2-2
翌日、狙われたのはカァヤだった。
彼女が帰宅する前にカァヤの自室に潜り込んだ芹田は、カァヤの部屋を存分に漁り回る。
(エロ下着とかは無いか)
昨日のサナリの一件から、卑猥な下着の一枚でもないかと探すが、そういった物は持っていないらしい。
もっとも、カァヤの生下着というだけで芹田にとっては充分だ。彼女の見た目のイメージ通りに整った室内、クローゼットの中にはブラジャーとショーツが几帳面に畳まれており、立ち並ぶ淡色の下着は繊細なグラデーションを描いている。
(サラサラでツルツルだな)
クローゼットの中を隅々まで撮影し、カァヤの下着を慎重に引っ張り出す。
サテンのような、なめらかで光沢を帯びた布地だ。白一色の下着だが素材のおかげか子どもっぽさは薄く、フチにある金糸の縫い取りのおかげで気品高さすら感じられる。
同じデザインのショーツをひっくり返してクロッチの内側を見るも、ショーツは新品かと思うほど綺麗なもの。しかしあの御田カァヤの下半身を守った布地を前にして芹田は昂奮が収まらず、下着の上下やクロッチにまでカメラを向ける。
(ヤバいな、このままここでシコるか?)
そんな考えが頭によぎった時、不意にドアが開く。
「!!」
慌てて下着を戻し、壁に張りついてオボロの力で一体化。
芹田が隠れている部屋に戻ってきたカァヤは、侵入者の存在にも気付いていない様子だ。
「……少し食べすぎちゃった」
オボロ・ダストの面々で食事に行っていたらしく、罪悪感と満足感が入り混じった表情で呟くカァヤ。
確かに、学生が帰ってくるには遅めの時間だ。カァヤもそう分かっているのか、荷物を置くとすぐにクローゼットを開ける。
(やべ、バレるか……!?)
クローゼットの真横の壁と一体化する芹田はすぐそば。
しかも、クローゼットの中の下着が入った引き出しは先ほどまで好き勝手に漁っていたのだ――気付かれないかと緊張する芹田をよそに、カァヤは着替えを手に取って脱衣室へ向かう。
奇しくも、カァヤが手に取ったのは先ほどまで芹田が触っていた下着のセット。
品のある白の上下をカァヤが着るのだと思うとたまらない気分で、芹田は彼女の後を追う。
「……ん……」
しゅるりと衣擦れの音がして、カァヤの脚から黒ストッキングが脱げる。
現れた華奢な脚に見惚れる芹田の目の前、今度は制服に手をかける――白いセーラー服を脱げば、カァヤは美しい下着姿だ。
(き、綺麗だ……)
窃視犯の目には眩しすぎるほど清らかな姿だった。
日焼けのないきめ細かな素肌に寄り添うブラジャーとショーツはフリルが愛らしい白色。胸の谷間を飾るように琥珀のようなチャームが揺れるブラジャーには、同じ色のリボンがついたショーツがセットらしい。
「……」
芹田の熱視線を浴びながら、まずはブラジャーに手をかけるカァヤ。
(!)
軽く揺れながらあらわになった乳房は、均整の取れた美乳だ。
昨日見たサナリと比べれば、胸も尻も大きさは控えめ。しかし華奢な体つきには実によくマッチしており、精巧な人形を連想させる。
(すっげえ綺麗なピンクだ……)
さらに、乳首は可憐と言うほかないピンク色。
一点のくすみもない愛らしいピンク色の乳首だった。元の肌の色が薄いせいで、乳輪と素肌の境界線は曖昧だ。下着といい身体つきといい清楚そのもので、芹田はゲスな考えが止まらない。
(ぜったい処女だろうな、オナニーもしたことないんじゃないか?)
卑猥なことを考える芹田の目の前、カァヤは乳を揺らしながらショーツに手をかける。
(お……!)
現れた陰毛は細い猫っ毛。
整えたり剃毛したりはしていないようだが、元から必要ないほど薄いのだろう。長めの毛は髪と同じ直毛で、肉の薄い恥丘にぺったりと張りついて見える。
(マンスジも見えてるな)
見事な一本筋の奥に何があるかは何も見えない。
代わりに視線はすぐ下――今まさに太ももから下がろうとしているショーツに向けられて。
(お……!)
ショーツの内側に、ほのかな水気がついているのを認めた。
(ん? クローゼットの中のは全部綺麗だったよな?)
クロッチの内側には薄いシミと、おりものらしい白いものがわずかに張り付いている。
特別汚れているわけではないが、クローゼットの中にあった新品と変わらないショーツと比べるとギャップが大きい。
ほのかな違和感に眉を寄せる芹田の目の前、カァヤも自分のショーツを見下ろして眉を寄せ。
「もう……」
溜息をつくと、脱衣室に備えられた洗面台でショーツを洗い始める。
洗面台に視線を向けると、化粧水の横には小さな洗剤が置かれている。見覚えのない女性らしいデザインに目を凝らせば、パッケージには『ランジェリーソープ』の文字があった。
(なるほど、こうやって洗ってるってわけか)
ショーツのクロッチにたっぷり洗剤を染み込ませ、水を流しながら揉み洗いするカァヤを見て合点がいく。
おそらく、カァヤは毎日こうやってショーツを手洗いして下着を新品同様に保っているのだろう。そう考えると、真新しく見えたショーツはカァヤの日々のメンテナンスの賜物だったのだろう。
(ケツも乳も揺れてるし……たまんねえな)
洗面台でショーツを洗うカァヤの背後から、たっぷりと尻を眺め回す。
ヒップは肉が薄いが、小ぶりで丸みを帯びた尻はいくら見ても飽きない可愛らしさだ。一抱えにできそうな小ぶりなヒップを見ていると猛烈に触りたくなってくるが、迷っているうちにカァヤはショーツを洗い終えてしまった。
(やっと風呂か)
カァヤの後ろについて浴室に滑り込む。
浴槽の中は空で、今日はシャワーだけで済ませるらしい。サアっと音を立てて流れ出す水流を頭から浴びると、素肌はテカテカと淫らな輝きを帯びはじめる。
(たまんねえな)
瑞々しい肌が水を弾く。
湯けむりが立ち込めるが、至近距離にいる芹田からはきわどいところが全て丸見え。胸の稜線に従って転がる水流がくびれに沿い、陰毛に水を含ませながら床に落ちる――もはや芸術的ですらある水の流れに見惚れる芹田の前で、カァヤはシャンプーを手に取る。
「……」
シャワーを止め、髪を洗い出すカァヤ。
浴室にある椅子に腰掛けるカァヤは、気付かないうちに芹田と向き合う形。カァヤが目を閉じて丁寧に髪を洗っているのを良いことに芹田はにじり寄り、間近でカァヤの身体を眺め回す。
(おっぱい揺れてんな)
芹田の顔のすぐそば、カァヤが頭を動かすたびにバストがふるふる揺れる。
シャワーの湯を受けてしっとりと濡れた乳房が左右に揺れるたび、きめ細かな膚の上で水滴が散る。水滴は時おり滑り落ちてはピンク色の愛らしい乳首の上を転がるが、水の粒の刺激を受けても乳首は勃起する気配すらない。
(まだ感度も育ってないのか? オナニーもしたことない処女ならそんなもんか)
いかにも柔らかそうな乳首をじっと見ながら、何度も携帯電話のシャッターを切る。
シャンプーの泡が纏め上げた髪から落ちて、カァヤの裸身に落ちる。小さな泡のひと掬いが鎖骨から乳房の先に伝うと、極小の乳首は覆い隠されてしまう。
(あ、くそ……! 見えなくなった!)
悔しさに歯噛みする芹田。
白い泡をまぶしたバストもそれはそれでエロティックだが、この美少女の乳首を眺め回すことに無上の喜びを覚えていた芹田からすれば物足りない。
頭皮を揉むようにシャンプーをするカァヤの動きは小さく、乳房の揺れも控えめだ。バストはわずかに揺れているものの乳首を隠す泡が落ちる気配はなく、それが芹田をもどかしくさせる。
(シャンプーが終われば流すだろうけど……待てねえよ……!)
淫欲に支配された芹田は、怒りにも似た情欲がこみ上げて仕方ない。
オボロの力を得たせいで欲望は膨れ上がる一方。隠れた乳首を見たい欲望は収まらず、芹田はカァヤに向けて手を伸ばす。
「ん……」
ちょうどその時、カァヤはシャンプーの泡を洗い流すところ。
シャワーの水流がざあっと音を立て、カァヤの頭上から降りかかる――あと一秒待てば乳首を隠す泡は取れたのに、一瞬も待てない芹田はカァヤの乳を真正面から掴む。
「ぁ……っ!?」
驚きの声を上げるカァヤ。
彼女からすれば、シャワーのお湯を出した瞬間、胸に変な感覚があったのだ。
「な、何……え……っ?」
慌ててシャワーを止めるも、芹田の手はカァヤの胸をがっちり掴んだまま。
「うお……」
カァヤの乳の感触に思わず声まで漏らしてしまう。
見た目通りの繊細な素肌が芹田の手に食い込む。指の又のすぐ上には泡が落ちたピンク乳首まで覗いて、芹田は夢のような気分だ。
「っ今の音……?」
だが、怯えきったカァヤの声に現実に引き戻される。
(いや、冷静に考えてヤバいな、やりすぎた……!)
覗き見と盗撮だけのつもりが、カァヤの身体を触ってしまったのだ。
昨日、サナリのショーツを脱がせて尻を触ったのとは訳が違う。真正面から乳を掴んでしまった芹田の方こそ動揺して、すぐに手を離すとその場に立ち上がる。
(逃げるぞ!)
幸い、カァヤはまだ目を閉じている。
半端に流れたシャンプーの泡がカァヤの端正な顔を汚している。白い泡まみれになった顔は官能美に満ちていて、暴れる熱に従って芹田はカァヤの乳首をつまんでから立ち上がる。
「……っ!? な、何……何……?」
カァヤの混乱は深まるばかり。
シャワーのお湯を出してすぐに胸に掴まれるような感触が走り、乳首にまで何かされたのだ。
何が起きているのか見て確かめようにも、目元を流れるシャンプーの泡が目に染みる。薄目を開けるしかないカァヤの滲んだ視界では、浴室と一体化した芹田の姿は見つけられない。
「何が――」
それでも異常事態に向き合おうと、カァヤは手を伸ばし。
「――!?」
動揺も手伝ってつんのめり、風呂椅子から転げ落ちてしまう。
(うわ!!)
浴室から逃げようとしていた芹田は思わず振り返り、最後にもう一度カァヤを見下ろす。
椅子から転げ落ちたカァヤは濡れた床に尻を打ち付けた不格好な仰向けで倒れている。
さっと全身にシャワーがかかり、裸身に残る泡は残らず排水口へ。隠すところがひとつもない裸体を見下ろせば、座っている間は見えなかった秘裂も丸見えだ。
(――!!)
振り向きざま、視界に入った淫裂が目に焼き付く。
見ていた時間は一秒ほどなのに芹田には永遠のよう。白い肌に走る一本の線はシャワーで血行が良くなったからか唇と同じ目を引く薄紅色に色づいて、ひと目で膣粘膜の色まで分かる気がしてしまう。
(クリ、見えなかったな……)
浴室のドアを開け、カァヤの部屋から走って逃げながらも、芹田はそんなことばかり考えてしまう。
(おっぱい柔らかくてすげぇ……もっとマンコ見たかったな、ケツももっと――)
帰宅し、盗撮画像を整理しながらも欲望を膨らませる芹田。
昨日と同じように帰宅するなりカァヤの盗撮画像を眺め回す。几帳面なクローゼットの中身から服を脱ぐ瞬間の姿、そして入浴中のショットまでいくつもの画像を見るたびに窃視の喜びがこみ上げて、芹田は寝る寸前までペニスを握りしめていた。
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――自分がしでかしたことの大きさに気付くには一晩必要だった。
(てか、普通にバレてたよな……!?)
去り際、カァヤは浴室に何者かがいたことには気付いていただろう。
目に見えない何かに身体を触られたのだ、彼女ならばあの異常事態がオボロの仕業だと気付くのも時間の問題だろう。
(やべえよな……)
オボロ憑きになる前からの余罪は無数にあるのだ、彼女たちにダストされてしまえば、芹田は警察のお世話になるのは間違いない。
あるいは、逮捕される以前にオボロ憑きとして銃殺される可能性だってある――そう考えると恐ろしくてたまらないのに、股間は異常なほど力を持ってしまう。
「……今さら、止められるかよ」
携帯電話の中にあるお宝盗撮画像。
プライベート空間に忍び込む高揚。
手に残る、彼女たちの身体の感触。
その全てが、芹田を新たな獲物の場所へと向かわせた。