
「そうか。なら早く来い」
一瞥もされず、八雲重役が秘書と部屋を出ていく。
部屋に取り残された俺は、慌てて二人の後を追うのだった。