シャーレの執務室に、おずおずとしたノックの音が響いたのは、午後の陽射しが窓辺の観葉植物を金色に染める頃合いだった。
「先生、ご在室でしょうか。トリニティの歌住サクラコです。少々、ご相談したいことがございまして……」
扉を開けると、そこにはシスターフッドの制服に身を包んだサクラコが立っていた。黒を基調とした修道服風の衣装に、白いカラーが首元を飾り、頭にはシスターのヴェール。百六十センチの身体は慎ましやかで、藤色の長い髪が背中にまっすぐ流れている。彼女の青みがかった瞳は、いつもの穏やかさの中に、どこか切迫した色を宿していた。
「本日は、お日柄もよく……あ、いえ、そういう話ではなく」
サクラコは両手を胸の前で組み、深く息を吸ってから、改めて口を開いた。彼女はこういう時、必ず一度言葉を選び直す。誠実だからこそ、簡単に断言できないのだ。
「実は……先日、ミレニアムのゲーム開発部の皆様が、トリニティの聖堂に見学にいらしたのです。シスターの動きや祈りの所作を、ゲームの参考にしたいとおっしゃって」
──ああ、あの子たちが。シスターのキャラでも作ってるのか?
「……はい。ただ、その際に、モモイ様とミドリ様がこんなことをおっしゃっていました」
サクラコは少しだけ声を潜め、まるで懺悔室で罪を告白するかのように続けた。
「『もっと一風変わったシスターがいいんだよね〜。清楚なだけじゃなくて、なんていうか、こう……背徳感? 的な?』」
モモイがそんなことを言ったのか、と苦笑を禁じ得ない。しかしサクラコの顔は真剣そのものだった。
「『聖職者なのに実は……っていうギャップがウケるんだよ!』とも。先生、これは……つまり」
──つまり?
「いわゆる、アダルトゲーム……通称エロゲーというもののシスター役を、誰かに演じさせるおつもりなのではないかと……!」
サクラコは顔を真っ赤にして言い切った。彼女の藤色の髪がふるりと震え、握りしめた拳が小刻みに揺れている。
「も、もちろんゲーム開発部の皆様を悪く言うつもりはございません! 創作の世界には様々な表現があり、それが多くの方々の心を癒やし、時に救いになることも理解しております。しかし、シスターという立場の者が、そのような背徳的な……!!」
彼女はそこで一旦言葉を切り、それから意を決したように顔を上げた。
「そこで、私が……その役を引き受けようと思うのです」
「シスターの役を、シスターである私が演じれば、少なくともシスターフッドの名誉は守れます。それに……ゲーム開発部の皆様が、もし万が一、シスターの所作を誤って表現してしまったら、それはそれで問題です」
彼女はもっともらしい理由を並べ立てているが、その耳は真っ赤だ。青い瞳は潤み、呼吸は明らかに浅くなっている。
「そ、それに……せ、先生と、その……相談しながら役作りをすれば……より深みのある、あ、藍色の……ち、違います、愛情のこもった……!!」
──サクラコ、もしかして興味があるのか?
「…………!!」
サクラコは硬直した。まるで石像のように、十秒ほどまったく動かなかった。それから、観念したように深くうつむき、消え入りそうな声で呟いた。
「……はい。わ、私……実は、先生と、そういう……い、淫らなことを、想像してしまうのです。祈りの最中も、聖歌を捧げている時も……つい、先生のお顔が浮かんで、身体が熱くなって……!!」
彼女は両手で顔を覆い、ヴェールの下で縮こまった。
「これも一つの試練なのだと、ずっと耐えてきました。しかし……ゲーム開発部の皆様のお話を伺って、これはもう、神が私に与えたもうた試練なのだと……!! この感情から逃げるのではなく、正面から向き合えという、そういう試練なのだと……!!」
サクラコはこちらの手を両手で握りしめ、涙目で訴えかけてきた。
「先生、どうか……どうか、この罪深い私に、シスター役を演じる手伝いをしていただけませんか? その……つ、つまり、エロゲーのシスターのように、先生に抱かれることで……私の信仰が試されるのだと思います……!!」
敬虔なシスターが、真面目すぎるがゆえの大いなる勘違い。ゲーム開発部が言っていた「一風変わったシスター」が、まさかエロゲーのそれだとは限らないのに。しかし今の彼女は、その可能性にまったく思い至っていなかった。
──わかった。ただし、俺は優しくしかできない。
「……!! 先生……!! はい、それで十分です。むしろ……その、優しくされるほうが……きっと、私には辛い試練になりますから……♡」
♡
相談の流れで、自然とソファに並んで座ることになった。サクラコは修道服のスカートの裾をきちんと揃え、膝の上で両手を組んでいる。姿勢は祈りの時のそれと同じだが、その手は震え、頬は紅潮していた。
「では……エロゲーのシスター役の練習として、私の身体を……その、ご自由に」
彼女はそう言うと、修道服のカラーを自ら外した。続いて上着のホックを一つひとつ丁寧に外していく。その指先は震えているのに、どこか儀式的な厳かさがあった。
「先生の前で、肌を晒す……これだけで、心臓が破裂しそうです」
上着を取り去り、ブラウスのボタンも外していく。白い肌が少しずつ露わになり、やがてシンプルな白いブラジャーに包まれた豊かな胸が姿を現した。彼女の身体は、修道服で隠されていたのが不思議なほど、女性的な曲線を描いている。
「……シスターの裸身を、どうか……ご検分ください」
ブラジャーのホックを外すと、ふわりと布地が落ちた。現れた双丘は、百六十センチの小柄な身体に不釣り合いなほど豊かで、白磁のように滑らかな肌の上で形良くそそり立っている。桜色の乳首は緊張で硬くしこり、空気に触れてぷるりと震えた。
「……こ、こんなに恥ずかしい試練は初めてです……♡」
そっと両手でその乳房を包み込む。柔らかな弾力が指の間から溢れ、熱い体温が掌に伝わってくる。ゆっくりと揉みしだくと、サクラコは唇を噛みしめ、必死に声を堪えた。
♡ にゅぷ……にちゅ……ぷにゅ……♡
「……ん……ぅ……♡ せ、先生の指が……私の胸に……♡」
──気持ちいいか?
「……こ、肯定も否定も、シスターとしては……あ、あぁ……!!」
指先で乳首をそっと摘み、軽く転がす。彼女の身体がびくんと跳ね、ソファがかすかに軋んだ。彼女はこちらの肩にしがみつき、声を殺そうとし続ける。敬虔なシスターとしての最後の矜持が、快楽の声を必死に抑え込んでいるようだった。
♡ にちゅにちゅ……くにゅ……♡
「……は、はぁ……先生、私……もう、身体が熱くて……♡ これが、背徳というものなのでしょうか……♡」
──背徳かどうかはわからない。でも、サクラコは綺麗だよ。
「……!! そ、そのようなことをおっしゃられると……私、もっとおかしくなってしまいます……!!♡」
彼女の両方の乳首はこちらの指で散々弄ばれ、赤く充血してぷっくりと膨れている。彼女はうっとりと天を仰ぎ、もはや祈りの言葉ではなく、甘い吐息を紡いでいた。
♡
「……せ、先生。次は、私から……エロゲーのシスターとして、先生にお仕えする練習を」
サクラコはソファから降り、こちらの前に跪いた。まるで祭壇の前で祈りを捧げる時のような、厳かな仕草だった。
「……これが、シスターとして正しい行いかはわかりません。しかし……今の私には、これが正しいと、心の底から思えます」
彼女は震える指でこちらのスラックスを寛げ、すでに硬く張り詰めた肉茎を露わにした。
「……これが、先生の……。聖書にも、このようなものは記されておりません……♡」
彼女は顔を近づけ、まずはその香りを確かめるように鼻先を寄せた。それから恐る恐る舌を伸ばし、先端の雫を舐めとった。
♡ ちろ……♡
「……ん。しょっぱいような……でも、不思議と、嫌ではありません……♡ これが、禁断の果実の味……♡」
彼女はそう呟き、今度は亀頭全体に口づけた。それから唇を開いて、ゆっくりと咥え込んでいく。
♡ じゅぷ……ぬぷぅ……♡
「……ん……ふ……♡」
彼女の口内は驚くほど熱く、舌がおぼつかない様子で肉茎を這いまわる。経験などあるはずがない。しかし彼女は真面目に、祈りを捧げるように、頭を前後に動かし始めた。
「ん……ちゅ……れろ……♡ せ、先生、いかがでしょうか……? 私の口で、ちゃんと……♡」
──すごくいいよ、サクラコ。
「……!! あ、ありがたきお言葉……!!」
彼女は嬉しそうに微笑み、さらに深く咥え込んだ。唾液が口角から溢れ、顎を伝って豊かな胸の谷間へと滴り落ちる。
♡ じゅるる……ぬぷぷ……じゅぶっ……!!♡
「……んぐ……ふ……ん"……!!」
──サクラコ、そろそろ……
「……!! だ、出してください……!! 私、ちゃんと受け止めますから……!!」
彼女は口を離し、その代わりに自分の両胸を持ち上げた。豊かな双丘で肉茎を挟み込み、柔らかな谷間で包み込む。
「こ、こういうのも……エロゲーにはあると、調べました……!! その、パイズリ、という……!!」
♡ にゅぷ……ぬちゅにちゅ……♡
彼女の豊かな乳房が、柔らかく肉茎を包み込む。唾液と先走りでぬめる感触が、滑らかな摩擦を生み出す。谷間から顔を覗かせた亀頭と、彼女のしこった乳首が、互いに熱を感じ合っている。
「……先生の、先端……♡ 私の乳首と、擦れて……♡」
彼女は胸を上下に動かしながら、時折谷間から覗く亀頭にぺろりと舌を這わせた。
♡ ぬちゃ……ぷにゅ……ちゅぱ……♡
「せんせ、私、もう……!! どうか、私の胸に、先生の御恵みを……!!」
♡ にちゅにちゅにちゅ……!!!♡
♡ どぴゅっ……どぷぷぷぷっっっ……!!!♡
白濁が彼女の顔と胸に飛び散った。額に、頬に、唇に、そしてしこった乳首の上にも。サクラコは目を閉じ、その熱い感触をじっと受け止めていた。それはまるで、聖水を浴びる洗礼の儀式のようで、しかし決定的に何かが違っていた。
「……あ……あたたかい……♡ 先生の、せいえき……♡ これが、禁断の果実……♡」
彼女は指で口元の精液をぬぐい、それをじっと見つめた。そして祈るように目を閉じ、そっと口に運ぶ。
「……ん……♡ しょっぱくて、苦くて、でも……深い味わいです。まるで、先生の御心そのもの……♡」
彼女はうっとりと目を開け、精液に濡れた顔で微笑んだ。その姿はもはや敬虔なシスターというより、禁断の果実を味わい尽くした、一人の女だった。
「……先生。練習はまだ終わっておりません。次は……その、本番です。エロゲーのシスター役として、最後の試練を……私に与えてください」
♡
サクラコはゆっくりと立ち上がり、修道服のスカートを自ら脱ぎ去った。白いショーツも、ためらいながらも下ろしていく。藤色の茂みに覆われた秘部が露わになり、愛液が太腿の内側を伝っていた。
「……は、恥ずかしい……でも、これが試練……♡」
彼女はソファに横たわり、両腕を広げた。まるで十字架にかけられた聖人のような姿勢で、しかしその目は快楽を求めて蕩けている。
「先生……どうか、この罪深きシスターに、最後の試練を……♡」
彼女の両脚を抱え込み、亀頭を秘裂にあてがう。ぬめる愛液が先端を濡らし、熱い入り口がひくついていた。
──入れるよ、サクラコ。
「……はい……♡ どうか、私に……恩寵を……♡」
♡ ずぷぅぅ……ぬぷん……!!♡
「……あ"…………っっっ!!!!♡」
彼女の背中がソファの上で大きく反り返った。膣内は熱く、驚くほど狭く、肉茎をぎちぎちに締めつける。サクラコはヴェールがずれるのも構わず、こちらの背中に両手を回してしがみついてきた。
「せんせ……中で、すごく……大きくて、熱くて……!! これが、試練……!!♡」
──動くぞ。
「……!! はい……!! どうぞ、お好きなように……!!」
♡ ぬちゃ……ぐぽっ……ずちゅんっ……!!♡
「あ、あ、あ……!! せんせ、すごい……!! 私の中、先生でいっぱい……!!」
正常位のまま、ゆっくりと抽送を始める。彼女の膣が肉茎の形を覚え込み、ひだの一つ一つが絡みついてくる。ソファがぎしぎしと軋み、結合部からは白濁の泡が溢れ出した。
♡ ばちゅんっ、ばちゅんっ、ばちゅんっ……!!!♡
「あ"……!! イく、イきます……!! シスターなのに、先生に抱かれて……イってしまいます……!!♡」
──イけ。俺も一緒に。
「……!! はい……!! 一緒に、一緒に……!!」
♡ どぷっ……どぷぷぷぷぷっっっ……!!!♡
彼女の胎内に精液が迸る。サクラコは声にならない嬌声を上げ、全身を痙攣させて絶頂に達した。膣がぎゅうぎゅうと締まり、最後の一滴まで搾り取ろうと肉茎を締めつける。
「……はぁ……はぁ……♡ せんせの、お恵みが……私の中で……♡」
彼女は深く息を吐き、胎内に広がる熱を味わうように目を閉じた。結合部から白濁がとろりと溢れ出し、ソファの布地に染みを作っている。
「……先生。これで、私の試練は……終わったのでしょうか」
──まだわからない。でも、一つ言えるのは。
「……なんでしょうか」
──サクラコは、エロゲーのシスター役、上手にできてたよ。
「……!! そ、それは……褒め言葉として受け取ってよろしいのでしょうか……!? それとも……!!」
彼女は真っ赤になって混乱し、ソファの上で縮こまった。敬虔なシスターがエロゲーのシスター役を「上手」と褒められる。その倒錯に、彼女は喜んでいいのか恥じればいいのか、完全にわからなくなっているようだった。
♡
事後の余韻に浸る二人。サクラコは修道服を再び身に着け、乱れたヴェールを直している。その手つきは心なしか先ほどよりも落ち着いていた。
「先生。私はこれで、ゲーム開発部の皆様のご依頼に、胸を張ってお応えできると思います。どのような背徳的なシーンが来ようとも、この試練を乗り越えた私ならば……!!」
彼女がそう宣言した、まさにその時だった。
こちらの携帯端末が震えた。モモイからのメッセージだ。
──『先生! ゲーム開発部の新作ゲーム、やっと企画書がまとまったよ! タイトルは「シスターファンタジア」! 一風変わったシスターたちが、祈りと歌で世界を救う健全な音楽RPGだよ!』
「…………」
「…………はい?」
サクラコの動きが止まった。彼女はメッセージを覗き込み、その文字を何度も何度も読み返した。
「……祈りと……歌で……?」
「……健全な……音楽RPG……?」
彼女の顔から、みるみる血の気が引いていく。青い瞳が大きく見開かれ、藤色の髪がふるふると震え始めた。
「…………え?」
彼女はこちらの顔を見上げ、それから自分の身体を見下ろした。ついさっきまで裸で抱かれ、全身に精液を浴び、胎内に先生の種を受け入れた身体を。
「…………エロゲーでは、なかった…………?」
沈黙。
「…………あ、あ、あ…………!!」
彼女の顔が爆発したように真っ赤になった。ヴェールの下で湯気が出そうなほど熱くなり、両手で顔を覆ってその場にしゃがみ込む。
「わ、わ、私……!! エロゲーだと、勝手に勘違いして……!! 先生に、シスター役の練習だと言って……!! 胸を揉んでいただいて……!! パイズリなどというものをして……!! 中に出していただいて……!!」
彼女はがたがたと震えながら、自分の勘違いを一つひとつ列挙していく。
「し、しかも……!! 先生との行為を、え、永遠の試練だの、神が与えたもうた試練だのと……!! あ、あんなに、あんなに……!!」
──サクラコ、落ち着いて。
「お、落ち着けません……!! 私は、なんておそまつな……!! 勝手に誤解して、先生を巻き込んで、あまつさえ淫らな行為まで……!! これではシスターではなく、ただの、ただの……!!」
彼女は床に突っ伏し、もはや言葉にもならない声で呻いている。その姿は、トリニティの敬虔なシスターというより、壮大な自爆をキメた一人の少女だった。
「……うぅ……でも……でも、先生……」
彼女は顔を上げ、涙で潤んだ青い瞳でこちらを見つめた。その目はまだ恥ずかしさでいっぱいだったが、同時に、どこか晴れやかでもあった。
「……この誤解がなかったら、私はきっと、ずっと言えなかったと思います。先生に、お慕いしていると」
彼女は立ち上がり、こちらの手をそっと握った。
「……ゲーム開発部の皆様には、正しいシスターの所作を、改めてご教授いたします。私のような、不埒な勘違いをしないよう……!! そして、先生」
彼女は背伸びをして、こちらの頬にそっと口づけた。
「今日のことは、私にとっては……やはり、神が与えたもうた試練だったのだと思います。ただ、それはエロゲーの試練ではなく……先生への想いを、素直に認めるための試練だったのでしょう」
彼女はそう言って、恥ずかしそうに、それでいて心から嬉しそうに微笑んだ。
「……でも、ゲーム開発部の皆様には、このことは絶対に秘密にしてくださいね。シスターとして、これ以上は……さすがに、面目が立ちませんので……!!」
彼女のその言葉が、この日の試練の、本当の終わりを告げていた。