それは、ミレニアムサイエンススクールの静かな放課後から始まった。
早瀬ユウカは、生徒会「セミナー」の会計として、この日も一日の業務を完璧にこなしていた。予算の確認、支出の検算、今月の黒字幅の算出。すべて計算通り。すべて合理的。ただひとつ──彼女の胸の内に渦巻く感情だけが、どうしても計算できなかった。
「……よし」
ユウカは小さく息を整え、執務机の引き出しから一枚の封筒を取り出した。中には、昨夜何度も書き直した手紙が入っている。いや、手紙というより、もっと正確に言うなら──告白のための、カンニングペーパー。
「せ、先生に……今日こそ、言うんだから……っ」
(何ヶ月も前から、計算外だった。先生のことを考えると、いつもの私の合理も、確率も、検算も、全部ぐちゃぐちゃになってしまう。こんな気持ち、今まで生きてきて一度もなかった。……だから、これは証明すべき命題だ。私のこの感情が、本物だってことを)
ユウカは封筒を胸に抱え、セミナーの部屋を出た。廊下を歩き、階段を上がり、シャーレの執務室へと続く道を、心臓の鼓動をひたすら数えながら進む。
どきっ……どきどきっ……どきどきどきっ……
「……1890秒って言ったけど、とてもじゃないけど足りない……もっと、もっと時間が欲しい。でも、今行かないと、また計算が狂う。今日こそ、今日こそ……」
そう自分に言い聞かせながら、ユウカは執務室のドアの前に立った。
……ふぅ。
深呼吸。一回。二回。三回。
ノックをしようと手を上げた──そのとき。
どっっっっぴゅうううううううっ ♡ ♡
……かすかに、ドアの向こうから聞こえた、湿った音。
「…………え?」
ユウカの手が、空中で止まる。計算が、思考が、一瞬で真っ白になった。
どびゅっ ♡ どびゅるるるっ ♡
どっぷっ♡ どっぷっぷっ♡♡
「な、なに……この音……」
そして──聞こえてきたのは、紛れもなく、彼女がよく知っている声だった。
「……ん……っ♡ ……ふふっ……先生……今のは、かなりの量でしたね……記録に残しておきたくなるくらい、濃厚でした……♡」
生塩ノア。
ユウカの親友であり、同じセミナーの同僚であり、いつも穏やかに微笑んでいる、あのノアの声だった。
「…………っ」
ユウカの手が、震えながらドアノブにかかる。
開けるな、と理性が叫ぶ。でも、身体が、指が、勝手に──。
がちゃり。
「────っっっ!?!?!?!?!?!?♡♡♡♡♡」
扉の向こう。
執務室のソファの上で、裸の先生の腰の上に跨がったノアが、ぐったりと凭れかかっていた。
結合部は丸見えで、ノアの白い太腿を、どろりとした白濁液が伝い落ちている。
二人の身体は汗でしっとりと濡れ、部屋中に濃厚な雌雄の匂いが充満していた。
……ぽたっ……ぽたたっ……♡
精液がソファに滴り落ちる音だけが、やけに大きく響く。
「…………あ」
ノアが、ゆっくりと顔を上げた。その目は心なしか潤んでいて、頬は紅潮している。
しかし、ユウカと目が合った瞬間、その表情が──泣きそうに歪んだ。
「……ユウカ、ちゃん」
「……ノア……せ、先生……これ……これは、いったい……っ」
ユウカの声は震え、手から封筒が滑り落ちた。
計算なんてできるはずがない。だって、今この瞬間、彼女の世界を構成していたすべての数字が、全部、音を立てて崩れ去っていくのを感じていたのだから。
「……ごめんなさい、ユウカちゃん」
ノアは先生の上からゆっくりと身体を離すと、床に膝をついた。結合部が離れる瞬間、ぬっぽぉ……っ♡という淫猥な音と共に、さらに大量の精液が溢れ出す。しかしノアはそれを気にする余裕もなく、ただユウカに向かって深く頭を下げた。
「……私が、悪いの。先生は……悪くない」
「……どういう、こと……?」
「私が……媚薬を、使ったの」
ユウカの目が、大きく見開かれる。
「セミナーで押収した違法な薬物の中に……そういう効果のあるものが混ざっていて。私は、それを……先生のお茶に……」
「な、なんで……そんなこと……っ」
「……記録したかったの」
ノアはうつむいたまま、絞り出すような声で続ける。
「先生のことを、もっと近くで記録したかった。先生の心音も、体温も、吐息も、表情も……私のペンと紙だけでは、どうしても記録できないものがたくさんあって。それで……私は……」
「でも、それって……っ」
「そう。ただの言い訳。私が、先生に触れたかっただけ。だから、こんな……最低な方法で……」
ノアの声は震え、その大きな瞳から、ぽろりと涙がこぼれた。
「ごめんなさい。ごめんなさい、ユウカちゃん。私……ユウカちゃんが、先生のことを想っているの、ずっと前から知ってた。記録してきた。ユウカちゃんが先生を見る時の目の色も、先生と話した後に机に向かってため息をつく癖も、昨日、手紙を何度も書き直してたことも……全部、見てた。知ってた。なのに、私は……」
「……ノア。顔を、上げて」
ユウカの声は、さっきより少しだけ落ち着いていた。
「……私、怒ってない。……嘘。ちょっとだけ怒ってる。でも、それより……ノアが、泣くほど追い詰められてたんだってことのほうが、私にはショックだ」
「ユウカ、ちゃん……」
「ノア。あなたはいつも冷静で、穏やかで、私みたいに感情を計算で処理しようなんてしなくて。だから……あなたがそんなふうに、自分を追い詰めるまで先生を想ってたなんて、私は気づけなかった。親友なのに。隣にいたのに。……それが、一番悔しい」
ユウカもまた、涙をこぼしていた。眼鏡の奥の大きな瞳が、ぐしゃぐしゃに濡れている。
「……ねえ、ノア。ひとつだけ、教えて」
「……なに……?」
「あなたは……私のことも、好き?」
ノアは顔を上げ、涙で濡れた顔のまま、それでも確かに微笑んだ。
「……好き。大好き。ユウカちゃんがセミナーで必死に計算をしている横顔も、たまに計算を間違えて『うえぇっ』って言うところも、私のためにわざわざお茶を淹れてくれる優しさも……全部、全部、記録してきた。だって、私の大事な記録だから」
「……ふふっ」
ユウカは泣き笑いのような表情で、ノアの手を握った。
「……計算外。全部、ぜんぶ、私の計算の範囲外。こんな展開、確率ゼロだと思ってた。……でも」
ユウカはノアの手を引いて立ち上がらせると、今度は先生のほうを向いた。先生は、媚薬の効果がようやく切れかけたのか、ぼんやりとした表情で二人を見つめている。
「……先生。聞こえてますか」
──……ああ、ユウカ。すまない……。
「謝らないでください。先生は被害者、ですから。……それより」
ユウカは深く息を吸い、それから、覚悟を決めた顔で言った。
「先生。私も──ノアと同じです。私も、先生のことが好きです。計算できないくらい、想定外なくらい。そして、ノアのことも、親友として、それ以上に──大好きです」
「だから、先生。ふたりを、選べますか? 私とノア、どちらかじゃなくて……両方、とか。そういうの、数学的には間違ってるけど……でも、今日だけは計算を、手放したいんです」
「……ユウカ、ちゃん……っ」
ノアがユウカに抱きついた。二人の少女は、裸のノアと制服姿のユウカのまま、涙をぬぐい合いながら、互いの体温を確かめるように抱きしめ合う。
──……二人とも、本当にそれでいいのか?
「はい」「ええ」
二人の返事が、きれいに重なった。
「ふふっ。ユウカちゃんと声が揃うの、気持ちいいですね。記録しておきたいくらい」
「う、うるさいな……。でも、たしかに……今の、嬉しかった」
「…… 」
先生は、二人のやりとりを見つめながら、静かに立ち上がった。その下半身は、媚薬の効果が切れたにもかかわらず、すでに新たな熱を宿して、ぶくんっ ♡と膨張を始めている。
「……あら。先生、もう大丈夫なんですか?」
──……ああ。それに……ユウカ。
「は、はい……っ♡」
──お前も、覚悟はできてるんだな?
ユウカの顔が、ぼっと音を立てて赤く染まる。
「も、もちろんです。私、決めたことはちゃんと証明するタイプなので……。でも、その……せ、先生。私、初めてなので……やさしく、してください……っ♡」
そうして──。
ユウカの初めては、ノアが見守る中で、ゆっくりと始まった。
執務室のソファに横たえられたユウカの制服が、一枚、また一枚と脱がされていく。セミナーの会計としての理性的な装いが、床に落ちていくたびに、彼女の心臓は早鐘を打った。
「……や、やっぱり、計算しちゃう……っ♡ 先生の心拍数が、手に伝わってくる……私のと比べて、どっちが早いんだろう……っ♡」
「ふふっ。ユウカちゃんらしいですね。でも今は──計算を手放すって、さっき言ったでしょう?」
ノアはユウカの隣に座り、そっと彼女の手を握った。
「私がついてるから。大丈夫。それも、ちゃんと記録してるから」
「……ノア……っ♡ ありがと……っ」
……さわっ……♡
「んんっ……!♡」
先生の大きな手が、ユウカの露わになった乳房に触れる。156センチの小柄な肢体にふさわしい、形の良いふくらみ。数学ばかりしてきた彼女の肌は白く、きめ細かく、触れるたびにぴくんっ♡と震えた。
「せ、先生の手……あったかい……♡ 私の体温より……きっと、数度は高い……っ♡」
もにゅっ♡ もにゅもにゅっ♡
「んっ……♡ ふぁ……っ♡ こ、これは……変数が、多すぎて……計算、できない……っ♡」
(ああっ♡ 先生の指が、私の胸を……っ♡ こんなの、どんな方程式を使っても解けない……♡ 頭のなかの数字が、みんな溶けていく……っ♡)
くりっ♡ くりくりっ♡
「ひゃんっ!?♡♡♡ 乳首……っ♡ 乳首、つままれ……っ♡ せ、先生……それ、弱い……っ♡ 指数関数的に、感度が、上がって……っ♡♡」
「ふふっ。ユウカちゃんの声、すごく可愛い。これも記録しておかないと」
「ノア、あんたね……っ♡ 後で絶対、その記録、消させるから……んああっ♡♡」
こりこりこりっ ♡
「あっ♡ ああっ♡ だめ、だめです……っ♡ おっぱいだけで、イきそう……っ♡ 先生、待って……っ♡ まだ、ちゃんと……証明が……っ♡♡♡」
(だめだめだめっ♡ まだ何も始まってないのに、胸だけでイくなんて、そんなの合理的じゃない……っ♡ でも、でも気持ちよくて、計算どころか、まともに思考できない……っ♡♡)
「…… 」
「せ、先生……っ♡ もう、いいです……っ♡ 準備、できてます……っ♡ だから……っ」
ユウカは自ら両脚を開き、すでに蜜でとろとろに濡れた秘裂を晒した。
その表情は、もはや合理も計算もかなぐり捨てた、ひとりの雌のものだった。
「……私の、初めて……♡ もらって、ください……っ♡」
──……ユウカ。
ぬぷっ……♡
「んんんっ……!♡」
ずっ……ずずず……っ♡
ぬっぷっ♡ ぬっぷぅっ♡
「ああ……っ♡ 先生のが……♡ 私のなかに……っ♡ 太くて、熱くて……っ♡ これ、理論値より……ずっと……っ♡」
ずっぷぅぅぅ~~~~~っっ♡♡♡
「あああああっ♡♡♡ 全部……っ♡ 全部、入りました……っ♡ 私のなかで、先生のが、どくんどくんって……っ♡」
(すごい……っ♡ これが、セックス……♡ 身体のなかで、先生の全部を感じる……♡ 私、いま、先生と繋がってる……♡ 計算も、証明も、どうでもいい。ただ、気持ちいい……♡♡♡)
ノアはそっとユウカの額に手を置き、汗で張り付いた前髪を優しく撫でた。
「……痛くない?」
「……ちょっとだけ……でも、それより……あったかくて、うれしい……っ♡ ノアも、こうだったの……?」
「……うん。私のときは、ちょっと状況が違ったけど……でも、気持ちよかった。ちゃんと、記録してる」
「……そっか……っ♡ じゃあ、これも……記録、して……っ♡」
ぱんっ♡
「あっ♡」
ぱんっ♡ ぱんっ♡
「ああっ♡ ああっ♡ 動いてる……っ♡ 先生が、私のなかで動いてる……っ♡」
ぱんっぱんっぱんっ♡♡
「ああああっ♡ これ、これ気持ちいいっ♡ 先生、気持ちいいですっ♡ 数学でも真実でもなくて、ただ、気持ちいい……っ♡♡♡」
ぐちゅっ♡ ぐちゅぐちゅっ♡
ぬっぽっ♡ ぬっぽぬっぽっ♡
「おおっ♡ おおっ♡ 私の計算、全部、吹き飛んで……っ♡ 先生のことで、頭のなかがいっぱいで……っ♡♡♡」
ノアはユウカの手を握りながら、もう片方の手で自分の秘裂に触れていた。
さっきまで先生を受け入れていたそこは、ユウカの嬌声を聞くうちに、再び蜜を溢れさせ始めている。
「……ふふっ。ユウカちゃんの初めて、ちゃんと目に焼きつけました。これは、何度も見返したい記録です」
「ノ、ノア……っ♡ あんた、なに自分のこと、してるの……っ♡ ああっ♡♡」
ぐりゅっ ♡ ぐりゅぐりゅっ ♡
「あ゛っ♡ そこ……っ♡ 子宮の、入り口……っ♡ 私の一番奥、先生にノックされてる……っ♡」
──……ユウカ。イけ。
「は、はい……っ♡ イきますっ♡ 先生、イきますぅっ♡♡♡」
じゅくじゅくじゅくじゅくっ♡♡♡♡
「イ゛ぐぅぅぅぅ~~~~っっ♡♡♡♡」
ぶしゃあああっ♡♡♡
「お゛っ♡♡♡ 潮……っ♡ 潮ふいちゃいました……っ♡ 初めてなのに、潮吹きなんて、想定外です……っ♡♡♡」
どっっっっぴゅううううううううっ ♡ ♡ ♡
「あ゛あ゛あ゛あ゛っ♡♡♡♡ きてる……っ♡ 先生の、熱いの……っ♡ 子宮のなかで、どくどく溢れてる……っ♡♡♡」
どびゅっ ♡ どびゅるるっ ♡
どっぷっ♡ どっぷっぷっ♡♡♡
「んほぉ……っ♡ これが……膣内射精……♡ ノアも、さっきこうされたんだ……っ♡ わかる、すごくわかる……っ♡ 先生にナカ出しされて、子宮があったかくなって……っ♡ こんなの、もう……っ♡♡♡」
「……ふふっ。ユウカちゃん、仲間ですね。これで私たち、先生にナカ出しされた同士です」
「な、なに言って……っ♡ でも……うん、そうかも……っ♡」
ユウカはぐったりとしながらも、ノアと手を繋いだまま、ほろりと涙をこぼした。
「……ノア。あんたが媚薬なんて使ったこと、まだ完全には許してないからね」
「……うん」
「でも……あんたのおかげで、私、先生に想いを伝えられた。先生と、こんなふうになれた。だから──ありがとう」
「ユウカちゃん……っ」
ノアの目から、再び涙がこぼれた。それはもう、さっきの後悔の涙ではなく、溢れるような歓びの涙だった。
「……私も、ありがとう。ユウカちゃんが許してくれて……一緒にいてくれて……。私は、本当に幸せです」
「…… 」
ぶくんっ ♡
「……あら」
ノアとユウカの視線が、同時に先生の下半身に向けられる。
そこには、ついさっき射精したばかりなのに、まったく萎える気配を見せず、むしろさらに力強くそそり立つ肉棒があった。
「……ふふっ。先生、まだ終わっていないみたいですね」
「せ、先生……っ♡ もしかして、まだ……っ♡?」
──……ノア。ユウカ。二人とも、まだだ。
「……っ♡♡」
「ふふっ。では、今度は私が。ユウカちゃん、見てて。先生の気持ちいいところ、ちゃんと記録しておいてね」
「な、なに言って……っ♡ というかノア、あんた、本当はこんなに積極的なキャラだったの……っ?」
「あら。私はただ、記録したいだけですよ。……先生とユウカちゃんが、どんなふうに気持ちよくなるのかを。ふふっ」
ノアはユウカにウインクすると、今度は自ら先生の前に四つん這いになり、その豊かな尻を突き出した。
「先生。今度は後ろから、お願いします。ユウカちゃんの前で、思い切り……記録に残るようなのを、お願いしますね……♡」
「ノア、あんた……っ♡ もう、そういうの、恥ずかしすぎる……っ」
「ユウカちゃんも、すぐ慣れるよ。ふふっ」
ずっぷぅぅぅ~~~~~っっ♡♡♡
「ああああっ♡♡♡ 後ろから、奥に……っ♡ さっきより深い……っ♡」
「……っ♡ ノアの、そんな顔……初めて見た……っ♡」
「ユウカ、ちゃん……っ♡ 見てて……っ♡ これが、先生と、私の……っ♡ ああっ♡♡」
ぱんっぱんっぱんっぱんっ ♡ ♡
「お゛っ♡ お゛んっ♡ せんせ……っ♡ さっきより、激しい……っ♡ ユウカちゃんの前だから……っ♡ 先生、張り切ってる……っ♡♡♡」
そして──その日から、三人の関係は始まった。
最初は、週に一度。
シャーレの執務室で、三人だけの秘密の時間。
ノアが「記録」と称してカメラを構えることもあったが、結局それどころではなくなり、毎回、先生が二人を順番に、あるいは同時に愛するようになる。
ユウカは初めての後、しばらくは歩くたびに疼く身体に戸惑い、数学の授業中にも子宮がきゅん♡と疼いては「うえぇっ……なんで今、先生のこと考えちゃうの……っ」と机に突っ伏す日々が続いた。
ノアはノアで、今までペンと紙だけが友だった日々が嘘のように、先生とユウカのことを想っては秘裂を濡らし、「……記録だけでは足りない。もっと直接、刻みたい」と独白するようになる。
そして、三日に一度のペースになり──。
「ふふっ、ユウカちゃん。今日の予定はもう確認した? 先生、午後から空いてるみたい」
「な、なんでノアがそんな情報を先に……っ。というか、今日はまだ火曜日だよ!? 前回から、まだ二日しか経ってないし……」
「あら。二日も経ってる。そうは思わない?」
次第に、間隔は短くなっていった。
二日に一度。そして、ほぼ毎日。
シャーレの執務室、セミナーの休憩室、果てはミレニアムの空き教室や屋上まで、三人は場所を選ばなくなっていく。
先生が書類にサインをしている最中に、ユウカが机の下に潜り込んで、こっそりとフェラを始めることもあった。
「せ、先生……っ♡ はむっ……♡ ちゅぱっ……♡ じゅるる……っ♡ ……お仕事、続けてて、ください……っ♡ 私は私で、先生の……お手入れ、してますから……っ♡」
「……ユウカ。進捗は」
「じゅぽっ♡ ん……っ♡ いま、亀頭のところ、重点的に……っ♡ んぐっ♡ ……あと、数分で、排液できると、思います……っ♡」
「……わかった。私はコーヒーでも淹れてる。ふふっ。ユウカちゃん、喉、乾いたら言ってね」
ノアは涼しい顔でコーヒーを淹れながら、机の下で先生の肉棒にしゃぶりつくユウカの姿を微笑ましく見つめている。これが、今の三人の日常だった。
ある日の午後。
シャーレの廊下で、別の生徒とすれ違った直後。
「……っ♡ せ、先生、ちょっと……っ」
ユウカは先生の袖をくいっと引き、誰もいない給湯室の物陰に二人で滑り込んだ。
「……どうした、ユウカ」
「……我慢、できない……っ♡ さっき廊下ですれ違った時、先生の匂いがして……それだけで、もう……っ」
ユウカは自分からスカートをたくし上げ、すでにびしょびしょに濡れた下着をずらす。
「……5分だけ。5分だけでいいから……っ♡ 先生、お願い……っ♡」
「……ユウカ。お前、最近、かなり積極的になったな」
「う、うるさい……っ♡ これは、その……合理的判断で……っ♡ 我慢して業務効率が落ちるより、さっさと処理したほうが、結果的に黒字なんです……っ♡」
「……理屈になってないが」
「いいから、早く……っ♡ 誰か来る前に……っ♡」
ずっぷぅぅ~~~っっ♡♡
「お゛っ……♡ んんんっ……っ♡(声、出しちゃダメ、誰か来る……っ♡)」
ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぱんっぱんっ♡
給湯室の小さな空間に、肉のぶつかる小刻みな音と、必死に押し殺したユウカの嬌声がこだまする。
「(あああっ♡ こんな、誰が来てもおかしくない場所で……っ♡ でも、止められない……っ♡ 先生、もっと、もっと奥……っ♡)」
「ユウカちゃん、先生。コーヒーのおかわり──あら」
ひょっこり。
給湯室の入り口に現れたノアが、状況を一瞥し、それからにっこりと微笑んだ。
「……ふふっ。見張りは任せて。いい記録が取れそう」
「ノ、ノア……っ♡ あんた、なんでそう冷静なの……っ♡ あああっ♡♡」
「だって私は書記だから。それに……ユウカちゃんのそんな顔、レアだから、ちゃんと目に焼きつけておきたいの」
「も、もう……っ♡ あとで覚えてなさい……っ♡ お゛っ♡♡♡」
別の日。セミナーの会議中。
「──以上が、今月の予算案です。何か質問はありますか」
ユウカが淡々とプレゼンを進める中、机の下では、ノアが先生の股間に手を伸ばしていた。
……しゅるっ……♡
(……ノア、お前、なにを)
(ふふっ。先生、お静かに。会議中ですよ? 私はただ、記録のついでに、先生の反応を観察してるだけです)
にぎっ……♡ にぎにぎっ……♡
(……っ♡)
「……ユウカさん? 顔が赤いようですけど、大丈夫ですか?」
別の生徒に声をかけられ、ユウカは「うえぇっ!? だ、大丈夫です、問題ありません!」と慌てて取り繕う。しかし彼女は知っている。机の下で何が起こっているかを、完全に見抜いていた。
(ノアのやつ……っ♡ よりによって会議中に……っ♡ あとで絶対、説教だから……っ♡)
(ふふっ。ユウカちゃん、顔が真っ赤。それも可愛い記録です)
(笑い事じゃない……っ♡ ああもう、資料の数字が全部飛んでいく……っ♡♡)
「──ユウカさん、今月の黒字幅の算出、もう一度お願いできますか」
「は、はい……っ♡ ええと、こ、これは……っ♡ ……すみません、ちょっと計算を、取り直します……っ♡」
そして──。
もはや、三人の歯止めは完全に効かなくなっていた。
朝のホームルーム前の廊下の隅で。昼休みの屋上の給水塔の陰で。放課後の誰もいない教室で。深夜のシャーレのバルコニーで。
ノアが「……今日の記録、何回までいけるかな」と悪戯っぽく微笑めば、ユウカは「……もう、計算なんて意味ない。でも、そういうの、嫌いじゃない」と答え、先生は黙って二人を抱き寄せる。
三人が揃えば、そこがどこであろうと、彼らの愛の巣になった。
ある夜。シャーレの屋上。
満天の星空の下、裸の三人が一つの毛布に包まっていた。
ついさっきまで、代わる代わるに先生を受け入れていた二人は、ぐったりと先生の胸に凭れかかり、穏やかな余韻に浸っている。
「……ふふっ。星が綺麗。今日のことは、特別な記録にしておこう」
「……計算したら、今週だけで何回したと思う? ……やっぱり、やめておく。数字にしたら、正気を保てなくなりそう」
「あら。ユウカちゃん、計算しないの? 珍しい」
「……だって、合理的に考えて、こんなの完全に異常だもん。週に何回も、場所も時間も問わず、二人同時とか……普通じゃない」
「でも、嫌じゃないんでしょう?」
「……うん。嫌じゃない。むしろ……もっと、欲しい。こんなの、もう完全に、計算不能」
ノアはそっとユウカの手を握り、先生の胸に顔を埋めた。
「……私も。先生もユウカちゃんも、もっともっと欲しい。記録じゃ足りない。直接、刻みたい。身体の奥に、心の一番深いところに」
「…… 」
先生の腕が、二人の肩を抱く力が、少し強くなる。
──……ノア。ユウカ。私は、お前たち二人を、手放せなくなってる。
「……知ってます」「知ってる」
二人の返事が、また重なった。
「でも先生。私もノアも、同じだから。先生を手放すなんて、もう計算に入ってない。……ね、ノア」
「ええ。むしろ、この関係をどう記録に残すか、それが今の私の一番の悩みです。ふふっ」
「…… 」
ぶくんっ ♡
「……あら。先生、また」
「せ、先生、さすがにこれ以上は……っ♡」
──……まだ、足りない。
「……っ♡♡♡」
先生は二人を同時に抱き寄せ、毛布を跳ね除け、再びその身を重ねていく。
「んっ……♡ せんせ……っ♡」
「ああ……っ♡ 何度されても、慣れない……っ♡」
満天の星の下、三人の影が重なり合い、理性も計算も記録もかなぐり捨てた、ただ本能だけの交わりが、夜明けまで続いた。
……そして朝。
「……ユウカちゃん。おはよう」
「……おはよう、ノア。……身体、痛い」
「ふふっ。私も。でも、不思議と嫌じゃない」
「……うん。私も」
ユウカは空を見上げ、それから、隣でまだ眠る先生の顔を見つめながら、ぽつりと言った。
「……ノア。私たち、きっと、とんでもないことをしてる」
「そうだね」
「でも──」
ユウカはノアの手を握り返し、ほんの少しだけ照れくさそうに微笑んだ。
「この方程式、解けなくてもいいや。だって、先生とノアと一緒なら、間違ってても、正解な気がする」
「……ふふっ。ユウカちゃん、それは反則。そんなこと言われたら、また泣いちゃう」
「いいよ、泣いても。今は、私がノアの記録係だし」
差し込む朝日が、三人の裸身を優しく照らし出す。
理性も、計算も、記録も、すべてを手放した先に──三人は、確かな幸福を見つけていた。
窓の外では、キヴォトスの新しい一日が静かに始まろうとしている。
しかし、この部屋の中だけは、まだ夜の余韻と、三人分の愛情が、とろとろと溶け合って、いつまでも醒めない夢のように漂っていた。