ヤンデレ魔族と没落貴族のヤバい生活♡~旦那様の体液が全部媚薬でごっくんしたらみんな狂ってイっちゃうんです~ 作:有のよいち
「おはよう、ラズ。よく眠れたかい?」
「はい。とっても」
ふんわりしてて、少し高めの旦那様の声。それがどれほど私を安心させてくれるか。また今日も聞けた「おはよう」。これから何回聞けるんだろう。
旦那様の声は他とは全然違う。耳が熱くなって、脳が蕩けそうになって、直接私の奥をじんじんさせるの。だから一声聞くだけで、いつもすぐに濡れてきちゃう。
このままの雰囲気で、また朝のご奉仕ができるかなって思ってたんだけど——。
「すっかりお腹がすいてしまったよ。食堂で何か食べない?」
すぐに返事をしたけれど、私は旦那様の体液さえあれば食事は十分。旦那様と出会ってから何度か人間の食べ物を食べたけれど、本来サキュバスには必要がないし、それほど美味しいとは思ってない。
だって、旦那様の唾液はほんのり甘い花の蜜の味で、汗は高山から流れてきた爽やかな清水みたいなの。精液なんてもう、トロトロしてて濃厚で、どびっきり極上の味なんだもん。
だめ、考え出したらおしゃぶりしたくなっちゃうよぉ。
「ラズ?」
「あ、すみません。何でしょうか」
「どれ食べてみたい?」
メニューを差し出しておすすめの料理を教えてくださる旦那様。どれも美味しそうに見えるけど、正直言うと私にはよく分からない。
「えっと……甘いものって、どれが人気なんですか?」
適当に返してしまったけれど、旦那様は私のために真剣に悩んでくれてる。犬耳族のウェイトレスに声をかけて、あれこれ聞いてくださって。
「この時期はチェリーのパフェが人気ですが、サキュバスのお客様にはこちらの
「じゃあ、彼女にはそれを。それから、合鴨ローストの朝食セットをください」
「かしこまりました」
このお宿、サキュバスのお客さんが普通に来てるんだ。確かにこのサドラの街って、多種族国家【ノルフィン】の目と鼻の先にあるし、結婚前はよく旅をしてたっていうお父様とお母様も立ち寄ったことがあるって言ってたし。
実は、この辺りの地域はサキュバスやバンパイアも旅しやすいって、お母様が話してたのを覚えていたんだけどね。でも、食事の味はどうなんだろう。旦那様のお味を知ってしまった今の私には、どれも味気ないものに感じてしまいそうだけど。
でも、旦那様といっしょにお食事できるなら、幸せな味に感じるかもしれないし。
どんな料理だろうね、なんて会話をしていたら、思っているより早く料理が運ばれて来た。
「お待たせいたしました」
ウェイトレスは私のケーキセットから先に並べた。旦那様を優先して欲しかったけど。
「クリームが溶けやすいので、お早めにお召し上がりください」
そういうことなら仕方ないな。でも旦那様の料理もてきぱきと並べられて、いっしょに「いただきます」が言えたし、まあいいけどね。期待はそれほどしてなかったけど、ひと口食べてみたら——。
「これ……美味しいです」
「それは良かった」
何て言うか、かすかに
でもこれ、アリかもしれない♡
スポンジには蜜が染みてしっとりしていて、クリームといっしょに口に運ぶと思わず舌で包み込みたくなる。
「美味しそうに食べるね。気に入ったの?」
「はい♡ これ、好きです♡」
ちょっと意味は違うけど、サキュバスに好まれてるって話、すごく良く分かるな。旦那様を見つめながら食べたりしちゃって、目が合ったら、興奮してきちゃって——。
お母様から教わっていたことを思い出した。サキュバスと人間の食事は根本的に違うものだけど、欲を満たすと言う意味では同じものなんだって。初めて聞いたときはよく分からなかったけど。
好きなものを思い浮かべながらの食事って、何だかえっちな感じ。
——好きな、もの?
(そういえば、私にとって旦那様は……
「ラズ、どうしたの? ぼーっとしたりして」
「あ、あの……なんでもないです」
旦那様の顔を見た瞬間、私ったら顔を反らしてしまった。何だか顔が熱い。旦那様の顔を見たいのに、見られない。なに、これ。どうしちゃたの、私——。
焦ってたら、変なことを言い出してしまった。
「これ、旦那様も食べてみませんか?」
旦那様に似た味だって夢中になっていたケーキを、クリームをたっぷりつけてスプーンで掬った。それを私、大胆にも旦那様のお口に運ぼうとしてしまって。
「旦那様、あ~ん♡」
私のバカ。目を合わせもしないで食べ物を突き出すなんて、失礼にもほどがあるよね。気を悪くしないかなって心配したけど、旦那様はにっこり笑って「あ~ん」って口を大きく開けてくれて。
これ、なんだか変な感じ♡